(当局とりまとめ分)(PDF形式:403KB) - 北陸財務局

News Release
平成 28 年 6 月 28 日
財務省北陸財務局
平成 28 年度予算執行調査の結果について
(6月公表分)
財務省は、平成 28 年度予算執行調査(計 52 件)のうち、調査を終了した 37 件の結果
を公表し、これらの調査結果について、平成 29 年度予算の概算要求や今後の予算執行に
確実に反映するよう各府省に要請しました。
上記のうち、北陸財務局は次の事案について調査の取りまとめを行いました。
調査結果は別添を御覧ください。
省庁名
文部科学省
調査事案名
国立大学法人等における遊休財産の有効活用
その他の事案の調査結果については財務省のホームページを御覧ください。
(http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2016/sy2806/2806b.htm)
(参考)予算執行調査とは
予算執行調査とは、財務省主計局の予算担当職員や日常的に予算執行の現場に接する機会の多い財
務局職員が、予算の執行の実態を調査して改善すべき点等を指摘し、予算の見直しや執行の効率化等
につなげていく取組みです。
【お問合せ先】 財務省北陸財務局
理財部 特別主計実地監査官 ℡ 076-292-7954
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総
調査
事案名
省庁名
(14)国立大学法人等における遊休財産の有効活用
文部科学省
組織
文部科学本省
括
調査対象
予 算 額
会計
調
査
票
平成 27 年度:1,094,546 百万円の内数
(参考:平成 28 年度:1,094,546 百万円の内数)
一般会計
調査主体
財務局
取りまとめ財務局
北陸財務局
① 調査事案の概要
② 調査の視点
【事案の概要】
平成 21 年度の予算執行調査では国立大学法人等が有する資産(総額 7 兆 4,300 億円)のうち、267 億が遊休財産と
認識されており、早期に利活用が実現しない財産は大学の収入確保のため速やかに処分を行うよう指摘。
今回の調査では、当時の指摘を踏まえた改善状況を確認するため、以下の点について調査を行うこととする。
・前回調査時に指摘した財産の処分状況の確認(利活用方策の検討、実施状況)
・各法人が現在保有している財産の、利活用状況、利活用の促進に向けた検討状況等
【調査項目】
各法人が保有する財産につい
て、以下の項目を調査。
(27 年 3 月
末時点の状況を調査)
【調査対象先】
国立大学法人:84、大学共同利用機関法人:4
※国立大学法人のうち、熊本大学及び大分大学は熊本地震の影響を考慮し、調査対象外とした。
【調査の対象となる財産】
国立大学法人等が保有する土地、建物のうち、
「遊休財産」である※と整理されるもの。
※調査にあたり、以下のいずれかの要件を満たす財産を「遊休財産」とする。
(なお、前回調査の「遊休財産」は②のみを要件としている)
① 1年以上利用実績がない
② 各法人において減損の兆候を認識している、又は減損を認識している
なお、減損(兆候を含む)を認識するためには、国立大学法人会計基準に則り、下記のようなケースに該当
する必要がある。
・建物の利用実績が当初想定の 50%未満となっており、全部又は一部の利用が想定されない状況
・土地の市場価格が 50%以下に下落し、回復の見込みがない
◆法人が有する財産の利活用実績
・前回調査のフォローアップ
(指摘のあった財産の処分状況)
・処分を予定している財産の
利活用状況
◆遊休財産の状況等
・遊休財産の状況
・減損を認識する基準
・遊休財産の維持管理費
◆利活用促進に向けた取組み
・利活用に向けた検討
・利活用が進まない理由
・利活用を進めるために考え
られる対策
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総
調査事案名
括
調
査
票
(14)国立大学法人等における遊休財産の有効活用
③ 調査結果及びその分析
④今後の改善点・検討の方向性
【法人が有する財産の利活用(売却、貸付等)の実績】
①前回調査で指摘した財産(27 年 3 月末時点で約 244 億円)については、1 割程度が未活用となっている。
②22 年度~27 年度の中期計画期間内に処分予定の財産(約 636 億円)については、その 3 割程度で利活用が進んで
いない。
【遊休財産の状況等】
27 年 3 月末時点において各法人が保有する財産約 6 兆 5,000 億円のうち、約 504 億円を遊休財産と確認した(上記
①及び②の一部を含む)
。なお、これらの財産の維持管理に要する経費は、総額で
利活用が進まない理由
年間約 2.3 億円となっている。
・ただし、減損(兆候を含む)基準の適用は法人の判断で定められているため、
実態と合わない利用率を想定しているなど、遊休財産の認識が甘くなっている
可能性があることに留意が必要である。
・また、建物等で全体の利用率が低いものの、一部が利用中であるため、遊休財産
と認識されず、十分な利活用が図られない事例もあった。
こうしたことから、504 億円以外にも、利用状況の精査や集約化の実施により、
遊休財産の更なる掘り起しが可能となると考えられる。
【利活用促進に向けた取組】
遊休財産に対する各法人の検討状況は、大学内部での検討が大半である。
利活用が進まない理由は「
(財産取得)需要がない」、「ノウハウに乏しい」
との意見が多く、各法人は単独の取組だけでは利活用が進まない状況である
と認識している。
利活用を進めるための対策として「
(処分に知見を持つ)他機関の活用」
「告知、PR 強化」等の意見が多い。個別大学では、公的機関に対する取得要望
の確認や不動産会社等の活用を進め、PFI 方式の活用や他法人との連携により
積極的に利活用を進めている優良事例もある。
利活用を進めるための対策
調査結果を踏まえ、以下の点につ
いて提案する。
遊休財産の認識の厳格化が必要。
利用率の想定の見直しや建物等の
集約化などを通じて、対象資産の洗
い出しを行う必要がある。
調査範囲を拡大した影響を除い
ても、前回調査時から遊休財産が増
加している現状を踏まえれば、長期
間利用実績が無い、利用率が低い財
産等は速やかに利活用を進めてい
くことが必要。
速やかな利活用を行うためには、
財産処分に知見を持つ財務局など
の他機関の積極的な活用を検討す
べき。
なお、遊休財産を利活用する場
合、PFI 方式の活用や他法人との連
携などにより利活用を進めている
優良事例を共有し、さらに 28 年 5
月の国立大学法人法改正に伴い、今
後文部科学省が示す資産活用の具
体的な基準を踏まえ、活かしていく
べき。