外生的貨幣数量説は正しくない ◆外生的な貨幣数量説は、デフレの解決の説明に は不完全である、というのが筆者の意見である。 <外生的貨幣数量説> M(マネーサプライ)×V(貨幣の流通速度)=P(一般物価 水準)×Q(取引数量)・・・貨幣数量方程式 →「物価はマネーサプライに比例する」ことから、 多くの経済学者はマネーサプライを増やせば物価 が上がる、と主張していた。←間違い 内生的貨幣数量説とは 筆者は内生的貨幣数量説を支持している。 ◆内生的貨幣数量説とは、外生的貨幣数量説 の逆パターンであり、季節的背景や世界情勢 など何らかの影響で物価P、取引数量Qが先 に決まったとする。このときMV=PQが満た されるように、貨幣数量Mが決まるというもの。 両者の比較 外生的貨幣数量説 ①マネーサプライを中央銀行 が増やしたり減らしたりする ことで、物価が決まる。 →M(貨幣数量)を先に決 める *現実の世界では貨幣供給を増や しても、日銀が直接関与できるの は民間銀行の準備預金に留まる ため、マネー供給しても物価上昇 にはつながらない。 内生的貨幣数量説 ①何らかの事情(季節etc)で 物価や取引量が決まる。そ れに応じて、貨幣数量が定 まる。→P(物価)・Q(取引 数量)が先に決まる 内生的なマネーサプライという考え方 フィッシャー・ブラックもまた、内生的貨幣数量 説を支持している。 「アメリカのような経済では金融政策は完全に受動的だ、と私は 考えている。価格あるいは所得が上昇したときに貨幣は増え る。なぜならそうした時には貨幣に対する重要が増えるから だ。」(p111 一部抜粋) ここにあるように、ブラックは物価の動きは期待に よって決まるという部分は筆者とは異なるものの、 貨幣数量は受動的に決まる、ことに関しては筆 者と同意見です。 フィリップス・カーブ ・価格の動きをマネーから離れた所か ら導くロジックの補強案として筆者 が挙げたグラフ。 ・ケインジアンが手にしたマネーから切 り離された価格決定ロジック。 ・縦軸:インフレ率(物価上昇率) 横軸:失業率 ・短期において「失業率を低下させよう とすればインフレーションが発生」 し、「インフレーションを抑制しようと すれば失業率が高くなる」というこ とを表した曲線である。 フィリップス・カーブからわかること ~筆者がフィリップス・カーブを用いた理由~ 多くの経済学者は物価の動きをマネーで説明できるとしていた。 ・・・それは間違いであり、 デフレの鍵は 賃金 失業率の高まり、さらに賃金の上昇率が低くなると、物価が下 がることを証明するためにフィリップス・カーブを用いた。
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