バイオマス

新エネルギーの位置づけ
新エネルギーは、新エネルギー法によって、
 石油代替エネルギーを製造、発生、利用すること
等のうち
 経済性の面での制約から普及が進展しておらず、
かつ、
 石油代替エネルギーの促進に特に寄与するもの
と規定されている。
新エネルギーへの期待






自給率の向上
地球温暖化対策
分散型エネルギーシステム
技術開発による経済活性化
国民のエネルギー供給への参加
補完的なエネルギーとして位置づけつつ、
エネルギー源の一翼として期待
新エネルギー普及の障害




出力の不安定性
高コスト
経済性における制約
国民意識の一層の喚起や新エネルギーに
関する認識の醸成が必要
バイオマスとは
 生き物に関係のあるものの総称
Ex. 動物の肉や骨、昆虫や魚、藻類やバク
テリア、植物の葉や茎や根etc
 放出されるCO2は、生物の成長過程で光
合成により吸収される。→カーボンニュート
ラル
 燃焼させることで電気と熱を発生する。
バイオマス
世界各国でバイオマスエネルギーの利用が進
んできている
Ex.スウェーデン、アメリカ
日本ではまだ取りかかったばかり。
一次エネルギー供給に対するバイオマスシェア
:1.4%
年
日本
デンマーク
ドイツ
オランダ
スウェーデン
米国
風力
太陽光・ 地熱
太陽熱
バイオマス 一次エネルギー供給に
おける再生可能エネル
ギー(除く水力)のシェア
90
0
0.09
1,497
4,395
1.35%
02
36
740
3,128
7,011
2.11%
90
52
2
2
1,066
6.37%
02
419
8
4
1,929
11.95%
90
4
11
7
4,306
1.21%
02
1,364
184
127
7,092
2.53%
90
5
2
0
633
0.96%
02
78
14
0
1,061
1.48%
90
1
3
0
5,502
11.80%
02
52
19
0
8,266
16.34%
90
197
57
14,101
47,717
3.22%
02
899
1,377
8,273
65,101
3.30%
バイオマスの長所






カーボンニュートラル
水素製造の可能性
燃料供給の安定性
エネルギー自給率up
地域経済の活性
電気と熱を同時に作り出すことによる総合的な
高効率(85%)
 木質バイオマスを燃やした後の灰はミネラル豊
富なため樹木(燃料)生長の肥料になる
バイオマス普及の問題点
 風力や水力と違い、稼働のために燃料供
給が必要
 固体燃料であるため、燃焼制御や輸送が
面倒
 燃料が散在
 ほかの燃料と比べて高コスト
 バイオマスそれ自体の認知度低
目標
 どのような国がバイオマスに有利か?
 日本の特徴をふまえ、バイオマスの利用をするに
あたっての長所や短所は何か?
Ex.国土面積が狭い、森林面積割合60%、
地方の過疎化
 今後日本でどのように普及させて行くべきか?(バ
イオマス・ニッポンを検証)
 水素燃料の供給源としてどれほど期待を持てる
か?
スウェーデンの例
スウェーデンではバイオマスの利用が盛ん
で、エネルギ−供給の18%を占めている。
なぜスウェーデンでバイオマスが積極的に
押し進められたのか。
スウェーデンの例
 1970年代には、エネルギーの4分の3を石油が担う。
 2度の石油ショックをへ経て、石油への依存を減少。エ
ネルギーの多様化を図る。
 原子力については、その安全性から国民を二分する大
問題に。
 原子力は廃止の方向になり、1980年に2010年まで
の原子力全廃を決定 →のちに撤回
 1997年エネルギー政策「持続可能なエネルギー供給」
が採択。バイオマスや風力への支援プログラムが組ま
れる。
スウェーデンの例
 1997年エネルギー政策「持続可能なエネル
ギー供給」が採択。これにバイオマスや風力へ
の支援プログラム。
 90〜91年にかけての税制改革で、環境税が導
入。→バイオマス燃料に関しては免除
 こうした結果、70年にはエネルギー供給の3分
の2を占めていた石油の割合は96年には半減し、
9%にすぎなかったバイオマスは18%まで上昇。
日本とスウェーデン
 共通点
豊富な森林資源
 相違点
人口、エネルギー供給量
国民の意識や政策
バイオマスニッポンに期待すること
 地球温暖化の防止
 循環型社会の形成
 競争力のある新たな戦略的産業の育成
日本のバイオマス関連産業の更なる発展
により、一層の国際的競争力を持つ
 農林漁業、農山漁村の活性化
バイオマスはいわゆる田舎に豊富に存在
する
スウェーデンの例 ボツ
 1970年頃にはエネルギーの約4分の3を
輸入石油が担っていた。しかし、日本同様、
石油資源を有しない。
 1970年代の2度の石油ショックにより、エ
ネルギー源の多様化を図るようになる。
 原子力が推進されるが、安全性の問題か
ら70年代を通じて国民を二分する大問題
となる。
スウェーデンの例 ボツ
 結局原子力廃止の方向に向き、2010年
までにすべての原発を閉鎖すると決定。
 1997年に採択された「持続可能なエネル
ギー供給」で、環境的に、経済的に持続可
能なエネルギーシステムを実現させること
を目標に定めた。
 ここにバイオマスや風力発電への支援プ
ログラムが含まれている。
スウェーデンの例 ボツ
 こうした支援策とともに、90〜91年の税
制改革の一環として、化石燃料に対する
炭素税などの環境税を導入した。ただし、
バイオマス燃料に関してはすべての課税
を免除した。
 この結果、70年代には3分の2を占めてい
た石油の割合が96年には半減し、9%に
すぎなかったバイオマスは18%に上昇。