ロシアの機械・部品ビジネスの実態 と今後の可能性 [金融危機後1年経過した現在の欧 州ロシアのビジネス実感) JETRO中小企業セミナー Japan Tool Service Ltd 取締役社長 岩本 茂 平成22年3月18日(長岡市) ここ1年間の市場の推移について • 金融危機により、ロシアに於いても機械商売の売り上 げは大幅に落ち込み、その影響は今でも続いている が、もともと自国で殆どの工業製品を作ってきたロシ アでもあり、物づくりに取り組もうという風潮がようやく 芽生え始めているといえる。 • ここ数年日本の機械、部品に対する評価は “品質は良いけれど、どうせ高い”というワンパターンの ものであったが、“品質の割りには価格はリーズナブ ルなものもある”という認識に変わりつつあり、今後は より肌理の細かいPR、宣伝をすることが効を奏する のではないかと思われる。 ロシアの機械関連ビジネス全般の問題点 • ロシアの工場は民営化されたが、経営者にとって 本当にどのような機械が必要か十分に検証した経 験がなく、ここ数年は他社が行った試行錯誤を傍観 しつつあるというのが現状である。 (ソ連時代の工場は“大きいことがいいこと”という 文化であったこともあり、“品質”、“効率”を目的とし た物作りがどのようなものなのか未だほとんど理解 されていない) ( 各地の工場には日本等で製造された高性能の機 械が大量にあるが、何年も放置された状態となって いる為、修理、整備が必要。-100万台以上の工 作機械の60%以上が15年以上を経過) 問題点のまとめ 1)コストマインドの欠如 -主な理由: ロシアの自動車メーカー等大手メーカーの TOP等よりの明確な指示、要求が無いこと。 2)旧態依然とした加工方法、プロセスが抜本的に見直されない風土、環境 -各生産現場において、欧州の設備メーカーとの長年のしがらみが強く 特に現場の責任者がネックとなっている場合が多いこと。 (現場独自のアイデア、発想が許されない) 3)古い設備を適宜メンテし、リフレッシュ(レトロフィット)する 経験が乏しい。 -壊れたら新しい機械を買う方向に走りがちである。 (新しい機械、設備は極端な自動化、インプロセスでの測定採用等) 4)客先のニーズにきめ細かく対応できる、ディーラーの出現が望まれる。 金型産業の動向も今後のキーポイント • 情報網の発達により、金型設計、製造の手順、必要 部品に関する情報は巷にあふれつつある。 (しかしながらほとんどは外国製) • 外国製のCAD-CAM装置も大量に出回っている がシュミレーション等を伴ったものづくりのレベルで 活用されていない。(宝の持ち腐れ) • 商品デザイナー、CADデザイナーの育成が 急務である。(ものづくりに結びつくデザイナーは少 数、組織作り、教育、訓練が後手後手である) 最近の機械関係マーケットの変化 • ロシアの既存の大型工作機械メーカーのほとんどは淘汰さ れ、代わりにマーケットニーズにあった小型で単機能に絞っ た[安価な)機械を作ろうとする動きが活発である。 (ロシアの伝統的な大型工作機械工場の売り上げは50% 以上ダウンした) • 数年前は台湾や韓国の機械が“安く”て“多機能”であるとの 思い込みから、ほとんど飛ぶように売れた時期が続いたが、 数年使ってみて、その結果として“精度”や“耐久性”に問題 があることが明らかとなり、海外の機械に求める、ロシアで は作れない“高機能”の機械、設備は日本製がベターである という認識が広まりつつある。 ・ ロシアのマーケットは相変わらず厳しい状況がつついている が、底を脱しつつあるという雰囲気がでつつある環境といえ る。 Japan Tool Service Ltdへのアクセス • • • • • • • • Address : Ul.Koroviy Val dom7 Kv168 Tel/FAX 7-095-970-1573 E mail : [email protected] [email protected] Web site : www.Japantool.ru Nearest Metro Station : Metro Dobrininskaya, Metro Oktyabrskaya
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