1 /17 今日の予定 量 子 論 Quantum Theory ・ Planckの放射式 ・ Stefan-Boltzmann の法則 ・ 光電効果における古典論の破綻 ・ Compton効果 Text pp.7-10 ・ Wienの変位則 ・ 熱容量における古典論の破綻 ・ Einsteinの光量子説 2015年度 第3週 2 /17 Wienの変位則(1) n= dn = - c l c l 2 dl 2015年度 第3週 Text なし n= c c dn = - l Planck dl l 3 8 p V h n Quantum Theory fP (n , T ) dn = 量子論 2015年度 第3週 2 hn kBT プランクの放射式 dn 振動数 c e -1 3 3 8p V h c l æ c ö = 3 hc kBT l çè - 2 dl ÷ø c e -1 l 変数変換 8p Vhc 1 =dl 5 hc kBT l l e -1 º - fP ( l, T ) dl 波長 3 fP ( l, T ) dl = 8p Vhc l 5 1 e hc kBT l -1 dl 3 /17 4 /17 Wienの変位則(2) 2015年度 第3週 Text なし Wienの変位則 放射強度が最大となる電磁波 の波長 λmax と、絶対温度T と の積は一定となる。 λmax T = const. λmaxは温度上昇とともに、 短波長側にシフト(変位) していく。 5/17 2015年度 第3週 Planckの放射式からWienの変位則を導出 dfP ( l, T ) Text なし = 0 放射のエネルギーが極大 dl dfP ( l, T ) d æ 8p Vhc ö 1 = ç ÷ 5 hc kBT l dl dl è l e -1 ø é ù -5 æ ö 1 -l hc hc kBT l ú -6 ê = 8p Vhc -5l hc kBT l + e ç ÷ 2 2 hc k T l ê ú e -1 ( e B -1) è kBT l ø ë û 8p Vhcl -6 é hc e hc kBT l ù = hc kBT l ê-5 + ú= 0 hc kBT l e -1 ë kBT l e -1û 1つの解は λ = 0 →極小 [ ]内が0となるλを考える。 6/17 hc ºx kBT l ex 5 = x e -1 x y y=e -x x xe -5 + x =0 e -1 ex - 1 x = x e 5 x ¹ 0 の場合を考える 1- e -x x = 5 e -x x = 15 xmaxが存在することが図から分かる hc xmax = kBT lmax x = 0での傾き:-1 x 1 y = 15 0 2015年度 第3週 hc lmaxT = = const. kB xmax 傾き:-1 / 5 5 xmax x 4.9651 (数値計算) 2.8979 × 10-3 m・K 2015年度 第3週 7 /17 Stefan-Boltzmannの法則 Text なし Stefan-Boltzmannの法則 全放射エネルギーEは 絶対温度Tの4乗に比例する。 E = sT 4 左図で2000 Kの曲線の下の 面積は、1000 Kのそれの 16倍である。 8 /17 Planckの放射式から Stefan-Boltzmannの法則を導出 2015年度 第3週 Text なし E= ò ¥ 0 fP (n , T ) dn = ò ¥ 0 8p V hn dn 3 hn kBT c e -1 3 hn ºx kBT 8p Vh ¥ n 8p Vh ¥ ( kBTx h ) kBT = 3 ò hn kBT dn = 3 ò dx x 0 e 0 c -1 c e -1 h 3 3 8p VkB4T 4 = 3 3 ch ò 公式 ¥ 0 x3 8p 5VkB 4 4 4 dx = T º s T x 3 3 e -1 15c h = p4 15 (リーマンのゼータ関数から導出される) 2015年度 第3週 9 /17 熱容量における古典論の破綻(1) Text なし 黒体放射:熱エネルギーが電磁波を励起 熱容量 :熱エネルギーが格子振動を励起 結晶 格子振動 (各格子点が熱振動) 温度上昇 2015年度 第3週 10/17 熱容量における古典論の破綻(2) Text なし エネルギー等分配則 運動エネルギー 1自由度当たり 1 kBT 合計 1 2 2 k T B k T p 1 2 2 B 1 E= + kx kBT 2m 2 2 一次元 調和振動子 ポテンシャル エネルギー 三次元 では 3kBT 2015年度 第3週 11/17 熱容量における古典論の破綻(3) Text なし 格子点の 1原子当たり 3kBT 1 molでは 気体定数 E = 3N 0 kBT = 3RT アボガドロ定数 ボルツマン定数 温度T において、3RT のエネルギーを持つ 格子振動が励起される 古典論の 帰結 ( ) ¶E = 3R = const. 熱容量(比熱)は Cv = ¶T v 温度に関係なく一定値:Dulong-Petitの法則 2015年度 第3週 12/17 熱容量における古典論の破綻(4) Text なし Cv 実験事実はどうか? 3R 0 室温では、たしかに Cv = 3R しかし、 T ® 0 Þ Cv ® 0 古典論の破綻 T EinsteinがPlanckと同じようにして、振動のエネルギーが hν の整数倍に限られるとして説明:Einsteinの比熱式 定性的な説明に成功 (通常の物質では、Debyeの比熱式の方がよく合う) 2015年度 第3週 13 /17 光電効果における古典論の破綻 Text p.8 光電効果 物質(金属)に光 → 表面から電子が飛び出す現象 実験事実 i) ν > ν0 でなければ、電子は飛び出さない。 ii) 飛び出す電子の運動エネルギーの最大値は ν のみで決まる。 iii) 飛び出す電子数は光の強さに比例する。 電磁波である光の振幅(強度)を大きくすれば、電子が飛び 出してもよさそうであるが、そうはならない。→古典論の破綻 2015年度 第3週 14 /17 Einsteinの光量子説 -光電効果の解釈Text pp.7-9 E=hν - W=h(ν - ν0) (W=hν0) W:仕事関数 1 2 mv 2 Albert E hν0 ν < ν0 ν = ν0 ν > ν0 Einstein Wより大きなエネルギーを持った粒子のようなものと衝突し、 そのエネルギーを得る、と考えれば説明がつく。 光は、hνのエネルギーを持つ粒子(光量子 or 光子)の集まり Einsteinの光量子説 1921年ノーベル賞 15 /17 光電効果 -具体例の計算- 2015年度 第3週 Text なし Al(アルミニウム) -19 1.6 ´ 10 W = 4.28 eV = 4.28 eV ´ 1 eV J = 6.85 ´ 10 -19 J -19 6.85 ´ 10 J W 15 -1 n0 = = = 1.03 ´ 10 s -34 h 6.63 ´ 10 J × s 8 -1 3.00 ´ 10 m × s c -7 l0 = = = 2.91 ´ 10 m = 291 nm 15 -1 n0 1.03 ´ 10 s 紫外線 可視光線:380〜780 nm 紫 赤 16 /17 Compton効果 2015年度第3週 Text pp.9-10 入射X線の振動数:ν X線の電子による散乱 散乱X線の振動数:ν ’ ν’ = ν :Thomson散乱 ν’ < ν :Compton散乱 散乱X線(光子) 入射X線(光子) E=hν , p=hν / c hν’, hν’/ c φ θ ε, p 反跳電子 Arthur Compton 弾性衝突 の問題 教科書:p.10 (配布プリント参照) 17 /17 m= 相対論 m0 静止質量 v 1- c p = mv = E = mc = Text p.10 小出昭一郎 「物理学(三訂版)」 9章(特にp.320〜)を参照 2 2 m0v 2 v 1- これを使う c 2 m0 c 2 2 2015年度第3週 2 v 1- c2 これを使う
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