素形材プロセス学講座 • 創形:材料を部材にするための塑性加工 • 創質:塑性加工による材質改善 • マテリアル系共通塑性加工設備 – – – – – – – – – 熱間圧延機(100tf) 冷間圧延機(100tf) 冷間スエージングマシン サーボプレス(200tonf) 圧縮試験機(100tonf) 万能試験機(100tonf) エリクセン試験機 バルジ試験機 超塑性加工機 – サーメックマスター(熱間加 工シミュレータ) – サーボパルサー(引張ねじ り複合疲労試験機) サーボプレス H25年3月導入予定 高張力鋼板のロール成形精度 東北大学 大学院 金属フロンティア工学専攻 藤田文夫 自動車への高張力鋼板の適用の増加 高強度鋼板の適用 Example in Japan Tensile Strength ~440MPa ~590MPa ~780MPa ~980MPa ~1180MPa ~1470MPa 自動車部材 車体軽量化 衝突安全性の向上 薄肉高強度な ハイテンの採用 低い形状凍結性が問題 従来のプレス成形 法 パ ン チ ダ イ 断面形状の段階変化 ロール成形 法 多段成形 曲げ戻し工程が無い 一定断面・長尺製品に向く 各成形段階でパラメータ調整できる 多段ステップ 種々の材料のプレスによるハット成形後の形状 実験に使用した鋼材の引張特性 1800 1600 270MPa軟鋼 590MPaハイテン 980MPa超ハイテン 1470MPa超々ハイテン 公称応力/MPa 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 -0.05 0 0.05 0.1 0.15 公称ひずみ 0.2 0.25 0.3 実験方法と装置 多段パスによって マルチスタンドを再現 ハット曲げ試験 代表的な成形精度の評価法 板厚1.2㎜の供試材を シングルスタンドのロールにより 縦25㎜×横25㎜のハット断面に成形 口長さW’測定 l l 内側を電子ノギスの先にて測定 試験片の代表的な 最終形状 ガイド部のパスライン基準 パスライン位置別 曲率 0 -0mm -5mm -10mm C1 0.0025 曲率 /mm -1 0.002 0.0015 0mm高さ -5mm高さ -10mm高さ 0.001 0.0005 0 0 200 400 600 800 1000 -0.0005 長手方向位置/mm パスラインを下げると 曲率は下がった 結果 供試材長さ別 口長さW’ C1 -10mm高さ 25 C1 0mm高さ 25 500mm 750mm 1000mm 24.5 24 24 口長さW’/mm 23 22.5 23.5 23 22.5 22 22 21.5 21.5 21 21 20.5 20.5 0 200 400 500㎜ 750mm 1000mm 24.5 23.5 口長さW’/mm 500mm,750mm,1000mm 600 800 1000 長手方向位置/mm 0 200 400 600 800 1000 長手方向位置/mm 供試材の長さで口長さの分布に差が出る どの供試剤長さでも、先・後行部に非定常部200mmずつ残る 材料別 曲率 270級 590級 980級 -10mm高さ 0mm高さ 0.0015 曲率 /mm -1 0.0015 曲率 /mm -1 270級 590級 980級 0.001 0.001 0.0005 0.0005 0 0 50 -0.0005 150 250 50 350 長手方向位置/mm -0.0005 150 250 350 長手方向位置/mm ハイテンになるほど反りは少ない ハイテンになるほど 入り側の高さで操作できる 曲率の幅が小さい 口長さW’ 26 R2 -10mm高さ 供試材長さ500mm 26 25 25 24 24 23 23 口長さW’/mm 口長さW’/mm 材料別 22 21 270 590 980 20 22 21 19 18 18 200 400 長手方向位置/mm 270 590 980 20 19 0 R2 0mm高さ 0 200 400 長手方向位置/mm ロール成形の場合、 プレス成形のような材料強度によるSBの大きな差はない 肩Rの効果(材料強度) 26 26 口長さW' /mm 24 R=3mm 270MPa 590MPa 980MPa 1470MPa 24 口長さW' /mm R=2mm 22 22 0 200 400 600 長手方向位置 /mm 200 400 600 長手方向位置 /mm 800 26 R=6mm 270MPa 590MPa 980MPa 1470MPa 24 口長さW' /mm 口長さW' /mm R=4mm 22 22 270MPa 590MPa 980MPa 1470MPa 20 20 0 0 800 26 24 270MPa 590MPa 980MPa 1470MPa 20 20 200 400 600 長手方向位置 /mm 800 0 200 400 600 長手方向位置 /mm 800 肩Rの効果(パス数) 26 4パス成形 3パス成形 口長さW' /mm 24 22 図14(a) 肩R=2 mmの時 の口開き量 20 0 200 400 600 長手方向位置 /mm 800 26 4パス成形 3パス成形 口長さW' /mm 24 図14(b) 肩R=6 mm の時の口開き量 22 20 0 200 400 600 長手方向位置 /mm 800 肩R別 材料別 形状転写性 R4の転写 270 590 980 R2の転写 若干 元の型よりも だるい肩形状になっている 肩をラウンドに変更すると 肩の潰れは解消した 各パスでの肩R変更の効果 ケース1:肩R2-2-2-6 mm ケース2:肩R6-6-6-2 mm スペーサー厚さ別 口長さW’ 27 26 口長さW’/mm 25 24 SP0mm SP0.5mm SP0.8mm SP1.0mm 23 22 21 20 19 スペーサー挿入 0 100 200 300 長手方向位置/mm スペーサーの口長さへの効果は順当にでた 400 V曲げ実験の方法と装置 実験に用いたV曲げ用ロール V曲げ試験 ハット曲げよりも形状がシンプル 板厚1.2mm、寸法65mm×500mm の供試材をシングルスタンドのロール により90°のV断面に成形 R = 2,4,6 で面取り 入り側ガイド 圧さ方向を解放したガイドを用いるこ とで長手方向の反りを軽減 評価方法 レーザー変位計 1. レーザー変位計で形状を数値化 2. 曲げ角周辺を除いた供試材両端を 直線近似 3. 2つの直線の傾きから成形後の角度 を計算 - Δθ:スプリングバック量 θ:成形時の曲げ角 θ´:成形後の曲げ角 30 25 20 15 10 5 計測 0 0 10 20 30 40 50 60 実験条件 供試材の材料強度 270MPa級軟鋼, 590MPa級ハイテン, 980MPa級超ハイテン, 1470MPa級超々ハイテン ロール曲げ角の面取り半径 R2, R4, R6 パスごとの成形角度 ロールギャップ 1パス目145° 2パス目120° 3パス目90° 供試材の材料強度、曲げ角面取り半径のスプリングバッ クへの影響を調べる 最終パスのロールギャップが成形に与える影響を調べる 成形後角度/degrees 実験の結果 曲げ角面取り半径R,材料強度による違い 105 105 100 100 R4 R6 R2 95 95 90 90 1600 0 200 400 600 800 1000 供試材強度/MPa 1200 1400 実験の結果 最終パスでRを変える 104 102 102 成形後角度/degrees 104 100 100 98 98 96 96 94 94 92 92 90 90 1600 0 200 400 600 800 1000 供試材強度/MPa 1200 1400 R6 R662 R2 実験の結果 ロールギャップ 1.6 1.2 0.8 圧下すると形状凍結性良好 成形時の強い圧力が 曲げモーメントを現象 ロールギャップ 1.6 1.2 102 0.8 980MPa 成形後角度/DEGREES 590MPa ロールギャップの変更による形状不良 100 100 98 98 96 96 94 94 980MPa 92 92 590MPa 90 90 0 0.5 1 1.5 ロールギャップ/mm 2 結論 ロール成形はしごき工程が少ないため、高強度材 でもスプリングバックが少ない 最終パスで曲げ角面取り半径を小さくすると高強 度材でもスプリングバックを抑えられる ロールギャップを狭くすると曲げ部が圧縮変形し、 変形時の曲げモーメントが減少するためスプリング バックが小さくなると考えられる ロールギャップを狭くすると板が圧延された状態 になり長手方向の反りが発生する スプリングバック 除荷すると曲げモーメントMに相当する弾性変形
© Copyright 2025 ExpyDoc