化石燃料（原油）の価格決定要因 450132A 野村和史 環境・エネルギーと経済活動 なぜ原油価格か 1. 原油は世界のエネルギー消費の約４割、 日本においては約６割を占める主要エネ ルギー 2. 原油価格は他の化石エネルギーの価格 を決定する上で重要な指標になる 3. 資料が豊富であり話題性に富む 原油価格の種類 • バスケット価格 OPECがアラビアンライト（サウジ）やドバイ（UAE）など7種 類の主要スポット価格を加重平均して算出する基準価格 のこと。 • DD価格 「Direct Deal Crude Oil｣石油会社が産油国の国営会社か ら直接購入している原油価格 • スポット価格 石油メジャーが産油国の国営石油会社出荷する一回ごとの 短期的取引で、その時々の需給などで価格が決まる。 ～スポット取引⇔長期契約取引 原油の主な価格変動要因 • 右図のように様々な 要因が絡み合って価 格が決まっていく （右図以外の要因につ いては後述） OPEC（石油輸出国機構）とは • 11の石油輸出国で構成される生産と価 格の調整機関 • 石油価格の相場に合わせて、加盟国の 生産量を調整し、輸出を保護すること を目的とし、原油生産量は世界の約４ ０％を占める OPEC加盟１１カ国 中東 アフリカ サウジアラビア、クウェート、イラン、 イラク、 カタール、アラブ首長国連邦 アルジェリア、ナイジェリア、リビ ア ラテンアメリカ ベネズエラ アジア インドネシア OPECによる生産調整 連産品とは ・原油はそのまま燃料として使われる訳ではない →製油所の常圧蒸留装置により、ガス、ガソリン、 灯油、軽油、A重油、C重油などに分離 ・このように同時に各種製品が生産されるものを『連 産品』と呼ぶ。 ・この石油製品の連産品としての特徴が、製品の需要 構成や価格の形成に重要な影響を与えている。 原油価格の推移と国際情勢 その他の要因１（投機資金の流入） OPECの市場支配力の衰退 ↓ スポット市場や先物市場の急成長 ↓ ヘッジファンドなど投機筋の流入 ↓ 原油価格が生産国の生産の実情と乖離 その他の要因２（在庫状況） • アメリカは世界最大の消費国・輸入国であ りその在庫の増減は原油価格に影響を与 える。 ＊API（米石油協会）週間生産・在庫統計 全米の原油などの在庫量の報告。市場に 大きな影響力を持つ 今後価格に影響を与えうる要因 • 環境税（炭素税・エネルギー税） 炭素を含む各種燃料の消費に対して税負担を 義務づける制度 • CO2排出権取引 CO2など地球温暖化の原因とされるガスを排 出する権利を国家あるいは企業間で売買など で取引をすること （注）これらは課税対象により価格に与える影響が 異なる
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