PICマイコンを用いた能動騒音制御系の制御性能

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PICマイコンを用いた能動騒音制御系の制御性能
機械創造工学課程
08302687 川﨑 健史
担当教員 小林 泰秀
准教授
1、背景
・騒音制御は施設の騒音低減やヘッドフォンに用い
られている。
・能動騒音制御は、適応制御が用いられており、高性
能な機器を必要とし、高価である。
しかし、高気密・高断熱の施設など環境の変化が少
ない場合は、ロバスト制御を用いて、またマイコン等
の安価なハードウェアを用いても十分な性能が期待で
きる。
2、目的
今回重み関数は定数を
利用している。
図4、重み関数
3.離散化H∞制御問題を解き、補償器の状態空間表現を求める
4.状態空間表現をブロック対角可制御正準形に変換する
5、制御実験
本研究の目的は安価な能動騒音制御系を製作する
ことである。
表1、実装条件
実装の条件(補償器の次数、係数の語長(有効桁)、
サンプリング周期)と、制御性能の関連を実験的に明
らかにする。
実装の条件はそれぞれは独立していない。有効桁
を長くするとデータ量が増大しPICの容量にも関わる。
データ量が大きくなると計算量に影響しサンプリン
グ周期に関わる。
3、実験装置
図1に実験装置概略図を示す。Spk wが騒音源で
Spk uが制御音源である。Ref Micの音を元にErr Mic
の位置で消音を行う。これらを動作させるためPC、
PIC、回路等がある。
PICマイコンとは周辺機器の制御を行うためのICである。
PICに実装する時はPCで作成した
補償器をそのまま実装はできない。
2進表記で小数点以下に有効桁を
設定し、制限するので実装誤差が
起こる。
例 補償器のある値を0.6と
して状態x(整数)との積
図5、実装1での結果
0.6(10)=0.10011・・・(2)
で表され、0.6*xは
tmp=x>>1;
sum=tmp;
図1、実験装置概略図
tmp>>=3;
4、補償器設計手順
sum+=tmp;
tmp>>=1;
sum+=tmp;
図6、実装2での結果
図2、一般化プラント
1.周波数応答実験を行い、Gのノミナルプラントを求める
計算による共振周波数
1次 ≒130Hz
2次 ≒260Hz
3次 ≒390Hz
計算式
fr 
mc
[ Hz]
2L
実装1は設計した補償器の値
であり、十分な性能が得られて
いる。
実装2は実装1ほどではない
が制御が掛かっている。
実装3では一部消音している
ことがわかるが性能がよくない。
これらの違いは有効桁を制
限したことによる桁落ちの影
響である。
図7、実装3での結果
6、まとめ
図3、周波数応答結果(Gyu)
周波数応答実験の結果を図3に示す。計算値と合っ
ていることが確認できる。 Cは音速[m/s]、Lは管の全長[m]
2.モデル化誤差を加法的摂動モデルで考慮する
G
yu
G
(s)  G
yu
yu
( j )  G
( s)  WΔ( s)
yu
( j )  W ( j )
・PICにコントローラを実装し、実装誤差と制御性能の
関連を実験的に検討した。
・係数行列の有効桁が高い方が、良い制御性能が得られ
ることを確認した。
7、今後の課題
・有効桁をさらに広く変化させて実験を行う。
・コントローラの次数、サンプリング周期について
も検討する。