大阪大学理学研究科 CCDといえば。。。デジカメ、ビデオ X線CCDだってX線天文で大活躍! CCD N38 11-5A0N-2 (浜松ホトニクス社.) 12 x 12 mm pixel size 512 x 512 pixels 可視光 CCDの直前に金属メッシュをおく。メッ シュにはCCD画素サイズと同じもしく は整数倍の間隔で画素よりも十分小 さな穴が開いている。 X線はメッシュの穴だけをとおるので、 メッシュとCCDとの位置関係がわかれ ば、検出されたイベントのX線入射位 置を画素よりも細かく(メッシュの穴の 大きさ)で決めることが出来る。 モアレパターン: CCDに対してメッシュを少しずらして 配置する。メッシュの穴がCCD上に落 とす影の場所が徐々に変わっていき、 CCD1画素内のあらゆる領域を走査 できる。 マクロにはCCD1画素内の構造が拡 大されたモアレパターを生じる。 モアレパターンから、CCDとメッシュと の相対位置関係を決める。 X線 電極 空乏層 電子 CCD断面の模式図 X線CCDは現在のところ画素サイズが10μm程度。 これは、高いエネルギーの電磁波であるX線の検出 効率をあげる為、空乏層厚を可視光用CCDに比べ て厚くしなければならないからです。 Si中での平均吸収距離 可視光用では空乏層は精々2~3μm で十分ですが、X線領域でのシリコン 中の平均吸収距離をみると、数十μm ミクロンは必要です。 CCD画素の中身が見えてくる。 ~メッシュ実験法~ X-ray Au: 10mm thickness 2mm diameter 48mm periodically spaced Mesh X線と可視光、同じ電磁波だけどCCDにとってはこんなに違う。 1999年7月に打ち上げられた米国X線天 文衛星チャンドラが撮影したVela パル サー と かに星雲。 CCDの位置分解能を最大限に発揮して、 パルサーの詳細な構造を明らかにした。 2次元に並んだ小さな画素毎 入った光の量を電気信号に変 えて読み出している。 位置分解能は画素の大きさで 決まる。(拡大すると画像が画 素の大きさでガタガタしている) 常深博、北本俊二、林田清、宮田恵美、吉田久美、幸村孝由、平賀純子、森浩二、 片山晴善、大田基在、小池哲司、夏刈 権、岡田貴志、鎌塚友幸、堀川孝子 X線光子(0.1~10keV)一個がCCDに入射した場合、空乏層で 光電吸収され最終的に入射X線のエネルギーに比例した数の 電子を作ります。その数は数百、数千個にもなります。ここで 出来た電子の塊(電子雲)が電極まで引かれて信号として検 出されたときにはある程度拡がってしまいます。電子雲がど のくらい拡がるのかは電子雲が出来てから電極に到達するま でかかる時間できまります。出来た電子の数を正確に数えれ ば、入射X線のエネルギーが決められます。つまり、X線CCD はエネルギー分解のも持っていることが判ります。 一方、可視光の波長は3000~6000Å、エネルギーに換算すると 数eVなので、CCD内部で出来る電子は精々一個か二個です。 光子一個による信号も複数に拡がってしまう場合があ るX線。。 位置分解能は悪化してしまうのだろうか? CCDで得られたスペクトル 実際のCCD画像には、X線光子一個から 生成された信号(X線イベント)が複数画素 にまたがって検出されている。イベントの 広がり方にはいろいろなパターンがみられ、 電子雲が拡がりと、X線の画素内入射位 置でパターンが決まる。 電子雲の拡がりを利用すればX線入射位置を画素よ りも高い精度で推定できる。 画素サイズ12μm ×12μm 直径2.2μmのピンホー ルを撮像し、X線入射位 置決定精度を表した図。 3~4画素にまたがったイ ベントだけを用いた。 ピンホールΦ=2μm 我々は、個々のX線イ ベントについて、電子 雲の大きさを考慮した モデルを用いて、X線 入射位置を推定した。 3~4画素にまたがった イベントパターンを用い れば、X線入射位置の 決定精度は1μmを割 ることが判った。 X線入射位置 X線光子一個によるCCDイメージ 電子雲はどのくらい拡がっているのか?? 電子雲の大きさの違い 電子雲の大きさ イベントパターン 密接にリンクした三つのパラメータ 平均吸収距離が長いほど電子雲の 大きさは大きい。 電子雲の形状 我々は、X線入射位置を画素より細かく制 限するメッシュ実験手法を用いて、X線が 素ない入射位置とイベントパターンとの関 係を調べ、電子雲の大きさを実測しました。 いくつかの異なるエネルギーのX線に ついて電子雲の形状を実測した結果、 いずれも二次元のガウス関数で近似で き、その大きさの違いはCCD内部の拡 散過程で説明できました。
© Copyright 2024 ExpyDoc