パブリック・マネージメント 戦略行政への理論と実践

パブリック・マネージメント
戦略行政への理論と実践
総合政策学部4年 渡辺 悟史
総合政策学部2年 谷 明日美
Nascholdによる類型化①
Naschold(1993)による現代国家の統治の形態
①市場メカニズムを基本としている国家
ex)英国・ニュージーランド
②分権化/権限委譲、エイジェンシー化を基本としている国家
ex)デンマーク・オランダ
③業績/成果による統制、エイジェンシー化を基本としている国家
ex)スウェーデン・フィンランド・ノルウェー
④伝統的な官僚機構を前提とした行政管理システムの根強い国家
ex)日本・米国・オーストリア・フランス
Nascholdによる類型化②
公共部門の現代化のトレンド NPMタイプ(1996)
1,契約モデル(業績/成果による統治)
スウェーデン・ノルウェー・フィンランド
行政組織内部の運営の効率化
官僚的権限
モデル
2,顧客選択モデル(市場による統治)
英国・ニュージーランド
市場メカニズムの活用
3,市民主導型モデル(市民による統治)
デンマーク・オランダ
住民参画・協働型システム
NPMにおける「市民社会による統治」
行政評価指標の「ファミリー・オブ・メジャーズ」
納税者
サービス受益者(利用者)に対する
アカウンタビリティー
①アウトカム
(成果、企業の「利益」に相当)
④顧客満足度
(CS:カスタマー・サティスファクション)
②アウトプット
(産出、企業の「売上」に相当)
⑤シンプルプロセス
(手続きの迅速・簡便さ)
③インプット
(投入、企業の「投資」に相当)
⑥職員満足度
(ES:エンプロイーズ・サティスファクション)
資本の生産性にかかわる指標が多い
労働の品質にかかわる指標が多い
二つの戦略計画
・外部マネジメント重視型(ベンチマーク型)
⇒州レベルの戦略計画が基盤
⇒NPO・住民とのビジョン共有(わかりやすいベンチマークの採用・パート
ナーシップ、責任/役割分担)
⇒行政内部各部局の事業、施策とのリンクが複雑化、間接的。
・内部管理重視型(業績測定型)
⇒部局レベルの戦略計画が基盤
⇒パフォーマンスメジャー(達成度、有効性・効率性)を用いた内部の合理化
⇒業績目標の煩雑化、全体としてのビジョンの不透明さ、部局をまたぐ形で
の情報開示の困難
住民参画を前提とした議会・行政・住民
・P93の図参照
・行政の「意思決定プロセス」
←「顧客」としての住民の参加
・行政の「執行部門による監査」
←「所有者」としての住民による監視
オレゴン州の例(ベンチマーク型システム)
・1982~ ←州経済の停滞、社会問題
・オレゴン・ベンチマークス:包括的、成果に焦
点、住民による見直しのツール、住民との協
働
・戦略計画;6年、ベンチマークス;2年で改訂
■弱点の克服
・ベンチマークの階層化
・中間指標(現場業績指標とベンチマークスの
間)の設置による予算とのリンク
テキサス州の例(業績測定型システム)
・1991~
・業績予算:ミッションビジョンから計測可能な目
標にブレイクダウンを行い、業績目標に対し
て予算をつけ、業績の測定、評価を行うシス
テム
・インセンティブシステム
・戦略計画から部局にくだる程、具体的かつ定
量化可能な指標へ