自然言語処理技術を用いた 中学理科教授学習システム 徳島大学 工学研究科 A-1 小西 優輔 1.研究背景 現在,インターネットやコンピュータを活用する教授 学習システムの研究開発も盛んになされている しかしながら,従来の教授学習システムは 語学 → 有用 理科 → 様々な問題が指摘 予め用意したいくつかの「教授戦略」 「提示パター ン」 しか出さない為、「面白さ」に欠ける 2.研究目的 本研究では ・自然言語処理技術を用いて「飽きる」ことなく,繰り返し学習 ・学習者のサポートを行う事で「深い知識」の習得 ・グループ学習を組み込み,学習者に「楽しさ」を提供 ・自然言語処理の“ユーモア”を取り入れ学習者の興味を喚 起 理科教授学習システムの研究・開発を目的とする 4.システム構成 自然言語解析 モジュール 音 声 合 成 学習者 音 声 認 識 イ ン タ ー フ ェ ー ス ( 表 示 モ ジ ュ ー ル ) 問題生成 モジュール 制 御 モ ジ ュ ー ル 興味喚起 モジュール 教授指導 モジュール 記憶・忘却 モジュール 情報検索 モジュール 問題・解答DB 知 識 ベ ー ス 管 理 モ ジ ュ ー ル 同義表現DB Super Function辞書 教授指導DB 特定分野知識DB 画像DB 履歴DB 5.自然言語解析 文章 茶筌を用いて 形態素解析 Super Function を用いて解析 前処理 茶筌:奈良先端科学技術大学院大学自然言語処理講座が リリースした,フリーの日本語形態素解析プログラム Super Function:機械翻訳の分野で我々が提案している手法 Super Functionの概要 「台車の速度を求めよ」 ノードテーブル エッジテーブル 原言語 Φ の を 求めよ 原言語 台車 速度 Φ 方向グラフでSFを表現 定数 : ノード 変数 : エッジ φ 台車 速度 の を φ 求めよ 機械翻訳では目標言語として,原言語に対応する英語のSFが存在 本研究での目標言語は,原言語に情報が付与されたもの 変数(名詞)を調べれば目的(速度),「もの」(台車)などがわかる Super Functionを用いた解析 Super Functionを用いた文章の解析の流れを以下に示す ノードテーブルが 一致するSFを検索 辞書から必要な情報を 取り出し,解答 エッジテーブルから 中心語の変数を取り出す 中心語:SFに対応する質問の核となる語 中心語 質量60g体積20cm3の物質の密度はいくらか。 密度30g/cm3体積10cm3の物質の質量はいくらか。 質量300g密度30g/cm3の物質の体積はいくらか。 方向グラフと変形テーブル 質量 Φ 体積 60g Φ Φ 物質 20cm3 Φ ノードテーブル エッジテーブル 原言語 の の を求めよ 原言語 質量 60g 体積 20cm3 物質 密度 の 密度 の を求めよ ・ノードテーブルが一致する SFを検索 ・エッジテーブルから中心語の 変数を取り出す ・エッジテーブルから必要な情報 を取り出し,解答 解析結果 6.自然言語生成 本研究の目的の一つ 「繰り返し学習」を効果的に行わせる 同じ問題が繰り返し出題されるようでは,すぐに学習者は 飽きてしまう そのために,1つの問題文に対し様々な言い回しの問題文を 作成,出題する必要がある 自然言語生成 数値はランダムに ノードテーブル 決定 の の を求めよ 予め密度等が 質量 ?g 体積 ?cm3 ? 密度 定まっていない 物を使用 例(物質,ボール, etc) Φ Φ Φ Φ エッジテーブル 体積 ・・・ 密度 ?cm3 ・・・ ?g/cm3 質量 ・・・ 体積 ?g ・・・ cm3 例:を求めなさい ? ・・・ ? 計算せよ 密度 ・・・ 質量 求めて下さい etc の の を求めよ 7.分野ごとのルールを作成 学習者解答 前向き推論 エンジン キーワード アニメーション 前向き推論エンジン: 学習者の誤答の程度,種類を判定 判定結果のためのキーワードを返す システムはそのキーワードに応じ, 学習者の誤答に合った アニメーション,テキストを表示 推論の例(1/2) 例として以下の問題を用いる 学習者の解答は, 「重力加速度はいくらですか?」 正答の絶対値と等しく符号反転 この場合, 学習者の解答「-9.8」 「fly」というキーワードを返す 正答に対しての学習者の解答: 絶対値が等しく符号反転 絶対値が大きく符号は等しい 絶対値が大きく符号反転 絶対値が小さく符号は等しい 絶対値によりスピードの調整 : : : : fly down fly1,fly2,・・・,fly N down1,・・・,down N 推論の例(2/2) 8.履歴の管理(1/2) キーボード 操作 学習者の 演習問題 の解答時 間 演習問題 の正誤 制限時間の 超過 おかしな キーボード操 作 入力例 : aaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaa など 行き詰まり状態の 学習者 履歴を用いて履歴の解析を行う理解度チェック,行き詰まり状態の 学習者の検出などに用いる 8.HELP 9.まとめ 現在構築している自然言語処理技術を利用した 中学理科教授学習システムの概要 Super Functionを用いた自然言語解析 Super Functionを用いた自然言語生成 理科問題文追加 興味喚起モジュール 履歴管理・HELP 10.今後の課題 1.理科に関する知識ベース拡充 2.学習者の状態の測定および動的な学習画面の生成 3.評価実験
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