ファジィ検索

ファジィ理論を用いたeコマース
サイト向けアパート検索システ
ムに関する研究
小山研究室
斉藤 直樹
2007/12/21
目次






研究背景
関連システム
研究目的
提案システム
評価方法
まとめ
研究背景(1)



eコマースにおいて製品の種類や数,サイト数など
は増加している一方である
消費者が好みの
製品を探すことが
難しくなっている
オンラインショッピ
ングが一般化し,
利用者数も増えて
いる
図:富士経済「通販e-コマースビジネスの実態と今後2005」
研究背景(2)



eコマースサイトの商品検索において
 フリーワードによる文字列検索
 カテゴリによる絞込み検索
などの方法しか一般化されていない
もし条件を満たす商品が1件もなければ条件を再入力し,
再検索する必要がある
条件を満たさない商品は表示されることはない
 条件を満たさなくとも好みの商品があるかもしれない
非効率的な検索
研究背景(3)
ス
ペ
ッ
ク
(
高
い
)
消費者によって評
価基準が違う
C
検索の柔軟性がない
A
B
図:価格とスペックのトレードオフ
価格(安い)
関連システム(1)
AHP:Analytic Hierarchy Process(階層分析法)


多目的最適化の方法として有名
人間の目的を数値化することができる
物件の選定
8
家賃
2
間取り
物件A
2
B/W
8
最寄駅
物件B
物件C
図 AHPによる多目的最適化
評価項目の優先度設定が可能 ⇔ 検索の柔軟化
2
築年数
関連システム(2)
物件B > 物件A > 物件C
家賃
5万円 の物件が良い ⇒ 物件?
最寄駅
物件B > 物件C > 物件A
最寄駅まで 10分程 が良い ⇒ 物件?
AHPの問題点
評価基準の優先度は設定できるが、
評価基準そのものの設定はできない
研究目的

消費者が満足のいく検索システムの構築

検索の効率化を目指す


何度も検索をかけることなく,一度で目的の商品を
探す
検索の柔軟化を目指す


消費者毎に評価基準の優先度の設定を可能にす
る
評価基準そのものの設定を可能にする
提案システム
ファジィ理論を用いたアパート検索システム



「メンバーシップ関数」により消費者の好みを反映させること
が可能
AHPでは設定できない評価基準そのものの設定が可能
「ファジィ測度」による評価基準の優先度設定が可能
検索の効率化,柔軟化
提案システム:メンバーシップ関数
満
足
度
1.0
0
8
10
12
図:「10万円以下」を表す特性関数
メンバーシップ値
1.0
満 0.8
足
度
0
値段(万円)
8
10
12
値段(万円)
図:「ほぼ10万円以下」を表すメンバーシップ関数
提案システム:システム構成
消費者
サーバ
PHP
メンバーシップ関数生成
クエリ生成
ファジィ検索
消費者の好みを
入力
ファジィ制御
ブラウザ
入力フォーム
物件表示
検索結果
商品取得
データベース
クエリ発行
提案システム:ファジィ積分
提案システム:メンバーシップ関数
の作成(1)

以前に提案された
システムでは消費
者が各項目におい
て好みを設定する
作業が必要であり
消費者への負担と
なっていた
提案システム:メンバーシップ関数
の作成(2)
提案システム:メンバーシップ関数
の作成(3)
満足度を希望条件の割合で設定することで
メンバーシップ関数を作成する
例:「希望家賃約10万円」のメンバーシップ関数の作成
希望額の割合
60%
80%
90%
100%
120%
満足度
0.1
1
0.9
0.8
0.1
満 1.2
足 1
度 0.8
0.6
0.4
0.2
0
系列1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
万円
提案システム:メンバーシップ関数
の作成(4)

離散的な項目の場合
例:「希望間取り1LDK」
0.6
系列1
0.4
0.2
4K
~
3L
DK
1K
/1
DK
1L
DK
2K
/2
DK
2L
DK
3K
/3
DK
0
ー
ム
満足度
0.2
0.6
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
1ル
部屋タイプ
1ルーム
1K/1DK
1LDK
2K/2DK
2LDK
3K/3DK
3LDK
4K~
満 1.2
足 1
度 0.8
部屋タイプ
提案システム:DBからの取得につ
いて


以前に提案されたシステムではDB内のすべての
商品について満足度の計算を行っていた
ある程度範囲を絞り,絞り込んだものについて満
足度の計算を行う
方法
1. 優先度を設定する際に最も重視する項目を設定
2. その項目において明らかに満たさない物件はDBから取得せず,それ
以外をDBから取得
3. 物件の満足度を計算
検索時間の短縮
評価方法(1)
3つの検索方法の比較
3つの検索方法を実行してもらい比較する




入力する際の手間はどうであったか
好みの物件はみつけられたか
最も使いやすかったのはどの検索方法か
評価方法(2)
AHP検索,ファジィ検索の比較
検索時間を計測し比較する
DBから3~5件ほど物件を選んでもらい
比較する



AHP検索,ファジィ検索において,選んでも
らった物件は上位に表示されたか
まとめ
この研究では


一度の検索だけで消費者の求める条件に
対応できるような効率的で柔軟なシステム
を構築できることが期待できる
好みを入力する手間の減少により,消費
者の負担を減らす
消費者が満足のいく検索システムの
構築
おわり
メンバシップ関数:その他の項目
風呂・トイレ
好み
別
一緒
どちらでも良い
別
1
0.3
0.5
最寄駅までの距離
割合
30%
80%
90%
100%
150%
満足度
0.5
1
0.9
0.8
0.1
一緒
0.3
1
0.5
築年数
割合
30%
80%
90%
100%
150%
満足度
0.5
1
0.9
0.8
0.1
今月の予定


システム構築可能なところからシステム構築を開始
平行してさらなるアイディアを考案
上旬
システム
構築
アイディ
ア考案
中旬
下旬
物件の選定
8
2
家賃
間取り
物件A
2
8
B/W
物件B
2
最寄駅
物件C
築年数
物件C
物件B
液晶
物件A
液晶
反映
液晶
Aメンバシップ値
液晶
0.8ブランドX
ブランドX
10万円
1
10万円
26インチ
0.5
26インチ
0.626インチ
26インチ
2DKブランドX
ブランドX
B/W別10万円
10万円
26インチ
10万円
26インチ
10分26インチ
26インチ
築15年
0.5
0.7
0.3
0.1
風呂・トイレ
0.5
築年数
A満足度
液晶
0.72 ブランドX
ブランドX
10万円
0.5
10万円
26インチ
0.35
26インチ
0.18 26インチ
26インチ
ファジィ測度
0.9
最寄り駅までの距離
C満足度
B満足度
液晶
0
間取り
家賃
反映
0.9
0
メンバーシップ関数
入
力
フ
ォ
ー
ム
Cメンバシップ
値
Bメンバシップ値
0.7
平均値
C総合満足度
0.42
B総合満足度
0.3
0.42
A総合満足度
0.1
0.35