任意屈折率のシリカエアロゲル 開発と性能評価 田端誠,足立一郎A,福嶋知一,河合秀幸B,倉谷厚志, 西田昌平A,布村崇裕,奥平恭子C,富岡功輔,矢野創C,横川弘D 千葉大自然,高エ研A,千葉大理B,ISAS / JAXAC,松下電工D 28pWL-5 日本物理学会 第61回年次大会 愛媛大学・松山大学 2006/03/28(Tue) 研究背景 屈折率 シリカエアロゲル ( 固体 ) 気体 1.001 1.005 液体・固体 1.08 低屈折率エアロゲル製作の困難 超臨界乾燥時の高温で 1.3 高屈折率エアロゲル製作の困難 テトラメトキシシラン + 水 > 溶媒 エアロゲルが収縮 調合液が分離 密度が上がり、 ゲル化が進行しない 屈折率が上がる 2 これまでの成果 低密度エアロゲル 高屈折率エアロゲル JPS 2004 春 JPS 2004 秋 2層間の 製作途中で 化学的結合が 意図的に 収縮を抑制する。 収縮させる。 松下電工(株) 標準製法 改善が必要 2層式 • クラック • 反り・歪み • 透明度 3 高屈折率エアロゲルの開発 ~ピンホール乾燥法~ (室温ゆっくり乾燥→収縮) 標準製法 調合 超臨界乾燥 エアロゲル ゲル化 ピンホール乾燥 洗浄 2 アルコゲル 熟成 洗浄 1 疎水化処理 5 ピンホール乾燥法 ~高屈折率エアロゲルの製法~ 自然乾燥 ピンホール乾燥法 調合・半熟成後のアルコゲルを 半密閉容器に入れ、徐々に溶媒を揮発させる ゲル構造を壊さずに収縮 → 密度(屈折率)増大 6 屈折率 と 透過長 40.0 Pinhole Drying '05 [Methanol] 35.0 Reference '05 [Methanol] 30.0 @400nm Transmission Length [mm] 45.0 25.0 20.0 2005年製作 15.0 10.0 5.0 0.0 1.000 1.050 1.100 1.150 1.200 1.250 Refractive Index @405nm 1.300 7 屈折率 と 透過長 ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒 40.0 Pinhole Drying '06 [Methanol] 35.0 Pinhole Drying '06 [DMF] 30.0 @400nm Transmission Length [mm] 45.0 25.0 Reference '06 [Methanol] 20.0 Reference '06 [DMF] 15.0 Pinhole Drying '05 [Methanol] 10.0 Reference '05 [Methanol] 5.0 0.0 1.000 1.050 1.100 1.150 1.200 1.250 Refractive Index @405nm 1.300 8 密度 と 屈折率 Refractive index @405nm 1.300 Pinhole Drying Reference 1.250 1.200 1.150 n = 1.0031 + 0.2599ρ r = 0.9961 1.100 シリカエアロゲルの 密度と屈折率の関係 n = 1 + 0.25ρ 1.050 1.000 0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 Density [g/cm3] 1.000 1.200 9 収縮度合い と 屈折率 1.300 1.051(Methanol) 1.045(DMF) 1.047(DMF) 1.051(DMF) 1.057(DMF) calculated(1.051) calculated(1.045) calculated(1.047) calculated(1.057) 1.200 @405nm Refractive Index 1.250 1.150 1.100 n-1=(n0-1)s-3 1.050 n0 : 収縮しない場合の屈折 率 s : 元の長さを1とした場合の 1.000 0.50 0.60 0.70 0.80 Length Contraction s 0.90 1.00 収縮後の長さ 10 低密度エアロゲルの開発 ~フレーム構造法~ (硬いゲルで囲んで収縮抑制) フレーム構造法 ~低密度エアロゲルの製法~ 2層式の応用 フレーム構造 テフロンシート 収縮率の小さなアルコゲルで型を形成する 内部に成型したアルコゲルは収縮が抑えられる 低密度エアロゲルの実現 ガラスケース・プレート エタノール溶媒 エタノール超臨界乾燥 12 低密度エアロゲルサンプル 二層構造 (1.001) 二層構造 (1.0025) 3 密度 : 0.01227±0.00001 g/cm密度 : 0.01656±0.00008 g/cm3 (屈折率 1.0031 相当) (屈折率 1.0041 相当) 厚さ : 19.0mm → 11.5mm (61%)厚さ : 19.0mm → 14.0mm (74%) フレーム構造 (1.001) 密度 : 0.00880±0.00008 g/cm3 密度測定 (屈折率 1.0022 相当) 13 まとめ ピンホール乾燥法により、屈折率が1.1~1.3で、 20~25mmという高い透過長をもつエアロゲルを製作可 能になった。 高エネルギー実験だけでなく、原子核実験などでの利用に期待。 フレーム構造法により、密度0.01g/cm3を下回るエアロゲ ルを初めて製作できた。 宇宙塵捕集材としての利用を目指す。 標準製法と2つの新製法により、気体と液体の間の屈折 率をシリカエアロゲルでほぼ埋めることができる。 14
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