大量置換オンラインHDFによりRLSが顕著に改善された1症例

大量置換オンラインHDFによりRLSが顕著に改善された1症例
はじめに
レストレスレッグス(RLS)治療においてオ
ンラインHDFが有用との報告が散見され
る。
上記治療を用いて症状改善を認めた一
症例を報告する。
症例
・77歳男性 難聴あり
・原疾患DM性腎症 透析歴10年
・4時間透析 Dw(46.5kg H27.1.2)
・27年6月より当院にて透析開始、転入時
より透析中下肢をバタつかせる症状が毎
回あり、突然ベッド上で立ち上がる危険な
行動も見られ、 RLS と推定された。
経過
治療条件
6/30
7/9
7/11
8/25
9/8
10/5
~当院透析開始(PN-180 HD)
~TDF17M OHDF(30L)
~ビ・シフロール内服開始
~FIX-170S OHDF(30L)
~補液量80Lへ増量
~間歇補液追加
大量置換への変更月から下肢症状(バタつき)の改善がみられ、三カ月後にはほぼ消失した。
透析中の訴えや危険な行動も無くなり、本人から「足良くなった」という言葉も聞かれ安全な
透析が行えるようになった。
RLS症状の減少とともに貧血症状改善の相関もみられた。
β2-MG・α1-MG
(g/dl)
120
100
α1(前)
80
α1(後)
60
40
β2(前)
20
0
8/18 ・25 9/8
β2(後)
10/5
11/10
12/8 ・15
1/19
FIX-170S
TDF-17M
OHDF-30L OHDF-80L
OiHDF-80L
Alb
(g/dl)
4.4
4.2
後
4
3.8
前
3.6
3.4
3.2
6/30
8/18 9/8
10/5
12/15
1/19
FIX-170S
TDF-17M
OHDF-30L
11/10
OHDF-80L
OiHDF-80L
考察
・これまでα1-MG除去率上昇がRLS症状改善に寄与すると推察されてきたが、
除去率の変動と必ずしも合致しておらず、除去率以外の要因が作用している
可能性が示唆された。
・他の要因としての、ビ・シフロールに関しては前施設でも否定的な判断がなされ
ており、今回のRLS症状改善に作用したとは考えにくい。
結語
RLS症状の改善に大量置換オンライン
HDFが効果を示す一例を経験した。