ダウンロード [PPT:11394KB] - 医療従事者向け手指衛生総合サイト

トレーナー、オブザーバー、そして医療従事者のた
めの教育セッション
WHO guidelines on hand hygiene in health care
Slides for Education Sessions for Trainers,
Observers and Health-care Workers (revised
August 2009)
言葉の定義
Health Care-associated Infection (HCAI)
■ 別名“nosocomial” または “hospital” infection
“病院や医療関連施設に滞在中にかかった感染症で、施設入
所時には感染あるいは潜伏していなかったもの。退院後に
発症したものや、医療従事者が施設内で感染したものもふく
まれる。 ”
HCAI: 世界的な問題
■ 信頼性のあるデータが少ないため推定値を出すことが難しい。
■ 医療関連施設内外での疾病負荷は多くの国で明らかになって
いない。
■ 世界のいかなる国、保健医療システム、医療施設の中に、こ
の問題は解決済みであると宣言できるところは、一つもない。
HCAI 世界全体の推定罹患率
■ 常に世界全体で数億人がHCAIを経験している。
■ 先進国の近代的病院:5-10% の患者が1種類以上に感染して
いる。
■ 途上国のHCAIリスクは先進国の2-20倍高く、患者の感染率
は25%を超える。
■ ICUのHCAIは患者30%に関連し、これが原因となる死亡率は
44%に達すると考えられる。
米国におけるHCAI疾病負荷
■
罹患率: 5–6%; 1700万人
■ 尿路感染症: 36%; 561,667 症例, 13,088人死亡
■ 外科処置部位感染 : 20%; 274,098 エピソード (1.98%)
■ カテーテル関連血流感染: 11%; 250,000 症例, 28,000 人死亡
■ 人工呼吸器関連肺炎: 11%; 5.4/1000 呼吸器-日
■
関連死亡率: 3.6%, およそ 99,000 人死亡
年間経済的損失: $ 45億USドル
Surveillance network, study period, setting
Klevens RM, et al. Public Health Reports 2007
CR-BSI*
VAP*
CR-UTI*
NNIS, 2006–2007, PICU
2.9
2.1
5.0
NNIS, 2006–2007, Adult ICU (med/surg)
1.5
3.1
2.3
* Overall (pooled mean) infection rates/1000 device-days
NHSN report. Am J Infect Control 2008
ヨーロッパにおけるHCAI 疾病負荷
■ EU: 罹患率3.5–14.8%
■ ノルウェー:全国的罹患率 5.7% (2007年)(Eurosurveillance)
■ フランス:4年間の多施設研究(2001-2004)で罹患率は6.1% (1.9% - 15.2%)
(Floret N, et al. JHI 2004)
■ イタリア:罹患率7.6%(2003) (Pellizzer P, et al. Infection 2008)
■ スイス:全国18施設調査、罹患率は10.1%、70,000症例/年 (Sax H, et al. Arch
Int Med 2002)
■ 英国:罹患率7.2%、100,000症例/年、5,000人死亡/年。(Mayor S. BMJ 2000)
HCAIのインパクト
HCAIのもたらすもの:
■ 病気の重症化
■ 施設滞在の長期化
■ 身体障害の長期化
■ 死亡率の超過
■ 経済的損失
■ 患者個人と家族への負担の増大
タイプ別HCAI インパクト (米国&EU)
HCAI タイプ
平均関連死 平均入院延
亡率
長日数
関連コスト(円;1ドル100
円として)
(%)
SD
(日)
平均
レンジ(ドル)
最少
最大
血流感染
20
8.5
364万
371万
1,822
107,156
外科部位感
染
4.3
6.5
255万
399万
1,783
134,602
人工呼吸器
関連肺炎
27
5
100万
29万
7,904
12,034
/
/
10万
5万
650
1,361
尿路感染
Bennett and Brachman's, Hospital Infections, 5th Edition
もっともよくある感染部位とそのリスクファクター
尿路感染
尿管カテーテル
尿路侵襲的処置
34%
13%
高齢
重症基礎疾患
尿石症
妊娠
糖尿病
下気道部感染
人工呼吸器
吸引
経鼻胃管
中枢神経系抗鬱剤
抗生物質と抗酸剤
施設長期滞在
低栄養
高齢
外科手術
免疫不全
HCAIが起こるもっとも
一般的な部位と、感染が
手指衛生
発生するもっとも一般的
の不足
なリスクファクター
外科処置部位感染
血流感染
予防的抗菌薬の不適切使用
血管内カテーテル
不適切な手術部位処理
新生
不適切な創傷処置
救命救急
外科的介入の長さ
傷の種類
不完全な外科的消毒
糖尿病
栄養状態
免疫不全
トレーニングや指導の不足
17%
14%
重症基礎疾患
好中球減少
免疫不全
新しい侵襲的技術
トレーニングや指導の不足
Part 2
特に手指からの移動にフォーカスした
医療関連病原菌の主な伝播パターン
医療関連病原菌の主な伝播パターン (1)
伝播経路
直接的接触
レゼルボア / 感
染源
伝播のダイナミクス
病原菌例
患者、医療従事
者
感染源と患者との直接接触
(ヒト-ヒト 接触);
黄色ブドウ球菌,
グラム陰性菌,
呼吸器感染ウイ
ルス, HAV, HBV,
HIV
(例) 握手、患者に沐浴、腹
部触診、創傷を通した患者の
血液や体液の医療者への移
動
医療関連病原菌の主な伝播パターン (2)
伝播経路
間接的接触
レゼルボア / 感
染源
医療機器、内視
鏡、その他の物
(小児科で共有
するおもちゃな
ど)
伝播のダイナミクス
病原菌例
感染源から患者への病原菌
サルモネラ属、
の伝播が、媒介物質(通常無 シュードモナス属
生物)を通して受動的に起こる。 (緑膿菌など)、
アシネトバクター
(例)交換しない手袋や、共有 属、ステノトロ
聴診器
フォモナス・マル
トフィリア、RSウ
イルス
医療関連病原菌の主な伝播パターン (3)
伝播経路
レゼルボア / 感
染源
飛沫
患者、医療者
伝播のダイナミクス
病原菌例
感染源と患者が近接している
とき、大きな粒の飛沫(>5
μm)を通して伝播する;
インフルエンザ
ウイルス、黄色
ブドウ球菌、髄
膜炎菌、SARSコ
ロナウイルス
(例) くしゃみ、咳、会話、吸
引
医療関連病原菌の主な伝播パターン (4)
伝播経路
空気(飛沫核)
レゼルボア / 感
染源
患者、医療者、
お湯、ほこり
伝播のダイナミクス
病原菌例
飛沫が蒸発してできた、ある
いはほこりの中にあった飛沫
核(< 5 µm)に封入された病
原菌が、空気を通して同室内
もしくは遠距離の患者に伝播
する;
結核菌、レジオ
ネラ属
(例)呼吸
医療関連病原菌の主な伝播パターン (5)
伝播経路
レゼルボア / 感
染源
一般媒介物
食物、水、投薬
伝播のダイナミクス
病原菌例
汚染された無生物の媒介物
サルモネラ属、
が、複数の患者へ病原菌を伝 HIV、HBV,
播するベクターとなる。
グラム陰性菌
(例)汚染された飲料水、安全
でない注射
手指からの感染
■ 手指は、医療関連病原菌の
もっとも一般的な媒介物で
ある。
■ 医療関連病原菌が、医療者
の手を通して一人の患者か
ら別の患者に伝播するには、
5つの連続したステップが必
要である。
手指を通した感染:ステップ1
病原菌は、患者の皮膚および周囲の物の表面に
存在する。
■ 患者皮膚に存在する細菌(黄色ブドウ球菌、 P.
mirabilis 、クレブジエラ属、アシネトバクター属)の数
は、1 cm2 あたり10億コロニー。
■ 生きた病原菌が付着した皮膚剥離片は、健常皮膚
から毎日およそ100万個排出される。
■ 患者が直接接触する環境(ベッドリネン、家具など)
が、患者が持つ菌(特にブドウ球菌や腸球菌)に汚
染されていく。
Pittet D et al. The Lancet Infect Dis 2006
手指を通した感染:ステップ 2
直接的・間接的接触によって、患者の菌が医療者の手指を汚染する。
■ “クリーン”な処置(患者を抱え上げる、脈・血圧・体温を測定する)で、ナー
スの手指は100-1,000個(CFU)のクレブジエラ属細菌に汚染される。
■ ICUで働くナースの15%が、その手指に10,000個(CFU) の黄色ブドウ球
菌を付けている。
■ 一般的な医療施設で、29%のナースの手に黄色ブドウ球菌が(平均数:
3,800 CFU) 、17-30%にグラム陰性細菌が(平均数: 3,400 – 38,000
CFU) 付着している。
Pittet D et al. The Lancet Infect Dis 2006
手指を通した感染:ステップ 3
病原菌は医療者の手指上で生存し増殖する。
■ 患者や汚染した環境と接触したのち、病原菌が医療者の手指上で生存できる期間
は様々である(2 - 60分)。
■ 手指衛生動作をしないでおくと、ケアの時間が長ければ長いほど、手指汚染度は
増大する。
Pittet D et al. The Lancet Infect Dis 2006
手指を通した感染:ステップ 4
手指の洗浄が不完全だと、手指は汚染されたまま
になる。
■ 洗浄剤の量や、消毒時間が不十分であることで手指
の汚染除去が不完全になる。
■ 石けんと流水による手洗い後に試験すると、通過菌
(Transient microorganisms)はまだ手指上から分離
されたが、アルコールベースの消毒剤による擦式手
指衛生は、これよりはるかに効果的であることが証明
された。
Pittet D et al. The Lancet Infect Dis 2006
手指を通した感染:ステップ 5
病原菌は患者Aから患者Bに、医療者の手を通じて移動する。
Pittet D et al. The Lancet Infect Dis 2006
手指を通した感染:ステップ 5
汚染された手で侵襲的機
器を操作することは、患者
の病原菌を感染のリスクの
ある部位に移動させること
を意味する。
Pittet D et al. The Lancet Infect Dis 2006
Part 3
手指衛生と医療施設関連感染の防止
HCAI の防止
■ 正当性が確認され標準化された予防法によってHCAI数を低
減させることが確認されている。
■ 少なくとも50%のHCAIは予防できる。
■ ほとんどの解決法は単純でリソースを必要としないため、途上
国でも実行可能である。
SENIC study: 院内感染コントロール研究
■ >30% の HCAI は防止可能
Relative change in NI in a 5 year period (1970–1975)
26%
30
20
10
% 0
14%
19%
18%
9%
LRTI
SSI
UTI
BSI
Total
対策あり
-10
-20
-30
-40
対策なし
-27%
-35%
Haley RW et al. Am J Epidemiol 1985
-31%
-35%
-32%
インフェクションコントロール戦略
■ 一般的対策
■ サーベイランス
■ 標準的な予防措置
■ アイソレーションの準備
■ 抗菌剤使用コントロール
■ 特殊な対策
■ 特に以下の感染にターゲット
■
■
■
■
尿路感染
外科処置部位感染
呼吸器感染
血流感染
標準的&アイソレーションによる予防措置 (CDC, 2007)
事柄
標準的予防措置
接触感染予防 飛沫感染予
防
空気感染予防
病室
標準
個室
個室
個室; ドア閉; 陰圧;
6-12 エア交換/時;
空気の入れ替えは
適切に行う、または
エアフィルターを使
用
手指衛生 患者接触の前後、血液・体液・排泄 標準
物・粘膜・無傷の皮膚・創傷被覆の
後、汚染身体とクリーン身体との間、
患者の周辺環境に触れた後、手袋
を外した後。
標準
標準
標準的&アイソレーションによる予防措置 (CDC, 2007)
事柄
標準的予防措置
手袋
体液や汚染された物に触る 病室に入るとき; 非滅 標準
前; 非滅菌、実験用手袋
菌、実験用手袋
標準
標準; 患者とその周辺 標準
環境に触れるのが心
配されるとき、または
患者が下痢、開放創ド
レナージ、分泌の状態
のとき
標準
使い捨て 血液や体液と接触するの
アイソレー が不安なとき
ションガウ
ン
接触感染予防
飛沫感染予防 空気感染予防
標準的&アイソレーションによる予防措置 (CDC, 2007)
事柄
標準的予防措置
接触感染予防
マスク、
血液や体液、分泌液などがは 標準
フェース
ねたり噴出したりしそうな作業
シールド、 の前
ゴーグル
例
飛沫感染予防
空気感染予防
入室前にマスク 国立労働安全衛
をする。標準的 生研究所
には目もカバー。(NIOSH)認可の
N95マスクをして、
フィットテストしたう
えで入室する。
ヘルスケアを受けるいかなる 多剤耐性細菌 髄膜炎菌性髄 結核、天然痘。麻
施設における全ての患者(感 (MRSA, VRE)、 膜炎、百日咳、 疹と水痘にはいか
Clostridium
染確定如何にかかわらず)
インフルエンザ、 なるマスクも推奨
difficile、下痢、 麻疹、風疹、ジ しない。
RSV感染症
フテリア
単純なエビデンス …
手指衛生は、HAIを減らすただ一つ
のもっとも効果的な方法である
Ignaz Philipp Semmelweis
手指衛生のパイオニア
オーストリア、ウイーン
Vienna, Austria
General Hospital,
1841–1850
産褥熱と戦った
産婦死亡率、
ウイーン一般病院、
一次、二次クリニック
18
16
Intervention
14
May 15, 1847
Percentage
12
10
8
6
4
First
2
Second
0
1841
1842
1843
1844
1845
1846
1847
1848
1849
1850
Semmelweis IP, 1861
手指衛生改善のインパクト
■
■
年
過去30年に, 20 の研究でHCAI件数減少に効果があったと示された。
いくつかの例を表にまとめた:
病院
手指衛生遵守の
向上
HCAI率の減少
フォロー
アップ
Reference
1989 成人 ICU
14% から 73%
HCAI 率: 33% から 10%
6年
Conly et al
2000 病院全体
48% から 66%
HCAI 有病率: 16.9% から 9.5%
8年
Pittet et al
2004 NICU
43% から 80%
HCAI 発生率: 15.1 から 10.7/1000 patientsdays
2年
Won et al
21 か月
Rosenthal
et al
4年
Zerr et al
27 か月
PessoaSilva
et al
2年
Thu et al
1) 2 年
2) 1 年
Grayson et
al
18 か月
Capretti et
al
2005 成人 ICUs
23.1% から 64.5% HCAI 発生率: 47.5 から 27.9/1000 patientdays
2005 全病院
62% から 81%
ロタウイルス感染が減少
2007 新生児ユニット
42% から 55%
HCAI 発生率: 全体 11 から 8.2 感染/1000
patient-days
超低体重新生児 15.5 から 8.8 感染 /1000
patient-days
2007 神経外科
NA
手術部位感染(SSI) 率: 8.3% から 3.8%
2008 1) パイロット6 施設2) 1) 21% から 48% MRSA 菌血症:
ヴィクトリア(豪)の全 2) 20% から 53% 1) 0.05 から 0.02/100 患者-退院/ 月;
医療施設
2) 0.03 から 0.01/100 患者-退院/ 月
2008 NICU
NA
HCAI 発生率: 4.1 から 1.2/1000 patientdays
Pittet and Boyce. Lancet Infectious Diseases 2001
施設別手指衛生遵守
著者
年
施設
遵守率
Preston
1981
一般病棟
ICU
16%
30%
Albert
1981
ICU
ICU
41%
28%
Larson
1983
病院全体
45%
<40%
1987
新生児 ICU
30
1990
ICU
32
1990
ICU
81
1991
外科 ICU
51
1992
新生児ユニット
29
1992
ICU
40
1993
ICU
40
Meengs
1994
救急
32
Pittet
1999
病院全体
48
Donowitz
Graham
Dubbert
Pettinger
Larson
Doebbeling
Zimakoff
遵守率と専門
■ ジュネーブにあるすべての大学病院で調査したところ、手指遵守率は助産
師とナースで高く、医師は低かった。
100
90
80
70
60
% 50
40
30
20
10
0
66
52
48
45
30
21
看護師
看護助手
&学生
助産師
医師
その他
全体
Pittet D, et al. Ann Intern Med 1999
遵守率と医療部門
■ ジュネーブにあるすべての大学病院で調査したところ、もっとも遵守率が
低かったのはICUであった。
100
90
80
70
60
% 50
40
30
20
10
0
59
52
47
48
36
小児科
内科
Pittet D, et al. Ann Intern Med 1999
外科
産科/婦人科
ICU
手指衛生遵守
ジュネーブの大学病院、1999年
■ 低遵守に関連するリスクファ
クター
■ 医療従事者が遵守しない主
な理由
■ 朝および平日のシフト
■ 高い汚染リスク
■ 臨床医であること
■ 忙しい
■ 皮膚に刺激性がある
■ 手袋を使っているから
■ ICUでの業務
■ 考えてない
Pittet D, et al. Ann Intern Med 1999
時間的制約=手指衛生を妨げる主な原因
流水と石けんでの適切な手洗
いには
40-60 秒
医療従事者に与えられる平均
時間は:
<10 秒
擦式消毒が、手指消毒遵守向上の障害に対するソ
リューション
手が目に見えて汚れているときや、目に見える体液に触れたあとは、
まず石けんとアルコールで手を洗うこと
擦式アルコール消毒薬は
世界のいかなる医療機関
にも適用できる
ゴールドスタンダード
時間的制約=手指衛生を妨げる主な原因
手洗い:
40-60 秒
擦式アルコール消毒: 20–30 秒
手指衛生の時間と細菌の減少
Bacterial contamination (mean log 10 reduction)
0
手洗い
擦式アルコール消毒
1
2
擦式アルコール消毒は:
• 効果的
• 早い
• 皮膚への影響が少ない
3
4
5
6
0 15sec 30sec
1 min
2 min
3 min
4 min
Pittet and Boyce. Lancet Infectious Diseases 2001
Part 4
WHO 医療機関における手指衛生ガイドラインおよび
実行戦略とツール
WHO 医療機関における手指衛生ガイドライン
 エビデンスと専門家(世界
>100人の専門家)のコンセ
ンサスに基づき
 概要は国連公用語に翻訳
され
 実行戦略とツールは20072008に試験
改良ドラフト
ADVANCED DRAFT
April 2006
最終版
FINAL VERSION
May 2009
 最終盤にはエビデンスの
最新情報とテストで学んだ
教訓を加えた
手指による感染
■ 手指は、医療施設関連病原
菌のもっとも一般的な媒介物
である。
■ 病原体が患者から別の患者
に医療従事者を通じて感染
するのに必要な、5つのス
テップがある。
手指によって感染させる5つのステージ
one
two
three
four
five
病原体は患者
の皮膚と周辺
の環境表面に
存在する。
病原体が医療
者の手指に移
る。
病原体は手指
上で数分間生
きている。
消毒を忘れた
り不十分だと、
手指は汚染さ
れたままにな
る。
汚染された手
指で患者や周
辺環境に触る
ことで病原体
を移す。
WHO 複合的手指衛生改善戦略とは?
「WHO 医療機関にお
ける手指衛生のガイ
ドライン(2009) 」 の
エビデンスと勧奨に
基づき、医療施設で
手指衛生を改善する
5つのコア構成要素
を決めた。
ONE システムチェンジ System change
POCに擦式アルコール消毒剤、安全な水の安定供給と石けん、
タオルへのアクセス
TWO トレーニングと教育 Training and education
全ての医療従事者に定期的なトレーニングを実施
THREE 評価とフィードバック Evaluation and feedback
手指衛生の実践、インフラ、理解&知識をモニタリングし、
医療従事者にフィードバックする
FOUR 職場へのリマインド Reminders in the workplace
医療従事者を鼓舞・リマインドする
FIVE 施設全体の安全風土 Institutional safety climate
個々が積極的に参加、施設のサポート、患者の参加
実施戦略とツールキット (WHO 医療機関における手
指衛生ガイドライン)
知識 Knowledge
実行 Action
実施のためのツール :
キーツール
■ WHO 複合的手指衛生改善戦略ガイド
■ アクションのテンプレート
システムチェンジの実行ツール
■ 病棟のインフラサーベイ
■ 擦式アルコール消毒剤 計画と経費見積もりのためのツール
■ 自作ガイド: WHOが推奨する擦式アルコール消毒薬の作り
方
■ 石けん / 擦式アルコール消毒剤 消費サーベイ
■ 使用している、もしくはこれから使用しようとする擦式アルコー
ル消毒剤の使用者への影響を評価するプロコール: 方法1
■ 色々な擦式アルコール消毒剤の使用者への影響を評価・比
較するプロコール: 方法2
トレーニング / 教育の実行ツール (1)
■ 手指衛生コーディネーター向けスライド
■ トレーナー、オブザーバー、そして医療従事者のための教育
セッション用スライド
■ 手指衛生トレーニング映像
■ トレーニング映像に付属のスライド
■ 手指衛生テクニカルリファレンスマニュアル
■ オブザベーションフォーム
トレーニング / 教育の実行ツール (2)
■ 手指衛生パンフレット なぜ?どうやって?いつ?
■ 手袋利用に関する情報リーフレット
■
■
■
■
5モーメンツ ポスター
よくある質問(FAQ)
主な科学論文
改善を継続するために - 医療施設が考えるべき次の行動
評価とフィードバックの実行ツール (1)
■ 手指衛生テクニカルリファレンスマニュアル
■ オブザベーションフォームと遵守率計算フォーム
■ 病棟インフラサーベイ
■ 石けん / 擦式消毒剤消費サーベイ
■ 医療従事者の理解度サーベイ
■ シニアマネージャーの理解度サーベイ
■ 医療従事者向けの手指衛生に関する知識を問うアンケート
評価とフィードバックの実行ツール (2)
■ 使用している、もしくはこれから使用しようとする擦式アルコー
ル消毒剤の使用者への影響を評価するプロコール: 方法1
■ 色々な擦式アルコール消毒剤の使用者への影響を評価・比
較するプロコール: 方法2
■ データ入力解析ツール
■ データ入力および解析のやり方
■ データ
職場へのリマインドの実行ツール
■ 5 モーメンツポスター
■ 擦式消毒方法のポスター
■ 手洗いの方法のポスター
■ 手指衛生:いつ、どうやって リーフレット
■ スクリーンセーバー SAVE LIVES: Clean Your Hands
施設の安全風土のための実行ツール
■
■
■
■
手指消毒を管理者に訴えるレターのテンプレート
手指消毒構想をマネージャーに説明するレターのテンプレート
手指消毒構想に患者と患者団体の参加を促すガイダンス
改善を継続するために - 医療施設が考えるべき次の行動
■ DVD SAVE LIVES: Clean Your Hands プロモーション
DVD
Part 5
なぜ、いつ、そしてどうやって医療機関で手指衛生を行
うのか?
Are your hands clean?
SAVE LIVES
Clean Your Hands
なぜ手指をきれいにしなくてはならないか?
■ 医療者、そして患者のケアにかかわるすべての人が、手指衛
生を心がけなくてはなりません。
■ それはあなたです!
■ あなたが手指衛生に取り組むことで
■ あなたの手についた病原菌や、患者さん自身の皮膚について
いる菌から患者さんを守ります。
■ あなた自身と施設の環境を病原菌から守ります。
手指衛生のゴールデンルール
手指衛生は、あなたが患者をケアするその場所で行う(ポイントオブケア)
ケアの最中、あなたが手指衛生を必ず実施しなくてはならない5つのモーメ
ンツがある。
手を消毒するには、あなたはアルコールベースの擦式消毒剤を選ばなくては
ならない。 なぜか? そのことにより、手指衛生をポイントオブケアのその
場所で実施することができるから。早く、より効果的で、かつ皮膚への影響が
より少ない。
目に見えて手に汚れがついているときは水と石けんで洗うこと。
手指衛生は適切な方法で適切な時間をかけて実施しなくてはならない。
感染リスクの位置的概念化
ヘルスケアエリア HEALTH-CARE AREA
患者ゾーン
PATIENT ZONE
体液に暴露する
リスクのある重
要サイト
患者が感染する
リスクのある重
要サイト
患者ゾーンとヘルスケアエリアの定義 (1)
■ 一人の患者にフォーカスすると、ヘルスケア環境は2つのエリ
アに分かれる、患者ゾーンとケアエリアである。
■ 患者ゾーン: ここに含まれるのは、患者自身と、彼/彼女が
触ったり間接的に接触するすべての無生物物体や環境表面
(例:ベッドレール、ベッドサイドテーブル、ベッドリネン、椅子、
点滴チューブ、モニター、ノブやボタン、そのほかの医療機器)
患者ゾーンとヘルスケアエリアの定義 (2)
■ ヘルスケアエリア: 患者ゾーンの外側にある患者Xのヘルス
ケア環境の全て。 ここに含まれるのは、ほかの患者や彼ら
の患者ゾーン、そして広い範囲のヘルスケア施設環境。ヘル
スケアエリアの特徴は、多剤耐性細菌を含む多様な微生物が
存在することである。
患者ゾーンと、その中でありうる接触を可視化する
もう一つのやり方。
2
3
1
5
H Sax, University Hospitals, Geneva 2006
最適な手指衛生を実施するべきである
ポイントオブケアでは
ポイントオブケアの定義 (1)
■ ポイントオブケア - 3つの要素が当時にある場所:患者、医
療従事者、そして患者との接触を伴うケアまたは処置(患者
ゾーンの中)
■ ケアが行われているまさにその場所で、推奨されるタイミング
で、手指衛生を実施する必要がある、という意味がこのコンセ
プトには含まれる。
■ そのためには、手指衛生プロダクト(擦式アルコール消毒剤、
もしあれば)が簡単に使えて、患者ケアが実施される場所の
できるだけ近いところ(手の届く範囲)にある必要がある。ポイ
ントオブケアプロダクトは患者ゾーンを離れることなく使えなく
てはならない。
ポイントオブケアの定義 (2)
■ そのことによって医療従事者が素早くそして簡単に手指衛生
の5モーメンツ(後述)を満たすことが出来る
■ ポイントオブケアで擦式アルコール消毒剤をすぐに使用できる
ようにするために、以下のようなものを利用する。 医療従事
者が持ち歩く擦式消毒剤(ポケットボトル)、壁埋め込み型の
ディスペンサー、または患者ベッドやベッドサイドに固定された
コンテナ、患者ベッドやベッドサイド・医療用カートに固定され
た擦式消毒剤
ポイントオブケアで簡単に使える手指衛生プロダク
トの例
手指衛生の“5モーメンツ”
統一化されたビジョンを提案
トレーナー、オブザーバー、
医療従事者向けに
 教育の手助けに
 個人間の違いを最少にす
るために
 遵守率を上げるために
Sax H et al. Journal Hospital Infection 2007
手指衛生の“5モーメンツ”
患者が感染するリスクのある重
要な部位に触れる直前に手指衛
生!
患者に触る前、近づく間に自
分の手指衛生!
自分に付いている危険な菌
から患者を守るため!
患者自身が持っている危険な菌
から患者を守るため!
手指衛生の“5モーメンツ”
体液に暴露する危険のある操作が
終わった直後(そして手袋を外した
直後)に手指衛生!
あなた自身とヘルスケア環境を危
険な菌から守るため!
手指衛生の“5モーメンツ”
患者に触れることなくその場を離れるとき、患者
のすぐ近くにある物や家具を触った直後に手指
衛生!
あなた自身を守り、ヘルスケア環境に菌が広が
るのを防ぐため!
手指衛生の“5モーメンツ”
患者に触れることなくその場を離れるとき、
患者のすぐ近くにある物や家具を触った直
後に手指衛生!
あなた自身を守り、ヘルスケア環境に菌が
広がるのを防ぐため!
5モーメンツは患者との直接接触を伴うヘルスケアが実施される
すべての環境に適用される。
あなたは、毎日のケアの中でこの「モーメント」の例を挙げられま
すか?
直接接触とは:
 握手、子供の頭をなでる
 患者が動くのを助ける、体を洗う
 酸素マスクをかぶせる、理学療法実施
 脈、血圧を測る、胸部聴診、腹部触診、
心電図をとる
あなたは、毎日のケアの中でこの「モーメント」の例を挙げられま
すか?
清潔 / 無菌的 処置とは:
 患者の歯を磨く、目薬をさす
 皮膚病変ケア、創傷被覆、皮下注射
 カテーテル挿入、血管アクセス・排液シス
テムを開ける、分泌液吸引
 食事・薬・医薬品・滅菌済みのものを用意
する
あなたは、毎日のケアの中でこの「モーメント」の例を挙げられま
すか?
体液に暴露するリスクがあるとは:
 患者の歯を磨く、目薬をさす、分泌液吸引
 皮膚病変ケア、創傷被覆、皮下注射
 すべての体液サンプルを吸引したり取り
扱うとき、ドレーン系を開くとき、気管
チューブを挿入・抜去するとき
 尿・糞便・吐しゃ物を処理するとき、廃棄
物(絆創膏、ナプキン、失禁パッド)を扱う
とき、汚染されたもしくは目に見えて汚れ
たものやエリアを掃除するとき(汚れた
ベッドリネン洗濯物、しびん、便器、医療
用機器)
あなたは、毎日のケアの中でこの「モーメント」の例を挙げられま
すか?
直接接触とは:
 握手、子供の頭をなでる
 患者が動くのを助ける、体を洗う
 酸素マスクをかぶせる、理学療
法実施
 脈、血圧を測る、胸部聴診、腹
部触診、心電図をとる
あなたは、毎日のケアの中でこの「モーメント」の例を挙げられま
すか?
患者周辺環境との接触とは:
 ベッドリネンの交換
 かん流スピード調整
 アラームのモニタリング
 ベッドレールを持つ、ベッドによりかかる、
ナイトテーブルを触る
 ベッドサイドテーブルを掃除する
WHO の勧奨は5モーメンツに焦点を当てています
5 モーメンツ
WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care 2009
での勧奨
1. 患者への接触前
D.a) 患者との接触前後 (IB)
2. 清潔操作の前
D.b) 侵襲性のデバイスを扱う前、手袋をしているかいないかは無関係 (IB)
D.d) 同じ患者のケア中に、汚染された部位から別の部位に移動する際 (IB)
3. 血液・体液に暴露
されたおそれのあ
る時
D.c) 体液や分泌液、粘膜、傷のある皮膚に触った後、および創傷に包帯を巻いた後 (IA)
D.d)同じ患者のケア中に、汚染された部位から別の部位に移動する際 (IB)
D.f) 滅菌または非滅菌手袋を外したあと (IB)
4. 患者への接触後
D.a) 患者との接触前後 (IB)
D.f)滅菌または非滅菌手袋を外したあと a滅菌または非滅菌手袋を外したあと (IB)
5. 患者周囲環境へ
の接触後
D.e) 患者に近接したもの(医療機器も含まれる)と接触した後 (IB)
D.f)滅菌または非滅菌手袋を外したあと (IB)
どんな方法で?
■ 擦式アルコール消毒剤がルーティンの方法として望ましい。た
だし手指が目に見えて汚れている場合を除く。
■ 石けんと水での手洗いは、手指が目に見えて汚れている場合
(体液が目に見えるなど)に必須である(1)。1
(1)Clostridium difficileのような胞子性の菌が疑われる場合(アウトブレークの最中など)は、石けんと水による手洗
いをすること。
1 If
exposure to spore forming organisms e.g. Clostridium difficile is strongly suspected
or proven, including during outbreaks – clean hands using soap and water
擦式消毒のやり方
手指上の細菌を効果的に減ら
すために、擦式手指消毒は図
示されているような手順で実施
すること。
かかる時間はたったの20-30
秒!
手洗いのやり方
手指上の細菌を効果的に減
らすために、手洗いには40-60
秒の時間をかけて、図示されて
いるような手順で実施すること。
手指衛生と手袋使用
手袋 プラス 手指衛生
= 清潔な手
CLEAN HANDS
手指衛生しない手袋着用
= 病原菌の伝播
GERM TRANSMISSION
手指衛生と手袋着用
■ 手袋の使用は手指衛生の必要性の代わりになるものではな
い!
■ 手指衛生が必要な場面では、手袋を脱いでから衛生動作を
行うこと。
■ 手袋は必要な場面でのみ着用すること。そうしないと手袋自
身が菌伝播の主要なリスクになってしまう。
手指衛生と手袋着用のキーポイント (1)
■ 手袋が必要な指標が、手指
衛生の必要性の指標を変え
ることはない
■ 手袋着用は手指衛生の
代わりにはならない
≠
手指衛生と手袋着用のキーポイント (2)
手袋使用と手指衛生を必要とする指標が同時にあった場合
■ 手袋着用の直前に手指衛生する
1
2
2
手指衛生と手袋着用のキーポイント (3)
手袋使用と手指衛生を必要とする指標が同時にあった場合
■ 手袋を外した直後に手指衛生する
1
2
手指衛生と手袋着用のキーポイント (4)
手袋着用中に手指衛生の必要な指標があった場合は、手袋を
外して手指衛生し、その後新しい手袋を着用する。
今、あなたの施設で手指衛生を
改善しましょう
患者さんとあなた自身を守るの
は、あなたの役目です
あなたが変えることができるの
です
みんなのための簡単な感染症
対策・・・単純な対策が命を救う
Part 6
医療従事者の手指衛生プラクティスをどうやっ
て観察するか
オブザーバーは 「Hand Hygiene Technical
Reference Manual」を注意して読むこと
The Hand Hygiene
Technical Reference Manual
■ 医療従事者、トレーナー、オブザーバーのための
■ 以下の事柄の理解を助けるためのマニュアル:
- HCAIの重要性
- 伝播のメカニズム
- 「5モーメンツ」アプローチ
- 擦式アルコール消毒と手洗いの正しいやり方
- WHO の観察法
オブザーバー: なぜ手指衛生プラクティスを観察し
なくてはならないのか?
■ 手指衛生観察の目的は、医療
従事者による手指衛生の順守
の度合いを測るためである
■ 観察の結果(遵守率)を医療従
事者にレポートすることで、次
のことが可能となる:
■ 観察の結果は、手指衛生の促
進、教育、トレーニングの際、
もっとも的を得た介入が何かを
決める。
■ 彼らの施設状況における手指
衛生プラクティスの現状を示し、
改善が必要な点を強調する。
■ ベースラインとその後のデータ
を比較することで、努力によっ
て改善が可能であることを示
す。
手指衛生をどうやって観察するか?
■ 直接観察が最も正確な方法で
ある。
■ オブザーバーは、プロモーショ
ンキャンペーンに使われる方
法やツールについて熟知し、
ポイントオブケアで行われる手
指衛生のタイミングを特定し区
別できるようなトレーニングを
受けなくて(そして評価されて
いなくて)はならない。
■ オブザーバーが観察をすると
きは隠さず、かつ業務の妨げ
にならないようにしなくてはなら
ない。また、医療従事者の名
前は特定できないようにするこ
と。
■ 遵守率はWHOの5モーメンツ
に沿って測ること。
手指衛生の“5モーメンツ”
Sax H et al. Journal Hospital Infection 2007
観察フォーム
■ 裏面に詳しい使い方を書い
ておいて、観察の最中に参
考にできるようにする
手指衛生観察における「指標」と「タイミング」の重
要なコンセプト
■ ヘルスケア作業= 医療従事者の手が様々なタイプの表面を触る一連の業務:患者、
その体液、患者周辺やケア環境にある物
■ 各接触が医療従事者の手の汚染源となり得る。
■ 指標: なぜいかなるときにも手指衛生が必要かの理由、それは一つの表面から
別の物へ菌が移動するリスクがあること
■ タイミング: ヘルスケア作業中において、菌が手から伝播するのを防止するため
に、手指衛生が必要な時。
… contact 1  indication(s)  contact 2  indication(s)]  contact 3  indication(s) …
■ 一つの手指衛生動作はそれぞれのタイミングに対応していなくてはならない
■ 一つのタイミングに複数の指標がある場合がある。
伝播の危険性
指標
タイミング
動作
観察者視点からのタイミングと指標
■
■
■
■
■
タイミングの数は手指衛生が必要な回数
指標は手指衛生をする理由
指標は唯一ではなく、一度にひとつか複数ある場合がある。
少なくとも一つの指標が一回のタイミングを定義する
複数の指標が一回のタイミングを示す場合もある
二つの指標が同じである例
Care activity
Care activity
Care activity
Care activity
オブザーバーのキーポイント: 指標が当時にある
場合
X
X
X
X
X
X
X
X
X
■ 2,3,4つの指標が一回のタイミングに重なる場合はある
■ 例外が一つ! 患者との接触後と、患者の周辺環境との接触後、という指標
は同時に一回にまとめてはいけない
観察者の視点
タイミングと手指衛生動作
■ 観察者は、タイミングを数えるときに最低一つは指標を特定しなくてはならない(一
回のタイミングに複数の指標が付随する場合はある)
■ 手指衛生動作はカウントされたタイミングに対応する。
■ 手指衛生動作は擦式アルコール消毒または手洗いで実施する;もしどちらも実施
されなかったら、“実施なし”として記載する。
■ 指定された指標に沿っていない手指衛生動作は記録してはいけない
観察者の視点
手指衛生遵守率 (1)
遵守率 コンプライアンス
実施された
手指衛生動作 (x 100)
-------------------------------------------必要な手指衛生動作 hand
(タイミング)
二つの指標が同じである例
Care activity
Care activity
Care activity
Care activity
観察者の視点
手指衛生の順守率 (2)
?
X
X
X
?
1 手指衛生動作 x 100
----------------------------------------2 指標
= 50%
観察者の視点
手指衛生の順守率 (3)
X
X
X
1 手指衛生動作 x 100
----------------------------------------2 指標
= 50%
1 手指衛生動作 x 100
----------------------------------------1 指標
= 100%
?
X
X
X
情報の記録:
観察フォームのヘッダー
■ ヘッダーには、時間と場所(場所、日にち、セッションにかかった時
間、観察者の名前)を正確に記載する。データは分類して記録すrこ
と(期間、セッション)
■ 観察する前にヘッダーを記入しておくこと
■ 観察終了後には、データをすべて記入しチェックも終えておくこと
■ データ入力時には期間とセッションナンバーを書き入れておくこと。
情報の記録: オブザベーションフォーム表 (1)
■ 各列は専門カテゴリー(この場合専門カテゴリーに属する複数の医療従
事者が含まれる)、またはカテゴリーが記載された個々の医療従事者に
対応する。
■ 専門カテゴリーのコードはフォームの裏に記載する。
■ データを専門カテゴリー別にまとめるのであれば、それぞれのセッション
の間に各カテゴリーに含まれる医療者の人数を記載する必要がある。
■ データが医療従事者別にまとめられる場合、最大4人が同じフォームに
入れられる。
■ 複数の医療従事者が一度に観察される(彼らが同じ部屋の同じ患者の
ケアに当たっている場合)。そういう場合でも、一度に3人以上の医療重
視者を観察することは勧められない; ICUにおいては一度に観察する
のは1-2人にすることが勧められる。
情報の記録: オブザベーションフォーム表 (2)
各行は、各指標(5モーメンツで示されているもの)と動作(手指衛生)
が観察されるそれぞれのタイミングに対応して記載する。
はどれも一つだけとは限らない(一つのタイミングに対応する指標
が複数あればそのすべてをマークする)
 は動作(手指衛生)がなかったことを示す。
情報の記録: オブザベーションフォーム表のまとめ
観察の時期と焦点:
■ 期間 Period: ある特定のセッティングで遵守率が測定されている
期間
■ セッション Session: ある特定のセッティング(病棟)で観察が行わ
れている時間; この時間を記録する(開始と終了時間)のは、それ
に要した時間を測るためである。これは20分程度(+10分)で終わ
らせること。
■ セッティング:Setting: 施設全体、診療部門、サービス、病棟
■ 専門カテゴリー Professional category: 観察される医療従事者は4種の専門カテゴ
リーに分けられる。
■ タイミングの回数 Number of opportunities: 後で同じセッティングの異なる期間の結
果を比較するために、サンプルサイズは層化できる程度の大きさにすること
■ 指標 Indications: 5つすべての指標もしくは一つだけを選ぶ
■ 動作 Action: 手指衛生動作は実施(擦式アルコール消毒もしくは手洗い)か、不実施
かのいずれか
出典
このスライドは以下のサイトからダウンロードした英語版を、ゴー
ジョージャパン社内で日本語翻訳したものです。
原文:
Slides for Education Sessions for Trainers, Observers and
Health-care Workers (revised August 2009)
http://www.who.int/gpsc/5may/tools/training_education/en/