31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力計測系の製作

31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力計測系の製作
機械創造工学課程 11302090 梅本康平 担当教員 小林泰秀 准教授
1. 研究の背景
3.実験結果
熱音響冷却システムは、冷媒なしで冷却が行える.
管内の流れは進行波である方が好ましい.
管内の流れが進行波
になっているか.また,
進行波はどのような
条件で生じるのか調べ
る必要がある.
複数の圧力センサを用いて
確かめる方法がある.
しかし,圧力センサでは連
続的に測ることができない.
図4に発泡スチロールが入っている場合と入っていない場合
の圧力のゲインを比較したものを示す.
発泡スチロールが管内に入っていることによる大きな影響
はないと考えられる.
Gain [dB]
1
0.1
0.01
0.001
http://ctt.doshisha.ac.jp/con
tents.html
熱音響技術研究センター
渡辺 好章 坂本 眞一
そこで,本研究ではクントの実験を応用し
連続的に管内の圧力を調べることを目的とする.
2. 実験装置
0.0001
10
100
1000
Frequency [Hz]
図4 発泡スチロールがある場合とない場合のゲインの比較
物理モデルと実験による可視化結果を比較した.
図5に実験による発泡スチロールの浮上位置
のピークを模式的に表したもの示す.
この時のspk1とspk2の位相差は0°であった.
spk2
spk1
x
0
図1に実験装置の概略図を示す.
590
spk2
フランジ位置
450
spk1
図5 発泡スチロールの浮上位置
位相差0°の時の管内粒子速度の物理モデルを図6に示す.
Perticle velosity [m/s]
12
1300
図1 実験装置の概略図
発泡スチロールを容易に
入れられるように図2のよう
にフランジを取り付けた.
10
8
6
4
2
0
図1のようにspk1および
spk2から音を鳴らし,
共振周波数になると発泡ス
チロール(Φ3)は図3のように
浮上する.
0
今回は,2次共振である周波数
190[Hz]で一定とし実験を行った. 図3 実験における発泡ス
チロールの浮上の様子
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
Tube length [m]
図2 フランジ
図6 位相差0°の時の管内粒子速度の物理モデル
図6のx軸の0[m]の位置はspk2の位置を表している
図5と図6を比較するとわかるように浮上位置が
一致していることがわかる.
4.まとめ
クントの実験を応用することによりループ管内の
音圧分布を可視化する装置を作製した.
発泡スチロールの浮上は粒子速度の腹(圧力の節)
で起きる.
2次共振での管内の圧力分布を見ることができる.
管内の音圧分布が物理モデルによる計算結果
と概略一致するということを確認した.