職業を考えるに当たって ● 「夢」ではなく「目標」を ※ 目標: 実現すべきもの ※ 夢: 実現できればよいもの(虹) ● 目標実現には戦略が必要 ※ (1) その職業を希望する理由。(2) 希望が実現する確率(才能、競争者)。 ● 複数の目標設定が望ましい。(第一志望が実現するとは限らない。適職は最初か らは分からない。相対的に他人より優れている分野を考える。) ● 趣味と職業とは違う。 ● 趣味:「好き」であるだけで十分 (「下手の横好き」も、趣味では問題ない)。 ● 職業:「好き」は条件の一部; 特殊な分野では、数万人に一人の才能が必要。 ● 競争で有利: ①需要が多い。②ライバルの数が少ない。③競争者の能力が低い。 ● 考え方: どの方向が有利か(余裕がある場合) ⇒ どうすればこの社会を一人で 生きのびていけるか(今後は厳しさが増す?)。 ※ ゲーテ 「人生に成功する秘訣は、自分が好む仕事をするのではなく、自分がやっ ている仕事を好きになることである」 教育の第一目的: 社会人・職業人になった時、肩身の狭い思いをしないため? 1 小学生の希望の職業と成就率 ベネッセ 09 「スペシャリストの時代」に必要な教育(1) ● スペシャリスト(専門知識・専門技術)でないと、評価が低い。 ● 機械やコンピュータで代替できる仕事の価値の低下。 ● 大学での専門と就職先での専門との関連性の希薄化 ※ 職場での専門: 多様であり、変化し続けている ⇒ 大学教育での適応は難しい。 ※ IT革命以後の変化の加速:かつての7年間の変化が1年間に起こる (「ドッグイヤー」、「マウスイヤー」) ● 望まれる新卒者:入社後、短時間で企業が望むスペシャリストになれる 人。 ● 基礎学力、幅広い知識(雑学)が必要。(専門学校の地位は低下) ● 効率のよい教育とは: 適応性の高い教育? 3 大卒新卒者離職率 36 %が3年以内に離職(03)。原因は採用時のミスマッチ? 厚生労働省 4 「スペシャリストの時代」に必要な教育(2) ● 若者の離職率の高まりの原因は何か? 3年以内の離職率:中卒 7割、高卒 5割、大卒 3割 ● 履修分野が狭い学生が興味をもつ職種は少ない? ⇒ 希望職種に就職できない 人の割合が高まる ⇒ 「好きなことだけを学べばよい」の弊害? ● 文系卒業生(40才以下)の科目別 得意・不得意と平均年収、年収差 (京大経済研、2000) 数学 理科 得意 な人 737 万円 723 英語 694 不得意 な人 644 万円 663 652 年収差 93 万円 60 42 ● 文系職業でも、英語よりも数学、理科が得意な人が高収入。 ● 理系の科目で必要とされる能力が、文系の職業でも必要 (文系、理系といった区分そのものが贅沢?) 5 理系卒業者と文系卒業者の年収 ●「文系卒の方が理系卒よりも高収入」;バブル崩壊前の年収が 製造業では金融業の6割り程度だったから(業種間格差)。 ● 入試難易度で3分類: どの類でも理系出身が高収入(08調査) ● 理系の方が就職や転職に有利 池田(京大)08 男女別大卒就職内定率 13年に女性が男性を抜いた。 男性が多い製造業の雇用が減少。 女性が多い介護、医療の雇用が増加。 文科省、厚労省 失業率ではミスマッチ要因が大きい 求職者と企業の間で職種、地域、年齢等のミスマッチが拡大傾向 産業構造の変化で専門・技術職の需要が増加。 失業率5% 中の 4%がミスマッチ要因。 シティグループ証券 ミスマッチ失業率の高止まり 景気とは別の要因で失業率が下がらない ニッセイ基礎研 分野別雇用者数 雇用は専門・技術職と保安・サービス業(介護など)で増加。 製造・建設はグローバル化で減少。⇒雇用のミスマッチ。 総務省 分野別 雇用者数(2) 第三次産業での雇用の比重が高まっている 労働力調査 労働費用に占める教育訓練費の割合 0.38 バブル崩壊 企業が新入社員の教育に 費用をかけなくなった 0.28 以前は 5年位を教育期間と考えていた。⇒ 雇用の流動化 ⇒ 能力が高まると転職 ⇒ 企業が教育に費用を かけなくなる。 「即戦力」となれる人材は育つのか? 厚労省 12 企業の教育訓練投資額 企業の教育費の減少 ⇒ 労働力の劣化、競争力の低下 宮川(学習院大) 新入社員が魅力的と思う企業 実力主義よりも年功主義の企業に魅力を感じる新入社員が増加。 (リストラに苦しむ親を見て、競争をさける?) 日本能率協会 14 非管理職層の処遇基準 激減 増加 増えない 増加 数値的な成果重視 : 職場の雰囲気の悪化や離職率の増加の懸念 成果実績重視型 から 能力発揮重視型へ移行の傾向 社会経済生産性本部 08 「仕事か生活か」 新入社員の意識 「仕事と生活の両立」 重視が増加中 社会経済生産性本部 職業別就業者の割合 専門職・技術職が工場などの労働者数を上回った(2010) 国勢調査 仕事を選ぶ際に重視すること 日本の若者は仕事内容へのこだわりが強い 他国よりも働きがいを重視 内閣府 09 大学生の会社選びのポイント 減少 ● 増加 ● 毎日コミュニケーションズ 企業の求人倍数 就職難は大企業 リクルートワークス研究所 事業規模別の大卒求人倍率 中小企業では、就職難時代でも、求人難 職場の魅力 ベスト10 日 本 人 の ほ ど ほ ど 志 向 タ ワ ー ズ ス ペ リ ン ( 米 2 0 0 7 ) 先進国の失業率 差が拡大 若年層の失業率(09): 日本 8.4% ユーロ圏 21.0%、米国 15.6%、 ILO 海外流出の しやすさ 流出しにくいのは、人と人とが対面する仕事 Prof. ブラインダー ⇒ コミュニケーション能力が必要 (プリンストン大)09 どの国の企業で働きたいか(1位) アジア6カ国のビジネスマン・学生へのQ :どの国の企業で働きたいか? 日本企業の人気は高い 日経新聞(2013/1/5) 上司・先輩の自己評価と 新入社員からの評価 上司等が 重視 新入社員 が重視 新入社員と上司等との「理想像」のずれは大きい。 日本能率協会(07) 26 やる気が出る上司、先輩の言行 新入社員: ほめられたいが会社の現状への関心は低い。 (入社しやすかった年の社員の成長性は低い?) リンクアンドモチベーション 嫌い、苦手な先輩 成果主義の浸透で、先輩が後輩を指導する余裕がない? 20代会社員へのアンケート 3ナイ(責任感、指導力、忍耐・包容力) 調査(マクロミル社、06/9) 企業からみた入社時の印象 労 働 政 策 ・ 研 修 機 構 二 〇 一 〇 若者は自信を失いつつある? 世代間ギャップの原因は、経済成長を知る世代と知らない世代。 新人、先輩への要望 先輩の「気になる新人の言動」 ① メモを取らずに同じことを何度も聞く ② あいさつがきちんとできない ③ 指示待ちで言われたことしかやらない 新人の「改めてほしい先輩の言動」 ① あいさつをきちんと返して ② 機嫌が悪いと口調が荒くなるのはやめて ③ 指示はこまめに出して 新入社員と上司・先輩との考え方の差 苦悩する新入社員も多い 日本能率協会(2013) 年間離職者数 09年では、整理解雇者数が大卒者数を上回った(終身雇用制は崩壊)。 厚労省 求職者の前職場での離職理由 35歳を境に、辞職理由が逆転する 年齢別 転職者比率 転職者数/就業者数 転職者は若年層と女性で多い。 若いほど転職しやすい。 総務省(07) 34 年齢別 転職者の収入の増減 転職は若いほど有利 総務省 07 35 求職者が求人に応募しなかった理由 職種へのこだわりが強い。 36 学生の大手志向の弱化 大手への就職を断念する学生が増加。 3年生の平均エントリー数: 81社(10);昨年は72社(ディスコ) 毎日コニュニケーションズ 10 中小企業の新入社員の意識 「定年までこの会社」が増えてきたが、10年は就職が厳しかったの で、捲土重来を期す人が増えた? 三菱UFJリサーチ 求職理由別完全失業者数 非自発的な離職者の増加 総務省
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