2005年度 卒業研究 階層化 Mobile IPにおける パケット処理の最適化に 関する研究 能登研究室 200203065 斉藤 隼人 1.はじめに モバイルネットワークは,年々発展し続けており, その中でIPプロトコルを用いた高速なモバイル 通信が求められる. 階層化Mobile IP(HMIP)による移動端末(MN) と相手端末(CN)との透過的なローミング 2.既存のHMIP HA CoA MAP CN MAP-2 CoA-2 CoA-3 図1のように,HMIP では,HAとその配 下のMAPが,階層 的に用意された位 置管理アドレス (CoA,CoA-2, CoA-3)をMNの位 置管理に用いる. MN 図1 HMIPのイメージ図 このように,MNの 管理を階層化する ことで,簡素化でき る. 2.既存のHMIP しかしMN宛のパケットは,すべて途中で,HAと 配下の各MAPで,カプセル化処理されてしまう ため,パケットのサイズが増加してしまう. パケットのサイズオーバーにより,途中経路で の喪失による再送,MNへのカプセル解除処理 の増大が問題になる. 3.提案手法 HA MAP MAP CN 図2のように,HAとそ の配下の各MAPが,1 つ配下のMAPのアドレ スを持ち,最下位の MAPがMNのCoAを位 置管理に用いる. MAP-2 CoA MAP-2 MN 図2 提案手法のイメージ図 配下のMAPでカプセ ル化処理を行わない ため,パケットサイズ の増加が緩和できる. 4.シミュレーションの構築 本研究を検証するために,既存のカプセル化を 伴う場合と提案手法の2種類について, CNか らMNまでのパケット通信の頻度と費やした時 間をシミュレーションを行って計測する. 実験は,MTUが全経路均一で,パケットが喪失 しない場合と,MTUが経路により異なり,途中 でパケットが喪失し,一定時間後に再送を行な う場合について実験する. 5.実験と結果 図3は,MTUが途中 経路によらず均一で, パケットが喪失しない 際の,頻度(横軸)と時 間(縦軸)の特性である. 図3 MTU均一下でのパケット処理時間 5.実験と結果 図4は,MTUが途 中で異なり,途中で パケットが喪失し, 再送される際の特性 である. 経路の平均MTU を3通りに分けて,そ の平均を満たすよう MTUをランダムに 変更させ,既存手法 と提案手法と比較し ている. 図4 MTUが経路ごとに異なる場合のパケット処理時間 6.考察および結論 パケットのカプセル化は,データ処理のための メモリ追加確保が必要. カプセル化を行なうと,パケットのサイズが増加 でサイズオーバーにより喪失されやすくなる. 提案手法により,HAとその配下のMAPがすぐ 配下のMAPのアドレスを用いてMNの位置管 理を行なうことの有効性が示される. 6.考察および結論 しかし,本研究ではフラグメント処理については 触れていない. MNでのカプセル化解除処理に関する最適化 が不十分. これらが今後の研究での解決策として,まず考 えられることである. ☆ご静聴ありがとうございました・・・☆
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