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8章
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思考・プランニング・問題解決のた
めの視覚化
イボンヌ・M・ハンセン
2005/11/30 WED
担当 登川誉史行
8章
導入
「視覚を, 言語的・概念的意味の理解を助けるた
めだけに採用することはもはやできない。
視覚自体がもつ認知力の潜在性を発掘しなけれ
ばならない」
ー キーブス
8章
導入
本章で論じること
(1)多様な情報源
(2)複雑な事柄を明確に伝える手段として言語は
不適切であること
(3)ダイナミックな複雑性を理解し, 表現すること
が必要であること
(4)視覚言語を使う理論的根拠
8章
情報の取得と表示
「言語による抽象化だけが知性の舞台ではない。(略) 視
覚的思考には遅れが生じない。情報が直に伝達され
る。視覚言語の最大の力は, 即時性, 同時性にある。
視覚的に提示されると, 内容と形態が同時に見られる。
視覚言語は, 情報を常に同じように伝達できる唯一の
力である。」
ー ドンディス
8章
情報の取得と表示
混合
外的情報源
内的情報源
8章
情報の取得と表示
こんにちは
いや~、
寒いですね
ところで
あの件の~
8章
情報の取得と表示
こんにちは
いや~、
寒いですね
ところで
あの件の~
記憶するのはメッセージのポイントだけ
8章
情報の取得と表示
考え
どちらが先か?
言葉
同時進行
8章
情報の取得と表示
曖昧
8章
情報の取得と表示
明確なもの
8章
情報の取得と表示
絵や記号
8章
情報の取得と表示
頭の中に浮かんだものを
机の上に具現化する。
絵や記号
8章
情報の取得と表示
このような記述法
視覚言語(Graphical Language)
記数法(Notation System)
一方で視覚的・非言語要素を使った言語
セマントグラフィー
(Semantography )
アイソタイプ(ISOTYPE)
8章
情報の取得と表示
セマントグラフィー(Semantography )
1949年,チャールズ・K・ブリス考案。
That is my house.
転載 http://www.blissymbolics.us/phrases1/
8章
情報の取得と表示
アイソタイプ(ISOTYPE)
1925年,オットー・ノイラトが考案。
現在のピクトグラム(絵文字)の元になったもの。
トイレマーク
$
ドルマーク
などなど
8章
情報の取得と表示
これまであらゆる分野において,非言語のシンボルが
開発されてきた。
現在は非言語表示が溢れるほど,日常生活に浸透
している。
非言語情報の持つコミュニケーション(伝達)能力
の証明。
8章
現象を形にしたパターン
「人間のパターン感覚は, 全知的活動の極めて重要な部
分であり,視覚コミュニケーションにおけるパターンの
具象化や表現は,多くの進歩の核をなす。」
ー スレス
8章
現象を形にしたパターン
いきなりですが
「力を加える」
という概念を説明して下さい。
8章
現象を形にしたパターン
「力を加える」
8章
現象を形にしたパターン
アントン・スタンコーキーは目に見えない
プロセスをいかに具象化するかを示した。
「恣意的図示(Arbitrary Graphic)」
8章
現象を形にしたパターン
ハリー・スイニー(テキサス大学 非直線的力学センター
オースチン実験所所長)の例。
溶けたクレヨンを回転している水槽に入れる。
これで,ジェット気流が山の峰にぶつかった状態
をシミュレーションできる。
8章
現象を形にしたパターン
言葉だけが,情報を運び,何かを知らせ何かに形を与え
る手段ではない。
目に見えるものが,言葉よりも
理解しやすくなるときもある。
情報のオーバーロードが発生したとき。
8章
情報のオーバーロード
言語情報
?
ストレス
構成・整理できない
べらべらべら
べらべらべら
べらべらべら
べらべらべら
8章
情報のオーバーロード
!
理解
言語情報
グ
ラ
フ
ィ
ッ
ク
べらべらべら
べらべらべら
べらべらべら
べらべらべら
8章
情報のオーバーロード
ピーター・M・センゲ
ビール販売業者の立場から見えたビジネス
8章
情報のオーバーロード
デビット・テイラー
基本的システムモデル
8章
情報のオーバーロード
デビット・テイラー
ある組織のシステムモデル
8章
情報のオーバーロード
言語によって,伝統的な直線的・順序的思考
プロセスに縛られる。
情報のオーバーロードを引き起こす。
理解できない。
図示(パターン化)することで,問題を違う形
で理解できるようになる。
8章
探索的図解
「図は,言葉による描写が,単語や文を順序よく並べるこ
とでしか表せないものを,一目で見えるように提示する
ことができる。事象間の関係を記述するには理想的な
方法である。」
ー オールバーンおよびスミ
ス
8章
探索的図解
混合
外的情報源
内的情報源
8章
探索的図解
例えば
8章
探索的図解
創造的な思いつきを
自分なりに記述。
何故か?
「グラフィックツール(GT)の提案」
探索的思考を合成して表現する公式の言語
がなかった。
8章
探索的図解
言語になる前の認識を
形に表して表現すること
ができる。
単純な図形や記号
普通の言葉と同じくらいの表現力がある。
利
点
言葉では理解(解明)できなかった“つながり”
が見える。
パターンが識別できる。
8章
グラフィックツール(GT)
「形は概念であり,概念は形である。」
ルドルフ・アーンハイム
8章
グラフィックツール(GT)
筆者が考案。このツールを考案した動機は以下のとおり
である。
1.情報を視覚的に概念化し,掌握し,伝達できるという
発見。
2.この現象に対する好奇心。
3.ルドルフ・アーンハイム(ハーバード大学 美術心理学
名誉教授)の本。
8章
グラフィックツール(GT)
筆者が考案した6種類のグラフィックツール
円または円状
角のある四角形,角の丸い四角形
三角形
線
点
あいまいなもの
これらを組み合わせて,1つの考えや概念を表す。
8章
グラフィックツール(GT)
円または円状

形状
– 実線または点線。

表すもの
– 全体,要素,システムまたは
サブシステム,概念。

機能
– 囲む。境界を設定する。

使い方
– 図・表示・モデルを構築する
要素。
8章
グラフィックツール(GT)
角のある四角形
表すもの

– 情報の入れ物。
機能

– 中に文書を書く。
角のない四角形

表すもの
– 状況,状態,場所,環境。

機能
– 保管する。場所を示す。
8章
グラフィックツール(GT)
三角形

形状
– 三角形。

表すもの
– 何かの3つの側面。

機能
– 分析,比較。

使い方
– 図・表示・モデルを構築。
8章
グラフィックツール(GT)
線

形状
– 線,曲線。

表すもの
– つながり,境界,方向。

機能
– 結び付け,連結,区別。

使い方
– 図・表示・モデルを構築する。
8章
グラフィックツール(GT)
点

形状
– 点,あるいはそれに相当す
るもの。

表すもの
– 時点。

機能
– 注目,強調,標示。

使い方
– リストの各項目の頭に付け
る。
8章
グラフィックツール(GT)
あいまいなもの

形状
– ぐじゃぐじゃしたもの。

表すもの
– 未知のもの,概念・考え。

機能
– 浮かび始めたものを表す。

使い方
– 明確化していない考えを具
象化する。
8章
グラフィックツール(GT)
こられの図が描かれる場所(パレッ
ト)は罫線の入っていない用紙なら
何でもいい!!
8章
図形モデル
GTを使ったシステムモデルの例
8章
図形モデル
情報や考えを出すうちに,モデル(対象)が
形になっていく。
(最初は落書きのようなものかもしれない)
情報や考えをさらに加えていく。
新たな一面が見えてくる。
理解が深まる。
8章
組織におけるGTの活用
「絵画や絵画的手法は,完成された思考を翻訳して目に
見えるモデルとして表すだけでなく,解決を探るプロセ
スも助ける。」
ー アーンハイム
8章
組織におけるGTの活用
実りある会議のために不可欠な役柄
記録係
ファシリテータ
グラフィックファシリテータ(図解助手)
8章
組織におけるGTの活用
グラフィックファシリテータ(図解助
手)
の役割
メンバーからの情報を絵に描き(GTとキー
ワードを使う),概念や考えを明確化する。
絶えずチェックを重ね,グループにフィー
ドバックする。
8章
組織におけるGTの活用
会議の状況
2~4m
8章
組織におけるGTの活用
モデルを描くときの注意点
右上から描く
スペースを
空ける
貼っていく
8章
組織におけるGTの活用
視覚言語を使うテクニック
視覚的ブレインストーミング。
心的落書き。
8章
要約と結論
「ただ注視しているだけでも観察できる。」
ー ヨーギー・ベラ
8章
要約と結論
この章における明らかな矛盾
すべて言葉だけで記述しようとしている。
言葉もまた抽象的な記号である!
8章
要約と結論
具体的表現から抽象的表現へ(ワイルマン)
8章
要約と結論
この章で伝えたかったこと
1.言葉も重要なツールであるが,視覚情報も役
に立つこと。
2.思考とプランニングのプロセスに,簡単な視覚
記号を取り入れるシステムで簡単に学べるものを
紹介すること。
3.読者(聴講者)に,言語的思考と視覚的思考を
区別することはやめてもらうこと。