症例6 32歳 M,36.8℃,咳嗽5日間, WBC 9,900,CRP 3.5 Cpn IgG 0.39-0.94,Cpn IgA 6.16-3.81 非定型肺炎の治療期間 ●マイコプラズマ感染症:7日(〜14)日 ●クラミジア感染症:7(〜14)日(薬剤による) ●年齢条項以外で両者の鑑別は困難. ●マイコプラズマの診断が確定するには2週間以 上を要する例が殆ど. ●クラミジア感染症の抗体価の上昇は2週間で は殆ど期待できない. 日本紅斑熱の発生状況 2004年5月19日(水):徳島県阿南市 馬原医院 23歳女性から電話があり 「どうしても馬原先生を受診したい」 「水曜は休みなので,明日ではだめか?」 「どうしても今日で無ければならない」「受診させてください」 顔はとても23歳には見えない荒れたガサガサの状態. 5/3 自然保護団体の 活動で,徳島県の 無人島へ 5/10 38℃の発熱・皮疹 38℃の発熱・皮疹 5/14 5/17 5/18 近医を受診:セフゾン無効,シプロキサン効いた 発熱・皮疹 57歳男性・同行 (23歳女性の父) 73歳男性・同行 5/13 近医で 成人麻疹 と診断 入院 入院 死亡 日本紅斑熱の発疹,刺し口とマダニ 日本紅斑熱の3徴 1.熱;38~40℃(弛張熱) 2.紅斑 3.刺し口 日本紅斑熱の発疹,刺し口 ライム病 国立感染症研究所HPより ライム病(Lyme disease またはLyme borreliosis): 野鼠や小鳥などを保菌動物とし、野生の マダニ (マダニ属マダニ)によって媒介される人獣共通の 細菌(ライム病ボレリア;スピロヘータ)による感染症. 19世紀後半より欧州で報告されていた. 1970 年代以降、アメリカ北西部を中心に流行が 続いている.マダニ刺咬後に見られる関節炎、 および遊走性皮膚紅斑、良性リンパ球腫、 慢性萎縮性肢端皮膚炎、 髄膜炎、心筋炎などが、現在ではライム病の一症状であることが明らかになっている。 疫学 欧米:現在でも年間数万人のライム病患者が発生し、さらにその報告数も年々増加している. 社会的にも重大な問題となっている(米国のテレビではワクチンのCMも流している). 本邦:1986年に初のライム病患者が報告されて以来、現在までに数百人の患者が、 主に 本州中部以北(特に北海道および長野県)で報告されている. 欧米の現状と比較して本邦でのライム病患者報告数は少ないが、本邦においても野鼠やマダニの 病原体保有率は欧米並みであることから、潜在的にライム病が蔓延している可能性が高いと推測 されている. ライム病 国立感染症研究所HPより 治療・予防 ライム病ボレリアに対する治療。 マダニ刺咬後の遊走性紅斑にはドキシサイクリン、髄膜炎などの神経症状にはセフトリアキソンが 第一選択薬として用いられており、薬剤耐性は今のところ報告されていない。 (マダニ刺咬によるエーリッキアの重複感染が疑われる場合には、ドキシサイクリンもしくは テトラサイクリンが有効とされている) 予防:野山でマダニの刺咬を受けないことがもっとも重要。 マダニの活動期(主に春から初夏、および秋)に野山へ出かけるときには、 1)むやみに藪などに分け入らないこと、 2)マダニの衣服への付着が確認できる白っぽい服装をすること、 3)衣服の裾は靴下の中にいれ、虫よけをし、マダニを体に近寄らせないこと、 などを心がける。 また万一刺咬を受けた場合には、自分でマダニを引き剥がさず病院の皮膚科で切除してもらうのがよい。 無理に虫体を剥ぎ取るとマダニの刺口が皮膚の中に残り、感染を増長する場合がある。 ワクチンとしては、米国ではFDA で認可を受けたものがあるが、本邦では導入されていない。
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