第11回大阪府立大学高専TP作成WS TP概要説明 および 初稿に向けての 共通アドバイス 大阪府立大学高専 TP研究会 北野健一 [email protected] 平成25年12月26日(木) 大阪府立大学工業高等専門学校 11 ワークショップの目的 ◇ティーチング・ポートフォリオ(TP)/スタッ フ・ポートフォリオ(SP)の作成 ◇TP/SPの作成を通じた教育改善(業務改善) →成果物よりプロセスが大事! ◇本ワークショップの評価と改善 →ワークショップ終了後にアンケートを送付します →ご協力をお願いいたします ◇参加者の情報交換とネットワークづくり 22 ティーチング・ポートフォリオ(TP)とは 自らの教育活動(責任、理念、方法、改善、成果、目標) を振り返り、エビデンスで裏付けた、厳選された記録 ・北米を中心に2,000以上の教育機関で 「教育」評価ツールとして利用 特徴 ①内省(自己省察) ②エビデンスによる裏付け ③柔軟性 ④厳選された情報の集積 ・本文8~10ページ+添付資料 ・メンタ―と共に、2日半で第3稿作成 2008年中教審答申 「学士課程教育の 構築に向けて」 p.43に記載 33 文部科学省もTPの効果を認めています! 113大学(15%) (出典:文部科学省 大学における教育内容等の改革状況等について (平成23年度) http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/daigaku/04052801/1341433.htm) 44 TPの広がり(作成ワークショップ) 北海道・東北 釧路高専, 苫小牧高専, 函館高専, 弘前大学 関東・中部 大学評価・学位授与機構, 芝浦工業大学, 東京都立産 業技術高専, 公立大学協会, Fレックス(来年3/6-8) 近畿・中国 大阪府立大学高専(12/26-28), 立命館大学, 広島大学, 山 口県立大学(来年2/8-10), 摂南大学(来年3/14-15) 四国・九州 愛媛大学, 徳島大学(来年3/6-8), 阿南高専, 高知高専,香 川高専,弓削商船高専, 佐賀大学, 聖マリア学院大学, 大分大学, 宮崎大学, 鹿児島高専 5 5 TPの広がり(セミナー) 大阪府立大学高専, 愛媛大学, 佐賀大学, 阿南高専, 大分大学, 聖マリア学院大学, 千葉大学, 四国地区大学教職員能力開発 ネットワーク(SPOD), 愛知産業大学, 産能大学, 立命館大学, 大妻女子大学, 広島大学, 関西工学教育協会高専部会, 徳島大 学, 長野高専, 鶴岡高専, 大阪電気通信大学, 近畿大学, 秋田県 立大学, 東京高専, 兵庫県立大学, 釧路高専, 首都大学東京, 都 立産技高専, 鹿児島高専, 北陸先端科学技術大学院大学, 奈良 高専, 沖縄高専, 福島高専, 宮崎大学,鈴鹿高専,大阪府立大学, 函館高専,山口県立大学,豊田高専,サレジオ高専,宇部高専,大 阪国際大学,一関高専, 日本大学,有明高専,西日本工業大学,和 歌山高専,佐世保高専,摂南大学,明石高専,Fレックス(福井県大 学連携プロジェクト),鈴鹿医療科学大学,東北大学, 茨城キリ スト教大学, 東北学院大学, 徳山高専, 茨城高専, 豊橋技術科学 大学, 名桜大学, 東京家政大学, 県立広島大学, 高知高専 66 府大高専WSでTP作成者は93名、うち学外は41 名 公立大学9名 山口県立大学 4名 秋田県立大学 2名 大阪府立大学 1名 首都大学東京 1名 大分県立看護科学大学 1名 高専12名 阿南高専 2名 宇部高専 2名 徳山高専 2名 木更津高専 2名 東京都立産技高専 1名 神戸高専 1名 奈良高専 1名 和歌山高専 1名 (2009年1月~2013年11月末) 国立大学4名 広島大学 2名 福井大学 2名 私立大学15名 大阪国際大学 4名 文京学院大学 1名 文京学院短期大学 1名 近畿大学 1名 摂南大学 3名 仁愛女子短期大学 1名 福井工業大学 1名 帝塚山大学 2名 神戸女子大学 1名 民間1名 株式会社フジタ 1名 (所属は作成時) 77 TPの広がり(FD講演会) 88 TP/SP作成の目的 ・ 教育改善(業務改善) ・知の共有 ・情報発信 ・昇進・採用、優秀教員賞など 教員の教育業績評価資料 「何のために作るのか」「誰が読むの か」を、あらかじめ明確にしておく 99 TP/SPの構造 基本 ・教育の責任(何をやっているか) ・理念(なぜやっているか) ・方法(どのようにやっているか) ・成果(どうだったか) ・今後の目標(これからどうするか) 柔軟性あり ・他に「研究との関連」「改善のため の活動」など 10 10 教育改善を目的とするTPの目次 1)教育の責任 2)教育の理念 3)目的、戦略、方法 4)シラバス/教材(配布資料、課題)の解説 5)授業を改善する努力 ・指導法の刷新 ・カリキュラムの改訂 ・教育に関する学会/研究会への参加 6)学生による授業評価 7)学生の学習状況 8)短期/長期の教育目標 9)添付資料 11 11 評価を目的とするTPの目次 1)教育の責任 2)教育の理念 3)教育の目的、戦略、方法論 4)学生の授業評価 5)同僚/大学執行部による授業参観の講評 6)大学内外の同僚による教材のレビュー 7)代表的かつ詳細な講義シラバス 8)学生の学習状況 9)教育に関する表彰 10)短期/長期の教育目標 11)添付資料 12 12 AさんのTPの目次 1.宣言 2.教育の理念 3.教育の責任 4.教育の方法 5.教育の成果 6.教育の改善 7.野菜栽培と学生教育 8.今後の目標 9.ティーチング・ポートフォリオのまとめ 添付資料 13 13 BさんのTPの目次 序 1、教育理念 2、教育の基本 2-1 なぜラグビーが教育に有効なのか 2-2 ラグビーで社会性がはぐくまれる理由 2-3 ラグビーから利他の精神を学ぶ 2-4 混合教育・技術者教育・ラグビー精神の融合 2-5 スペシャルオリンピックスの試み 3、教育の目標 4、教育活動の分野 5、教育方法 6、教育活動のアウトプット 7、教育活動の問題点と改善 8、今後の目標 9、添付資料 14 14 CさんのTPの目次 1.教育責任 2.教育理念 3.教育方法 4.授業以外の教育活動 5.学生からの評価 6.学生の学習成果 7.FD(教員として) 8.FD(ファカルティ・ディベロッパーとして) 9.教育に関する外部資金獲得状況 10.今後の目標 15 15 DさんのTPの目次 はじめに 1.教育の責任 2.教育の理念:府立高専魂を芽吹かせること ・戦前から流れる技術者養成の心 ・日本一の高専を造る ・校歌制定に垣間見える学生主体の教育 ・高専祭による技術力を外部発信する気持ち 3.教育方法 4.授業評価および学習成果 5.チーム教育支援体制 6.今後の目標 資料 16 16 EさんのTPの目次 1.教育の根っこは「保健師」 2.教員だけど「保健師」である私が、今、ここで何をし なければならないのか 3.教員だけど「保健師」である私は、今、ここで何をど うしているのか 4.教員だけど「保健師」である私が、今、ここでしてい ることをどう変えてきたのか 5.教員だけど「保健師」である私が、今、ここでしてい ることはどう評価されているのか 6.教員だけど「保健師」である私が、今、ここでしてい ることは何を生み出しているのか 7.これからも、ここで教員だけど「保健師」であり続け るためにしなければならないことは何か 8.添付資料 17 17 FさんのTPの目次 1.はじめに(TP作成の目的)―営業運転に必要な「回送」(回想)― 2.教育の責任―「営業エリア」― 3.教育の信念―「営業理念」― 4.教育の理念―「路線選定」― (1)真の自律性を育てる (2)高い専門性を育てる 5.教育環境(学習環境)づくり (1)私の存在という教育環境づくり―「鉄ヲタ」の私― (2)授業づくり―特別急行「発達と学習」号を例に― (3)自主ゼミの展開-「トロッコ列車」― 6.学生による授業評価―乗り心地改善の「保線業務」― 7.学生の学習状況/進路―「営業係数」― 8.短期/長期の教育目標―「ダイヤ改正」および「線路付け替え」― 9.添付資料―「車窓」「車両部品」コレクション― 18 18 第一稿作成にあたって ◇スタートアップシートは授業に関すること を中心に記入するようになっています。 ◇ぜひ研究活動、学生指導、学生相談、担任、 地域貢献、委員会活動等も入れて、先生の 本当に書きたいことを書いてください。 (エビデンスは気にしないでください) ◇今日の目標は、目次を作ることと、理念を 深く掘り下げることです。最低2ページは 何でもよいので書いておきましょう。 ◇最初から書いていく必要はありません。責 任や方法から書いていくのも一つの方法で す。 19 19 TP/SPの全体イメージ 長期的目標 理念 教育の 責任 方法 改善 & 短期的目標 エビデンス (方法) エビデンス (成果) 20 20 スタートアップシートとTPの目次 スタートアップシート TPの目次 責任 4 理念 5-4、8 方法 5-1、5-2、5-3、6 成果 4-3、6(授業評価)、学生の受賞 改善 7 目標 9 21 21 スタートアップシートとSPの目次 SPの目次 スタートアップシート 責任 4-1、4-3、4-4 理念 5-4、8 方法 5-1、5-2、5-3、6 成果 4-2、6 改善 7 目標 9 22 22 二日目は ◇本文は、A4で8~10ページ(TP)、6~10ページ (SP)です(表紙は除く)。 ◇でも、10ページをあまり気にせず、超えてもよい ので、書けるだけ書いてみてください。 ◇3日目に、理念-方法-(エビデンス)の一貫性を意 識しながら、整理していきます。 ◇フォントサイズは11ポイント以上でお願いします。 ◇ページ番号を振ってください。 ◇ファイル名は、「kitano-1-1226.doc」のように、 「名前-稿のバージョン-日付.doc」としてくださ い(稿のバージョンは1,2,3,・・・となります)。 23 23 本校のワークショップは ◇「TPワークショップ基準ver.1.1」に準拠して開催 しています。 ◇「TPワークショップ基準ver.1.1」 7つの基準、4つの努力基準 ◇ 基準5-1 修了証授与基準 修了証を授与する基準が定められていること. 24 24 本校の修了証授与基準 一、原則ワークショップの全日程に参加し、ティー チング・ポートフォリオを10時間以上かけて作成 していること。 一、ティーチング・ポートフォリオの目次ができて いること。 一、ティーチング・ポートフォリオに、原則次の項 目が記されていること。 1)教育の責任 2)理念 3)方法 4)成果 5)今後の目標 ただし、教育歴の浅い方については、4)成果は、今後ど うするかについて言及されていればよいものとする。 一、最終日にレジュメを配布し、プレゼンテーショ ンをしていること。 一、メンターチームの承認を得ていること。 (平成25年3月13日 大阪府立大学高専TP研究会策定) 25 25 EさんのTPの目次 1.教育の根っこは「保健師」 2.教員だけど「保健師」である私が、今、ここで何をし なければならないのか 3.教員だけど「保健師」である私は、今、ここで何をど うしているのか 4.教員だけど「保健師」である私が、今、ここでしてい ることをどう変えてきたのか 5.教員だけど「保健師」である私が、今、ここでしてい ることはどう評価されているのか 6.教員だけど「保健師」である私が、今、ここでしてい ることは何を生み出しているのか 7.これからも、ここで教員だけど「保健師」であり続け るためにしなければならないことは何か 8.添付資料 26 26 本校の修了証授与基準 一、原則ワークショップの全日程に参加し、ティー チング・ポートフォリオを10時間以上かけて作成 していること。 一、ティーチング・ポートフォリオの目次ができて いること。 一、ティーチング・ポートフォリオに、原則次の項 目が記されていること。 1)教育の責任 2)理念 3)方法 4)成果 5)今後の目標 ただし、教育歴の浅い方については、4)成果は、今後ど うするかについて言及されていればよいものとする。 一、最終日にレジュメを配布し、プレゼンテーショ ンをしていること。 一、メンターチームの承認を得ていること。 (平成25年3月13日 大阪府立大学高専TP研究会策定) 27 27 お願い ◇メンターが個人メンタリングで、メン ティーの皆さんにいろいろ質問します。 ◇個人情報に関することもお聞きする場合が ございます(前歴や、なぜ教員/職員になっ たのか等)。これは理念の掘り下げに必要 なことで、よりよいTP/SPを作成するため ですので、ご協力をお願いします。 ◇個人メンタリングでお伺いしたことは、メ ンター間では共有をいたしますが、ワーク ショップ終了後は一切口外はいたしません。 では、皆さん3日間がんばりましょう! 28 28 29 29 TPの全体イメージ 長期的目標 理念 教育の 責任 方法 改善 & 短期的目標 エビデンス (方法) エビデンス (成果) 30 30 ミニ・ワーク(1) あなたの日頃の具体的な取り組みから、教 育の理念を明確にします ①日頃の教育活動について、あなたが ・工夫していること ・心がけて行っていること ・大切だと考えて実践していること を思いつくまま、付箋1枚に1つずつ書いて (A)の欄にどんどん貼ってみてください。 31 31 ミニ・ワーク(2) 例えば・・・ ・小テストを毎回している ・新聞記事のデータ等身近な例を分析対象として とりあげる ・配布資料は授業のためのウェブサイトからダウ ンロードできるようにしている ・グループワークを課している ・学業に限らず学生の相談にのっている ・授業開始・終了時間を厳守している ・授業の冒頭に前回の復習を行う ・最新の研究動向を積極的に紹介している 等 32 32 ミニ・ワーク(3) ②次に付箋のグループ分けをします。その 際 ・なぜこのようなことをしているのか ・どうしてこれが自分にとって大切なのか ・どうして学生にとって大切なのか ・学生にどう成長してほしいのか などの観点で分けてください。 (A)の欄内で、同じグループだと思う付 箋をまとめてみてください。その際、1枚 だけのグループがあってもかまいません。 33 33 ミニ・ワーク(4) ③グループ分けした付箋に共通する行動・ 実践の理由を考えてみてください。その理 由を、今までとは色の異なる付箋に記入し、 (B)の欄に貼り付けてみてください。 必ずしも(A)のグループと、1対1の対 応になっている必要はありません。 1つのグループに対する理由が複数あっ てもよいですし、また複数のグループに対 する理由が、1つにまとまっていてもかま いません。 34 34 ミニ・ワーク(5) ④次にエビデンスを検討します。 (A)に貼ってある日々の教育活動を証明 するには、どのようなエビデンスが利用で きるか考えてみてください。 付箋1枚にエビデンスを1つずつ記入し、 (C)の欄に貼り付けてください。 その際、1つの教育活動に対するエビデ ンスが複数あってもよいですし、また複数 の教育活動に対するエビデンスが、1つに まとまっていてもかまいません。 35 35 ミニ・ワーク(6) 例えば・・・ ・小テストの現物 ・新聞記事のコピー ・ウェブサイトのスクリーンショット ・グループワークの課題資料 ・オフィスアワーの記録 ・授業を見学した同僚からのコメント ・講義ノート ・学生からのお礼の手紙(メール) ・シラバス ・学生のレポート ・授業アンケートの自由記述 等 36 36 ミニ・ワーク(7) ⑤最後に目標を考えます。 教育にゴールはありませんが、5年後の 自分の姿を思い浮かべて、5年後には、こ んな教員になっていたい、そのために達成 しなければならない(した方がよいと思わ れる)課題を、付箋1枚に1つずつ書いて (E)の欄に貼ってみてください。 本当に達成できるかどうかは度外視して 記入してください。あくまで、理想の教員 像でかまいません。 37 37 ミニ・ワーク(8) ⑧お疲れ様でした。 (D)に何も貼っていないのですが 38 38 TPの全体イメージ 長期的目標 理念 教育の 責任 方法 改善 & 短期的目標 エビデンス (方法) エビデンス (成果) 39 39 ミニ・ワーク(9) ⑨(A)のグループ分けの観点でありまし たように、「学生が成長した」というエビ デンスはなかなか難しいのですが 例えば・・・ ・学生の受賞・研究成果 ・学生の進路 ・学生からの手紙(メール) 等 が考えられます。 40 40 ミニ・ワーク(10) ではメンタリングに入ります。 担当メンターの指示にしたがってくださ い。 41 41 42 42 ミニ・ワーク(8) ⑥以上で個人の作業は終了です。 では隣の方とシートを交換してください。 まず、向かって左側に座っている方が、 右側の人に、自分が作成したシートの内容 について説明してください。 右側の人は、まず聞き役に徹してくださ い。相手の方の説明が一通り終わった段階 で、質問か、コメントをお願いします。 (コメントはできるだけ否定的ではなく、 前向きにお願いします) 43 43 ミニ・ワーク(9) ⑦では、説明役と聞き役を交代してくださ い。要領は先ほどと同じです。 向かって右側に座っている方が、左側の 人に、自分が作成したシートの内容につい て説明してください。 左側の人は、まず聞き役に徹してくださ い。相手の方の説明が一通り終わった段階 で、質問か、コメントをお願いします。 (コメントはできるだけ否定的ではなく、 前向きにお願いします) 44 44 TPを作成するメリット 教員にとってのメリット ■教育者としての振り返り ■作成プロセス自体が教育の質の向上 ■教育の正当な評価:評価者へのアピール ■各種の提出資料に対する意識変容 ■主体性の回復・QOLの向上 組織にとってのメリット ■教員の教育活動の把握 ■教員評価における多様な視点 ■教育資源の共有 ■社会への発信 45 45 TPが機能するための条件と導入 機能するための条件 ■執行部と作成者のTPに対する正しい理解 ■導入プロセス・・・時間 ひと ■作成者の意志を尊重する ■メンターの確保 ■維持・更新方法 導入方法 ■モチベーションの高い人を募ってTPを作成 ■同時に、執行部の理解・支援を得る ■所属組織の文化にあったスタイルの構築 ■所属組織の環境の把握(エビデンス、空 46 46 各種外部評価に備えたエビデンス 取 組 名 開始時期 学生による授業評価アンケー 2000(平12)年度 公開授業(コメントシート) 2004(平16)年度 授業改善計画・取組報告書 己評価シート)の提出 2004(平16)年度 答案等の保存 2005(平17)年度 科目ファイルの提出 2005(平17)年度 学生支援報告書の提出 2005(平17)年度 評価・育成システム 2004(平16)年度 47 47 エビデンスは教育活動の一部しか明らかにできない 授業評価 授業改善計画 ・取組報告書 教育活動 公開授業 シラバス 48 48 教員は自らの理念に基づいて教育活動を行っている 理念を明確にすることで種々の資料が統合できる 学生との授業を超えたつながり 指導学生数 同僚による授業参観 独自の教材 授業の工夫 理念に基づいた 教育活動 シラバス 研究成果の教育への反映 授業評価 担当科目 教育に関するゴール ティーチングに関する研究発表 49 49 ボトムアップ法(1) 日頃の具体的な取り組みから、教育の理念 を明確にする ①日頃の教育活動について、あなたが ・工夫していること ・心かげて行っていること ・大切だと考えて実践していること を思いつくまま、付箋1枚に1つずつ書いて みてください。 50 50 ボトムアップ法(2) 例えば・・・ ・小テストを毎回している ・新聞記事のデータ等身近な例を分析対象として とりあげる ・配布資料は授業のためのウェブサイトからダウ ンロードできるようにしている ・グループワークを課している ・学業に限らず学生の相談にのっている ・授業開始・終了時間を厳守している ・授業の冒頭に前回の復習を行う ・学生と飲み会を頻繁に行っている ・最新の研究動向を積極的に紹介している 等 51 51 ボトムアップ法(3) ②次に付箋のグループ分けをします。その 際 ・なぜこのようなことをしているのか ・どうしてこれが自分にとって大切なのか ・どうして学生にとって大切なのか ・学生にどう成長してほしいのか などの観点で分けてください。 ③グループ化した付箋に共通する行動・実 践の理由を考えてみてください→理念 52 52 個人ミーティングの必要性 個人ミーティング(毎日1回ずつ) →メンター・メンティーともに学びの場 →メンターはメンティーがもつ教育の考えを 引き出しながら、TPをゴールへと導く (指導者ではなく、あくまで伴走者) ・メンターの果たす役割は非常に大きい ・メンターはTP作成経験者 ・経験不足はメンターミーティングでカバー 53 53 第1回スケジュール(メンタ―) 1月5日(月) 1月5日(月) 9:00 1月6日(火) 0 0:00 メンターミーティング3 1:00 12:00 12:00 0PM 2:00 15:00 3:00 4:00 5:00 18:00 メンターミーティング1 オリエンテーション A1-1 B1-1 C1-1 A2-1 B2-1 C2-1 1月7日(水) 1月6日(火) 意見交換+昼食 A1-2 B1-2 C1-2 A2-2 B2-2 C2-2 1月7日(水) A1-3 A2-3 B1-3 B2-3 C1-3 C2-3 メンターミーティング5 修了を祝う会 メンターミーティング4 メンターミーティング2 6:00 7:00 8:00 21:00 夕食:意見交換会1(任意夕食:意見交換会2(任意 参加) 参加) 9:00 10:00 11:00 0:00AM 原稿提出締切 0:00 原稿提出締切 0:00 54 54 最終日のプレゼンテーション 修了式前にTPのハイライトを約3分で発表 ↓ 教育理念や教育方法の発表と交流 ↓ 多大な啓発効果を発揮し、敬意と信頼の関係 が生まれる。 同じ教育機関の教員(同僚)どうしなら、さ らに教員間連携の基盤が構築できるというメ リットあり。 55 55 発行した修了証 56 56 ワークショップの3日間 高専教員は業務が多様 講義、研究、学会活動、オープンキャンパス 認証評価・JABEEなどの第三者評価対応 出前授業・公開講座などの地域貢献 学生指導、学級担任、学生相談、クラブ顧問 →これらをTPにどう取り入れるべきか? →個人ミーティングの時間における(いい意 味での)忌憚のない歯に衣着せぬやり取り →メンターミーティングで悩みを共有 57 57 メンタ―として(1) 今回、私は2名の教員のメンタ―を担当。 教授 Aさん 本校の卒業生 本校に勤務して27年の大ベテラン 当時学生相談室長,現在学生担当副校長(学生主事) 助教 Bさん 東北地方の高専卒業 本校勤務1年 本校で唯一20代の教員 58 58 メンタ―として(2) WSが始まってみると、Bさんの筆がなか なか進まず、正直あせった。 「TPはメンティーのもの」(by ピー ター・セルディン) →頭ではわかっているものの、自分の担当 メンティーが期限内にTPを完成してくれ るかというのが、すごくプレッシャーで精 神的にも肉体的にも、とても疲れた。 しかし、最終日のプレゼンを聞くと、それ までの疲れが一気に吹き飛んだ。 59 59 メンタ―として(3) 逆にAさんはさすがベテラン。稿が進 むにつれて着々と完成へ。 個人ミーティングでの私からの問いかけ 「先生が今の専門に興味をもつようになっ たのは、何か学生時代にきっかけがあった のではありませんか。それをぜひ書いては いただけませんか。」 60 60 メンタ―として(4) 学生時代に私が興味を引かれた先生がいて,雑談をするためし ばしば流れを扱うその研究室を訪れていた.ある日,簡単な確 認実験をするので見ていくように言われた.水道の蛇口がひね られ,ホースから扁平の透明アクリル製長方形容器に水が入っ た瞬間,その容器の中で空気を巻き込んだ水が美しく渦巻く現 象が見られた.その瞬間まわりの景色が消えた.「流れとはこ んなに美しいものなのか」と思い,その美しさにしばし見とれ た.今でもその感動は鮮明に覚えている.先生が水道栓を閉め て,流れが止まるまで,その他のものは何も目に入らず,何も 聞こえなかった.短い時間であったと思う.まさに時間が止ま った瞬間であり,その瞬間に自分はこの道を究めたいと思った .それが「流れ」との付き合いの始まりであった.それまでは ,ともすれば結果(=成績)にとらわれがちだった私が,それ 以来本当に実力の付く勉強をしようと思い,夢中で流れの勉強 をしてきた.縁があり,今その先生のいた研究室に私がいる. 61 61 メンタ―として(5) 年代も離れていたし、学科も異なるので、今 まで親しく話をしたことがなかったが、完成 したTPを読むと敬意の念が生まれた。 TPの最終稿に書かれた感想 「今回のティーチング・ポートフォリオ作成 は,私の学生時代の原体験を振り返り,教育 姿勢を省察し,新たな気持ちで教育に望む機 会になった.このような機会に恵まれたこと に感謝したい.」 62 62 私見ですが 他の教員のメンターを担当させていただいた ことによって、今まで知り得なかった、その 方の教育に対する想いや理念を知ることがで きた。→メンターの方が学ぶことが多かった TPを書かれた教員は、以前よりかなりがん ばっているように見える。私も、メンターと して恥じないよう、前にも増していろいろな 仕事に取り組むようになった(最近少しオー バーワーク気味?)。 63 63 参加者の事後アンケートより(1) Q.TPを作成してみたご感想をお聞かせください. ○理念などは今まであまり意識していなかっ たが、より明確に意識するようになった。 ○自身の教育理念や教育戦略を整理分析し、 自己省察するとともに、文章として記録を 残すことができて、よかったです。 ○これまでの教育活動を振り返り,整理でき たことは大きいと思います。また,他の方 のポートフォリオの要点を聞いて,非常に 参考になりました。 64 64 参加者の事後アンケートより(2) Q.本ワークショップに参加してよかった点を お書きください. ○自分の教育方法を、まとまった形で主張す る機会が与えられた。 ○教育方法について、整理できた。 ○漠然とした教育に対する自分の考えを明確 化できた点が最大の収穫です. メンタ―については全員が「大変重要」or 「必要」or「いればありがたい」 学内での開催は資料を取りに戻れる点で好評 65 65 まとめ WSの参加者全員が,さまざまな意味でTPの 執筆が自己の教育活動にとって有益であった との実感を得ている.これほど効果を発揮し たFDはかつてなかったと言ってよい. TPは、個人のニーズに応じた実質的なFDに なる可能性を十分秘めている! 66 66 TPは必要か 教員という職業を選択する時に持っていた “熱い思い”の再確認 →主体性の回復・QOLの向上 高等教育機関の教員は、小中高の教員とは 異なり、研究室で職務を執ることが多い →教授技術という財産の共有 医者の不養生 →医者にも「人間ドッグ」は必要です!! 67 67 もっと詳しく知りたい方は 大学評価・学位授与機構 評価研究部 栗田 佳代子 先生 [email protected] (2010.2.1~2011.1.31 海外留学中) Webサイト http://www.teaching-portfolio-net.jp/ メーリングリストに登録していただければ TPに関するシンポジウム・ワークショップ 等の情報をお送りします。 68 68 ご清聴ありがとうございました! 69 69 評価・育成システム 大阪府内のすべての府立学校教職員(含む高 専)および府費負担教職員が対象 「学習指導」「学生指導」「学校運営」「研究」 の4項目について(管理職を除く教員の場合) 年度当初に「目標設定」→「目標設定面談」 年度途中に「進捗状況」 年度末に「達成状況」を記す→「開示面談」 「業績評価」と「能力評価」→「総合評価」 それぞれ「S」「A」「B」「C」「D」の5段階評価 期末手当の額に反映される(2007年度より) 70 70 今後の課題 今回の参加者6名は、TPに対して最初から比 較的好意的なメンバーだった。 →今後、さらに輪を広げていくには、TPとTP の効用に対する理解と認知度の向上が必要。 自分のTPを約1年更新できていない。ま た他のメンバーも半年TPを更新していな い →更新プログラムの実施 71 71 今後の予定 2010.1.4~6 TP作成ワークショップを開催(大阪府 立高専)→よろしければご参加ください! 2010.1.23 高専シンポジウムで発表(いわき) 72 72 メンタ―として(2) 事前学習会(12/19,23)。 Bさん・・・2回とも出席 Aさん・・・2回とも欠席 ボトムアップ法 Bさん・・・69項目を6つに分類 Aさん・・・未提出 スタートアップシート Bさん・・・かなり詳しく書いてある Aさん・・・あまり書いていない 73 73 Bさんのボトムアップ法の結果 74 74 メンタ―として(2) 事前学習会(12/19,23)。 Bさん・・・2回とも出席 Aさん・・・2回とも欠席 ボトムアップ法 Bさん・・・69項目を6つに分類 Aさん・・・未提出 スタートアップシート Bさん・・・かなり詳しく書いてある Aさん・・・あまり書いていない 75 75 高専におけるTPとは(1) 学生との濃密なつながりこそが高専教育の長所 (高専教員の業務) 講義、研究、学会活動、オープンキャンパス 認証評価・JABEEなどの第三者評価対応 出前授業・公開講座などの地域貢献 学生指導、学級担任、学生相談、クラブ顧問 →これらをTPに取り入れない限り、高専にT Pの文化は根付かない →「高専型TP」の提案 76 76 高専におけるTPとは(2) 一般科目担当教員と専門科目担当教員の意識 の乖離 例えば、「一般科目の教員は低学年で何を指 導しているのか」 →きちんと教育しているはず。でもそれをわ かってもらうには、一般科目の教員はTP を書いた方がよい。 77 77 高専におけるTPとは(3) また「英語は英会話さえできればよい。 TOEICの点数を取れるように学生を指導し てくれればよい」 →そうではないはず。でもそうでないことを きちんとわかってもらうためにはTPを書 いた方がよい。 高専という一つの教育機関でカリキュラムを 考えていくためには、お互い何をやっている のかをTPを通して知らせないといけない 7878 メンタ―として 個人ミーティングで、自分が認識してい ない教育内容を明文化することができた 3日間ではあったが、集中して作成する ことができた点では貴重な経験ができた。 TPの構成要素はP(plan)-D(do)-C(check) -A(action)の項目が全て入っており、TP の作成はPDCAサイクルを自分でまわす ことにほかならない 79 79 高等専門学校(高専)とは 全国に61校(国立55、公立3、私立3)、うち60校に専攻科 ものづくりのリーダー となりえる技術者 D3 就 職 大学院修士課程へ進学 工業高校から 4年生に編入 3年 工業 2年 高校 1年 5年 ( 本 4年 3年 2年 科 1年 ) ( 2年 専 攻 1年 科 ) 大 D2 学 院 D1 大学3年に編入 M1 博士前期課程 (修士課程) 4年 大 高等専門学校 (高専) M2 博士後期課程 (博士課程) 学 3年 2年 1年 短 2年 大 1年 3年 普通高校 2年 1年 3年 中 学 校 2年 1年 80 80 メンタ―として 西洋の評価文化に対して、私は東洋文化の 人間なので、実験だと思って参加した。 5年一貫教育 「人間教育」というキーワード 高校生相当の学年をあずかる身としての責 任の重さ 同僚性 81 81 メンタ―として ポートフォリオを書くために、教員としての 自分の3年半の活動を振り返り、なぜ自分が そのような行動をとったか考えてみました。 その結果、自分は、社会において仕事をする ためには「相互信頼」という人間性が重要で あると考えて教育していることに気がつきま した。今までも学生が何かを頼んで来たらで きるだけ応えていましたが、これからもその ような方針で学生が人を信頼するような気持 ちを持つようにしていきたいと思います。 82 82 メンタ―として 実験レポートなどでは、データを軽く扱っ ていたり、人のレポートを写すことを軽く 考えている学生が見られますが、そのよう な横着な態度が相互信頼を傷つけるもので あり、結局自分の人間的価値、社会的価値 を傷つけることになることをこれからも強 く教育していこうと思いました。 83 83 大阪府立高専におけるFD 取 組 名 開始時期 外部講師招聘講演会(FD講 1991(平3)年度 会) 以前 人権教育講演会 1991(平3)年度 以前 学生相談室学習会 1996(平8)年度 学生による授業評価アンケー 2000(平12)年度 公開授業 2004(平16)年度 授業改善計画・取組報告書の 2004(平16)年度 提出 84 84
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