vol.23 環境エコノミー オバマの『グリーン・ニューディール』 ① オバマ政権のグリーン・ニューディールに係る選挙公約 米国発の金融危機で景気後退期に入り、震源地である米国の景気回復を、 世界中が祈るような気持ちで、オバマ政権に託しています。そのオバマ政権 が選挙期間中から公約の中心に唱えてきたのが新エネルギー政策。これが、 のちに『グリーン・ニューディール政策』と呼ばれるようになりました。 下の表はその選挙公約を簡単に要約したものです。 項目 1.短期救済措置 2.輸入石油依存減少 3.グリーンエネルギー 産業の構築 ①再生可能エネルギー 等の環境産業を支援 ②省エネ等 ③研究開発支援 4.気候変動問題への 積極対応 内容 ・石油会社に超過利益税を課し、1世帯1,000ドル(約95,000円) を還付 ・行き過ぎたエネルギー投機に対する規制と取引の透明性向上 ・10年以内に中東・ベネズエラからの石油輸入をゼロに ・自動車燃費基準の引き上げ(年間4%)、自動車会社の設備投資に 対し40億ドル(約3,800億円) ・2015年までに国産プラグイン・ハイブリット(PHEV)を100万 台普及 ・エコカーの購入者には7,000ドル(約67万円)税還付 ・2030年までに600億ガロンの次世代バイオ燃料を導入 ・石油会社にリースしている6,800万エーカーの土地を掘削させ る。応じない場合は没収 ・適切な沖合油田開発 グリーン・ジョブの創出 ・次の10年間でグリーンエネルギー事業に1,500億ドル (約14.3兆円)投資。雇用効果20年間で500万人 ・2012年までに電力の10%、2025年までに25%を再生可能 エネルギーで賄う ・アラスカ天然ガスパイプラインの建設への支援 ・2020年までに省エネにより電力需要を15%削減。最も早く簡 単で安価な方法。光熱費1,300億ドル(約12.4兆円)削減可能 ・今後10年間、低所得者の家100万軒を、毎年省エネ構造 (ウェザライゼーション)に改修 ・太陽エネルギー、風力、バイオ燃料等の代替エネルギー ・より安全な原子エネルギーの使用法:核廃棄物の貯蔵法 ・クリーンコール・テクノロジー ・太陽エネルギー、風力、バイオ燃料等の代替エネルギー ・より安全に原子エネルギーを使用するための技術・方法 ・使用済み核燃料・廃棄物の貯蔵法 ・クリーンコール・テクノロジー ・商業施設のCSS(炭素捕獲・貯蔵技術)石炭火力発電プラントにつ いて、最初の5基を官民パートナーシップで支援 ・炭素ガス排出量を2050年までに1990年比80%削減 ・キャップ&トレード制度支援 ・排出権をすべてオークションにかけ、その収益はクリーンエネ ルギー、生息地の保護、税還付や世帯への救済に使用 ・米国を気候変動問題リーダーに、国連気候変動枠組み条約と再 び協力 この政策で環境ビジネスはどう変化し、米国や日本、世界にどういった影 響を与えるのか。次回からオバマ政権の目的、政策の期待効果など含めて、 解説していきたいと思います。 株式会社 ワイジーオー 電化事業部 ワイジーオーはチーム・マイナス6%に参加しています。
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