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資料4
◎ 財政調整制度について
○財政調整にかかる論点の組み合わせ
○各国の財政調整制度について
財政調整にかかる論点の組み合わせ
前提(財政格差について)
○大阪市の再編時の事務配分に見合った財源配分が必要
○大阪市の再編の仕方によっては、需要額を大きく上回る超過収入を持つ団体が生じるおそれがある。
○この収入差を全て調整するのか、一定の収入差を認めるのか、まず制度づくりの前に議論が必要。
原
資
現行交付税
基
準
交付税算定基準
○新たな制度不要
○全国標準サービスを確保
○標準的サービスに係る経費の確
保
■需要と収入の差を完全に保障す
る場合、自治体における歳出歳入
の効率化努力に関するインセンティ
ブが低くなる
■サービス格差拡大
■調整財源の不足
交付税+拠出金
○富裕団体からの拠出金(市町村
税の一定税目額から拠出のルー
ル)により、格差是正
○水平的調整に位置付けられ、下
からの調整として受け入れ容易
■拠出金の負担理由が不明確
■課税自主権の侵害の可能性
●交付税+基礎自治体間の共有税
●交付税+広域自治体の目的税
(基礎自治体の振興など)
■大阪の実情を把握できるか
大都市需要を加味したうえで、需
要と収入の差を調整する独自基準
○大阪の実情を反映した需要、収入両
面から財政調整が図られる。
■制度構築が複雑になる可能性。
■どこまでの収入を調整財源でするの
か。
■どこまでの需要を調整の対象とする
のか。
■需要と収入の差を完全に保障する場
合、自治体における歳出歳入の効率化
努力に関するインセンティブが低くなる
交付税算定基準による算定の上、加
えて収入均てん化
(一人当たり平均税収など)
○共有税を水平的調整に位置付ける
ため、受入容易
○交付税により一定調整のうえ、収
入面からの格差を補完的解消
○広域自治体による目的税であれば、
調整が容易
○収入均てん化は収入面だけに着
目した調整のため、歳出面での創
意工夫が高まる可能性
■共有税(目的税)の対象となるべく税
目、税率の決定の必要
■共有税の徴収主体の設定必要
■目的税の場合、市町村税を広域自
治体が吸い上げるイメージ
■収入面からの格差解消のため、
大都市需要など加味した格差調整
ではなく、需要面での補足が不十分
(注)○メリット、■デメリットを示している。
配
分
主
体
と
方
法
基礎自治体による調整機関で決定
対
象
地
域
旧大阪市域限定
○地域の実情に応じた配分が可能。
○執行と財源責任が同一化。
■利害対立が生じやすい。
○市域一体性に沿う
○市域外の基礎自治体に超過収入
分の調整をかけずに済む
■多数決など交付金に係る意思決
定のルールがなければ、同意だけで
は調整できないおそれがある。
※第三者の参画も考えられる
■市域外に超過収入分の恩恵が及
ばない
広域と基礎が参加する調整機関
○第三者的立場で広域自治体によ
る調整が期待できる。
■多数決など交付金に係る意思決
定のルールがなければ、同意だけで
は調整できないおそれがある。
※第三者の参画も考えられる
基礎と協議し、広域自治体が決定
○責任主体が明確
○多様な意見や利害対立を踏まえ
た判断が可能
■基礎の実情を反映できるか
■広域が吸い上げるイメージ
※第三者の参画も考えられる
府域全域
○大阪全体としての均質化が図ら
れる。
○市域外にも超過収入分の恩恵が
及ぶ
■超過収入分が他地域への移転に
より旧大阪市域のメリットが少な
い。
各
国
ア メ リ カ
税収
(国:地方)
歳出
(国:地方)
の
ド
イ
財
ツ
カ
政
ナ
調
ダ
整
制
度
ス ウ ェー デン
フ ラ ン ス
オーストラリア
歳入調整
or
イ ギ リ
ス
日
本
57:43
84:16
82:18
95: 5
59:41
44:56
36:64
39:61
56:44
69:31
54:46
68:32
38:62
―
配分額の積
上げ。
あらかじめ一
定額に固定。
当面3.5%の割
合で増加。
国の予算編成の
シーリングの中で、
中央政府の財政
上の観点を勘案
しつつ決定。
物価上昇率
+実質GDP
伸率×50%
連邦と州との
間での協議機
関である首相
会議や閣僚評
議会などで
検討。
国の策定する
公共支出計画
において中央
政府の財政政
策上の要請を
踏まえ決定。
国税5税の一定
割合
地方財政計画
上の財源不足
額を基礎として
加算額を決定。
水平調整
垂直調整
垂直と水平の
双方併用
垂直調整
垂直調整
垂直調整
垂直調整
財政調整
制度なし
(不足する州に
補完的に垂直
を併用)
―
歳入調整
歳入調整
歳入・需要
調整
歳入・需要
調整
歳入・需要
調整
歳入・需要
調整
歳入・需要
調整
―
―
―
分離型
分離型
統合型
統合型
統合型
―
州民一人当
たり税収と
全州平均と
の差など。
州民一人当た
り税収と全州
平均との差。
(歳入面)住民一
人当たり課税所
得、全国平均一
人当たり課税所
得
(需要面)年齢構
成や地理的条件
によるコスト差の調
整など。
財政力、財
政需要、税
負担の3つの
格差を是正
するため、複
数の交付金
を設けてい
る。
連邦交付金委
員会が配分割
合を示す係数
を求め、連邦に
勧告。
各自治体ごと
に相対需要額
と相対財源額
等を計算した
差額。
基準財政需要
額と基準財政
収入額の差額。
歳入・
需要調整
歳入・需要
調整の場合
て
47:53
決定
水平
い
50:50
総額の
or
つ
59:41
マクロ
垂直
に
分離型
or
統合型
配分基準
※ 分離型:公共サービスのニーズ及びコストの格差を考慮する部分と、課税力の格差を考慮する部分とを分離したうえで、その両方を合わせて財源保障と財源調
整を図るもの。
統合型:財政需要と財政収入との差額を基礎として、財源保障と財源調整を図るもの。
各
地
歳方
入自
構治
成体
の
調
整
の
仕
組
み
ア メ リ カ
ド
イ
ツ
州・地方税
46%
特定補助
金15%
その他39%
州・地方税55%
一般交付金3%
特定補助金5%
起債15%
その他22%
財政調整
制度なし
一人当たり
州税収格差
は各州で努
力
カ
国
ナ
の
財
ダ
政
調
整
制
ラ
度
スウェーデン
フ
ン
ス
州・地方税65%
一般交付金
地方税72%
交付金、補助
11%
特定補助金2%
その他22%
金18%
その他10%
地方税52%
起債10%
交付金・補助
国庫からの交
交付金:
2つに大別
付金以外に、州
間で財政力を調
整する水平調整
制度
3段階で調整
①付加価値税配
分
②州相互間での
水平調整→一人
当たり州税収が
全州平均を上回
る州が下回る州
に調整交付金を
交付
③連邦からの交
付金
共有税(州取り
分は所得税
42.5%、法人税
50.0%、付加価
値税45.9%)のう
ち付加価値税の
配分には財政調
整的要素(※)が
ある
(※)徴税地主義
ではなく、人口や
財政力等の指標
で配分
①医療社会福祉
交付金(人口按
分)
②平衡交付金
・水平調整なし
・州平均歳入ま
で交付する歳入
均等化型
算定概要:交付
金額=(一人当
たり標準的財政
能力-一人当た
り各州財政能
力)×各州人口
計算過程で、税
収入を平準化し
ている。
州間格差は残
るが、州の財政
需要は考慮され
ない
連邦と州とが
所得・消費に重
複課税
①歳入平衡化:
歳入超過団体負
担金と国庫を原
資とし、全国平
均比から調整水
準を定め、水準
に満たない自治
体は交付を受け
る。水準を超え
る自治体は国へ
賦課金を拠出
②費用平衡化:
年齢構成や地理
的条件によるコ
スト差を調整す
るため全国平均
を下回る団体が
負担金を拠出
に
つ
い
て
オーストラリア
イ
◆州・地方税
31%
◆交付金、補助
金48%
◆その他21%
地方税12%
一般交付金
地方税34%
一般交付金
38%
特定補助金
23%
起債3%
その他24%
21%
特定補助金
16%
起債13%
その他16%
経常総合交付
連邦政府から
一般交付金:
金(DGF)をはじめ
多数の一般交付
金が存在
分配指標は多
様
DGFのうち概算
交付金は、人口
や面積などの配
分基準で基本的
な財政需要を反
映している。
またDGFのうち
財政調整交付金
では、財政力、
徴税努力、特定
の財政需要(学
童数など)を勘案
している。
州政府と、州政
府を通じて地方
政府に交付金を
配分する二段構
え構造の垂直調
整
連邦や州から
独立して、配分
係数を勧告する
交付金委員会を
設置
付加価値税歳
入総額を原資。
各州の歳出や
歳入、独自の増
収、増出要因等
を一定の算式に
あてはめ、交付
金額を算定する。
金・その他38%
ギ
リ
ス
日
本
歳入歳出差額
歳入援助交付金
補填方式の地
及び事業用レイ
方交付税採用
水平調整なし
ト交付額(合算し
交付税基準額
て算定)
=相対需要額-
=基準財政需
相対財源額+人
要額-基準財
口割配分額+最
政収入額
低伸率保証分
相対需要額:
行政費用が最低
の自治体との格
差を基準にして
決定
相対財源額:
一人当たりカウ
ンシル税が最低
額の自治体との
差に人口を乗じ
て求める。
人口割配分
額:予め政府が
決定した金額の
人口割
最低伸率保証
分:自治体毎に
決められた前年
度比での伸び率
水平調整なし
2006年に制度
改正され、歳入
割合のうち、一
般交付金及び特
定補助金は17%、
45%となっている。