中国における格差問題及び消費動 向 3年8組2307386番 呉仁強 はじめに • 鄧小平 政権の「先富論」 • 胡錦涛政権 「調和の取れた社会 」 • 北京の人民大会堂で開催された中国共産党 第17回党大会 地域における格差 • 2006年中国の地域別GDP 西部大開発プロジェクト • 江沢民政権は2000年から西部大開発計画 をスタートさせ、鉄道・道路建設などの インフラ整備や投資環境の整備、科学教 育の発展などの優遇政策を実施した。 • 外国企業の西部地区への投資を奨励する ため、各種優遇政策を実施し、税制面で の優遇措置としては当初3年間、企業所得 税率を15%に削減し、さらに輸出企業には 税率を10%とする 都市部と農村部の格差 中国では、60%の人口が農村で暮らしているが 、2004年農村部の衣食満ち足りない絶対貧困人 口は2610万、衣食の需要がぎりぎり満たされて いる低収入人口は4977万も存在し、生活が困窮 している農村部の住民は少なくない。 都市部と農村部の格差の拡大は、社会・経済の 発展における突出した矛盾となっており、その 格差をいかにして縮小することができるかは、 社会・経済の発展における大きな課題となって いる。 農村部の所得低迷の背景 としての「三農問題」 第一に、農業の問題とは、低生産性と「豊作貧 乏」、生産不安の繰り返し(農業生産の不安定) である 第二に農民の問題は、農民の貧困であり、農村の 荒廃と密接に関連している。 第三は、農村の荒廃である。 農民所得の向上と農村・都市間所得 格差の縮小 • • • 政府も高成長の裏側で深刻化している農村所得 の低迷や、農村・都市の所得格差拡大に危機感を 抱いており、2002年の共産党第16回全人代におい て、三農問題の解決には、長く経済・社会システム の根幹であった都市・農村間の制度的分断を解消 し、都市・農村を一体とした経済・社会発展が重要で あることを指摘している。 税費改革 労働移動制限の緩和 中国が抱える失業問題 • 中国の失業問題は農村の貧困問題等と並ん で、経済成長のみならず社会の安定化という 観点からも解決に取り組むべき最重要課題 の一つである • 都市部の失業問題 • 農村部の失業問題 中国の都市部での高い消費動向 • 中国の高い経済成長を支えているのは製造 業を中心とした沿岸都市部の成長であると言 われている。著しい高成長を背景に、沿岸都 市の中には購買力平価ベースで既にNIEsと 同程度の経済水準を有する都市(上海や北 京等)が現れている 都市部と農村部における消費実態の 相違 • 都市部の堅調な所得の増加及び消費の高度化等 • によって消費が下支えされる一方で、農村の所得の 伸び悩みにより消費が低迷する等全人口の4割の 都市部人口が個人消費全体の6割を占めるという 歪んだ構造になっている。 消費をけん引している都市部においても社会保障 制度の未整備や雇用不安に加え、個人所得税制度 の不備や、国有資産の私的流用等不正手段による 所得増加等が、所得格差の拡大を生み出す等、消 費を抑制させる不安定要素を抱えていることにも留 意が必要である。 都市部内の所得階層別に見た消費 実態の違い • 民間消費が緩やかな伸びにとどまっている要因として • は、都市内部の所得階層別の消費の違いが挙げられ る。都市部においては堅調な所得の増加により消費の 拡大及び高度化が進んでいるように見受けられるが、 都市内部での所得階層別により詳細に見てみると、都 市部においては所得の格差が1990代後半以降急速 に拡大しており、所得階層によって消費パターンに大 きな相違が見られる。 中国は東アジアの中でも特に成長が著しく、今後とも 13億人の巨大消費市場が拡大していくと期待する向き も多い。しかし、同時に所得の格差が拡大しており、 それが消費拡大の抑制要因になり得るとの懸 念もある。 おわりに • 五千年にわたる悠久の歴史、世界4大文明の一つに数えられる中華 文明およびその下育ててきた多彩な文化、960万平方キロメートル という広大な国土、13億人以上にも及ぶ世界最多の人口、共存する 漢民族と55の少数民族、などなど。これらの要素は、現代中国に複 雑多様な社会構造をもたらしたと同時に、現代中国に対する的確な 把握と理解をより一層難しくする。中国がこうして多様な[顔]を 持つに至ったのは、国土の巨大さ、人口の多さ、歴史の長さだけが 理由になっているわけではもちろんない。多くの部分は政策の選択 および、それがもたらした制度の構造自体が背景にある。特に後者 が現代中国を理解する際において、ますます重要な側面を持つよう になったといえる。もちろん、今の中国はまさしく「日進月歩」と いう言葉が象徴するように、非常に速いスピードで目まぐるしく変 化している。一体、社会政策や経済発展が消費動向にどのような影 響を与えるのか、これからも引き続き検討していく。
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