施設 - 周産期医療の広場

2007年11月10日
奈良県病院協会 第1回公開シンポジウム
「安心して出産と子育てのできる
周産期医療の環境の
確保について考える」
「厳しい周産期医療の現場を憂える」
「周産期救急の問題」
「産科医師不足の問題」
海野 信也
北里大学医学部産婦人科学教授
日本産科婦人科学会・産婦人科医療提供体制検討
委員会・委員長
奈良県・長野県・神奈川県・東京都
2005年
奈良県
長野県
神奈川県
東京都
人口
1,412,450
出生数
11,184
18,517
76,196
96,542
7.9
8.6
8.8
7.8
(34位)
(17位)
(6位)
(36位)
5.3
4.9
5.2
4.8
(38位)
(25位)
(36位)
(22位)
3.4
2.3
3.1
2.7
(46位)
(5位)
(37位)
(16位)
1.4
1.1
1.7
1.3
(26位)
(7位)
(39位)
(20位)
6.4
6.9
6.3
5.9
(31位)
(35位)
(30位)
(27位)
出生率
周産期死亡
率
乳児死亡率
新生児死亡
率
妊産婦死亡
率
全国
2,161,328 8,675,683 12,325,038 126,204,902
1,062,530
8.4
4.8
2.8
1.4
5.9
周産期死亡率の年次推移
奈良県と宮崎県の比較
県民所得と合計特殊出生率の関係
沖縄
北海道
奈良
京都
P<0.001
東京
なぜ「奈良県」だったのか
全国の周産期医療からみた奈良県
• 平成18年8月 転院搬送困難事例
– 町立大淀病院・分娩中 母体脳出血
– 県外搬送後、母体死亡
• 平成19年8月 搬送困難事例
– 未受診妊婦 県外搬送中交通事故 死産
なぜ「奈良県」だったのか
全国の周産期医療からみた奈良県
• 平成18年8月 転院搬送困難事例
– 町立大淀病院・分娩中 母体脳出血
– 県外搬送後、母体死亡
• 周産期救急医療システムの問題 三次救急
• 平成19年8月 搬送困難事例
– 未受診妊婦 県外搬送中交通事故 死産
• 一次救急医療システムの問題
一次救急
救急医療の原則
• 三次救急
– 三次医療圏(=都道
府県)内で完結
• 一次・二次救急
– 二次医療圏内で完結
• 奈良県の二次医療圏
–
–
–
–
–
奈良
東和
西和
中和
南和
一次救急と救命救急は二次医療圏内で完結する
周産期三次救急の実態
読売新聞 2007年9月6日
[解説]妊婦受け入れ拒否で死産
救急情報網広域化必要 専用施設・産科医の確保も
•
主な産科施設で作る全国周産期医療連絡協議会が、危険の高い妊産婦
や新生児を治療する全国60か所の総合周産期母子医療センターを対象に
した調査では、2005年の母体搬送の受け入れ率は67%。東京、大阪では
44%とさらに低く、妊産婦の“たらい回し”は半ば常態化している。
朝日新聞 2007年10月29日
総合周産期母子医療センターの6割が新生児搬送断る経験
•
リスクが高い新生児と妊婦に24時間態勢で対応する各地の「総合周産
期母子医療センター」を対象に厚生労働省が実施した実態調査で、回答施
設のうち6割が、05年度中に地域の病院などから新生児の搬送を受けられ
なかった経験のあることがわかった。新生児集中治療室(NICU)の不足が、
理由の9割を占めた
周産期救急医療システム
施設
医師
スタッフ
施設
施設
施設
医師
スタッフ
医師
スタッフ
医師
スタッフ
周産期救急医療システム
システム
施設
医師
スタッフ
施設
施設
施設
医師
スタッフ
医師
スタッフ
医師
スタッフ
周産期救急医療システム
患者の動き
周産期センター
専門診療(循環器・外科・脳外科等
NICU
産科
母体搬送
分娩取扱施設
病院
診療所
助産所
新生児搬送
周産期医療システム
厚労省・周産期医療整備対策事業に基づく各都道府県内の母体・胎児・新生児
救急に対応するための母体及び新生児の搬送・紹介システム
周産期医療協議会
患者と情報
の流れ
総合周産期母子医療センター
MFICU・NICU
地域周産期
母子医療センター
緊急帝王切開
NICU
周産期医療情報
周産期研修
一般周産期
医療施設
全国周産期医療(MFICU)連絡協議会
• 全国各都道府県の総合周産期母子医療
センター、あるいはそれに準じる施設の産
科側の代表者で構成
• 平成18年度全国MFICU実態調査
• 平成19年度 周産期救急体制の実態に関
する緊急調査
– 都道府県ごとの状況を調査
近畿地方:搬送元施設からの搬送依頼の連絡方法
• はっきり決まっているのは、三重県と京都府。それ以外
の地域では多様な対応となっている。
• 最初の連絡先
– 三重県:一番近い基幹センター(26週未満は2か所の基幹センタ
ー)
– 滋賀県:症例、地域により紹介元が判断している
– 京都府:原則として地域の空床のある二次病院または総合周産
期母子医療センター
– 大阪府:各病院が いつも依頼している病院へ そこで 受け入
れ病院が見つからない場合 大阪府立母子保健総合医療センタ
ーへ回ってくる
– 奈良県:奈良県立医科大学あるいは県立奈良病院
最初の連絡先で決まらない場合の対応
県内施設への照会方法
搬送元施設
基幹病院
両者で同
時並行
15
28
4
三重・滋賀・
兵庫・和歌
京都・大
山
阪・奈良
救急医療
情報セ
ンター
1
県内で決まらない場合の対応
県外施設照会担当
原則として県内
施設が受け
入れる
県外施設
を探す
25
22
和歌山
搬送元
搬送元以外
同時並行
3
17
2
兵庫
滋賀・京都・大阪・
奈良・三重
和歌山県:褥婦を他の病棟に転棟させて空床をつくり受け入れる。
兵庫県では「県内で見つからない場合、
搬送元へ大阪地区の受入れ可能性のある病院をお知らせし、
搬送元から依頼があれば搬送先探索の手伝いをする」という方式
母体搬送を(道)県内施設が受け入れること
にしている地域
県内施設が受け入れる
限られた地域のみ県外搬送を行う
三次救急システムとしての
わが国の母体搬送の実態
• 大都市圏を除くと、半数以上の道県では、原則として母
体搬送先が県内でみつかっている。
• 首都圏、近畿圏、北九州圏では、生活圏の境界と県境が
一致していないこと、受入可能性のある施設が,搬送可能
圏内に多数存在することなどから、現行の都道府県単位
のシステムでは、収まりきらない事例が発生している。
– 最終的に県内で搬送先がみつかる場合でも、複数の
施設に照会する必要が生じることが多い。
– 県内でみつからない場合、県外の搬送先を探すシス
テムが存在しない。
三次救急システムとしての
わが国の母体搬送の実態
• 最終的に県内で搬送先がみつかる場合でも、複
数の施設に照会する必要が生じることが多い。
• 県内でみつからない場合、県外の搬送先を探す
システムが存在しない。
→ 効率的に探すことができない
• いわゆる「たらい回し」は構造上、システム上の
問題である
神奈川県救急医療情報センター周産期救急照会
2007年4月20日ー8月31日
全体で227件
平成17年度実績
総依頼件数1010
このうち基幹病院受入441
県内斡旋数 407
県外斡旋率 103/(1010-441)=18%
「神奈川県救急医療中央情報センター」によ
る「周産期救急受入機関紹介業務」
• センター職員の非常に注意深い準備作業と、丁寧な対応
により、特に混乱なく、円滑に導入、実施された。
• この事業のメリット
– 基幹病院医師の負担が大幅に軽減された
– センターの記録が完備していることから、母体搬送紹介の状況
が正確にリアルタイムに把握可能となった
– 県内周産期医療機関の状況がリアルタイムでセンターで把握さ
れている結果、不必要な電話照会がなくなり、照会作業が合理
化された
• 職員を1名増員の上、平成19年11月より正式事業となっ
た。
• 京都新聞 2007年10月31日(水)
– 妊婦搬送の拠点病院に第一赤十字 京都府が指定
– 昨年8月に奈良県で緊急搬送先探しが難航し妊婦が
死亡した問題を受け、京都府は31日、近畿2府7県
間で周産期(妊娠22週-生後1週間)の妊婦搬送を
調整する際に府の拠点となる病院に、京都市東山区
の京都第一赤十字病院を指定した。同赤十字病院は
、府内で妊婦の搬送先を調整する府総合周産期母子
医療センターとしての実績もあるため拠点病院に選ば
れた。近畿での広域搬送調整拠点病院は、既に滋賀
県と兵庫県を除く2府5県で決まっている。
三次救急としての母体搬送の問題点
• 大都市圏では、圏域内でも搬送先を探す
のが非常に難しい。
– 照会・斡旋システム・搬送コーディネータ等を
整備する必要がある。
• 大都市圏では、県境を超えた搬送を行う必
要性が生じることがある。
– 広域の搬送・照会のためのシステムを整備す
る必要がある。
• 母体の救命救急に関わる症例は、別に対
応する必要がある。
一次救急としての産科・周産期傷病者搬送
-妊婦自身が救急車を呼ぶ-
• 産科のかかりつけ医がいて、連絡がとれ、相談
でき、診察してもらえれば、救急車を呼ぶ必要は
あまりないはず。
– かかりつけ医がいない
→ 未受診
– 連絡が取れない、相談できない、診察してもらえない
→ ビル診 医療機関側の問題
• 妊娠のごく初期の異常、旅行中の突発事態、本
当に重症で救急搬送が必要な場合等、救急搬
送をゼロにすることはできない
– 産科救急対応体制の整備は必要
神奈川県周産期救急ネットワーク 基幹病院にお
ける妊婦健診未受診者分娩数の推移
いわゆる「飛び込み分娩」の実態
神奈川県産科婦人科医会調査
(2007年は7月までの実数から推測した)
未受診妊婦の出産
(獨協医科大学病院)
• 1997年1月から2007年8月までに104名(106児)
– 未受診で2回出産した妊婦が5名 母体数は99名となる
• 内訳
–
–
–
–
10代妊娠
未婚
初産婦
4回経産以上
11名
16名
36名
11名
(10.6%)
(15.4%)
(34.6%)
(10.6%)
24名
6名
35名
43児
5児
11児
(23.1%)
車中分娩 4名
(33.7%)
(40.6%)
(周産期死亡率 47.2‰)
(9.4%)
• 予後
–
–
–
–
–
–
帝王切開
自宅分娩
早産
NICU管理
周産期死亡
乳児院へ入所
• 分娩費全額または一部未払い者 54名(54.5%)
– 未払い金額合計 19,729,324円 (最高 1,412,620円)
2007年9月前半までに産科一次救急受入問
題が報道された地域
vv
母体搬送を(道)県内施設が受け入れること
にしている地域
vv
県内施設が受け入れる
限られた地域のみ県外搬送を行う
産科 一次救急搬送の受入困難事例
• 発生地域は大都市圏に集中している。
• 転院搬送が難しい地域と一致している。
• なんらかの共通の問題が存在している可
能性がある。
救急要請における産科・周産期傷病者搬送の実態調査
平成19年9月
• 総務省消防庁救急企画室長・厚生労働省医政局指導課
長
• 平成18年:産科・周産期搬送人員 39,015名
• 全救急搬送人員 4,889,398名の0.8%
– 転院搬送
– 転院搬送以外
20,851
18,164
–
–
–
–
–
–
32249 (92.4%)
98.1%
667 1.9%
220 0.63%
45 0.13%
3%
初回の照会で搬送先決定
3回以下の照会で搬送先決定
搬送先決定までに4回以上照会
搬送先決定までに6回以上照会
搬送先決定までに11回以上照会
現場滞在時間 30分以上
転院搬送以外の救急隊による産科・周産期傷病者搬送数
出生数に対する割合 (平成18年)
救急要請における産科・周産期傷病者搬送の実態調査
平成18年
照会回数による転院搬送以外の妊婦の全出生数に対する頻度
転院搬送以外/
出生数
1
2
3
4
5
6
7
1回以上
2回以上
3回以上
北 海 道
2.772%
奈
良
1.089%
奈
良
0.410%
奈
良
奈
良
2.719%
神 奈
川
0.612%
神 奈
川
0.312%
神 奈
川
兵
庫
5回以上
0.2353% 東
京 0.08950%
奈
良
0.1946%
0.06971%
2.590%
東
京
0.519%
東
京
0.274%
東
京
0.1820%
宮
城 0.05075%
神 奈
川
2.524%
三
重
0.392%
大
阪
0.176%
大
阪
0.0979%
大
阪 0.03864%
鹿 児 島
2.480%
大
阪
0.363%
宮
城
0.162%
宮
城
0.0964%
千
葉 0.03284%
東
京
2.169%
宮
城
0.355%
茨
城
0.143%
茨
城
0.0836%
茨
城 0.02786%
大
阪
2.163%
兵
庫
0.340%
兵
庫
0.135%
千
葉
0.0695%
神 奈
川
0.02781%
転院搬送以外の救急隊による産科・周産期傷病者搬送数
出生数に対する割合 (平成18年)
一次救急としての産科・周産期傷病者搬送
の問題点
• 産科・周産期傷病者が救急隊を呼ぶ頻度が高い
地域が存在している。
• 奈良・神奈川・東京では多数の照会が必要な事
例の発生頻度が高い
• 大都市圏では周産期一次救急患者の対応の仕
組みを作っておく必要がある。
– 地域輪番制
– 特定の施設が十分なスタッフを整備して救急対応を
専門に行う。
– 「飛び込み分娩」は非常にハイリスクなので、医療圏
にこだわらず、緊急対応可能な対応システムが必要
神奈川で産科・周産期一次救急に関して、症例数が多く、さ
らに多数回の照会が必要となっている理由について
• ほとんどの地域で、(休日当番医等の)産婦人科
一次救急システムが構築されていない。
– 夜間・休日に受診できる施設がない、紹介してもらえ
ないので、自ら医療機関に行くことができる人も、救急
隊に探してもらうしかなくなる
• ビル診の医師が夜間・休日に対応しない。
– 切迫流産の妊婦の連絡先がない
– 里帰り分娩を予定している妊婦は、かかりつけ医がい
るのに、夜間・休日には未受診者と同じ状況になって
しまう
• 未受診妊婦が多いのかもしれない。
– 経済的問題
– 確信的行動
• 気軽に救急隊に連絡する気質があるのかもしれ
ない。
産科医療危機への対策
産科医療危機への対策
辞めない・辞めさせない
• 現場の産婦人科医の増加策
– 病院現場の勤務条件の改善
• 施設あたり医師数の増加→集約化
• 勤務内容に即した報酬の確保→分娩手当・夜間緊急対応手当
• 弾力的な勤務が可能な余裕のある職場環境の整備→大規模施設化
– 訴訟リスクの軽減
• 裁判外医療紛争処理機構
• 医療事故原因究明第三者機構
• 無過失補償制度
• 助産師の増加策
– 助産師養成の増加
• 助産師養成カリキュラムの見直し
• 定時制助産師養成所の導入
– 診療所勤務助産師の優遇策
•
看護師内診の許容
2005年12月
「地域医療に関する関係省庁連絡会議」(厚生労働省、総務省及び文
部科学省) 「小児科・産科における医療資源の集約化・重点化に関する
ワーキンググループ」報告書
• 小児科・産科医師確保が困難な地域における当面の対応について
~小児科・産科における医療資源の集約化・重点化の推進~
• 小児科、産科等の特定の診療科においては、勤務環境の悪化等の
結果として医師の偏在が深刻な問題となっており、小児医療と産科
医療の確保に向けて、早急な対応が求められている。
• 国の示す考え方に基づいて、都道府県が、集約化・重点化の必要性
を検討し、その実施の適否を決定の上、具体策を取りまとめ、医療
計画の中に盛り込むこと
• 都道府県が集約化・重点化を実施することとした場合には、当該都
道府県内の医師確保が困難な地域について入院を必要とする医療
がおおむね完結するような圏域を設定し、公立病院を中心に、診療
機能を集約化・重点化した「連携強化病院」と、これに必要に応じて
機能を移転する「連携病院」とを設定する
なぜ集約化を行う必要があるのか
• 一施設あたりの医師数・診療規模が拡大しないと、過剰
な(法令違反の)当直、拘束を続けざるを得ない。
→希望者がいなくなる。退職者が増える。
→医師数が減少する。
→勤務環境がさらに悪化する
→診療を続けられなくなる。
• 例:厚木市立病院
– 勤務条件の改善を病院に繰り返し訴えていたが、全く改善がみ
られなかった。
– 部長が倒れた→若い医師だけが残った→部長のなり手がみつ
からない→診療維持できない→全員退職
– 病院は給与を約2倍にして医師を募集しているが、誰も応募して
いない。
– 医師がいなくなってからでは遅い。
集約化ー地域産婦人科センター
•
24時間救急に対応
–
–
–
24時間救急に対応可能な合法的勤務体制をとることのできる産婦
人科の勤務医師数の確保
小児科、麻酔科等の関連他科の安定的協力体制
病院全体の24時間救急に対応可能な体制
•
地域の産婦人科医療ニーズに応えることのできる診療体制
•
地域の産婦人科医療機関との密接なネットワーク形成
–
–
外来診療と入院診療の分離
オープン・セミオープンシステムの導入
•
女性医師を含むすべての医師の継続的就労が可能な制度整備
・職場環境整備
•
•
臨床研修の中心施設としての役割
臨床研究の中心施設としての役割
地域分娩施設群(構成例)
有床診療所
有床診療所
無床診療所
無床診療所
オープン・
セミオープン
地域産婦人科センター
助産所
オープン・
セミオープン
地域病院
院内・近接
助産所
院内・近接
地域病院
地域病院
産科単科病院
有床診療所
有床診療所
有床診療所
新しい周産期医療体制のイメージ
産科医療圏
地域産婦人科センター
地域分娩
施設群
地域分娩
施設群
中核病院
産科医療圏
地域産婦人科センター
地域分娩
施設群
地域分娩
施設群
(総合周産期
母子医療センター)
産科医療圏
地域産婦人科センター
地域分娩
施設群
地域分娩
施設群
日本の将来推計出生数(2006年12月推計)
国立社会保障・人口問題研究所
千人
2027年
1200
1000
886
800
718
出生中位
600
出生高位
603
出生低位
400
200
0
2000
2010
2020
2030
2040
2050
2060
80万分娩となった時点での分娩の姿
取扱
分娩
分娩
数
施設当
たり平均
分娩数
平均勤
務医師
数
平均
助産
師数
勤務
医師
総数
助産
師総
数
施設
総数
大規
模施
設
60%
48万
1286
10
37
3733
13714
373
中小
規模
施設
40%
32万
450
3
13
2133
9143
711
合計
100%
80万
5867
22857
1084
•助産師が確保できれば、分娩取扱医師数は現状維持で対応可能
•産婦人科医が減少しないこと、分娩取扱から撤退しないことが必要
•助産師の増員は絶対必要条件
•分娩施設は現状の3分の1
日本産科婦人科学会の考え方
• あまりにも過酷な勤務条件は、若い医師の参入を
妨げ、産婦人科の将来を危うくするので、改善が
必要。
• 集約化により、地域産婦人科センターを各地にで
きるだけ多く、育成していく。
• 地域の周産期医療体制の維持確保に協力する。
日産婦学会・産婦人科医療提供体制検討委員会
緊急提言
(2006年4月7日)
• ハイリスク妊娠・分娩を取り扱う公立・
公的病院は、3名以上の産婦人科に
専任する医師が常に勤務していること
を原則とする。
• 提言の趣旨:
– 産婦人科を志望する医師および医学生に対して、近い将来の産
婦人科医の勤務条件の改善の見通しを提示する
– 平成18年度に行われる各都道府県での集約化・重点化の検討
に際して、1-2名の勤務体制の病院は集約化・重点化の検討対
象であるという、明確な意志を示す
日産婦学会
JSOG-JOBNET事業
• 目的:地域産婦人科医療提供体制を支える医療機関に
おける産婦人科医医師の確保を支援するとともに、潜在
している産婦人科医の臨床現場への復帰を促進する
• 事業内容
–
–
–
–
日産婦学会の会員専用websiteに新たなページを加える
公立・公的病院の産婦人科医師公募情報を掲載する
手数料等は一切徴収しない
斡旋はしない
• 趣旨:地域では解決できない産婦人科医の不足状況に
対し、全国レベルで公募することによる解決を目指す
• 状況:
– 平成18年11月より事業開始
– 平成19年11月現在:18病院の公募情報を掲載中
– これまでにJOBNETを介して常勤医1名、非常勤医3名が採用さ
れ、交渉中事例が数件報告されている。
– 常勤医を採用できた病院は分娩制限の解除を予定している。
日産婦学会・産婦人科医療提供体制検討委員会
緊急提言その2 (2006年10月27日)
以下のような提言をすべての分娩施設に対して行う
•
すべての分娩施設は必要なスタッフを確保し、医療設
備の向上に努めていただきたい。
•
分娩施設の責任者は、勤務している産婦人科医師の
過剰勤務を早急に是正すべきであり、それが達成され
るまでの過渡期においては、産婦人科医師の過剰な
超過勤務・拘束に対して正当に処遇していただきたい。
•
上記を達成し、地域の周産期医療を崩壊させないため
には、分娩料の適正化が必要である。
平成19年6月16日
平成19年度日本産科婦人科学会・産科医療体制関連アクションプラン
基本方針1
• 国民への情報提供と啓発活動:産婦人科医療への理解を促進する
広報活動を積極的に実施する
– 国民の産科医療に対する不安の解消に積極的に取り組んでいく学会
の姿勢を明確にする
– 診療ガイドラインに関する啓発活動
– 産科医療体制・倫理問題等に関する広報活動をさらに活発化させる
• 医療現場を医学の立場から支える
– 診療ガイドラインの作成
– 専門医研修の充実
– 産婦人科学の進歩を通じて臨床に貢献する
• 医学生・研修医に産婦人科学の魅力・未来をアピールする
– リクルートDVDを用いた啓発活動
– 「サマースクール」による卒前・卒後研修活動
– 女性医師とともに、男性医学生・医師の参入の促進をはかる
平成19年6月16日
平成19年度日本産科婦人科学会・産科医療体制関連アクションプラン
基本方針2
• 現場の医師支援
– 周産期救急現場の医師への適正な救急対応手当・分娩手当の支給
– 最低限の労働条件の保証
– 産婦人科医療機関を女性医師の継続的就労が可能な職場にする
• 地域産婦人科センターの育成
– 基幹病院の集約化による体力強化
– 24時間救急対応
– 女性医師の継続的就労可能な施設作りを産婦人科医が主体的に、先
行的に取り組む
– 医師・医療スタッフが働き続けたい病院を育てていく
日産婦学会
日本産科婦人科学会 産科医療体制関連アクションプラン
国民への情報提供と啓発活動
•産婦人科医療への理解を促進する広報活動を積極的に実施
•産科医療への不安の解消・倫理問題 ・女性の健康増進
人的資源の
不足と変化
新医師臨床研修制度
新規専攻医の減少
女性医師の割合増加
現場の医師支援
•周産期救急現場
の医師への適正な
救急対応手当・分
娩手当の支給
•最低限の労働条
件の保証
•過労死の起きない
職場にする
医療現場を医学の立場から
支える
•診療ガイドライン
•専門医研修
•産婦人科学の進歩→臨床への
貢献
医学生・研修医に産婦
人科学の魅力・未来をア
ピールする
•リクルートDVD
•「サマースクール」
•男性医学生・医師
•女性医師の
継続的就労
が可能な職
場にする
地域産婦人科センターの育成
•基幹病院の集約化による体力
強化
•24時間救急対応ー地域のニー
ズに応える
高齢化・
後継者不足
•先行的な女性医師の継続
的就労可能な施設作り
助産師不足
•医師・医療スタッフが働き続けた
い病院を育てていく
地方行政・医師会・大学産婦人科教室
訴訟圧力
三次産科医療機関
(総合周産期センター・大学
病院等)
二次産科医療機関
(地域周産期セン
ター・基幹病院等)
政府・厚生労働省
裁判外紛争処理機構
医療事故原因究明機構
無過失補償制度
周産期医療対策事業の充実
産科医療全体の枠組みの検討
•NICU不足の解消
•地域医療機関相互連携の強化
•事業運用上の問題点(MFICU加算対
象の修正等)
地域センターにおけるハイリスク妊
娠管理加算
•「ハイリスク妊娠・分娩管理加算」
連携強化
•ハイリスク妊産婦共同管理料の
改訂
一次産科医療機関
(地域産科病院・産科診療所)
お産をめぐる社会条件の安定化
•出産育児一時金の増額
•地域分娩施設の確保
•分娩施設情報の適切な提供
助産師養成増
地域医療連携
地域医療を担うセンター病院の形成と現場の
医師への直接サポートを平行して推進する
日本産科婦人科学会の考え方
• 病院の産婦人科医が辞めない、新人が増えることを
目標とする
• 病院の現場の産婦人科医の勤務条件・待遇を改善
する
• 病院に財源が必要
• 産科の診療報酬を引き上げる→病院が増収になる
平成19年7月9日
日本産科婦人科学会 柳澤厚生労働大臣宛 「産科医療提供体制の危
機的状況を打開するための緊急対策に関する陳情書」
•
高次産科救急患者への対応を行っている現場
の医師に対する、適正な評価と報酬の支給
–
–
–
•
•
「時間外救急対応手当」の支給
時間外勤務手当の適正支給
宿直翌日の勤務緩和
周産期医療対策事業の再評価と見直し
ハイリスク分娩管理加算の改定・適応拡大
平成19年9月7日 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医
会 舛添厚生労働大臣陳情
• 産科救急医療体制の整備について:
– 産科救急医療体制における一次医療機関の重要性を見直し
、その役割を明確にした上で、すべての産婦人科医療機関が
その機能を発揮できる体制の整備を行うこと
• 産婦人科医師不足問題への対策について:
• 新規の産婦人科医師の確保と育成を促進するのみでなく、現在産婦
人科医師である者が意欲を持って現勤務を継続できる環境を整備す
ること
– 勤務内容を適正に評価し、過重な労働に対して相応の処遇
を行うこと
– 医師の勤務条件の改善を各病院が積極的に行うことを促進
する施策をとること
– 産科補償制度を成立させ、産科医師を不必要な心身の負担
から解放し、患者との信頼関係を確保しつつ正しい医療が行
える環境を醸成すること
平成19年10月 中医協での議論
• ハイリスク分娩管理加算の対象の拡大を行ってはどうか。
– 低出生体重児や高齢出産等の出産に伴う危険性の高い症例は増
えている。
– リスクの高い分娩のうち、前置胎盤や心臓疾患等の合併妊娠につ
いては、現在ハイリスク分娩管理加算の対象疾患となっていない。
また、膠原病や腎疾患の合併妊娠等、妊娠管理そのものが難しい
症例もある。
• 緊急の母胎搬送の受入れが円滑に行われるよう、診療報
酬において評価を行ってはどうか。
– 周産期ネットワークが整備されていても、搬送の受入先が決まるま
でに相当な時間を要する場合もあるとの指摘がある。
• ハイリスク分娩管理加算の対象患者と分娩監視装置による
諸検査やノンストレステスト等の対象患者について、整合を
図ってはどうか。
今後の戦略
• 勤務医対策
– 産科ハイリスク妊娠・救急関連の診療報酬の大幅引
き上げ
• 基幹病院の増収→医師待遇改善のための財源を確保する
– 都道府県レベルで、ハイリスク妊娠対応への補助金・
医師手当を実現する
– 全病院での時間外分娩・手術・救急外来対応手当の
支給を実現する
– 全分娩における分娩手当の支給を実現する
– 交代勤務制の促進
– 女性医師対策
• 地域保育所への優先入所
今後の戦略
• 開業医対策
– 出産育児一時金の増額
– 分娩取扱有床診療所の新規開業促進策
• 医療法第7条3項における産科特例病床認定の簡
素化
• 開業時の経済的負担軽減策
– 産科開業ローン等
• 業務委託による病院内診療所の開設
– 産科医療補償制度の導入促進と拡大・充実
謝辞
• 発表の機会を与えて頂いた、社団法人
奈良県病院協会(会長 奥村秀弘 先生)
の先生方に深謝いたします。
産婦人科医師不足問題について
•
•
•
•
•
産科はなぜ、若手医師に人気がないのか
「日本のお産」とは
わが国の産婦人科医の実態
わが国の分娩施設の実態
産科医療危機への対策
産科はなぜ、若手医師に人気がないのか
勤務医の月間当直回数
産婦人科は他の診療科の2倍
(栃木県医療対策協議会
平成16年8月調査)
日本の医療訴訟件数の推移
1,200
1110
999
1003
1,000
906
全体
824
795
800
109
600
200
114
484
108
113
13.6%
100
産婦人科
16.1%
400
150
137
678
医師1000人あたりの訴訟件数(2004)
産婦人科: 12.4
外科: 10.9
内科: 3.8
102
50
0
0
‘70
‘95
‘99
‘00
‘01
‘02
‘03
‘04
‘05
産婦人科医数の推移・診療科間偏在の一例
(厚生労働省医師歯科医師薬剤師調査)
わが国の分娩施設の構成と問題点
2005年
分類
病院
類型
施設
数
大学病
院
91
総合周産期
母子医療セン
ター
60
分娩
取扱
率
医師
数
1718
52%
3644
一般病
院
1122
抱える課題
試練
新規専 新臨床研修制度・産婦
攻者の 人科の中で周産期専
攻を希望しない
減少・
女性医
師の増 未整備地域・能力不
足・母体搬送体制不備
加・
医師の 分娩のハイリスク化・
適正配 医師の立ち去り・萎縮
置
医療
町立大淀病
院事件
横浜・堀病院
事件
診療
所
有床診
療所
1783
47%
2463
高齢化・助産師不足
・看護師内診・安全性確保
助産
所
助産所
~300
1%
0
嘱託医・嘱託医療機関問題・安
全性確保
福島県立大
野病院事件
産婦人科が抱える問題ー産科医療の悪循環
• 産婦人科医は減少している。
• 産婦人科の中で。診療内容の拡大が続いている生殖内分泌部門・
婦人科腫瘍部門の勤務条件は他の診療科と差がない。
• 産科は、すべての施設で24時間対応を必要としており、少人数では
過酷な体制をとらざるを得ない。
• 産科は、医療訴訟が多く、心労が絶えない。
• 産婦人科医の中で、産科の現場から他の分野へのシフトが急激に
起きている。
• 分娩の現場の勤務がさらに過酷になってきている。
「日本のお産」とは
出生場所別出生数の推移
(人口動態統計による)
諸外国の分娩様式
出生数
(千人)
周産
期死
亡率
妊産婦死
亡率
自宅分娩
助産所分
娩
小規模
施設・医
院
大規模施設・病院
イギリス
663
8.2
5.3
非常に少
ない
少しはあ
る
少数
大部分(15%程度が院内
助産)
オランダ
190
7.9
9.5
低リスク
3分の1
ない
ない
3分の2(5-10%のmoved
home delivery)
スウェーデン
95
5.7
7.9
ない
ない
ない
100%(80%が院内助産)
ニュージーラン
ド
55
5.8
5.4
50-70%(地
域による)
ない
ない
20%
アメリカ
4,134
7.1
7.1
<1%
<1%
ない
98% (院内助産10%以下)
日本
1,111
3.6
6.1
非常に少
ない
少ない
47%
52%(院内助産は少ない)
「日本のお産」の特徴
• 規模の小さい分娩施設が各地域に多数配置され、各地域で分散し
て分娩に対応している。
• 各施設に少数の産婦人科の専門医が勤務し、24時間体制で、現場
で問題に対処している。
• 周産期統計は大規模施設による集中処理方式の国と比較して遜色
がない。
• 一人医師による有床診療所による分娩という様式は、わが国に特徴
的なものである。
• 各施設の医師の献身が期待できるのであれば、有効なシステムであ
るのかもしれない。
わが国の産婦人科医の実態
勤務施設別・産婦人科・産科医師の年齢分布
2004年末現在
日本産科婦人科学会 年齢別・性別学会員数
2007年9月30日現在
450
400
女性
350
男性
日産婦学会・会員数
300
250
200
150
100
50
0
25
30
35
40
45
50
55
60
65
年
70
齢
75
80
85
90
95
100
女 性 率
日本産科婦人科学会会員に女性の占める割合
2007年9月30日現在
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80
年
齢
分娩取扱施設に勤務している割合
a,b,d
a,e b,f
研修開始後の期間
c,d
c,e
c,f
同一文字間に統計学的有意差あり
卒業年度別 日産婦学会会員数 2007年9月30日現在
2004年卒は同時期に 294名だった。
新臨床研修制度導入後
卒業年度別 日産婦学会会員数の変化 2007年9月30日現在
新臨床研修制度導入後
わが国の産婦人科医の実態
• 産婦人科医は他の診療科と比較して、高齢化している。
• 高齢医師が診療所で分娩を取り扱っている。比較的若い医師が病
院・大学病院を支えている。
• 若い医師で年々男性医師が減少し、女性の割合が増加している。
• 女性医師は卒後10年間で高率に、分娩施設で働くことを辞めてしま
っている。
• 新臨床研修制度導入後、新規専攻者は10-15%減少し、男性医師が
さらに減少してきている。
わが国の分娩施設の実態
分娩取扱施設における勤務医師数
2005年日産婦学会調査
勤務医師数
施設
数
分娩
取扱
病院
1273
診療
所
合計
1
2
3
4
5-9
10-
52%
187
15%
299
23%
285
159
235
93
1783
47%
1214
452
99
3056
99%
1401
46%
751
25%
871
29%
分娩施設の減少
(厚労省医療施設調査による)
2006年4月以降の分娩取扱中止病院・判明分のみ
•
•
•
•
•
2006年
4月 福島県大野病院/福島
新城市民病院/愛知
西宮市立中央病院/兵庫
宇都宮社会保険病院/栃木
県立佐原病院/千葉
市立函館病院/北海道
岐阜社会保険病院/岐阜
北九州市立八幡病院/福岡
下伊那赤十字病院/長野
国立病院機構・鶴舞医療センター/京都
健康保険南海病院/大分
草加市立病院/埼玉
社会保険神戸中央病院/兵庫
国立病院機構・水戸医療センター/茨城
済生会富田林病院/大阪
八代総合病院/熊本
荒尾市民病院/熊本
斗南病院/北海道
金沢赤十字病院/石川
金沢市立病院/石川
県立佐原病院/千葉
市立小樽病院/北海道
庄原赤十字病院/広島
県立五條病院/奈良
5月 西条中央病院/愛媛
6月 新潟労災病院/新潟
市立加西病院/兵庫
高砂市民病院/兵庫
JR大阪鉄道病院/大阪
安曇野赤十字病院/長野
公立おがた総合病院/大分
7月 坂出市立病院/香川
加賀市民病院/石川
神鋼病院/兵庫
白根徳洲会病院/山梨
社会保険山梨病院/山梨
加納岩総合病院/山梨
相模原協同病院/神奈川
2006年
8月 福島労災病院/福島
井原市民病院/岡山
町立大島病院/山口
9月 都立豊島病院/東京
西横浜国際総合病院/神奈川
市立根室病院/北海道
福島県立会津総合病院/福島
兵庫県立尼崎病院/兵庫
10月 新潟県厚生連けいなん病院/新潟
国立病院機構・南和歌山医療センター/和歌山
国立病院機構・災害医療センター/東京
上野原市立病院/山梨
済生会御所病院/奈良
11月 大館市立扇田病院/秋田
県立志摩病院/三重
新潟県立がんセンター/新潟
12月 宇部興産中央病院/山口
NTT東日本長野病院/長野
銚子市立総合病院/千葉
2007年
1月 東京逓信病院/東京
道立江差病院/北海道
銚子市立総合病院/千葉
塩谷総合病院 /栃木
東北労災病院/宮城
2月 みつわ台総合病院/千葉
八潮中央総合病院/埼玉
小郡第一総合病院/山口
3月 九州労災病院/九州
津和野共存病院 /島根
柏原赤十字/兵庫
阪和住吉総合病院/大阪
住友病院/大阪
大淀病院/奈良
県立三春病院/福島
彦根市立病院/滋賀
三浦市立病院/神奈川
3月 総合磐城共立病院/福島
盛岡市立病院/岩手
釧路労災病院/北海道
江別市立病院/北海道
足立病院/釧路 北海道
宮城社会保険病院/宮城
境港総合病院/鳥取
福山市民病院/広島
東近江市立蒲生病院/滋賀
市立牛深市民病院/熊本
小国公立病院/熊本
福井総合病院/福井
県立東金病院/千葉
袋井市民病院/静岡
カレス・アライアンス日鋼記念病院/北海道
沖縄県立北部病院/沖縄
4月 盛岡市立病院/岩手
市立小樽病院/北海道
関西医科大学附属男山病院/京都
中津市民病院/大分
福井社会保険病院/福井
諏訪中央病院/長野
青森労災病院/青森
弘前市立病院/青森
菊水町立病院/熊本
福山市民病院/広島
国立病院機構・姫路医療センター/兵庫
済生会境港総合病院/鳥取
5月 旭川赤十字病院/北海道
県立坂町病院/新潟
浦安市川市民病院/千葉
6月 山鹿市立病院/熊本
新日鉄室蘭病院/北海道
7月 厚木市立病院/神奈川
8月 国立病院機構・栃木病院/栃木
9月 津島市民病院/愛知
10月 塩山市民病院/山梨
新宮市立医療センター/和歌山
11月 登米市立佐沼病院/宮城
わが国の分娩施設の実態
• 分娩施設は年々減少し、2005年秋には3000施設を下回っている。
• 大野病院事件の影響もあり、2005年調査分娩取扱病院1273か所の
38%を占めていた486か所の一人~二人体制の病院については、学
会が勤務条件の改善と安全性確保のため、人員を増加させるか、分
娩取扱を辞めるように勧告している。
• その後少なくとも114の病院が分娩取扱を中止している。
• 看護師内診問題でダメージを受けている診療所の分娩取扱状況に
ついてはデータが存在していない。
都道府県の面積
平成18年 都道府県別 出生数
単位面積あたりの出生数(平成18年)
単位面積あたりの従事医師数(平成16年厚労省医師数調査による)
人口10万人あたりの従事医師数(産婦人科+産科)
平成16年 都道府県別診療所出生率(平成16年人口動態統計より)
全国周産期医療データベースに関する実態調査
病院勤務医師一人あたりの年間分娩取扱数
2005年調査
全国周産期医療データベースに関する実態調査
診療所勤務医師一人あたりの年間分娩取扱数
都道府県別 出生数の減少率(1996年から2006年)
県民所得と出生数の変化率の関係
東京
沖縄
P<0.001