適応的な自由行程サンプリングによる プログレッシブフォトンビーム法 東京大学 理学部情報科学科四年 西田研究室 鈴木健太郎 発表の流れ • • • • • 研究の背景・目的 関連研究 提案法 結果 結論と今後の課題 発表の流れ • • • • • 研究の背景・目的 関連研究 提案法 結果 結論と今後の課題 研究の背景・目的 • 写実的な画像をレンダリング(生成)するのが コンピュータグラフィックスの目的の一つ ▫ 映画やゲームなどで頻繁に利用 [Avatar 09] [FINAL FANTASY XIII 09] 研究の背景・目的 • より写実的な画像を得るために [Fedkiw 01] ▫ 関与媒質(蒸気、炎、煙、雲・・・)の レンダリング • 提案法により ▫ 関与媒質を厳密かつ従来法より高速に レンダリングすることを実現 発表の流れ • • • • • 研究の背景・目的 関連研究 提案法 結果 結論と今後の課題 関連研究(関与媒質) • 関与媒質のレンダリング [Nguyen02] [Nishita 87] [Nishita 96] [Sun 10] 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム ▫ Jaroszらが2011年に提案 ▫ 厳密解に収束 ▫ 従来より高速な手法 [Jarosz 11] 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム ▫ Jaroszらが2011年に提案 ▫ 厳密解に収束 ▫ 従来より高速な手法 • 非均質な関与媒質(煙、雲など)の レンダリングが遅いという欠点 • 提案法はこの点を克服した [Jarosz 11] 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム 光源 関与媒質 観測者 物体 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム 光源 関与媒質 観測者 物体 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム 光源 関与媒質 散乱! 観測者 物体 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム 光源 関与媒質 観測者 散乱! 物体 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム 光源 関与媒質 観測者 物体 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム 光源 関与媒質 レイトレーシング 観測者 物体 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム 光源 関与媒質 観測者 物体 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム ▫ ビームを細くしながら逐次的にサンプルを追加し、 画質を向上させる ・・・ 関連研究(関与媒質) • プログレッシブフォトンビーム ▫ ビームを細くしながら逐次的にサンプルを追加し、 画質を向上させる 厳密解に収束 ・・・ 関連研究(自由行程サンプリング) • 媒質中で光が相互作用(散乱・吸収・減衰)した点か ら次に相互作用する点までの行程を自由行程と呼ぶ • 関与媒質のレンダリングに不可欠 関与媒質 光源 散乱 散乱 自由行程(の一つ) 関連研究(自由行程サンプリング) • レイマーチング法 ▫ 厳密でない • Woodcock Tracking ▫ 近年CG分野に導入[Raab 06] ▫ 統計的偏りがなく厳密な解 ▫ プログレッシブフォトンビーム法で採用 • 適応的な自由行程サンプリング[楽 10] ▫ Woodcock Trackingを改善 ▫ 非均質媒質における自由行程サンプリングを 高速化(かつ統計的偏りがない) 発表の流れ • • • • • 研究の背景・目的 関連研究 提案法 結果 結論と今後の課題 提案法 • ベースにプログレッシブフォトンビーム • 非均質な関与媒質(煙、雲など)の レンダリングが遅いという欠点 1.適応的な自由行程サンプリングによる高速化 2.光の透過率関数推定の精度向上によるノイズ減少 によって克服 提案法(自由行程) • 適応的な自由行程サンプリング ▫ 関与媒質空間を分割、その中でWoodcock Trackingを行うことで高速化 ▫ 非均質な関与媒質において効果的 • マルチスレッド化などにより性能を保ったまま プログレッシブフォトンビームに実装 空間分割 提案法(自由行程) • 適応的な自由行程サンプリング ▫ 関与媒質空間を分割、その中でWoodcock Trackingを行うことで高速化 ▫ 非均質な関与媒質において効果的 • マルチスレッド化などにより性能を保ったまま プログレッシブフォトンビームに実装 非均質関与媒質の レンダリングを高速化 空間分割 提案法(透過率関数推定) • 光の透過率関数の推定の精度向上 ▫ 光は媒質を移動中に減衰する 透過率関数 光の減衰 提案法(透過率関数推定) • 光の透過率関数の推定の精度向上 ▫ 光は媒質を移動中に減衰する ▫ 従来法では減衰のための透過率関数の推定の際に 発生する分散が画像のノイズになる 画像のノイズ 提案法(透過率関数推定) • 従来法 関数推定のためのサンプリングのイメージ図 提案法(透過率関数推定) • 提案法 一度にたくさんのサンプルをとる 関数推定のためのサンプリングのイメージ図 提案法(透過率関数推定) • 提案法 関数推定のためのサンプリングのイメージ図 提案法(透過率関数推定) • 推定方法の違いによる誤差比較 左:プログレッシブフォトンビーム 右:提案法 提案法(透過率関数推定) • 推定方法の違いによる誤差比較 左:プログレッシブフォトンビーム 右:提案法 厳密解との誤差比較 発表の流れ • • • • • 研究の背景・目的 関連研究 提案法 結果 結論と今後の課題 結果 • 計算環境 ▫ 6コア Intel Corei7 3GHz ▫ nVidia GeForce GTX 580 ▫ メインメモリ12GB 結果 • • • • 密度の濃い煙 従来法:1718 sec 提案法:131 sec 13倍の高速化 結果 • • • • ガラス球と煙 従来法:1707 sec 提案法:501 sec 3.4倍の高速化 結果 • • • • うろこ雲 従来法:2243 sec 提案法:262 sec 8.6倍の高速化 結果(その他) 結果(その他) 結果(その他) 結果 • 動画 ▫ 160フレーム ▫ 約1000秒/フレーム ▫ 約50時間 発表の流れ • • • • • 研究の背景・目的 関連研究 提案法 結果 結論と今後の課題 結論 • プログレッシブフォトンビーム法 ▫ 関与媒質のレンダリングに関する最新の研究結果 結論 • プログレッシブフォトンビーム法 ▫ 関与媒質のレンダリングに関する最新の研究結果 • 欠点を克服し、関与媒質のレンダリングのため のより強力な手法を実現した ▫ 適応的な自由行程サンプリング ▫ 光の減衰関数の推定法の精度向上 今後の課題 • 光の減衰関数の推定 ▫ 今回は層化サンプリングに基づいた手法を用いた が、さらなる推定法の改善 • アニメーションのレンダリングに特化した改善 ▫ フレーム間のコヒーレンスを考慮することでより なめらかなアニメーションを作る ご清聴ありがとうございました レンダリング方程式 [Jarosz 11] 誤差評価のグラフ
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