私達のふるさと、NICU

私達のふるさと、NICU
第1回NICU同窓会へのメッセージ
同窓会のお誘い
ある雨の日、ポストをのぞくと、
小学2年の双子の息子あてに白い封筒が
入っていた。
差出人は2人が生まれた病院。
封を開くと、うれしい知らせが入っていた。
それは2人のふるさとである
未熟児室からの同窓会のお誘いだった。
ここ最近こそごぶさたしていたが、
妊娠がわかってから、出産、そして
その後の数年間と、何度この病院には
足を運んだことだろう。
双子の息子は共に未熟児で、
帝王切開で生まれて
すぐにこの未熟児室に運ばれ、
命の小さな火を守り、育んでいただいた。
長男は5ヶ月間、次男は2ヶ月間、
いろいろな方々の手に抱かれ、
温かい目に包まれながら、
ここで人生最初の日々を過ごしたのだ。
子供の入院中、毎日母乳を搾っては運び、
子供に会えるうれしさと、先の見えない不安と、
様々な感情を持って、
病院の大きな建物を見上げたのが、
つい昨日のようにも、遠い昔のようにも思える。
その後も、ことあるごとに、
この病院のお世話になった。
未熟児故に発達の遅れが気になる長男。
ぜんそく持ちの次男。
心配毎があっても、ここに来るとなぜか
ほっとした。
大きいけれど温かみを感じる病院だった。
早速、出席に○を付けて、返信しよう。
懐かしい看護師さんや先生に
大きくなった息子たちをみてもらいたい。
朝日新聞 平成15年9月18日 朝刊 「ひととき」より
私たちのよろこび
今日は、
こんなに沢山のこども達とご家族が、集
まってくれました。
どのお子さんも、生まれた時の体重が
1500gに満たない小さな赤ちゃんだったの
です。
お子さんにかかわったいろんな方々も
会いに来てくれました。
こうしてみんなが一堂に会した事自体が
素晴らしく、生きる力を与えてくれます。
大きくなった子もまだ小さい子も、
人見知りでお母さんから離れない子も、
1人であちこち動き回る子も、
活発な子も、発達が気になる子も、
どの子も私たちには輝いてみえます。
私たちは
いつまでも、みなさんを見守っています。
温かいふるさとでありたいと思っています。
みなさんは、ひとりではありません。
こんなにたくさんの仲間がいます。
どうぞ、
それぞれにしっかりと生きてください。
NICUを巣立っていった
こどもたちの姿を見ることは
私達の何よりの喜びです。
ほんとうにありがとう。
さとう