学術情報発信WG - Open Access Japan | オープンアクセスジャパン

学術情報発信WGの報告について
倉田敬子(慶應義塾大学文学部)
学術情報基盤とは

各WGでの「学術情報基盤」
・コンピュータ資源(研究活動支援)
・大学図書館(教育+研究支援?)
研究成果発信・流通の場としての学術雑誌
*大学でも図書館でもない
学術情報発信WGの目的(範囲)

日本の学術情報発信の現状と課題
グローバルな学術情報流通の現状認識
 学術情報流通の特異的性質
 電子化・OA等の新しい動向把握
誰に対する提言? 学会? 文科省?
学術情報流通ステークホルダー
研究者 著者(投稿)/読者(利用)
 大学(研究・教育支援)
 出版社(者)
学会(査読、編集)
商業出版社(編集、流通)
 大学図書館(購読、組織化、提供、保存)
 政府(科学活動支援、学術雑誌支援)
 民間企業(研究助成、成果利用)

(1)学術情報流通に関わる概念の相関
学術団体
投稿・査読
学会出版者
民間製造企業
民間研
究組織
著者
出版助成
民間助成団体
公的研
究機関
国
研究活動
研究者
教育活動
研究助成
商業出版社
二次情
報提供
事業者 出版
読者
教育助成
購読
書誌ユーティリティ
大学図書館
授業料
流通
仲介
事業者
図書館間貸借(ILL)
一般市民
学生
大学
紀要
非営利出版
事業者
学術情報流通の変容
1)20世紀の特徴
●商業化 商業出版社の台頭
クラブ財から商品へ
●大学図書館への依存
2)21世紀への動向
●電子化(電子ジャーナルへ)
●オープンアクセス運動
日本の学術雑誌の課題

グローバルな成果公開の場となっていない
研究者の「トップジャーナル志向」
IFによる雑誌の序列化

ビジネスモデルの欠如(学協会誌)
クラブ財であって商品ではない

電子化に対応できる資金・技術力不足

英文学術誌としての質の確保の困難さ
学術研究と学術情報流通をめぐる資金の流れ(単位:10億円)
政府
民間助成団体
研究助成
52
文部科学省
研究成果公開促進費
3.3(雑誌0.8、DB1.4)
国立大学
運営費交付金
1,232
その他省庁の
競争的資金
投稿料
大学
購読費(?)
授業料
学内予算配分
図書館資料費
図書館運営費
大学図書館
研究者
研
究
者
国内学会
文科省競争的
資金
463
私立大学
経常費補助
330(+20)
会費
会議参加費等
民
間
企
業
洋雑誌購読費
29,4
Elsevier 1,800 タイトル
Springer 1,200
Blackwell 800
Wiley
300
etc
海外出版事業者
関連施策の現状
科学研究費補助金研究成果公開促進費
学術定期刊行物/学術誌データベース
 J-STAGE(科学技術振興機構JST)
学協会誌314誌(13万記事) 7.19現在
 NII-ELS
学協会誌792誌(243万記事) 2月末現在

世界に類のない学会誌直接支援
今後の対応策1
1)日本の学会誌の充実
 国際的受発信のアンバランスの解消
日本独自の研究評価機能の確立
 電子化対応に重点
 学会支援の競争化/重点化?
既存学会誌支援の継続と重点化?
 英文編集の質の充実
人材の養成
今後の対応策2
2)論文評価の適正化
論文評価にIFを利用すべきでない
新たな指標の開発
3)オープンアクセスへの対応
大学図書館における機関リポジトリ推進
学術コミュニティのルール尊重
4)永続的アーカイブ構築
各機関・システムの連携
学術情報発信WGの意義
問題点は山のようにある
範囲/立場/目的の不明確さ
提言対象と文科省との関係
委員の構成 ・・・etc
 学術情報流通全体への関心の喚起
全体の動向把握の上で、大学および
大学図書館のあり方が議論できる
