制約理論による新たなアプローチ TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 1 TOCの歴史 • • • • • • イスラエル物理学者 Eliyahu Goldrattが開発 1970年後半、OPTと名づけた生産管理ソフトを発売 1984年、小説「The Goal」を出版 1986年、TOC普及のためAGIを設立。 1980年代後半より「思考プロセス」の開発に着手。 1994年、小説「It’s Not Luck」を出版、思考プロセスの 全容を公開 • 1995年、APICSにConstraints Management SIG 発足 • 1997年、クリティカル・チェーンを発表 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 2 実施例:ハリス・セミコンダクター 半導体工場の建設: 今までは29ヶ月 11ヶ月で達成 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 3 実施例:Seagate Technology *業界初の 15,000 回転 HD,チータの開発 に応用 *予定より5週間前倒しで製造開始 *後続コンペチターは脱落 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 4 実施例:Habitat Group 家一軒を何時間で建てられるか *今までの記録:4時間45分 CCPMでの今回の記録 *人数は半分で 3時間45分 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 5 プロジェクトの問題点 • 納期通りに終わらない • 予算をオーバする • 終わりがはっきりしない • 、、、、、 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 6 なぜプロジェクトってうまく行かないの * 予期せぬことが起こる * プロジェクトに関する複雑性のため 遅れを予期できない * 優先順位がころころかわる * 納期がもともと現実的でない * 目的が曖昧 * 人員が足りない * 予算が足りない TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 7 プロジェクトの不確定性 • 完了時間の不確実性:やってみなきゃわ からない • 技術的課題達成の不確実性:ほんとにできるの? どう やってやるの? • 予算(費用)の不確実性 プロジェクトの2の3乗の法則 2倍の期間、2倍の費用がかかり成果は半分 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 8 納期を見積るとき *悲観的な経験で決められる *管理層が増えると安全係数が増える *一律カット対策 *掛け持ち業務を考慮する *80~90%の達成確率で見積もる *仕事単位に見積もる *予定通り終了するように管理される ―> 確実に終わる納期で見積もる TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 9 繰返し業務の時間分布 50% 90% 所要時間 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 10 非繰返し業務の時間分布 頻 度 所要時間 50% TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 90% 11 50% 3週間の仕事を 6週間はかか ると見積もり 掛持ち仕事がある ので10週間かかる と計画する 90% 3週間 6週間 10週間 計画を立てる時の時間見積 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 12 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 13 充分に余裕のある予定がさらに遅れる理由 1、 2、 3、 4、 5、 6、 学生症候群 早期終了は伝わらない リソースの競合 複数業務掛け持ち パーキンソンの法則 優先順位が曖昧 7、目的の設定が曖昧 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 14 仕 事 の 密 度 ま だ ま だ 時 間 が あ る な 開始可能時間 ぼ ち ぼ ち 始 め な い と 締め切り TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 15 早期終了が伝わらない • 予定より早く終わっても報告するメリットがない。 • 早く終わったことを報告すると、次回の納期が短くなる。 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 16 遅れだけが伝わる ‐3日 +3日 A B 3日の遅れ C 早期終了は 伝わらない A ‐3日 3日遅れ B C +3日 D +2日 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 17 掛け持ち業務と納期 タスクB 3日 3日 タスクC 3日 タスクA 1人で3つの仕 事を抱えた A こうしようかと思ったが B C こうせざるをえない A B C A 実際はこうなった A B C TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights B A C B C 18 従来の計画の立て方 4日:部 品加工 10日:設計 4 日: 設計 6日: 実験 8日:部品加工 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 4日: 組立 19 クリティカル・チェーン (1)仕事の時間見積り 平均時間(50%の確率で終了する)で見積もる (2) 開始時間を一番遅くする 5:設計 2:設計 3:実験 2:部品 加工 4:部品加工 2:組立 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 20 クリティカル・チェーン (3) リソースの競合を解消する (4) クリティカル・チェーン( 5:設計 2:設計 3:実験 ) を見つける 2:部品 加工 4:部品加工 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 2:組立 21 クリティカル・チェーン (5)プロジェクト・バッファーを入れる 5:設計 2:設 3:実験 4:部品 計 加工 2: 部品 2:組 立 6.5: PB プロジェクト・バッファー(PB) TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 22 クリティカル・チェーン (6)フィーディング・バッファーを入れる フィーディング・バッファー(FB) 5:設計 2:FB 2:設 3:実験 4:部品 計 加工 2: 部品 2:組 立 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 6.5: PB 23 比較 10:設計 4:設計 4:部品加工 6:実験 8:部品加工 4:組立 計画22日(実際は2の3乗の法則で44日で半分の達成) 5:設計 2:設計 3:実験 2:FB 2: 部品 4:部品加工 2:組立 6.5: PB 19.5日 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 24 バラツキの入れ方で違う納期(早期終了が伝わらない事を前提) A B 10日 σa:2日 C 15日 20日 σb:4日 σc:3日 バラツキをまとめた場合 σt=5.4 (10+20+15)=45 合計時間 95%の確率で終わる日程 45+5.4x1.65=54日 各タスクにバラツキを入れた場合(95%) (10+2x1.65) (20+4x1.65) (15+3x1.65) A;13.3日 B;26.6日 C;20日 完了日数 60日 完了確率 86% TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 25 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 26 仕事を進めるルール *クリティカル・チェーン(CC)の仕事は終了するま で、最優先で進める。 *non-CC の仕事は、 「仕事が来たら、すぐに、可能な限 り最短時間で処理する。」 *仕事が終了したら、直ちに次に渡す。 *non-CC の人は、CC の人を助ける。 *終了時期ではなく、あと何日かかるかをリポート。 TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 27 アップデート・変更・遅れ対策 フィーディング・バッファー、 プロジェクト・バッファーの管理 リソース・バッファーの管理 クリティカル・チェーン上で必要なリソースを予約 使用する前に何度か、使用可能である事を確認する TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 28 バッファー管理 特に何もしない 遅れの挽回策を取る 注意深く推移を見る TOC 制約理論のひろば Copyright 2002-2003, Toshio Sasaki All Rights 29
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