大型低温重力波検出器への サファイア固相接合の適用研究 高エネルギー加速器研究機構 鈴木敏一 特定領域:重力波の新展開 2004年度公募研究 2005年2月19日 TAMA Symposium 大阪市立大学 Lcav=3 [km] F=1250 P0=100[W] Gpower=10 Gwidth=10 Optical Readout Noise が支配 ・鏡の冷却 ・神岡鉱山トンネル (K.Yamamoto 2004 Aug.) 低温源:小型冷凍機 超低振動冷凍機システムを開発(CLIO計画研究エ) Z-axis Cold Stage Cryostatへの振動 VR Stage 10.0 8.0 Displacement [um] 6.0 4.0 2.0 0.0 -2.0 -4.0 -6.0 -8.0 Ground -10.0 0 1 2 Time [s] 鏡系統への振動振幅< 50 nm Cryostatは地盤常時微動レベル (< 100Hz) 低温鏡の基本構成 LCGTでのパラメーター Cryomirror Al2O3 Single Crystal (=Sapphire) Size: 250mm x 180mm Operating Temperature: 20K Suspension Sapphire Fibre (or Rod) Diamter: 1.8mm Length: 500mm Number: 2 pairs (or 4 rods) ・2本のSapphire Fibreで円筒形の鏡を吊す ・Fibreは鏡の重量で弾性変形して、 円筒側面と密着 ・Fibre上端を低温源に接続 Fibreによる伝導冷却 低機械損失懸架 T.Uchiyama 他, Phys.Lett. A242(1998)211,, Phys.Lett. A261(1999)5,, Phys.Lett. A273(2000)310 . Sapphire Fibre中の熱伝導 =Cvvcl /3 (Fibre直径)~l -> サイズ効果 T.Tomaru 他 , Phys.Lett. A301(2002)215. LCGTでは1W級の熱輸送が必要になるため 直径1.8mmのFibre(もはやRod)を使用する Rmin=1431mm R=125mm 1.8mm LCGTにおける低温鏡懸架 直線状Rod(Fibre)の弾性変形による支持は使えない 対策 Sapphire結晶の吸収低減(->目途が立っていない) Rodを予め成形しておく Rodと鏡を接合する Rod-鏡を結合する構造を導入 鏡とロッドの接合 弾性接触より大きな実効伝熱面積を得る 接触熱抵抗解消 鏡とロッドの固定(機械損失増大抑止) 鏡の自重で決まる接触摩擦以上の固定 Sapphire-Sapphireの接合 接着 接着剤 有機or無機 金属焼き付け、超音波ハンダ、など Silicate bonding NaOH/SiO2 +H2O Silica mirrorでは実用化されている 融着 接合部の融解・再固化。 直接接合 常温接合。UHV中で表面清浄化->Contact Optical Contact + Heat Treatment Direct Bonding Sapphire-Sapphire接合を低温鏡の 懸架部に用いるための基礎データ 接合部の熱抵抗 バルク部との“熱伝導率”比較 接合部の機械的性質 接合部の破断強度 接合部の機械損失 用意したサンプル Silicate bonding Direct bonding (Optical Contact+Heat Treatment) 接合サンプル 10mm x 30mm x 2 10mm x 30mm x 2 Silicate Bonding Direct Bonding Direct Bonding Mat.: unknown Mat.: unknown Mat.:CSI HEMEX C.Taylor and L.Conti Stanford Univ. Japan Cell □5mm x 30mm x 2 Onyx Optics 素材と接合を含む部分の熱伝導比較 熱伝導率測定 Cold Reservoir Heater 2 温度計(4端子法) 温度計( 4 端子法) 10 x 60 Sample 温度計(4端子法) 接合部 温度計(4端子法) 温度計(4端子法) Heater 1 □5 x 60 Sample 接合部の剪断強度比較(300K,空中) Direct Bonding Silicate Bonding Epoxy Glue Max. Torque [N・m] 4.69 1.71 0.608 shear [Mpa] 17.9 6.53 2.32 接合面より 基材部が 大きく破断 接合面から破断 接合面から破断 10x30x2 -> 10x60 D.B. T~1700 [K] H.-C.B. NaOH/SiO2:H2O=1:6 0.2L Epoxy Glue : 弾性エポキシ 20℃ 24時間 接合部の剪断強度テスト 接合サンプルの下端 T 接合サンプル にトルクセンサー取付 上端にトルクを加える 破断するまでの最大 トルクを記録 shear shea r dS トルクセンサー O 2a T= 2sheara3 3 Direct Bondingの注意点 接合面の結晶方位を合わせる必要がある 熱処理温度 T~1700 [K] //c-axisと//a-axisの熱膨張の差 Direct Bondingの注意点 //c面と⊥C面の接合はできない 鏡の円柱軸//c <--> ロッド長軸//c c c ? c c c まとめと課題 1 Direct Bondingでは基材に遜色ない熱輸 送が期待できるが、Silicate Bondingは熱 抵抗の原因になる。 接触熱抵抗は回避できる。 剪断強度は18MPaが得られた。基材の引 張強度の7%以下。 まとめと課題 2 鏡とロッドの接合にはつなぎが必要。 引張強度も測定。低温でも調べる。 機械損失の測定はこれから。 LCGTの鏡懸架に向けての課題 鏡の研磨・コーティング工程との両立 SPIとの接続、クランプ法 メンテナンス Appendix1 Stepanov法による形状形成例 (V.A.Borodin 他, J.CrystalGrowth 198/199(1999)201.) Appendix2 Rodと鏡を結合する構造の例 Nb hinge I.A.Bilenko, L.Ju, D.Paget and D.G.Blair, Meas.Sci.Tech.13(2002)1173. Hole-Plug 構造 S.Gras, D.G.Blair and L.Ju, Phys.Lett. A333(2005)1 Sapphire Rodの 端に超音波加工 でヒンジと嵌合 構造を成形 2002年頃Aspen Conferenceにて DeSalvoが提案した。 実現したのか不明。
© Copyright 2025 ExpyDoc