ネットワークの目的と 信頼性 2SK 情報機器工学 1 ネットワークの目的 コストパフォーマンスの改善 プログラム開発期間の短縮 データの共有と公開 負荷の分散 システムの拡張性、柔軟性の確保 リアルタイム性の向上 信頼性の向上 2 コストパフォーマンスの改善 コンピュータやプリンタなどの周辺機器のハードウェ アを、各ユーザが100%所有 いつでも好きなように利用できる 各ユーザが必要な機器をすべて購入する必要がある 利用実態に応じ、高速計算が可能な大型コンピュー タを複数の部署で共有してネットワークを介して利 用 1台のプリンタをネットワーク経由で共同利用 利用時に若干の不便さが伴う コストパフォーマンスの大幅な改善 3 プログラム開発期間の短縮 小規模なプログラム開発であれば、一個人ですべて を開発することが可能 プログラムの規模が大きくなると個人ですべてを開 発するのは可能かもしれないが、開発期間が長くな り、非効率的 処理を分割し、複数で開発→開発期間の短縮 開発環境を統一する必要性 ネットワークを介して、全ての開発者が同じハードウェア、 ソフトウェアをいつでも利用できる環境が必要 4 データの共有と公開 即時性の高いデータは利用者にとって価値が高い。 閉じたグループでの共有データ(データの必要性が 必然的に存在)の参照・更新をネットワークを介して 行うことができれば、データを利用する側も供給す る側も即時性を確保でき、大きな価値を共有できる。 公開情報のような不特定多数が参照するような データについても即時性は重要。 データの共有や公開をネットワークを介して常時行うこと が即時性の確保につながる。 5 負荷の分散 コンピュータシステムの特定要素(機器もしくはサー ビス)に処理が集中すると、機器の故障またはサー ビスの停止 システムの冗長化により故障対策→コストの増大 ネットワークの利用により動的な負荷分散が可能と なれば、最大の負荷に合わせるような過剰投資が 不要になる、システム全体の利用効率も上がる。 ネットワークによる負荷分散の結果、コストパフォーマン スの改善につながる。 6 システムの拡張性・柔軟性の確保 WWW(World Wide Web)に代表されるよう に、ネットワークを介して複数のコンピュータ を接続することで拡張が容易になり、互いに 干渉を与えず大きなシステムを構築できる。 ネットワークにより拡張性が向上 多様な通信アプリケーションにより、システム 全体がさまざまな用途に利用可能になる。 ネットワークにより運用形態が多岐化(柔軟) 7 リアルタイム性の向上 ネットワークの伝送効率、混雑度などにもよる が、十分な伝送能力があればプログラムや データの転送を迅速に行うことができ、記憶メ ディアを持ち歩くことと比べるとリアルタイム 性がはるかに向上する。 8 信頼性の向上 ネットワーク上で接続されたコンピュータは、 大きく見ればネットワークという通信路で結ば れた、大規模なコンピュータシステムと考えら れる。 大規模なシステムとして考えた場合、一つの 構成要素(一つのコンピュータ)に障害が発 生しても、他の構成要素で代行できるように 設定することでシステム全体の信頼性が向上。 9 情報システムの信頼性 情報システムの信頼性の指標:RASIS Reliability(信頼性):情報システムが障害なく動作すること Availability(可用性):ユーザが使いたいときにいつでも利用 できること Serviceability(保守性):障害の検出・診断・切り離しなどの再 構成がしやすいこと Integrity(保全性、完全性):偶発または故意によるデータの 破壊・変更・喪失が起きず、仮に起きても修復できること Security(安全性):システムやデータに対する不正・不当なアクセスがで きないよう保護されていること 10 Reliability,Availability,Serviceabilityの関連事項 RASISの前半RAS(信頼性、可用性、保守 性)は、主として個々のハードウェア機器また はそれらの構成に依存する。 個々のコンピュータの信頼性、保守性、可用性 システムの冗長化:デュアルシステム、デュプレックス システム、ホッとスタンバイなど 11 Reliability,Availability,Serviceabilityの指標 平均故障間隔(MTBF:Mean Time Between Failures) システムが故障することなく稼動している時間(故障と故 障の間の時間)の平均→システムの時間的安定性 平均修理時間(MTTR:Mean Time To Repair) 修理中または故障中の時間(稼動していない時間)の平 均→故障発生時の保守の容易さ 稼働率 全運用時間に対する稼働時間の比率→どの程度の確率 で利用できるか 12 MTBF、MTTR、稼働率 運用開始 T1 F1 T2 F2 T3 F3 T4 時間 稼働中 故障中 T1 T2 TN MTBF N F1 F2 FN MTTR N 稼働時間 稼働率 稼働時間 修理時間 MTBF MTBF MTTR 13 複数システムの稼働率 2つのシステムA1とA2の稼働率は共に0.9 直列システム:システムを直列に配置。全てのシステムが 正常運転しているとき、システムとして稼動する 並列システム:システムを並列に配置。いずれかのシステ ムが正常運転していれば(全てが故障していなければ)、 システムとして稼動する。 直列システム A1 並列システム A2 稼働率=0.9×0.9=0.81 A1 A2 稼働率=1-(0.1×0.1) =0.99 14 Integrityの関連事項 RASISのI(保全性、完全性)は演算結果や通 信結果の正しさに関係する。 関連技術としては「誤り制御」 パリティ符号:RAID5 ハミング符号:メモリ CRC符号:通信路 15 パリティ符号(RAID5の例) データA1 データA2 A1 A2 A3 B1 B2 B3 C1 C2 C3 ディスク1 ディスク2 ディスク3 デ ー 1 タ 1 記 0 録 0 時 データ 0 1 0 1 データ 1 0 0 1 パリティ データ データ パリティ符号 デ ー 1 タ 1 復 0 元 0 時 データ 0 1 0 1 データ 1 0 0 1 パリティ 16
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