A班 ランダム選択に一言加えたら・・・ 成田幸弘 橋本剛 嶌村都 目的 • どちらを選択しても結果がわからない2つの選択肢 が与えられた場合、選択される確率はどちらの選択 肢も50%である • しかし、もし選択する前に条件が与えられたら、人 の選択行動はどのように変化するのか • また、その条件を裏切られたとわかったら人の選択 行動はどのように変化するのか • その後、また条件を除いた時、それまでの結果は人 の選択行動にどのような影響をもたらすのか • この点について、以下の実験を行い検証した 仮説 • 選択する前に条件を与えられた場合、人は自 分にとって有益な結果に繋がる選択肢を選 ぶだろう • しかし、その条件が裏切られたとわかった場 合、人はまたどちらの選択肢も50%の割合で 選択するだろう 手順1 • 今から数字の1と2を使った簡単なゲームで、コン ピューターと対戦してもらいます • ルールは以下の通りです • あなたの手元には1と2のカードがあります • コンピューターも同様に1と2のカードを持っています • あなたがカードをどちらか1枚選択するとコンピュー ターもランダムで1枚選択します • あなたが選んだカードとコンピューターが選んだカー ドの合計が偶数ならあなたの勝ち、奇数ならコン ピューターの勝ちです 手順2 1回目 数字を選んでクリックしてください 1 2 手順3 コンピューターのカード 1 あなたのカード 2 この二つを足すと結果は奇数です よってコンピューターの勝ち 手順4 2回目 数字を選んでクリックしてください 1 2 手順5 コンピューターのカード 2 あなたのカード 2 この二つを足すと結果は偶数です よってあなたの勝ち 手順6 ここからはコンピューターは1しか出しません 61回目 数字を選んでクリックしてください 1 2 手順7 ここからはコンピューターはまたランダムに カードを選択します 121回目 数字を選んでクリックしてください 1 2 手順8 お疲れ様です ご協力ありがとうございました あなたの実験結果はnum.txtに保存されました のでごらんください ポイント • 手順6で「コンピューターは1しか選択しない」 と宣言するが、実際は25%・50%・75%の割 合でコンピューターは2を選択する • 1回目、コンピューターがランダムに選択する 期間をパターン1 • 「1しか選択しない」と宣言している期間をパ ターン2 • その後、またコンピューターがランダムに選択 する期間をパターン3 結果 25%の確率で2を出した場合 ① H1 H2 H3 ② H1 H2 H3 パターン1 30 26 40 パターン1 30 33 20 パターン2 40 46 50 パターン2 20 14 10 パターン3 27 38 27 パターン3 33 22 33 25%① 25%② 60 60 55 55 50 50 45 45 40 40 35 1さん 2さん 3さん 30 25 35 25 20 20 15 15 10 10 5 0 パターン1 1さん 2さん 3さん 30 5 パターン2 パターン3 0 パターン1 パターン2 パターン3 結果 50%の確率で2を出した場合 ① n1 n2 n3 ② n1 n2 n3 パターン1 18 27 33 パターン1 42 33 27 パターン2 27 45 39 パターン2 33 15 21 パターン3 21 33 39 パターン3 39 27 21 50%② 50%① 60 60 55 55 50 50 45 45 40 40 35 n1 n2 n3 30 25 35 25 20 20 15 15 10 10 5 5 0 パターン1 パターン2 パターン3 n1 n2 n3 30 0 パターン1 パターン2 パターン3 結果 75%の確率で2を出した場合 ① 70w 46w ➁ 13w 70w 46w 13w パターン1 35 33 28 パターン 1 パターン2 17 20 29 パターン 2 43 40 31 パターン3 25 17 43 パターン 3 35 43 17 75%① 50 45 45 40 40 35 35 30 70w 46w 13w 25 20 32 30 20 15 10 10 5 5 パターン3 70w 46w 13w 25 15 パターン2 27 75%② 50 0 パターン1 25 0 パターン1 パターン2 パターン3 結論1 条件下での選択行動 • 「コンピューターは1しか選択しない」と条件が 出された後の初めの1回は、偶数にするため に必ず1を選択する • しかし、その後裏切られるまで1を選択し続け る人と、そうでない人に分かれた • 信じる、信じないは個人差がある? 結論2 裏切られてからの選択行動 • パターン2を観察してみると、被験者が2を選 択する確率は、ほぼそれぞれに設定した 25%・50%・75%に従っている • したがって、我々は宣言されていなくても、回 数が多ければ多いほど、確率を無意識のうち により正確に認識する? 結論3 パターン2からパターン3へ • 75%以外はパターン3ではパターン1とほぼ 同じ選択行動がみられた • 75%の被験者は、パターン2で裏切られた確 率が非常に高かったため、「コンピューターは またランダムに選択します」という条件を素直 に飲み込むことができなかった 反省点 • 被験者が少なかった • 回数が少なかった • 得点をつけなかったことで、被験者のやる気 が低下してしまった
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