これからの男の力、女の力 身体の根源から考える

現代人のための整体法
ー豊かな時代のセルフケアー
◆脳卒中の予防のために
夏~冬に大事なこと
江戸川大学 社会学部人間心理学科
平山満紀
簡単な自己紹介
•
•
•
•
•
平山満紀(ひらやままき)
江戸川大学社会学部人間心理学科専任教員
専門:社会学、身体論
テーマ:情報化時代の身体と身体文化
個人サイト 「平山身体文化研究室」
http://www.hirayama-body.com/
• 大学生への身体教育、各年齢の生涯学習とし
ての身体教育にとりくむ
• 近著 『母性社会の行方』紀伊國屋書店
この講座の趣旨
 ①情報化時代に特有の身体の偏りとその整え方
 ②基本的な身体のしくみと整え方
 ③季節ごとの身体の整え方
…整えるためのセルフケアの知識と技術
野口整体が基盤(野口晴哉氏が創始)
自己治癒力を最大限に生かすことに特徴。
身体の観察は、他の西洋医療、非西洋医療のど
の追随も許さないほど精細。
「愉氣法」物理的な力ではなく氣を通すこと。
「活元運動」無意識、無意図的な自己調整運
動・・・これを活性化させる。
脳卒中
• 日本人の死因の3位(年間13万人)。脳細胞が
壊死、重い障害の原因にも。
●脳梗塞(6割以上)(=脳軟化症)ー脳の血流が滞
り、虚血で脳細胞が壊死。①不整脈、②血が脳に
上がらない、③血栓で詰まる
●くも膜下出血ー血管のこぶが破裂し、脳の表面に
出血。
●脳出血(=脳溢血)ー脳の動脈が破れて出血し、
血の塊が脳の組織を圧迫。血が脳から下がらな
い
脳卒中の原因
(1)脳の血管に何かが詰まる(血栓)
(2)脳の血管を血液がさらさら流れない
(3)脳に血液が上らない、脳から血液が下りな
い
(4)脳の血管の弾力がとぼしい
脳の血管に何かが詰まる
(1)
ーどう予防するか?
• 汗をひっこませないことが非常に重要
• 梅雨時の汗、夏の汗+冷房、秋の汗+秋冷えは危険。
汗が製造されたのに皮膚外に出ない
→汗(老廃物を含む)は移動 背骨硬直 血圧変動
→お腹の汗は腸にはいり下痢 食欲異常
上半身の汗は目やに、目の疲れ、手足のしびれ
首の汗は脳血管に入ることも 首太く硬く
「汗を冷房や扇風機で冷やすのは、脳卒中製造法。」
●汗は乾いたタオルで拭くこと。
●首の汗は特に冷やさない。襟巻きで寝るとよい。
●寝る前のお風呂は、布団の中で汗が冷えるので避ける。
●万一首の汗を冷やしたら、あつあつの温湿布で急ぎ、後
頭部を15分間温める。
(2)脳の血管を血液がさらさら流れない
ーどう予防するか?
• 血液さらさらには水が最も重要
• 脳卒中最多月は11月。乾燥するが涼しいので
水を飲まないのも一因。
●秋~冬 乾燥する季節に、ちびちび少しずつ水を
飲むこと。
• 身体がひからびていると、水を美味しく感じない
が、がまんしてちびちびのむと、数年後美味しく。
• 特に入浴中、ちびちび水を飲むのが吸収よい。
入浴中、口に水を含み、唾液などでとろとろに
なるまでおいて、捨てる。
次の一口から、少しずつ飲む。
(3)
脳に血液が上がらない、脳から血
液が下りないーどう予防するか?
• 脳に血液が上がらないー脳梗塞ー左後頭骨が下がるー
左首筋(胸鎖乳頭筋)の硬直
●左後頭骨上げながら愉氣
●胸鎖乳頭筋を下から上へ3か所愉氣
• 脳から血液が下りないークモ膜下出血、脳出血ー右後頭
骨が下がるー右首筋(胸鎖乳頭筋)の硬直
●右後頭骨上げながら愉氣
●胸鎖乳頭筋を上から下へ3か所愉氣
●肩もみは、この部分を却って硬くするので、しない
(4)脳の血管の弾力が乏しい
ーどう予防するか?
●汗を冷やさない
• 脳の血流滞るー手や手首の動きがこわばる
手指と手首の動きをよくすることで脳の血流改善
●手指を別の手の指にはさんで伸ばす、手首を横に振る
●合谷の親指側 薄く硬く痛みある場合は愉氣
• 脳卒中、癌など重篤な病の発症前は、1、2年以上風邪をひか
ない。(身体鈍って風邪ひけない。)
●風邪をひくと弾力戻る
発熱ー蓄積された老廃物が移動ー発汗と共に排出
ー血管、筋肉、背骨、内臓の弾力も戻る。
風邪をひけるには、風邪薬飲まないよう
風邪気味の時には後頭部を温める
お風呂の入り方
• 入浴中の発症多い。温度変化に注意。
• 特に足親指が冷えている人は危険。
●足つま先にお湯をかけ、顔をお湯で洗い、そ
れをタオルでふいてから湯船にはいるとよい。
• ぬるい長風呂は脳溢血製造法になってしまう。
●朝風呂が最上。昼、夕方、夜の順に悪くなる。
• 食後1時間は避ける。
それでも脳卒中になってしまったら
• 手首が細く柔らかなら回復容易。
• 頸上を温めるとよい。
• 救急医療を一刻も早く受診。
• 麻痺した側の手指、手首、合谷、足指、第一
蹠骨を伸ばす、愉氣することを、念入りに繰り
返す。
• 頭の患部に掌をかざして愉氣するのもよい。
参考文献
• 野口晴哉『風邪の効用』ちくま書房
• 野口晴哉『整体入門』ちくま書房
• 岡島瑞徳『元気がでる「気」と「手当て」の本』
プレジデント社
• 岡島瑞徳『女のからだ、自分で改善!』筑摩
書房
• ほか随時ご紹介します。