Effects of a thinning regime on stand growth in plantation forests using an architectural stand growth model by Yukihiro Chiba 佐野 友紀 (B3) •森林施業支援システムー多様な森林を誘導するための育林診断ー 千葉幸弘 Introduction • 森林はC固定に貢献している。 • そのC固定や森林管理も含めた人間活動、世界的 な環境変化などの効果を評価するために森林成長 のシミュレーションが必要。 • この論文では、さまざまな間伐が行われた一斉人工 林の樹木の成長過程をシミュレーションしている。 • このモデルは、間伐によって樹冠形が影響を受けた 木の成長に基づいている。 • この研究の目的は、さまざまな間伐(強度・頻度)の 効果を考慮した森林の成長を予測することである。 Data used • 安藤らは、4つのスギ人工林(吉野、西川、飫 肥、福島県の国有林)で立木密度とバイオマ スの関係を調査していた。 • 彼らはその中で間伐前後の樹木サイズと密 度のデータを提供している。 • このデータがここではスギ人工林の一般的な 間伐を特徴付けるものとして使われた。 Model descriptionCrown form 立木密度は、1個体当たりの成長するのに 利用可能なスペースを決めるので、平均 樹冠直径は、下の逆数式で表される。 ただし、ここでの樹冠形は針葉樹で定義される。 1/CW=A/CD+1/Cmax ・・・(1) CW:樹冠幅 CD:樹冠長 A:樹幹の頂点の角度を表す定数 Cmax:樹冠直径の最大値 立木密度に依存 樹冠深度と樹冠直径の関係(針葉樹の場合) Tree height growth 樹高は、土壌の水分状況や栄養を含む、森林 立地の環境に強く影響を受ける。また、立木密度 は樹高成長にはあまり影響されないと考えられて いる。ここでは、スギ人工林の樹高成長は、立木 密度を考慮せず、さまざまな林分で測ったデータ から立てられた下の式で近似された。 H=Hmax(1-exp(-aH/Hmax xA)) ・・・(2) Hmax:その林分の最大樹高 xA:樹齢 aH:最初の樹高成長量(m yr-1) Stem form 樹幹形は、上部と下部それぞれを表す指数関数 の2つの漸近線をもつ双曲線の関数によって近似 される。 1/S(z)=1/S0exp(z/α)+1/S(zB)exp((z-zB)/β) ・・・(3) z:樹幹の頂点からの距離 zB:樹冠長 S(z):zmでの樹幹密度(gm-1) S0:最大樹幹密度 α,β:それぞれ個体ごとの定数 α:top taper length β:specific stress length • (3)式の定数のうち、S0とαは木のサイズに 関 係がなく、S(zB)とβは樹冠長に基づいた相対 成長の関数で近似されている。 樹幹形は樹冠長の影響を大きく受ける。 さらに言えば、平均樹冠長は立木密度の 相関的要素であるので、その木の利用可能 な成長スペースによって樹幹形は決まる。 Tree weight 葉と枝は樹冠に制限されているので、樹冠 は1個体ごとの葉や枝の重量を見積もるのに 使われる。 w=aCDb ・・・(4) a,b:定数 CD:樹冠長 w:葉枝重量 1個体単位の幹重量は次の式で表される。 ws=g(D2H)h ・・・(5) ws:幹重量 D:胸高直径 H:樹高 g,h:定数 Thinning effects on a tree crown • 植林直後・・・林冠は開いているので枝下 高は、ほぼ0である。 • 林冠閉鎖後・・・下のほうの枝がだんだん 枯れて落下する。 樹高が上がるにつれて枝下高も上がる。 間伐しないと樹冠長は一定に保つ。 間伐をすると・・・ 林冠が開き、再び閉鎖するまでは枝下高は 変わらない。 1/CW=A/CD+1/Cmax 林冠再閉鎖後は、また樹高成長とともに 枝下高も伸びていく。 まとめると、 • 樹冠長は間伐ごとに大きくなる。 • 樹冠長は閉鎖林冠での樹冠幅による。(1)式 • 平均樹冠幅は立木密度による。 Results and discussion Typical thinning regime in sugi plantation in Japan • 一般材の生産を目的とするスギ人工林(国有林など) では、2500~4000本/haで植えられる。 • その後、3,4回間伐され、最終的に約700/haになる。 • 間伐は40年以内に完了して約60年で収穫。 日本での一般的なパターン • 一方、民間の森林労働者は10000/ha以上の密集 植林をして、最終収穫までに適切なサイズのものから 収穫するため、たびたび間伐をする。 表-1 国有林と吉野林業のスギ人工林における 間伐状況 Tree size development 樹冠長 林冠閉鎖 間伐 図-2.林齢と樹高の関係に関する間伐影響のモデル Biomass growth • 以上の成長シミュレーションをつかうと、葉枝 重量が式(4)で、幹重量が式(5)で推定でき る。 w=aCDb ・・・(4) a,b:定数 CD:樹冠長 w:葉枝重量 ws=g(D2H)h ・・・(5) ws:幹重量 D:胸高直径 H:樹高 g,h:定数 図-4.典型的な間伐方法を適用した人工林の現存量のシミュレーション 直線はシミュレーション結果、 Ws:幹の現存量、WB:枝の現存量、WL:葉の現存量、 C固定の評価 • 密度の高い林分・・・ 初期段階では多くのC固定をするが、林冠 閉鎖後は急速に低下する。また、風倒や 雪害に遭いやすい。 国有林のような模式的な管理をされた 人工林がもっとも効果的な安定した環境と なり、C固定能力は高くなると考えられる。
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