part3

プレゼンテーションの内容
家畜ふん堆肥の圃場利用での問題
家畜ふん堆肥の中の窒素の効き方
家畜ふん堆肥中の窒素の効き方を考
慮した化学肥料との協調利用
普及への取り組み
堆肥中の窒素の有効利用を考え
施用直後に播種や移植を行なう
農家圃場での施用試験(キャベツ)
牛ふん、豚ぷん堆肥の基肥利用
※施用直後
に作付け
予想窒素肥効量 kg/tDM
(化学肥料換算)
14
12
豚ぷん堆肥Bの
追肥時窒素
10
豚ぷん堆肥Bの
栽培終了時窒素
8
6
4
2
0
8/22
0
豚ぷん堆肥Aの
追肥時窒素
9/29 40
豚ぷん堆肥B
牛ふん堆肥A
20
豚ぷん堆肥Aの
栽培終了時窒素
11/17
80
豚ぷん堆肥A
農家慣行堆肥
60
緩効性窒素のある豚ぷ
ん堆肥2種類(窒素量
は異なる)
緩効性窒素のない牛ふ
ん堆肥
施用当作に効く窒素がほと
んど無い雨ざらし堆肥
平栁ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第11報 新しい窒素肥効評価法に基づくキャベ
ツ栽培実証」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
農家圃場での施用試験(キャベツ)
牛ふん、豚ぷん堆肥の基肥利用
※施用直後
に作付け
作物:キャベツ
堆肥からの予想供給量
化学肥料(基肥)
(追肥)
施肥量(10a)
窒素
窒素
リン酸 カリ 窒素 リン酸 カリ 窒素
窒素 基肥 22kg, 追肥 5kg (速効) (緩効)
リン酸 16kg, カリ 21kg
--- kg/10a --化学肥料
22.0
16
21
5.0
牛ふん堆肥 1t 併用
4.2
0.0
24
24 17.8
0
0
5.0
豚ぷん堆肥A 0.5t 併用
2.5
2.0
27
17 19.5
0
4
3.0
豚ぷん堆肥B 0.5t 併用
1.5
4.5
30
15 20.5
0
6
0.5
雨ざらし堆肥 0.5t 併用
0.0
0.0
30
3 22.0
0
18
5.0
堆肥施用量は乾物表記
この試験ではリン酸・カリの過剰は考慮していない
基肥(22kg)と追肥(5kg)を分け リン酸・カリは過剰になる
て化学肥料窒素を減らす
場合があるが考慮しない
石岡ら 「新たな窒素肥効分析法に基づいた家畜ふん堆肥の施用支援ツール」(2008年度関東東海北陸農
業研究成果情報)等より改変
農家圃場での施用試験(キャベツ)
資材費
1.5
1
0.5
資材費( 千円)
キャ ベツ 結球重( kg/個体)
キャベツ結
球重
0
化学肥料
堆肥+散布
費用
15
10
5
0
化学 牛ふん 豚ぷん 豚ぷん 雨ざ ら し
肥料 堆肥1t 堆肥A 堆肥B 堆肥
単用 併用 0.5t併用 0.5t併用 0.5t併用
化学 牛ふん 豚ぷん 豚ぷん 雨ざ ら し
肥料 堆肥1t 堆肥A 堆肥B 堆肥
単用 併用 0.5t併用 0.5t併用 0.5t併用
*化学肥料の成分kgあたり単価を窒素220円、リン酸450円、カリ190円、
堆肥 1tを5000円、散布費を3000円とした場合
石岡ら 「新たな窒素肥効分析法に基づいた家畜ふん堆肥の施用支援ツール」(2008年度関東東海北陸農
農家圃場での施用試験(ブロッコリ)
鶏ふん堆肥の基肥利用
※施用直後に作付け
基肥を鶏ふん堆肥で 30%, 50%, 100%代替
品種:しき緑
慣行
100%代替
村上ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第4報 家畜ふん堆肥の肥効評価法の露地野
菜栽培への適用」(土壌肥料学会2007年大会)より作成
堆肥から の窒素供給量
( kg/t・ 乾物)
水稲での施肥設計
8.0
穂肥以降に効く窒素
6.0
4.0
穂肥までに効く窒素
2.0
0.0
0
30
60
90
培養期間( 日)
120
150
村上ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第12報 新しい窒素肥効評価法に基づく水稲栽
培実証」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
農家圃場での施用試験(水稲)
※施用直後に
入水
豚ぷん堆肥の基肥利用
※窒素が減少す
る時期がある
窒素供給パターン(予測)
10
窒素供給量 kg/10a
・緩効性窒素のあ
る豚ぷん堆肥
・基肥を50%、
100%代替
穂肥 出穂
収穫
8
6
移植
慣行(化肥)
豚A全量
豚B全量
豚A半量
豚B半量
4
2
0
5/2
5/22 6/11
7/1
7/21 8/10 8/30
村上ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第12報 新しい窒素肥効評価法に基づく水稲栽
培実証」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
農家圃場での施用試験(水稲)
最高
分げつ数
/m
2
穂肥時
葉色
(S P A D )
穂数
/m
2
倒伏
1)
精玄米
収量
kg/10a
対照
慣行(化肥)
484
30
281
1
484
基肥窒素
全量代替
豚A 全量
387
31
259
1
455
豚B 全量
367
34
258
1
457
基肥窒素
半量代替
豚A 半量
508
30
298
1
460
豚B 半量
430
32
285
1
474
1) 無0~甚5
穂肥時の葉色はほぼ同じ(初期は薄い) 収量も落
ちる
最高分げつ数は少ない
穂数は少ない
AD可溶有機物の多い豚ぷん堆肥の水稲の
基肥代替は、半量程度を上限にした方が良い
村上ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第12報 新しい窒素肥効評価法に基づく水稲栽
培実証」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
肥料的な効果を考えた利用方法一覧(水稲)
水稲(秋施用)
水稲(春施用)
AD可溶有機物 < 250mg/g(乾物)
牛ふん
堆肥
豚ぷん
堆肥
AD可溶有機物 ≧
250mg/g(乾物)
C/N < 18
C/N ≧ 18
AD可溶有機物 < 250mg/g(乾物)
AD可溶有機物 ≧ 250mg/g(乾物)
鶏ふん堆肥(副資材なし)
窒素が有効利用されないので×にしてある
基肥代替は50%以下と注
加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法
第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨す
地温が低い時期に入るので×にしてある
べき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
利用方法一覧(野菜)
短期葉菜
中長期葉根菜
AD可溶有機物 < 250mg/g(乾物)
牛ふん
堆肥
豚ぷん
堆肥
C/N < 18
AD可溶有機物 ≧
250mg/g(乾物)
C/N ≧ 18
AD可溶有機物 < 250mg/g(乾物)
AD可溶有機物 ≧ 250mg/g(乾物)
鶏ふん堆肥(副資材なし)
後効きするものは短期の野菜では使わない
根菜類の作付は施用一週間後と注釈を入れ
加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨す
べき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
残されている課題
圃場試験で検証を行なった作物・地域が限ら
れている
検証できてない堆肥がある(密閉縦型方式の
牛ふん堆肥・副資材入りの鶏ふん堆肥)
より多くのケースでの検証が必要