以上述べたように、部 落問題解決過程の到達点 企てに他ならない。 それを存続させるという からすれば、半永久的に は、本法律案には立法事 かっている現状において るものである。そうだと 大きく成熟したことによ 部落解放の客観的条件が 部落問題研 究 所 、 自 由 法 曹 団 が 「 部 落 差 別 解 消 法 案 」 で 声 明 に照らしてみても、総務 実がなく、時代錯誤であ 「部落差別の解消の推進に関する法 省自身の指摘によっ て ると言わざるをえない。 「同和地区」 (部落) を 失効とともに消滅した 02年3月に「特別法」 を築くことであり、20 っているのに、新たに壁 んどなくなった状態にな 「部落」外との壁がほと う こ と は、 「部落」 と 以上により、部落差別 解消推進法制定に反対す ない。 法を看過することは出来 最終的解決に逆行する立 とどまらず、部落問題の は認められないというに 実は存在せず、その必要 法」を必要とする立法事 のであり、過度の糾弾に の手がかりとなりうるも また、本法律案は、え せ同和団体の利権あさり る。 な障壁になり有害であ 問題の解決のための大き 固定化、永続化し、部落 問題による差別、偏見を のみならず、むしろ部落 日 公益社団法人・ 法制上復活させるという るものである。 よる人権侵害や不公正な 行政が行われた負の歴史 をふまえていないものと 言わざるをえない。 3 (略)本法律案は、 「情報化の進展に伴って 部落差別に関する状況の 変化が生じていること」 が立法理由として説明さ 反対する。 団は、この法律案に断固 律家団体である自由法曹 つよめることを目指す法 人権をまもり民主主義を いう事態も大きく減少す 由、結婚の自由の侵害と の 自 由、 居 住 移 転 の 自 傾向にあり、また、職業 事業の遂行によって改善 住環境等が、各種の同和 これは、部落差別の特 徴的な形態である劣悪な 対策事業は終結した。 され、2002年に同和 る。 対応することが可能であ するなど、既存の法律で バイダに対して削除請求 る法律)に基づき、プロ 発信者情報の開示に関す 損害賠償責任の制限及び ロバイダ責任制限法(特 差別的書き込みなどはプ れているが、ネットへの 2 部落差別問題につい ては、1982年、同和 るなど、身分的障壁を取 4 (略)本法律案に断 固として反対する。 対策特別措置法が廃止さ り除き、社会的な交流が 定電気通信役務提供者の れ、その後を継ぐ地域改 拡大する方向へと進み、 なるものであり、基本的 善対策特別措置法も廃止 1 (略)本法律案は、 部落問題の解決の障壁と 2016年5月 日 自由法曹団・団長 荒井新二 案に断固反対する声明(一部) 部落差別の解消の推進に関する法律 法案が時限法でないこと ことであって、しかも同 すれば、着実に解決に向 2016年5月 も、「 部 落 差 別 解 消 推 進 律案」制定に反対する決議(一部) 部落問題研究所 2 016年度定時総会 (前文略) 部落問題研究所は、創 立 周年記念事業として 「部落問題解決過程の研 究」に取組んできたが、 その中で戦後高度経済成 長の過程を通して部落問 題解決は大きく前進し、 それは不可逆な歩みであ ることを確認してきた。 これらをふまえてみて も、総務省の指摘は首肯 できるところである。 このような客観的な事 実があるにもかかわら ず、自民党などは、新た に「 部 落 差 別 解 消 推 進 法 」 を 制 定 し、 「部落差 別の実態」調査を行なう という。そもそも今から 年余り前の全国調査 (総務庁「平成5年度同 和地区実態把握等調 ・7 査」 ) によっ てみても同 和地区住民のうち %が同和関係以外人口、 つまり「部落」以外の住 民なのである。このよう な状態で「部落差別の実 態」の調査が果たして可 能であろうか。新たに法 律により「部落差別の実 態」調査を実施するとい 29 16:50:23 2016/06/27 4 新聞6月1161号-4.indd 58 24 60 20 (4) 7月号外 権 人 と 域 地 1972 年 9 月 18 日 (第三種郵便物認可 ) 2016年
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