中距離走におけるバウンディング トレーニングの有効性について

中距離走におけるバウンディング
トレーニングの有効性について
健康・スポーツ系教育専攻
指導教官 伊藤 信之
05A8001新 龍佑
<バウンディングとは>
普通の走動作からストライドを伸ばすように
誇張した、水平方向への連続跳躍運動であ
る。
伸張-短縮サイクル運動の一種で、短い間で
大きな力を発揮する。
中距離走のパフォーマンス向上には
レース序盤から中盤にかけて
・大きなストライドを維持することで高い疾走速度を持続する
勝敗の決め手となるペースアップやラストスパートにおいて
・ピッチを増加することで対応する
レース中盤から終盤にかけて
・急激なペースアップに対応するための余力を残す
ピッチに余裕を持ちながら高い疾走速度を獲得する
バウンディングの特徴
バウンディングトレーニング
短い時間に大きな力を発揮する
これらに貢献する可能性が考えられる
研究目的
中距離走における
バウンディングトレーニングの
有効性について検討する
<研究方法>
中長距離選手
立ち五段跳
走動作
(中距離走のペース)
立ち五段跳
走動作
4ヶ月間
(トレーニング前と同じペース)
バウンディングトレーニング
トレーニング前後において
立ち五段跳
バウンディングトレーニングの効果
走動作
中距離走の疾走動作に与える影響
結果および考察
<立ち五段跳の動作分析>
トレーニング前
<
トレーニング後
記録(m) 11.64 ± 0.58
12.15 ± 0.70
**
Significant difference*p<0.05,**p<0.01
記録の向上がみられトレーニングの効果が認められた
350.0
**
膝関節屈曲角変位
支持前半膝関節角変位
0.0
250.0
-5.0
200.0
トレーニング前
トレーニング後
150.0
100.0
50.0
接地時脚角速度が増大
角変位(deg)
脚角速度(m/s)
300.0
-10.0
トレーニング前
トレーニング後
-15.0
支持前半膝関節角変位が減少
-20.0
0.0
接地時
-25.0
下肢全体の動きを形成
支持期の改善
*
<走動作の動作分析>
トレーニング前
速度(m/s)
ストライド(m)
ピッチ(歩/秒)
トレーニング後
7.13 ± 0.22
6.95 ± 0.17
n.s.
2.07 ± 0.12
2.03 ± 0.14
n.s.
3.47 ± 0.28
3.43 ± 0.17
n.s.
Significant difference*p<0.05,**p<0.01
速度に差はみられず、設定通りの測定が行えた
ストライドの要因
ピッチの要因
**.
**
0.20
1.20
0.18
1.00
0.16
**
**
0.14
0.80
トレーニング前
0.60
トレーニング後
時間(秒)
距離(m)
**
**
0.12
トレーニング前
0.10
トレーニング後
0.08
0.06
0.40
0.20
支持距離が減少し、滞空距離が増大
0.04
支持時間が短縮し、滞空時間が増大
0.02
0.00
0.00
支持前半距離
支持後半距離
滞空距離
支持期前半間
支持期後半間
滞空時間
ストライドの増大やピッチの増加を可能とする
支持期の改善
支持期における動作変容の特徴
接地時
*
450.0
400.0
脚角速度(m/s)
350.0
300.0
250.0
トレーニング前
トレーニング後
脚の伸展動作が強調
200.0
150.0
100.0
50.0
0.0
接地時脚角速度
支持期後半
45.0
*
*
40.0
角変位(deg/s)
35.0
**
30.0
25.0
トレーニング前
トレーニング後
支持後半でのキック動作が抑制
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
大腿
支持期において下肢全体が
前方へ素早く回転する
下腿
支持後半角変位
足関節
結論
・バウンディングトレーニングの結果、トレーニング
の効果が認められ、疾走動作に変容がみられた
支持期において下肢全体が前方へ素早く回転
短い支持時間で大きな滞空時間と滞空距離
高い運動効率の疾走動作を可能
ストライドやピッチを高めることができる動作
中距離走のパフォーマンス向上に貢献
バウンディングトレーニングの有効性
ご清聴ありがとうございました