第6回(10/30) 立憲制度と国民形成

第6回(10/30) 立憲制度と国民形成
立憲主義と国境
• 立憲主義とは何か
• 国境の枠内?
• 国境を越える立憲主義?
立憲と立法のあいだ
• 立憲と立法の違いは何か?
• 立憲的枠組内での立法
• では、立憲はいかなる枠組の中でおこなわれ
るのか?
革命と立憲
• 革命的状況と立憲的権力
• 新しい統治の構築手段としての立憲主義
コード化と秩序形成
• 国境(境界線)=主権的境界=境界内安全・
保障
• 主権性の構築~司法、立法、行法
立憲主義とは?
• 超越的コードの設定
• 憲法は不可侵ではないが超越的である
• どの程度超越的か 軟性~硬性
憲法の改正
• コード崩壊、コード形成
• ハビトゥスとコードのずれ
• 制度化の一環としての法
• 上位コードとしての憲法
ナショナリズムと立憲主義
• 立憲主義はナショナリズムを超えうるか?
• ナショナリズムを超える立憲主義?
国境を越える立憲主義
• 起源としての、USAにおける「立憲主義」
• UNにおける「立憲主義」への挑戦
• EUにおける「立憲主義」への挑戦
州憲法と合衆国憲法
• 州憲法を超えるものとしての合衆国憲法
• 州憲法の研究
• 連邦の統治機構形成としての立憲主義
立憲主義とは?
• 主権(統治機構)構築としての立憲主義
• 人権保障としての立憲主義(あとからの追加)
立憲主義の要素
• 対外的主権
– 独立・自由・安全・軍隊
• 対内的主権
– 元首・政府・議会・課税権・立法権・金融=中央銀
行
– 人権保障
constitutionalな諸要素の比較
• イギリス立憲君主制
• アメリカ州憲法と合衆国憲法
• フランス人権宣言
イギリスは
いつ立憲主義を確立したのか
• 1688年名誉革命
• 1689年権利章典
・古来の権利の再確認
・議会によらない恣意的な課税は違法
・平時の常備軍は議会の承認を必要とする
イギリスは
いつ立憲主義を確立したのか
• 1694年三年議会法
・三年に一回行われる総選挙に基づく議会の招集
1694年イングランド銀行の設立(模範としてのオラン
ダ)
・公的負債システムの確立、政府の歳入基盤
・貿易と信用取引
• 1701年王位継承法(王権をさらに制限し、臣民の諸
自由をいっそうよく維持するための議会制定法」
・元首のconstitutional化、立法への従属化
イギリスは
いつ立憲主義を確立したのか
• 立憲主義へのあとからの追加としてのマグナ
カルタと権利の請願(と権利の章典)
• 近代立憲主義からのあとからの読み込み
マコーリーのホイッグ史観
• 「イングランドの民主的な諸制度の役割」
• 暴力と流血の抗争から名誉革命による「歴史上最も
美しい制度」へ
エイザ・ブリッグズ『イングランド社会史』p.242• 名誉革命=立憲主義の確立なのか
英国においては、そもそもコンスティテューションな
る語がいつから使われ始めたのだろうか?
合衆国憲法の成立
• 「大陸会議で、1777年に承認された合衆
国最初の憲法である「アメリカ連合規
約」(1781年発効)では各州の大幅な主
権が認められ、中央政府である連合会議
(連合規約の発効以後は大陸会議はこう
呼ばれた)には国防・外交・鋳貨などの
権限は認められていたが、徴税権・通商
規制権・常備軍の保持などは禁じられて
いたので、政治的・経済的な困難が続い
ていた。」
合衆国憲法の成立
• 「そのため、商工業者を中心とする連邦
派(フェデラリスト)は強力な中央政府
の樹立を望み、彼らが中心となって1787
年5月にフィラデルフィアで憲法制定会議
が開かれた。」
合衆国憲法の成立
• 「憲法制定会議では、強力な中央政府の
樹立を主張する連邦派と各州の自治・主
権を主張する州権主義の立場から憲法草
案に反対する反連邦派(アンチ=フェデ
ラリスト)が対立したが、結局各州の大
幅な自治を認めながらも中央政府の権限
を従来よりも強化する連邦主義・三権分
立・人民主権を基本とする世界最初の民
主的な近代成文憲法である「アメリカ合
衆国憲法」が採択され、1788年に発効し
た。」
合衆国憲法の役割
• 州レベルの憲法への対抗としての連邦憲法
構想
• 対外独立(自由・対等・安全)の防波堤として
の憲法
• 対外独立(対外的主権)と国内統一
• 国家形成=国民形成(対内的主権)の確立
合衆国憲法の役割
• 日本等における外見的立憲主義と共通する
課題
• フランス立憲主義との違い
– 絶対主義的主権の枠内にあったため、対外独立
と対内統一という課題が免除された
立憲主義と国境
• 立憲主義とは何か
• 国境の枠内?
• 国境を越える立憲主義?
市場と立憲主義
• 「市場経済を典型とする独自の経済生活の領
域が公と私の緩衝材として働く社会の方が、
立憲的民主主義は良好に機能する。」
(『平和』p.104)
政治学B(レポートその2/2007秋)
•
レポート課題(その2)は次の通りとする。
■テーマ 「憲法とは?」
☆憲法とは何か?憲法とは何である
と思うか?
☆個人的意見を自由に展開せよ。
• ■注意 引用にあたっては、引用部
分をかぎかっこで囲むと同時に、引
用文献(著者名、著書名、出版社、
出版年、ページ)を必ず明示するこ
と。
■提出日 11/13の授業時
(遅れて提出の場合には、11/20の
授業時まで受け付ける。その際の評
点は80%とする。それ以降の提出
は受け付けない。)
レポートの採点基準と提出様式についてはここをクリック