経済活動と法 ~不法行為~ <製造物責任> 製造物責任とは… 製品の欠陥によって生命,身体又は財産 に損害を被ったことを証明した場合に,被害 者は製造会社などに対して損害賠償を求め ることができる。 具体的な法律 として・・・ 製造物責任法:PL法 製造物責任法に関する判例 ◆テレビ発火損害賠償 請求事件◆ ~事件内容~ ・Aさんはテレビを購入7年後,使用中にパンと音が なり,中央に白線が出て画面が消えた。 ・故障したと思い,プラグとコンセントをはずして2階 へ上がっていたところ,1階のテレビ辺りから部屋が 燃え広がり,家屋を全焼した。その際,有害煙によ り2階にいたAさんの娘は窒息死した。 Q.損害賠償請求が成立する要件は? A.製造業者の欠陥を証明すること。 消費者はその欠陥の事実を主張, 立証すればよい。 ここでいう欠陥とは… 「当該商品が通常有すべき安全性を 欠いていた」という事実。 Q.なぜ消費者は欠陥の原因を具体的に主張・立証 しなくてもいいのか? A.製品の製造工程や技術に関する知識や情報の ない消費者が,製造業者の過失を証明すること は困難。 当該商品の欠陥原因特定ができないと製造業者 がつねに免責されてしまう。 消費者被害の救済が目的 ※製造業者の欠陥とは… 1.設計自体に問題がある。 2.設計通りに製造されなかった。 3.適切な使用方法を消費者へ 知らせなかった。 など ※通常有すべき安全性を欠いて いること。 ◆テレビ発火損害賠償 請求事件の判決と理由◆ ・被害者が合理的利用期限内において,通常の使 用方法で使用していたにも関わらず,出火し,火災 に至ったものと認められることからも通常有すべき 安全性を欠いていたものと考えられる。 ・テレビを製造し流通に置くにあたって安全性確保 義務に違反または過失があったものと推測される。 ・被害者に2,200万円の損害賠償(時効のため一部減額) ※欠陥が認められたとしても… 製造物を引き渡した時における科学又は技術 に関する知見によっては、当該製造物にその欠 陥があることを認識することができなかった場合。 製造業者が 上記を証明 “製造物責任は免責”となる (開発危険の抗弁) ※製造業者の責任として… 適切な使用法,取り扱い上の注意事項の記載 缶詰 ラップ スプレー 不備があると欠陥とみなされる。 ◆参考資料① 製造物責任・製造物責任(PL)法について ※内閣府:消費者の窓:製造物責任(PL)法 http://www.consumer.go.jp/kankeihourei/seizoubutsu/index.html ページ内 ・製造物責任法について(解説,Q&A) ・製造物責任法条文 などがあります。 ◆参考資料② 事例・判例等,回収・無償修理等について ※国民生活センター:困った時のヒント http://www.kokusen.go.jp/category/hint.html ページ内 ・消費者からの相談事例 ・くらしの判例集 ・商品テスト結果 ・回収,無償修理等のお知らせ
© Copyright 2024 ExpyDoc