欧州評議会から外国語教室にいた るまで…『言語・文化への多元的ア プローチ』への長い道のり (2) ミッシェル・カンドリエ (ル・マン フランス) プラン 1- 言語・文化への多元的アプロ ーチ 2- 多元的アプローチと欧州評議 会 3- 欧州評議会各国のなかでの 多元的アプローチ 『ヨーロッパ言語共通参照枠』 (CEFR – 2001) 複言語・複文化能力という概念を参照する: 一人の個人は、すでにある程度,習得している 言語について,個別に分かれている,ばらばら のコミュニケーション能力の複合体を持つのでは ない。複言語・複文化能力とは,使える言語のレ パートリー全体を包括するものである。 (p. 129) … この考え方は,最近,発展した習得 モデルΨLへと向かう 「ひとつの」シス テムの存在とい う点では一致し ている (複言語能力の 「全体論的」考え 方) (参照) Herdina & Jessner, 2002 だが,その中に 「分離されたシス テム」がある程度 は認められるとい う点では,一致し ていない。 結果 : 多元的アプローチは一つの 必要性である 能力は包括的なのだから,… 言語教育は,生徒が学習したか,あるいは すでに知っている言語との関係性の確立を 助ける必要がある。言語・文化間の橋渡し をしなければならない。 これは、欧州評議会の他の資料にも 明示されている。『ヨーロッパ言語 教育政策策定ガイド』(2003, 2007). (…)複言語・複文化能力の定義から、 言語教育を互いに連動させることがわか る(2007, p. 38) 欧州評議会の最新資料でさらに明確にされている。 『 複言語・相互文化的教育カリキュラムの実施 と発展のためのガイド』(2010)…. (…)適切な機会をすべて使い,生徒が学習したか,あるいは すでに知っている言語の既存知識を動員し,それらを集約し, 複数言語のレパートリーをよりよく発展させる(p. 22)。 このような関係性を確立するために どんなアプローチが可能か。 根本的に、二つのタイプの 教育的アプローチがある … 同様に、生徒が学校へきたとき「すで に」習得している言語活動と,言語(学 的)能力を関連させるのを忘れてはなら ・単独のアプローチ ない (言語族) 。 一つの言語・文化について個別的に集中する ... 言語間の関係を確立するためには、言語教育を相 互に連動させる唯一のよい方法だと思われる -多元的アプローチ 同時に複数の言語・文化を扱う ますます重要になるアプローチ 『参照枠』 (2001)から 2010年の 『ガイド』まで( 多元的 アプローチのように),複数言語の関連性を作ることを 重視する考え方は,欧州評議会の文書に増えている: 言 語 教 育 の 仕 切 り を 取 り 外 す : 複言語教育は次の教育原理に基づいている。すなわち, 新しい言語変種の獲得は,他の言語変種をそれ以前に 獲得したときの能力や,知識に基づく。(『言語教育政策 ガイド』2007 […]. ( p. 95). 複言語・複文化教育の核心は,「教科とし ての言語」間の横断性を作り上げ,人間 の言語能力の行った一体性を尊重する . (Guide 2010, p. 9) ますます重要になるアプローチ さまざまな多元的アプローチ (言語への目覚め活動, 相互理解, 同化型教育, 文化間教育)は『ガイド』2010が 明示している (p. 105): 学習方法と活動 : … かなり多くの言語をもとに次の能力を発展させる : - 相互文化的能力 - 横断的方略 - 全体的・包括的言語教育 - […] 相互的理解活動と言語への目覚め活動,ならびに複数 文化への開きは,これを証明している 絶えず増し続ける重要性 « 多元的アプローチ » という語は,『ガイド』(2010), p.91 にはっきりとあらわれる: 教員(外国語,就学言語,他教科など)すべてに共通の 養成 […] -集約的, - 多元的 かつ(あるいは)部分的アプローチ - […] - 統合型言語教育, - 教化向けの複言語教材の開発 […] … これは,相互的理解教育のような,あ る種のスキルだけを求めるアプローチに 関連する ヨーロッパ現代語センターのプログラムと多元 的アプロー ヨーロッパ現代語センター European Centre for Modern Languages • Fondé à Graz, en Autriche, en 1994 www.ecml.at •34 Etats membres Mise en oeuvre des politiques d'éducation aux langues grâce: •à la diffusion des bonnes pratiques •à la promotion de l‘innovation •à la formation des multiplicateurs •au développement de réseaux d‘experts ヨーロッパ現代語センターのプログラムと多元 的アプローチ ヨーロッパ現代語センター • 中期計画の後半には(2004-2007)… 「言語・文化への多 元的アプローチの ための参照枠」 CARAP CARAPとは フランス語,英語,ドイツ語,スペイン 語によるリスト : 叙述的知識,態度,ノ ウハウの構造リスト 第3期中期計画(2008-2011) 。 ネット教材をベースにした 教育者養成のためのキット。 私たち四人で, 新しい計画のロゴを 考える。 !!! CARAP(言語・文化への多元的アプローチのための参照枠 ) ヨーロッパ現代語センターのプログラムと多元 的アプローチ 主題 第4期中期計 画より複言 語教育は重 視(20122015) • 評価 • 言語学習の継続性(ある教育課 程から次の教育課程へ • 内容言語統合教育 (EMILE – CLIL) •複言語教育 新しい学習指導要領のタイトルは, 複言語教育が現在の中心課題となってい ることを示している。 複数の言語により学ぶ。(母語や外国語などの)言語は,す べての学習の基本となる。 包括的言語教育の促進。学習者の多様性を統合する。 複言語能力とは「学習者がすでにもっている言語能力を総 動員させる」 プラン 1- 言語文化への 多元的アプロ ーチ 2- 多元的アプローチと欧州評議 会 3- 欧州評議会各国における多元 的アプローチ 加盟国にとって … … 欧州評議会の動向は, 勧告にすぎず、決定ではない 現在の欧州評議会の主要研究 領域が本来,支持するもの: CEFRの「言語能力レベル」のめ ざすもの • 指導要領の決定 • 学習者の評価 共通参照レベルは各言語ごと に個別に機能している。 これは,英語・中国語・スペイ ン語など特定の一言語に関す る能力である。 共通参照レベルでは,すべての言語に共通の言語横断 能力や言語間の関係をつくる能力(言語間的能力)を考 慮に入れていない。 とはいえ,総合的な複言語・複文化能力という概念 CEFRに含まれている。 CEFR において整合性の欠如しているところ: - 複言語能力という概念 - 言語評価能力スケール 複言語主義に断固 として賛成です。 私も賛成 です。 欧州諸国の大臣たちは、 声明や公文書において、 しばしば 複言語主義の原理に賛同して いる。 … しかし、 多 元的アプロー チや複言語教 育は実施され ていない カタロニアの学習指導要領 (スペインの自治州) まれに例外も ある。 Nouveaux programmes de Suisse Aussi: les 同様にギリシアの学習指導要領も 例外である。 しかし、現在、多元的アプローチは, ほぼ加盟国すべての学習指導要領 に含まれていない。 なぜ、多元的アプローチ教育学の実践や原理は 欧州諸国に浸透しないのだろうか。 まず、まだ時間が あまりたっていない ということが考えら れる。 もう少し様子をみて みよう。 この説明は説得力がない。 なぜなら包括的な複言語・複文化能力とい う基本原理は、 言語能力評価スケールとあわせて CEFRにすでに存在するからである。 本当の理由は 他にある! ひとつひとつの言語 教育を他の言語とよ く切り離し、 また、言語を実際に 使うことにだけ力を これはまったく新しい教 注ぎ、言語について 育学の考え方であり, よく考えてこなかった。 「現代の」言語教育と呼 ばれるものと真っ向から 対立している。 本当の理由 は他にある その上、 学習者はその親も 含め、 支配言語にしか関 心がないのは明ら かだ (例外もある)。 本当の理由 は他にある。 本当の理由 は他にある。 本当の理由 とは 結局、本当の理由は、多元的アプローチを 採用すると、それもすべての学習者 のあら かじめもっている言語能力を認めることにな る、というところにある。 この二つの用語に反対 している国では、さまざ まなアイデンティティを 尊重しなければ国の統 合はないことを理解して いない。 ここで、 2000年5月に欧州 議会で採択された 「多様性における統 一」というスローガ ンの真意をいまだ に理解していない 国々では、イデオロ ギー的・政治的な障 害につきあたる。 dank u wel gmadlobth obrigado спасибо tanemirt Ευχαριστώ 西山教行先生、 翻訳してくれてありが とう enkosi kiitos misaotra 複 言 語
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