2009/06/10 STP セミナー 火星大気中の波動の波数空間内での分布 中村研 D3 大島 亮 • • • • イントロダクション データセットと解析手法 初期解析結果 まとめ • • • • イントロダクション データセットと解析手法 初期解析結果 まとめ Introduction of 火星 1 • 地球の隣りの惑星 • 平均気温 - 43℃ (230K) • 平均気圧 0.6 ~ 0.9 hPa • 二酸化炭素が 95% ※データ出典:Wikipedia MGS MOC Introduction of 火星 2 全て MGS MOC • 雲が出る • 砂嵐も起こる Introduction of 火星 3 MGS MOC • 前線もある(ように見える) Introduction of 火星 4 • 土の地面 • 竜巻も起こる Phoenix Mars Lander Mars Rover Spirit 問題意識 MGS MOC http://www.digital-typhoon.org/ • このような火星の大気現象は、どのような メカニズムで起きているのか? • それは地球と同じなのか、違うのか? 地球の場合 : 大気中の波動 1 暖 冷 暖 • 大気現象のメカニズムで 重要なものの一つに、波 動がある • 波動は東西方向に伝播し やすいので、ある緯度帯 に注目する • 気温の高低の並びを探す http://www.digital-typhoon.org/ • これが、波動が気温に現 れた例である 地球の場合 : 大気中の波動 2 暖 冷 暖 暖 冷 冷 暖 暖 冷 暖 http://www.digital-typhoon.org/ • 波動は東西波数(1周/波長)や周波数(速度/波長) で特徴付けられる • 数日以上のデータをまとめることで、東西波数 や周波数を求めれば、波動の特徴がわかる 地球の場合 : 分散関係の解析 赤道域でケルビン波が卓越している様子 京大の西様の大気圏シンポジウム(2008)の講演集より http://www.digital-typhoon.org/ • 内部重力波、ロスビー波、ケルビン波などの 様々な波動は、それぞれ異なる分散関係を持つ • 波数空間で分散関係を見ることで、どのような 波動が卓越しているのかがわかる 取り組むべき課題 火星全球でのジオポテンシャルの変化の様子 (TESのデータ解析より) 北極 緯 度 赤道 南極 経度 http://www.digital-typhoon.org/ • 地球大気では、波動の分散関係を調べ、卓越す る波動の種類を調べる手法が広く行われている • 同様の手法は火星大気ではまだ行われていない ので、取り組んでみる • • • • イントロダクション データセットと解析手法 初期解析結果 まとめ データセット • Mars Global Surveyor (MGS) – NASA / JPL – Nov. 1996 ~ Nov. 2006 – Instruments • • • • • Mars Orbiter Camera (MOC) Mars Orbiter Laser Altimeter (MOLA) Thermal Emission Spectrometer (TES) Magnetometer and Electron Reflectometer (MAG/ER) Ultra Stable Oscillator (USO/RS) • Thermal Emission Spectrometer (TES) – 分光計 (プリズムや回折格子と同じ役割の機器) – 放射輸送モデルを使うことで気温がわかる – NASA TES チームが公開している大気温度データ を用いて解析を行った – 1999 ~ 2006 年 (3火星年) のデータを使用 衛星の軌道とデータ点 • 極軌道衛星 – 軌道周期は 2 時間弱 – 火星の 1 日は 24 時間強 – 従って 1 火星日に 12 周ちょっと回る ある 1 日での昼側の軌道の様子 北極 緯 度 赤道 南極 経度 東西波数と周波数 概念 1 • ある緯度帯に注目し、 温度を取り出す 北極 緯 度 赤道 南極 経度 東西波数と周波数 概念 2 時間 • ある緯度帯に注目し、 温度を取り出す • 数日分を並べると、 波が止まっていたり 動いている様子が見 えてくる • この様子から東西波 緯 度 数と伝播速度を求め、 周波数を求める 北極 赤道 南極 経度 東西波数と周波数 概念 3 時間 • ある緯度帯に注目し、 温度を取り出す • 数日分を並べると、 波が止まっていたり 実際には2次元フーリエ変換を応用した 動いている様子が見 北極 Fast-Fourier Synoptic Mapping えてくる という方法で、波動を取り出して解析している。 • この様子から東西波 緯 度 数と伝播速度を求め、 周波数を求める 赤道 南極 経度 • • • • イントロダクション データセットと解析手法 初期解析結果 まとめ MY 24, Ls 210 - 240 (Late Fall) Latitude 64N - 68N • • 東西波数 1 と 2 に 強い波があり、両 者の間に分散関係 がありそう 周 波 数 ケルビン波や重力 波の分散関係に近 いように見える 西進 東西波数 東進 MY 24, Ls 210 - 300 (Late Fall - Mid Winter) Ls 210 - 240 Latitude 64N - 68N • 冬の180日程度の間、 ほぼ同じ分散関係を 持つ波が卓越し続け る Ls 240 - 270 Ls 270 - 300 MY 24, Ls 180-210, 240-270, 300-330 Ls 180 - 210 Latitude 64N - 68N • 冬の前後には、冬と 同じ種類の波は卓越 しないようだ Ls 240 - 270 Ls 300 - 330 • • • • イントロダクション データセットと解析手法 初期解析結果 まとめ まとめ • MGS/TES の温度データをフーリエ変換することで波動 を取り出し、その分散関係を調べた。 • 北半球高緯度で冬に東西波数 1, 2 の東進する波が卓越 することを確認した • それらの波は、分散関係を持っていそうである • 広い時間、空間的範囲の中で分散関係がどのように変わ るかを調べる必要がある
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