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日本の産業と貿易構造の変化3
丹野忠晋
跡見学園女子大学マネジメント学部
2007年10月25日
日本の産業革命
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日本の産業革命は日清戦争前後の時期
軽工業中心の産業革命から出発しました．
その主役は紡績業
1890年代には輸出が輸入を上回る
生糸に並ぶ輸出品になりました
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日本の産業革命/2
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しかし，当時の綿織物は手織り機の段階で機
械制大工業までは到達していません
欧米からの生糸の需要
座繰製糸(手作り製糸)から機械製糸へ
政府は鉄鋼業を保護育成
しかし，大きな成果はまだ
リーディングセクターは紡績業
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重化学工業化
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第一次世界大戦は重化学工業の発展を実現
した
軍需物資への需要のため日本の輸出が急増
海上輸送のため船舶業と造船業が伸長
重化学部門でのリーディングセクターは造船
業
多くの新興成金が発生
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重化学工業化2
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造船は第一次大戦期の1910年代までに輸入
代替を実現しました．
輸入代替：外国からの輸入を止めて自国での
生産にシフトすること
欧州からの輸入途絶から多くの重化学工業
部門が自国生産で賄われた
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重化学工業化3
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戦後日本はアメリカと並ぶ欧州への債権国へ
また中国への投資が急拡大
船舶の輸出は第一次大戦期を除いてほとん
ど輸出されなかった
軍事用艦船建造が大きな部分を占めていま
した．
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戦前(1930年代)の輸出
20.0%
綿織物
生糸
化繊織物
39.0%
15.0%
衣類
絹織物
繊維その他
5.0%
機械類
その他
3.0%
10.0%
3.0%
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5.0%
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戦前(1930年代)の輸入
綿花
31
羊毛
繊維その他
38
石油
鉄鋼
肥料
8
3
3
4
5
6
2
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鉄くず
機械類
その他
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世界恐慌
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1929年(昭和4年)10月，ニューヨーク株式市
場の暴落から世界恐慌が始まる
アメリカーニューディール政策，第二次大戦で
復活
イギリスーイギリス連邦，ブロック経済化

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本国と植民地が相互に特恵を与える
他国には高率の関税をかける(保護貿易政策)
世界貿易の縮小は不景気をさらに悪化
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世界恐慌2
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ソ連ー社会主義経済の下で世界恐慌の影響
を受けず，高い成長
ドイツー低失業率と経済成長，賠償金完済
日本は同時期に金解禁(金本位制への復帰)
世界恐慌により貿易収支赤字と資本収支赤
字が拡大
金の国外流出(在外正貨の取り崩し)
昭和恐慌とよばれる深刻な不況
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第二次世界大戦と戦後経済
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自国の技術と資源の利用で財を生産しその輸出先
を植民地に求める先進国の植民地獲得競争
世界恐慌からどのように抜け出すか
後発国であるドイツと日本の挑戦による世界大戦に
発展した
両国は軍需による内需の拡大と経済の国家統制を
志向
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第二次世界大戦と戦後経済/2
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第二次世界大戦に日本は敗れる
死亡者数(兵員230万人，一般市民80万人)，植民
地の喪失
国内の資本ストック（国富）の喪失は650億円
平和的な国富の状態は昭和10年
回復には10年かかると予想
日本は自由主義体制の一員として経済の復興を目
指した
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戦後の経済改革
1945年から1952年までGHQ 連合国最高司
令官総司令部が日本を指導
 財閥解体
 農地改革
 労働運動の育成
この改革によって旧小作人や労働者の購買力
が高まり国内市場が充実，さらに貧富の差が
極端にではなくなり戦後の経済発展の土台に
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戦前と戦後の連続性
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戦争遂行のための官僚機構は存続
1940年体制
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企業と金融
官僚体制
土地制度
高度成長期には産業政策へ
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日本の高度成長
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以前は自国に資源を持つ国が有利
戦後の植民地の独立と資源の開発により海
外からの安価な資源が購入可能
工場は資源立地から港湾立地へと変化
大型タンカーが寄航できる臨海工業地帯が
もっとも効率の良い生産システム
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日本の高度成長/2
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国民の消費欲と貯蓄
成長と平等の両立
日本の高度成長と現代の北欧のみが達成
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高度成長期(1970年代)の輸出
17.0%
食料
3.0%
13.0%
繊維その他
6.0%
化学
金属
46.0%
15.0%
機械機器
その他
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高度成長期(1970年代)の輸入
13
14
食料
繊維原料
5
12
金属材料
14
5
原料品
鉱物燃料
化学製品
機械機器
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その他
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為替レート
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戦後の為替レートはブレトンウッズ体制の下1
ドル360円に固定されていた
それが1971年のニクソンショックによりドルと
金の兌換が停止されると固定為替を維持で
きなくなった
そのため各国の外国為替は変動相場制に変
更され今日に至っている
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1971年以降の円ドルレート
円ドルレート
400
350
300
250
200
150
100
50
0
1月
1月
1月
1月
1月
1月
1月
1月
1月
1月
1月
1年 74年 77年 80年 83年 86年 89年 92年 95年 98年 01年
7
19
19
19
19
19
19
19
19
19
19
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今農業人口はどれくらい？
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はじめに江戸時代は日本の人口の85%が農
業に従事していることを説明
現在は農林水産業を合わせて6%の人が従
事しています．
戦前から農業人口は1300万人であまり変化
はありませんでした
1960年代以降急激に農業人口が減少して現
在は350万人ほど
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まとめ
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ざっと江戸時代からの産業構造と貿易パター
ンを見てきました．
日本経済は産業，貿易，就業面でかなりの急
激な変化を辿って来たといえます
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