物理2015-3

電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎
演習 中間テスト問題
問1 Quizzes of Christmas Celebration
以下のサンタクロースとトナカイの対話を
読み、①~⑨に最も適した答を解答欄の
所定の個所に記入せよ。選択問題の④
は正しい方に丸を付けよ。
サンタクロース:昨年は北北西に進路を取り、無事北極
点上空を通り日本に行くことができたね。トナカイ:でも
去年も着陸に失敗して煙突をなぎ倒しましたよね。サ:
そう、今年こそみんなが待つ煙突に真っ逆さまに入らな
ければならん。ト:いよいよ空気の粘性抵抗ブレーキを
使うんですね。
電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎
演習 中間テスト問題
サ:煙突までの水平距離がLのとき、そりの水平飛行推進ロ
ケットエンジンを切るんだ。そのときの水平方向の速さをV0
とする。水平方向、鉛直方向の粘性抵抗係数は同じでCと
する。エンジンを切るべき距離L はV0 とCとそりを含めた
我々の質量Mを使って表すと①(MV0/C)となる。いいか今年
こそ失敗するんじゃないぞ。
ト:了解!今年はついでにブランコはどうでしょう。サ:この
忙しいのになんでそんな面倒なことを言い出すんだ。ト:空
の上、神様が吊るブランコに一晩乗り、ブランコが最下点に
来たときにプレゼントを1個ずつ子供たちに落とすことにしま
しょう。(独り言)空気抵抗があるから、私こそが沢山のプレ
ゼントを子供たちに配れる。ヒーローは私だ。
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演習 中間テスト問題
サ:なにブツブツ言ってるんだ。ブランコの振り子の長さをl、
重力加速度をgとしよう。振れ角をθとする。θ = 0が最下点
だ。振れ角は小さくsin θ ~θと近似できるものとする。トナ
カイとサンタクロースの質量を3mとmとする。やつは私より
3倍も重い。空気の粘性抵抗係数は両者ともDとしよう。②:
θを用いてサンタクロースの運動の微分式を書け。
d 2
g
D d
  
2
dt
l
m dt
③:サンタクロースのブランコ振り子の周期Tサを求めよ。
2
m 2l
 4
2
2
2
4
m
g

lD
g  D 


l  2m 
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演習 中間テスト問題
④:プレゼントを沢山配れるのはどちらだろうか。(トナカ
イ)
サ:あかつきおめでとう。5年越しの夢が叶い金星の軌道
にのることができたね。ト:そうですね。2010年の中間テ
ストに出題されたんですよね。懐かしい。お祝いにもう一
度出題したらどうですか。サ:うん、たまにはいいことを言
う。そうしよう。ほんの一部だが出題しよう。
問題:あかつきは平成22年5月21日に地球を出発した。
運 命 の 逆 噴 射 は 12 月 7 日 だ った 。 金 星 の 質 量 M は 約
5.0x1024 [kg]であり、地球に似ている。質量m(=500
[kg])のあかつきが金星から距離Rに近づいたとき、金星
があかつきに及ぼすポテンシャルエネルギーUは、無限
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演習 中間テスト問題
遠方 を ゼロとし 、 万有引 力定数 を G ( =6.7×10-11 [N ・
m2kg-2])とすれば、⑤(-GMm/R)となる。あかつきの運動
エネルギーをKとするとき、金星の軌道に乗るためにはU
とKの和が⑥(負)になることが必要である。あかつきの逆
噴射は金星からの距離が60万 [km]のときに行われた。
この距離のとき Uは、⑦(-2.8x108 [J])となる。60万
[km]地点で金星の軌道に乗るためのあかつきの臨界速
度vは約⑧(1000 [m/s])である。もし、あかつきが金星と
あかつきの重心を結ぶ線に対して角度30°で金星向き
に進んでいたとすると、金星の重心から見たあかつきの
角運動量の大きさは臨界速度のとき⑨(2x1014 [Js] )に
なる。
9 質点系の運動
9.1
質量中心
9.2
質点系の運動方程式
9.3
2体問題
9.1
質量中心
やじろべえが落っこちないように支える
位置が重心である。
重心はどこか?
やじろべえはじっとしているのだから、
力のモーメントは働かない。
NG  0
小さな質量parts m1 , m2 ,
に分けて考えよう。
q1 , q2 ,
重心からの位置
, qN
 N

NG   qi  F    mi qi   g  0
i 1
 i 1

N
力のモーメント
, mN
9.1
質量中心
重心を原点としてみたとき、やじろべえ
の質量partsの関係は
N
m q
i
i 1
i
0
となる。原点をずらして重心位置を
rG
とする。
質量partsの位置は ri  rG  qi となる。
N
 m q   m r  r   0
N
i 1
N
i
i
i 1
i
i
G
rG 
m r
i 1
N
i i
m
i 1
i
9.1
質量中心
形状が変化しない大きさを持つ物体を剛体という。
N
重心位置は、
rG 
N
m r m r
i 1
N
i i
m
i 1
連続体なら積分形式

i i
i 1
M
i
rG
もし均質物体なら、
rG
 r dV


 dV
r dV


V
9.1
質量中心
そうは言っても重心位置をパッと見つけるのは難しい
均質な場合、
r dV
rG
重心原点の場合、


V
rG   r dV  0
対称性が使える場合は、
中間線を引けばよい。
rG
9.1
じゃあこれは?
mmmmmm・・・演習!
質量中心
9.2
質点系の運動方程式
動かしてみよう。
全運動量=質量partsの運動量の和
N
N
d rG
d ri
PG  M
  mi
  pi
dt
dt i 1
i 1
全運動量の変化=外力の和
2
N
2
N
d PG
d rG
d ri
M
  mi 2   Fi
2
dt
dt
dt
i 1
i 1
9.2
質点系の運動方程式
動かしてみよう。
全運動量=質量partsの運動量の和
N
N
d rG
d ri
PG  M
  mi
  pi
dt
dt i 1
i 1
全運動量の変化=外力の和
2
N
2
N
d PG
d rG
d ri
M
  mi 2   Fi
2
dt
dt
dt
i 1
i 1
9.2
質点系の運動方程式
角運動量は?
d ri 
1  N
  N
LG  rG  PG    mi ri     mi
  ??????
M  i 1
dt 
  i 1
10章で勉強しよう。
9.3
2体問題
複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けら
れる。質量mA、位置 rAとmB、rBとの2つの物体の運動を
考えよう。
簡単のために2次元平面運動とする。
物体の位置は r A   x A , y A ,0 r B   xB , yB ,0
m A r A  mB r B
重心の位置は r G   xG , yG ,0  
m A  mB
 m A x A  mB x B m A y A  mB y B 

,
,0 
m A  mB
 m A  mB

9.3
2体問題
rAとrBを重心を使って表すと、
r A   x A , y A ,0
 m A x A  mB x B mB x A  mB x B m A y A  mB y B m B y A  m B y B 


,

,0 
m A  mB
m A  mB
m A  mB
 m A  mB


mB x A  mB x B
mB y A  mB y B 
  xG 
, yG 
,0 
m A  mB
m A  mB


r B   xB , yB ,0

mA x A  m A xB
m A y A  m A y B 
  xG 
, yG 
,0 
mA  mB
mA  mB


9.3
2体問題
従って2つの物体の運動量を重心の速度を用いて表すと
それぞれ、
x
x
y
y


m
v

m
v
m
v

m
v
B A
B B
B A
B B
x
y
P A   m Av G  m A
, m Av G  m A
,0 


m A  mB
m A  mB


x
x
y
y



m
v

m
v

m
v

m
v
A A
A B
A A
A B
x
y
P B   mB v G  mB
, mB v G  mB
,0 


m

m
m

m
A
B
A
B


全体の運動量は当然以下のようになる。
P  P A  PB 
m
x
y

m
v
,
m

m
v
,0



A
B
A
B
G
G

9.3
2体問題
それでは2つの物体の運動エネルギーを重心の速度を用
いて表すとどうなるのか?
1
KA 
PA  PA
2m A

1
 mA v Gx 2  v Gy 2
2

1
1
2
 mAv G  mA
2
2
1
1
2
K B  mB vG  mB
2
2
 m v x  m v x
1
B A
B B
 m A 
2
 mA  mB


m 2B v 2A  v 2B  2v A  v B
 mA  mB 
2

m 2A v B2  v 2A  2v B  v A
 mA  mB 

2

2
  mB v A  mB v B
  
  mA  mB
y
y



2




9.3
2体問題
従って全体の運動エネルギーは

1
1 mB m A
2
K  K A  K B   m A  mB  v G 
v 2B  v 2A  2v B  v A
2
2 m A  mB


1
1 mB m A
2
  mA  mB  vG 
vA  vB  vA  vB
2
2 mA  mB
第1項は重心の運動エネルギー
第2項はAとBの相対運動の運動エネルギー
mB m A
mA  mB
を換算質量という。


9.3
2体問題
物体A,Bの運動のまとめ
mA r A  mB r B  mA x A  mB xB mA y A  mB yB 

,
,0 
1:重心 rG   xG , yG ,0 
mA  mB
mA  mB
 mA  mB

2:全運動量:重心の速度に総質量をかけたもの。
P  P A  PB 
x
y
m

m
v
,
m

m
v
,0 




 A B
A
B
G
G
3:運動エネルギー:総質量*重心の速度の2乗*0.5
+換算質量*AとBの相対速度の2乗*0.5


1
1 mB m A
2
K   m A  mB  v G 
vA  vB  vA  vB
2
2 m A  mB

9.3
2体問題
例1 一体並進運動& m  mA  mB
1:重心
mAvG mB vG
r A  rB
r G   xG , yG ,0  
2
2:全運動量: P  P A  P B   2mv x , 2mv y ,0 
G
3:全運動エネルギー:
K  mvG2
G
2体問題
9.3
例2 原点回りに半径rで相対して、角速度ωの回転円運動
r G   xG , yG ,0   0,0,0
1:重心
2:全運動量: P  P A  P B   0,0,0
Y

3:全運動エネルギー:


mA

1m
K
v A  v B  v A  v B  mr 2 2
22
X
mB
9.3
2体問題
例3 衝突問題に取組もう
固い小さな物体m1、m2の衝突を考える。最初、m1は速度v0でm2
に向かって進み、m2は原点に静止している。空気等の抵抗は無
い。重力等の力は働かない。時刻ゼロで衝突後、物体m1、m2は
速度v1、v2で進むとする。
衝突後
衝突前
m1
m2
m1
m2
v0
v1
v2
A 衝突前:
 m1

m1 r 1  m2 r 2
m1

r1  
v0t,0,0 
1:重心 r G 
m1  m2
m1  m2
 m1  m2

2:全運動量:
P  m1 v0
m1 2
3:全運動エネルギー: K  2 v 0
9.3
2体問題
B 衝突後、運動量と運動エネルギーが保存されるとき
全運動量保存:
m1v0  m1v1  m2v2
m1 2 m1 2 m2 2
全運動エネルギー保存: 2 v 0  2 v1  2 v 2
m1  m2
2m1
v 
v
v2 
v0
上2式を解いて、 1 m1  m2 0
m1  m2
衝突後:
1:重心
2:全運動量:

m1 r 1  m2 r 2  m1
rG 

v0t ,0,0 
m1  m2
 m1  m2

P  m1 v0
m1 2
3:全運動エネルギー:K  2 v 0
9.3
2体問題
問 物体m1は衝突によりm2に運動エネルギーを与える。
衝突前のm 1 の運動エネルギーをE0 、衝突後のm 2 の運
動エネルギーをE2とする。エネルギー伝達率E2/E0が最も
大きくなる条件と、その時のE2/E0の値を求めよ。
TA1
エネルギー伝達率E2/E0が最も大きくなる条件:m1=m2
その時のE2/E0 = 1
問 v2の最大値は何v0か?またその時のエネルギー伝
達率はいくらか?
v2が最も大きくなる条件は:m2/m1 =0
Max
v2= 2v0
TA2
そのときのエネルギー伝達率 = 0
9.3
2体問題
C 運動量はあらゆる場合に保存される、宇宙不変の大原
則である。これに対し、運動エネルギーは保存されるとは
限らない。・例えばポテンシャルエネルギーに変化したりす
る。 熱エネルギーにも変わる、光エネルギーになる場合
もある。・もし、初め、全エネルギーが運動エネルギーだと
する。 運動エネルギーが保存されないイベントがおこっ
た場合、当然運 動エネルギーは小さくなる。
よって、 m1v0  m1v1  m2v2 m1 v 2  m1 v 2  m2 v 2
2
0
2
1
2
2
である。典型的なのは、衝突後一緒に運動する場合であ
る。
m1
衝突前
v0
m2
衝突後
m1 m2
v1
9.3
2体問題
このとき運動量の式は、
m1v0   m1  m2  v1
m1v0
v1 
m1  m2
衝突後の運動エネルギーは
m1
衝突前
v0
衝突後
m1 m2
m2
v1
m1 2 m2 2 1 m1
v1 
v1 
m1 v 02
2
2
2 m1  m2
これは当然、
m1 2 1 m1
v0 
m1 v 02
2
2 m1  m2
である。衝突後、運動エネルギーが減少する衝突を非弾性
衝突という。
9.3
2体問題
教科書p161に床との衝突の解説がある。
v2  ev0
e は反発係数
衝突後
m2
Y
衝突前
m2
X
ここで、右図のように衝突前のm2に
座標をつけた場合を考えよう。
v2
v0
・m2の中にいるあなたは静止している
と感じている。
・そして非常に重い床がv0の速度で近づいてくると感じる。
・床にぶつかられた後、衝突前の座標で見るとm2にのった
あなたはv0+v2の速さで吹っ飛ばされる。
9.3
2体問題
もし反発係数が1ならば、
あなたがのったm2は2v0速さで吹っ飛ばされる。
これ以上の速さで吹っ飛ばされることは
衝突後 Y 衝突前
ない。最大2v0である。
m2
m2
これは、既に勉強した、
2m1
v2 
v0
v2
v0
m1  m2
X
の最大値が v2  2v0
であることと同じ意味である。弾性衝突という。
e  1 のときは v2  2v0 であり、エネルギー保存則が成り立
たない。非弾性衝突という。
期末テスト
1.日時:
1月28日(木) 4,5限
試験時間:90分程度
2.場所:
1331番教室
3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の10章までに
学んだ範囲
4.注意:
・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない
・全員受験必須 ・資料持込不可
・既に60点以上を獲得している者も受験必須。
10章 剛体の運動
10.1
10.2
10.3
10.4
10.5
10.6
剛体の運動方程式
剛体のつり合い
固定軸のまわりの剛体の回転運動
慣性モーメントに関する二つの定理
慣性モーメントの計算例
簡単な剛体の運動
目 標
綱渡りを上手にしたい。
重さ5kgの物体を持ってよいとしたら何が良いだ
ろうか?考えよう。
答えの理由を説明しよう。
TA1
TA2
TA3
TA4
TA5
10.1
剛体の運動方程式
原点B回りの剛体の角運動量はおのおのの
質量partsの角運動量の和である。
rG q
i
Y
ri
N
d ri
LB   mi ri 
dt
i 1
重心の位置ベクトルを導入して
B
ri  rG  qi
B

d rG  qi
N
d ri
B
LB   mi ri 
  mi rG  qi 
dt i 1
dt
i 1
N

X

B

10.1
N
剛体の運動方程式

N

d ri
LB   mi ri 
  mi rGB  qi 
dt i 1
i 1
B
N
d rG

d rGB  qi

dt
N
d qi
  mi rG 
  mi rG 
dt
dt
i 1
i 1
B
B
N
d rG N
d qi
  mi qi 
  mi qi 
dt i 1
dt
i 1
B
d rG
m q
i 1
i
i
0
N
d qi
 M rG 
 0  0   mi qi 
dt
dt
i 1
B
N
!!!!
10.1
d rGB
剛体の運動方程式
N
d qi
LB  M rG 
  mi qi 
dt
dt
i 1
B
重心に全質量が 重心回りの剛体
集中した質点をB の角運動量
から見たときの角
運動量
公転回転的という 自転回転的という
10.1
剛体の運動方程式
原点C回りの剛体の角運動量はおのおのの
質量partsの角運動量の和である。
N
dti
LC   mi ti 
dt
i 1
Y
tG
C
ti
重心の位置ベクトルを導入して ti  t  qi
G
C
座標軸を変えても不変
dt GC
N
d qi
LC  M t G 
  mi qi 
dt i 1
dt
C
X
10.4
慣性モーメントに関する二つの定理
剛体の角運動量は重心に全質量が集中した質点の角
運動量と重心回りの剛体の角運動量の和である。
座標の取り方によって重心に全質量が集中した質点の
角運動量は変化する。
B
d rG
N
d qi
LB  M rG 
  mi qi 
dt
dt
i 1
B
d 2 rGB
N
2
d qi
d LB
B
力のモーメント
 M rG  2   mi qi  2
dt
dt
dt
i 1
10.2 剛体のつり合い
剛体のつりあいの条件
N
d PG
  Fi  0
dt
i 1
N
d LG
  ri  Fi  0
dt
i 1
2
B
2
N
d
r
d
qi
d LB
B
G
 M rG  2   mi qi  2
dt
dt
dt
i 1
10.3
固定軸のまわりの剛体の回転運動
硬い、大きな物体があり、回転中心軸Bのまわりにそ
の物体を角速度ωで回転させた。このとき、物体の
角運動量大きさを
LB  I B
と書く。
回転運動エネルギーは
2
B
L
1
2
K  I B 
2
2I B
と表せる。
このとき、IBを物体のBまわりの慣性モーメントという。
10.3
固定軸のまわりの剛体の回転運動
問 長さL、質量Mの細い棒を棒の端を ω
中心として角速度ωで回転するときの慣
性モーメントを求めよ。
1
2
I  ML
3
d rGB
N
d qi
LB  M rG 
  mi qi 
dt
dt
i 1
B
LB  I B 
L, M
10.3
固定軸のまわりの剛体の回転運動
問 長さL、質量Mの細い棒を棒の端を ω
中心として角速度ωで回転するときの慣
性モーメントを求めよ。
B
d rG
N
L, M
d qi
LB  M rG 
  mi qi 
dt
dt
LB  I B
i 1
N
LL
線密度
M
   mi qi qi 
22
i 1
2
3
L
/2
 L
LL
L 
2
M
   2  q dq   M  2  
0
22
4
24 

 L2
L2 
1 2
  M  M    ML 
4
12 
3

B
10.5
慣性モーメントの計算例
ω
の角運動量の大きさは
L, M
ω
L, M
1
ML2 と
の角運動量
12
ω
L/2
2
M
L
の角運動量 M    との和である
2
10.5
慣性モーメントの計算例
ω
L, M
の角運動量の大きさは
2
1
1
L
2
L  ML   M     ML2
12
3
2
よって慣性モーメントは
1
I  ML2
3
10.5
慣性モーメントの計算例
長さL、質量Mの細い棒を、棒の中心を中心として角速
度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。
ω
半径r質量Mの細い赤いリングを図の
ように角速度ωで回転するとき、角運
動量の大きさを書け。慣性モーメント
を求めよ
Y

r
O
M
X
10.5
慣性モーメントの計算例
長さL、質量Mの細い棒を、棒の中心を中心として角速
度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。
ω
 1 M L2  1
2
I  2

ML
 12
3
2
4


半径r質量Mの細い赤いリングを図の
ように角速度ωで回転するとき、角運
動量の大きさを書け。慣性モーメント
を求めよ
L  Mr 
2
I  Mr 2
Y

r
O
M
X
10.5
慣性モーメントの計算例
半径aで質量Mの薄い一様な円板の中心を通り、円板
に垂直な軸周りの慣性モーメントを求めよう。
(1)まず円板を右下のように細いリングの
集まりと考えよう。重さ面密度をρとする。
(2) 半径r厚さdrのリングの角運動量は
dL  2 rdr  r 2
(3)全体の角運動量は、
4
2
a
2

a

Ma

2
 dL  0 2 rdr  r   4  2  I
Ma 2
よって慣性モーメントは I  2
10.5
慣性モーメントの計算例
ω
(4)右図のように円板を縦に回転する場合を
考えよう。
右図のように円板を細い赤い棒に分けて
考えよう。棒の中心を回すときの慣性モー
メントは
a
θ
1
I 
mr 2
12
と知っている。棒の長さが場所によって違うことを
考慮しておのおのの棒の慣性モーメントを足し合わ
せれば目的の値が得られるだろう。
O
10.5
慣性モーメントの計算例
右図のように円板を細い棒に分けて考えよう。
円板の重さ面密度をρとする。図の座標Y軸
Y
の点(y,0)を横切る幅dyの細い棒の慣性モーメントは
1
1
2  x 3dy
2
2
I  mr   dy 2 x   2 x  
3
12
12
3
2
2 2
2   a  y  dy
2
2
2
だから、 I 
x y a
3
ω
a
全体の慣性モーメントは
3
I4  
a
2  a2  y 2  2
a
y  a cos 
3
dy

4
4
2

a
sin

2
I 4  2
d
0
3
と置けば、
4
2

 a
4
Ma

4
θ
(y,0)
O
X
3-2 剛体の運動
(5)質量Mの長方体X軸回り
Y軸に平行な細い棒の集まりと考える。
3
1
1
2

a
dx
2
I  mr 2   dx 2a   2a  
12
12
3
2 a 3
4  ba 3 Ma 2
Ix  
dx 

b
3
3
3
Y
(b,a)
O
b
これはどこかで見たことがある。
2
Mb
(6)もちろんY軸回りの慣性モーメントは I y 
3
X
10.5
慣性モーメントの計算例
問 長さa、質量mの細い棒を、棒の中心を中心として角
速度ωで回転するときの慣性モーメント、角運動量、回
転運動エネルギーをa、m、ωを適宜用いて表せ。
ω
1
1
1
2
2
I  ma L  TA1
ma  K 
ma 2 2
12
12
24
問 長さa、質量mの細い棒を、棒の中心
からb離れた所を中心として角速度ωで
回転するときの慣性モーメント、角運動量、
回転運動エネルギーをもとめよ。
2
 a2


a
2
2
I  m   b  L  m   b 
 12

 12
m  a 2
TA2
2 2
K    b 
2  12

m
a
ω
b
m
a
10.5
慣性モーメントの計算例
問 質量M半径Rの円板が図のように向きを変えずに半
径S、角速度ωで回転しているときこれを公転回転と
いう。
AR
慣性モーメント、角運動量、
運動エネルギーをもとめよ。
I  mR 2
L  mR 2
TA3
1
2 2
K  mR 
2
S
A
A
A
10.5
慣性モーメントの計算例
問 質量M半径Rの円板が図のように同じ面を中心に向
けて半径S、角速度ωで回転しているときしていると
きの慣性モーメント、角運動量、
AR
運動エネルギーをもとめよ。
A
A
m1 2
2 2
K   R  S 
2 2

S
A
1 2
2
I  m R  S 
2

1 2
2
L  m  TA4
R  S 
2

10.4
慣性モーメントに関する二つの定理
半径aで質量Mの薄い一様な円板の中心を通り、
円板に垂直な軸周りの慣性モーメントは
Ma 2
I
2
円板をY軸周りに回したとき、慣性モーメントは ω
Ma 2
I
4
a
O
10.4
慣性モーメントに関する二つの定理
もう一つ別の考え方にトライしよう。
下図のようにX-Y平面上に質量miの小さな
物体が位置ri(xi,yi)にある。物体をY軸周りに
回したとき、慣性モーメントは
Y軸周り:
a
I Yi  mi xi2
X軸周りに回したときの慣性モーメントは、
X軸周り:
I  mi ri  mi  x  y
2
2
i
2
i
O
Y
I Xi  mi yi2
xi
それではZ軸周りに回したときの
慣性モーメントはどうなるか?
Z軸周り:
i
Z
ω
mi
ri(xi,yi)
yi
I I
i
X
O
i
Y
Z
X
10.4
慣性モーメントに関する二つの定理
即ち、ある平面(ここではX-Y)上に小さな物体があるとき、
その平面に垂直な軸周りの物体の慣性モーメントは、
平面内の直交する軸周りの慣性モーメントの和に等しい。
Y
I Zi  I Xi  IYi
任意の平たい剛体物体を微小物体の集合と
考えれば、任意の平らな剛体の慣性モーメントは
IY   m x
xi
2
i i
yi
i
I X   mi yi2
O
i
I Z   mi ri 2   mi  xi2  yi2 
i
やっぱり
mi
ri(xi,yi)
i
I Z  I X  IY
Z
X
10.4
慣性モーメントに関する二つの定理
それでは I Z  I X  IY
を利用しよう。
円板の中心を通り、円板に垂直な軸周りの慣性モーメントは
Ma 2
I
Y
2
これはZ軸周りの慣性モーメントに相当する。
a
Ma 2
IZ 
2
それではX軸、Y軸周りの慣性モーメントは??
分からないが、少なくとも円板である限り対称性
から
I X  IY は確実である。だから、
I Z  I X  IY  2 IY
よって、
Ma 2
IY 
4
O
Z
X
10.5
慣性モーメントの計算例
右図のようなひどい場合の慣性モーメント
ω
を求めよ。
5Ma 2
I
4
TA5
a
O
10.5
慣性モーメントの計算例
質量Mの長方体の原点O軸紙面垂直
回りの慣性モーメントを求めよ
Y
(b,a)
O
M a  b 
TA1

2
Iz
3
2
X
10.6
簡単な剛体の運動
(1)半径R、質量Mの円板が転がり
重心が速さvで進んでいるとき
A
ω
v
A点の速度は 左向き v A  v  R  2v
B
B点の速度は 左向きにvと下向き vB  R  v
C点の速度は vC  v  R  0
D点の速度は 左向きにvと上向き vD  R  v
となる。接点Cの速さは常にゼロ。
D
C
10.6
簡単な剛体の運動
A点→B点→C点→D点は
重心よりも遠回りして運動する。
よって滑る場合よりも
運動エネルギーを要する。
転がりの場合の運動エネルギー
A
ω
v
B
1
1 2 1
11
3
2
2
2 2
K  Mv  I   Mv 
MR   Mv 2
2
2
2
22
4
滑りの場合の運動エネルギー K  1 Mv 2
2
D
C
10.6
簡単な剛体の運動
A
(2)もし剛体が半径R質量Mの球体ならば
ω
転がりの場合の運動エネルギーは
v
B
D
C
1
1 2 1
12
7
2
2
2 2
K  Mv  I   Mv 
MR   Mv 2
2
2
2
25
10
剛体の形状によって運動エネルギーは異なる。
1
滑りの場合の運動エネルギーは同じ K  Mv 2
2
10.6
簡単な剛体の運動
(3)剛体が半径R質量Mの球体が
静止状態から斜面を転がり、
鉛直方向hだけ下った場合の
球体の速さは、
7
K  Mv 2  Mgh
10
10
から、 v 
gh  2 gh
7
(4)剛体が半径R質量Mの円板なら
3
K  Mv 2  Mgh
4
4
v
gh  2 gh
3
10.6
簡単な剛体の運動
(5)円板ヨーヨーは転がりながら落ちている。
3
K  Mv 2  Mgh
4
v
1
2 
2
Mv  M  g  h
2
3 
ω
3
Mv 2  Mgh
4
重力加速度3分の2の自由落下と同じ運動になる。
10.6
簡単な剛体の運動
(6)円板突き
b
F
もし上端からbだけ下を突いたら
どうなるか;
M
dv
1)重心の運動の式は M  F  f
dt
M 2 d
f
2)回転の運動の式は 2 R dt   R  b  F  Rf
3)転がる条件
力の条件は
R
まさつ
M d R  b
R

F f
2
dt
R
dv
d
F  f R b
R

F f
だから
dt
dt
2
R
3R
F
f
2b  R
10.6
簡単な剛体の運動
円板突き
もし上端からbだけ下を突いたら
どうなるか;
3R
f
b 点を F 
2b  R
b
F
M
で突くと転がる。
まさつが無い場合f=0の回転条件は?
3R
F
f から、 b  R
2b  R
2
R
点を突く場合。
f
まさつ
10.6
簡単な剛体の運動
(7)玉突きの場合
b
F
1)重心の運動の式は M dv  F  f
dt
R
M
2)回転の運動の式は 2M R 2 d  R  b F  Rf


5
dt
dv
d
3)転がる条件  R
から
dt
dt
力の条件は F 
2 F  f  R  b

F f
5
R
7R
f
5b  3R
4)摩擦が無いときは
3
b  R 点を突くと転がる。
5
10.6
簡単な剛体の運動
(8)半径R、質量Mの円板滑車に質量m1、m2
の物体が糸でつるされている。糸の張力を図
のように定める。重力加速度をgとする。時刻
ゼロで物体を固定していた手を離した。糸は
滑車に巻きつき、滑ることなく移動すると考え
よう。m1>m2 のとき、滑車は反時計方向に回 T1
転してm1 は落下する。もしM>>m1,m2 ならば、
m1は非常にゆっくり落ちることを経験的に知っ
ている。これを考察しよう。
下向きを正にとれば、m1についての運動の式
は、
m1a  T1  m1 g
である。 m2については、
である。
m2  a   T2  m2 g
M
R
T2
m2
m1
g
10.6
簡単な剛体の運動
M
よって、
R
 m1  m2  a  T2  T1   m1  m2  g
である。T2-T1はMを回す力である。
ちからのモーメントの大きさは、
N  R T1  T2  である。(T1>T2)
dL
d  MR 2 d  I
N
I

 a
dt
dt
2 dt R
だから、  m  m  I  a   m  m  g
2
1
2
 1
2 

R 
T2
T1
m2
m1
g
10.6
簡単な剛体の運動
M
結局、m1が落下する加速度は、
a
 m1  m2  g
I
m1  m2  2
R

 m1  m2  g
M
m1  m2 
2
となる。
1.m1=m2の場合、a=0 自明
R
T2
T1
2.Mがm1,m2に比べて重ければ、aは小さい。
3.Mがm1,m2に比べて軽ければ、自由落下。
m2
m1
g
10.6
簡単な剛体の運動
(9)剛体振り子:
右図のように重心からaだけ離れたO点を
軸とした長さ2l 質量Mの棒の振動を考える。
1.O点回りの慣性モーメントは半径aの公転と
中心回りの自転の慣性モーメントの和である。
1
I  Ml 2  Ma 2
3
2.力のモーメントは
θが小さいとき
a
O
2l
θ
M
g
N   aMg sin 
~  aMg
dL
d
d 2
I
 I 2  N   Mga 回転角に関する運動の式
dt
dt
dt
Mga
ga
~

θの振動の角速度は
1 2
I
l  a2
3
10.6

ga
1 2
l  a2
3
簡単な剛体の運動
から
2l
θ
1 2
l  a2
2
3
T


2

3.周期

ga
M
4.振動数ゼロ、周期無限大の条件はもちろん、
a=0(つりあい)
5.振動数最大、周期最小の条件は?
a
O
l2
a
3a
g
a
6.5.の理由を考えよ。 TA1
7.どんな形の振り子が振動数が大きいだろうか。 TA2
1
l
3
10.6
簡単な剛体の運動
1.長さ2lの棒状剛体振り子の角振動数は以下のようになる。
Mga
ga

1 2
I
l  a2
3

0al
3
MAX   
4
2.直径2lの球状剛体振り子の場合は?

Mga

I
ga
2 2
l  a2
5
3.質点振り子の場合は

Mga

I
g
l
0al
O
g
l
θ
O
球
 5
MAX   
8
al
1
4
1
4
a
g
g
l
θ
l
M
l ( a)
Mg
10.6
簡単な剛体の運動
5.メトロノームは剛体振り子の一種である。
錘の位置によって振動周期が変化する。
これまでの勉強を用いてメトロノームの
動作を解析しよう。
錘の位置がどこにあるとき、周期が最小に
なるだろうか?
①棒の長さを 2l 重さを m とする。
②錘は一辺 2d の正方形で重さ M とする。
重心が支点から距離 r にあるとする。
③棒と錘の慣性モーメントは
1
2
1
2


I  ml 2  ml 2  Mr 2  Md 2   ml 2  ml 2  Md 2   Mr 2
3
3
3
3


常数
変数
10.6
簡単な剛体の運動
力のモーメントは
N    lm  rM  g sin 
大胆に
N ~   lm  rM  g
と仮定すれば、

 lm  rM  g
I

 lm  rM  g
 2 1 2 2
2
2
ml

ml

Md

Mr


3
3


 m

l

r

g
M



 m 2 1 m 2 2 2 2
l  d r
 l 
3M
3 
M
m
Al
M
と置く。
m 2 1 m 2 2 2
B l 
l  d
M
3M
3
10.6
簡単な剛体の運動
A r
 g
B  r2
r   A  A2  B
2
m
m 2 1m 2 2 2
m 
  l   l  l 
l  d
M
3M
3
M  M
のときにωは最大となる。
M  m
ならば
2
r
d のときにωは最大となる。
3
構造上 rはd以下にはできないから、
錘が最下点のときにω最大で周期最小となる。
10.6
ま
簡単な剛体の運動
(10)ベクトルとその時間微分が直交する場合のベクトルの運動は
どのようなものか?
dA
A
0
dt


d
A A 0
dt
A A A
2
A  t  x  A  t  y  A2
ベクトルの回転運動。
A  r なら、rベクトルの回転運動。
dr
v
 v  r
dt
v
1 dr
v

r dt
v
2
2
こま
10.6
簡単な剛体の運動
もし角運動量ベクトルならどうなる?
A L
L  t  x  L  t  y  L2
2
2
それは角運動量ベクトルの回転運動である。
dL
N
dt
だから、角運動量と力のモーメントが直交する場合
があるだろうか?
支点O回りに横倒しに回転しているコマが
ある。重心の距離R,質量M,慣性モーメントI、 O
角速度ω。
角運動量は大きさ L  I
で紙面右向き。
M

g
力のモーメントは大きさ N  MgR で紙面垂直奥向き。
10.6
こま
簡単な剛体の運動
角運動量と、力のモーメントは直交している。
d  (t )
 Mg R (t )
dt
角運動量と、力のモーメントとの単位ベクトルを i とj としよう。
I
di (t )
I
 MgR j (t )
dt
di (t ) MgR

j (t )
dt
I
O
M

g
MgR
角運動量の単位ベクトルiは角振動数   I  で回転する。
10.6
簡単な剛体の運動
コマは支点垂直軸回りに回転する。
歳差運動という。 大変不思議。
O
M

g
こまが傾いているときの
歳差運動の角振動数はいくらになるか。

TA3
θ
g
期末テスト
1.日時:
1月28日(木) 4,5限
試験時間:90分程度
2.場所:
1331番教室
3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の10章までに
学んだ範囲
4.注意:
・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない
・全員受験必須 ・資料持込不可
・既に60点以上を獲得している者も受験必須。