GKH020505

59
日本人成人英語学習者の複合
wh一
疑問文の習得 について
吉
〔
要
田
智
佳
旨〕 本稿 は日本人成人英語学習者が複合 wh一
疑問文 をどのような過程で習得 し
てい くのかを考察 し,その習得モデルを構築 しようとするものである。 日本人大学生を
対象に文法性判断テス トを実施 したところ, a-dのような異なるタイプの文を正 しい
と判断する結果が得 られた (*は非文法的な文であることを示す)
0
a.*
Doy
o
ut
hi
nkhes
a
wwh0
7
b.*
Doy
o
ut
hi
nkwhohes
a
w?
C.*
Wha
tdoy
o
ut
hi
nkwhohes
a
w?
d.Wha
tdoy
o
ut
hi
nkhes
a
w?
これらの異なるタイプの複合 wh一
疑問文は,(i)wh一
素性 と (i
i
)埋込み節および,
OMP)にある Q素性を習得 してい く段階で生 じる中間言語であることをコン
主節の C (
ピュータをモデルにした言語習得装置を想定することにより説明する。
〔
キーワー ド〕 言語習得装置,第二言語習得,普遍文法,パラメータ,複合 wh一
疑問文
0
.はじめに
本稿 は, 日本語 を母語 とす る成 人英語学 習者
(
1
8
歳 ∼2
2
歳)が複合 z
L
)
h一
疑 問文 を どの よう
に習得 してい くのか を普遍文法 (
以降 ,UG)の立場 か ら考察す る ものである。 日本 人英語学
(
1
5
8
名) を対象 に複合 z
L
)
h一
疑問文 に関す る文法性判 断 テス トを実施 した ところ,非文法
的な (a) タイプの文 に関 しては,ほ とん ど正 し く,「
非文法 的で ある」 との解答が得 られた。
非文法 的 な (b)- (C) タイプの文 に関 しては,「
文法 的 に正 しい」 と誤 った判 断 をす る傾
習者
向が見受 け られた。 また, (b) タイプ と (C) タイプでは,(b) タイプを文法的に正 しい と
tdoyo
ut
hi
nk
判断す る傾 向が強 く, (C)を文法的 に正 しい と判断 した事例 のほ とん どが wha
z
L
)
h一
句 -の形式 で あったo (
それぞれの wh一
移動 の タイプを各文 の右 隣 に記すo) また, (d)
に関 しては,正 しい判断 を下す傾 向がやや強 く観察 された。
(a) *
Doyo
ut
hi
nkhes
awwho
?
nowhmovement
(b) *
Doyo
ut
hi
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i
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c
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(C) *
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W
ut
hi
nkwhohes
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(d) W
h odoyo
ut
hi
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par
t
i
alwhmovement
f
ul
1
wh mo
ve
me
nt
60
天 理 大 学 学 報
疑問文 は, (1)wh一
素性 と, (2)機能範時の
本稿 では,これ らの異 なるタイプの複合 wh一
以 降,C) にあ る Q 素性」 を示す) に関す る習
素性 (ここでは 「
埋込 み節,主節 の COMP (
得段階の違いによって説明 されることを論 じる。つ ま り,学習者 は学習言語 (
あるいは第二言
(
「
強い」か,「
弱い」か) をまず習得 し,その後,埋込 み節 の C にあ
(
「
弱い」 か,「
強い」か)の習得 を経 て,主節の C にある Q 素性 を習得 してい くと
素性
請) にお ける wh一
る Q 素性
考 え られる。 この習得過程 を言語習得装置 (
LAD) をコンピュー タに見立 て,複合 wh一
疑問
文の習得段階モデルを提案す る。
1.母 語獲 得 と第二言 語 習得 の メ カニズム
幼児 は,人間の言語であれば刺激 として与 えられるどんな言語であれ習得す る。 これは人間
にどんな人間の言語で も習得で きる能力が生 まれつ き備 わっているか らである。つ ま り,言語
を習得 で きる能 力 が遺伝 的 に備 わ って い るの で あ る。 この能 力 を 「
言 語機 能 (
l
angua
ge
f
ac
ul
t
y)
」 と呼ぶ と,人間が生 まれなが らに して 「
言語機能」 を持 ってい る と言 える。「
言語
機能」 は言語全般 に共通 して見 られる特徴,つ ま り,言語全般の知識であ り, これを記述 した
ものが普遍文法 (
Uni
ve
r
s
a
lGr
ammar-UG)である。
幼児が短期 間に刺激 として与 えられる言語 を容易 に習得で きるのはこの知識があるが故であ
Lang
ua
geAc
qui
s
i
t
i
o
nDe
vi
c
e-I
J
AI
)
) とみなす ことがで きる。
り, これ を 「
言語習得装置 (
この装置 に,ある個別言語が入力 として与 えられると,その言語の個別文法が出力 として得 ら
れることになる。
(1) 母語の獲得モデル
画
L1da
t
a(
I
nput)-
一 ag
r
amm ar(
out
put
)
[
I
nput
<Out
put
]
第二言語習得の場合 は, この LAD が (i)第二言語習得 においては働かない とする立場 (
-
(2)) と,(i
i
)第二言語習得 において も働 くとす る立場 (
- (3)
)がある。 (i)の立場 は
成人の言語習得 については次の点 に着 目する。第一 に,幼児が通常の言語環境 にあ り,かつ,
重度の脳障害等がない場合には言語習得 は均一的になされ,差異 はほ とんど見 られないのに対
し,成人 による言語習得 の場合 には個人差がみ られる。第二 に,成人が習得す る言語の最終段
階の状態はその言語の母語話者の もの とは異 なる場合が多い。 これ らの理由か ら言語習得 には
臨界期が存在す るとされ,普遍文法 は臨界期後 は機能 しない とし,次の説 を主張する。
(2) 第二言語習得仮説 (Ⅰ)-NoAc
c
e
s
sHypo
t
he
s
i
s
LAD は臨界期 を過 ぎる と機能 しな くなる。成人が第二言語 を習得す る場合,元 にな
るのは母語であ り,機能す るのは LAD以外 の他 の認知機能 (
情報処理能力や,問題
解決能力等)である。 したが って,学習者 は第二言語 を入力 を超 える範囲では習得で
きない。 また,習得 した第二言語 には母語か らの転移が見 られる。
L1da
t
a+L2da
t
a(
I
nput
)
L2g
r
ammar(
Out
put
)
†
[
I
nput
=0ut
put
]
Co
g
ni
t
i
vef
ac
ul
t
i
e
so
t
he
rt
ha
nLAD
61
日本 人成人英語学習者の複合
z
L
)
h一
疑問文の習得 について
一方 ,(
i
i
)の立場 (- (3)
) は,第二言語の学習者が入力か らだけでは学習不可能 と思 わ
れる文法 を習得す る点に着 日し,次の説 を主張す る。
(3) 第二言語習得仮説 (Ⅱ)-Ful
lT
ra
ns
f
e
r
mul
l
Ac
c
e
s
sHy
po
he
t
s
i
s
LAD は幼児 の母語獲得の場合 と同様 に臨界期以降の成人の言語習得 に も機能す る。
ただ し,初期設定 におけるパ ラメータの値 は母語の設定 になっている。学習者 は母語
の統語的お よび形態的特徴のいかんに関わ らず,入力 を超 えた範囲での第二言語習得
が可能である。
L1da
t
a+L2da
t
a(
I
nput
)
-匝頭- L2grammar(
Out
put
)
[
hput
<0ut
put
】
(3)の習得仮説 に基づけば,学習者の中間言語の文法 はパ ラメータの値が母語の設定値か
ら学習言語の値へ と変更 されることによって説明 される。
2.理論的枠組み
2. 1.Mi
nl
ma
li
s
tProgr
am
本稿では,(3) の Ful
lTr
ans
f
e
r
nul
l
Ac
c
e
s
sHypo
he
t
s
i
sの立場 を採 り,考察 を進める。ま
た,理論的枠組み として Cho
ms
ky (
1
995)の Mi
ni
ma
li
s
tPr
o
g
r
m (
a
以降,MP) を想定す る
MPでは計算体系のすべ ての面 において 「
必要最小 限」の要素 と操作のみ を用いて文法 を構築
L
)
h移動 を例 にとれば,wh一
移動 は従来 は 「
Mo
ve α
しようとする。た とえば,本稿 で関わる z
(
任意の要素 を任意の場所 に移動せ よ)
」 とい う規別 によ り,z
L
)
h一
句全体 に適用 された. とこ
ろが ,wh一
移動 に関与する要素は wh一
句 の中にある wh一
素性だけであ り,その他の要素 (
人称,
w
h
一
移動
は
z
L
)
h
一
素
性,数,檎)に関わる情報 は無 関係 なため,「
必要最小 限」の原理 に従 えば
Mo
ve
性だけに適用 されると仮定 して よいことになる。 したが って,MPでは移動 は素性移動 (
。
F) だ と仮定す る。 ところが,この素性移動 も自由に行 われるわけではな く,素性照合 される
ために,照合可能な位置へ移動 しなければな らない とい う厳 しい条件 (4)が課 される。
(4) 素性照合
素性照合 は,一定の限定 された領域でのみ可能であ り,その領域 とは指定部一主要部
の関係,主要部一 主要部の関係が成 り立つ領域である。 したが って,顕在的移動では,
要素が指定郡へ移動 され,照合が行 われる。 (
主要部が主要部へ移動 される主要部移
動 による照合 もある)
。非顕在的移動では,素性 だけが主要部 に移動 され照合が行 わ
れる。
(
中村他 ,2
01:1
5
1
)
2. 2, 日本語 と英語の wh疑問文
移動 に関す る素性の違いは (5)の とお りである,
E
]本譜 と英語の wh一
62
天 理 大 学 学 報
(5) 日本語 と英語の相違点 (
C に伴 う素性 について)
u
J
h素性
Q素性
英語
強い(
(
主要部への)移動が要求される) 強い(
したがって,(
指定部-の)
移動が要求される)
(5)の表 に示 されるように, 日本語 の Q素性 は弱 いので,ぴん一
句 の顕在 的移動 は要求 さ
れないため,その ままの位置 にとどまる (
- (6 a))。一九 英語の場合 は Q素性が強いため,
wh一
旬 は指定部の位置への移動が要求 される。そ うでなければ,wh旬 内の wh一
素性が照合 さ
- (6b)
)
。
れないか らである (
(6) a.彼 は何 を見 ましたか ?
CP
///
〈 、
\-- \
TP
///
DP
l
ka一
e
ha
C[
wQ】
卜 wh】
〈 \\ - \
\
T'
/
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\- \
VP
DP
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ー
\
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V
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t
a
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hi
[
-wh】
b.W
h atdi
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e
e
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CP
\\--\\
C'
//
\ 1 -\ \
TP
C[
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Q二
l
[
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l
/
〈
di
d
DP
∫
\
T'
Ⅴ-
L
--\
p
s
e
e
t
wh
a
t
日本語の複合 wh疑問文 は (7a) に示 されるように,wh一
句 は移動せず,その位置 に とど
wh-i
ns
i
t
u)が,一方,英語の複合 wh一
疑問文 は (7b) の ように,wh一
句 の長距離移
まる (
動 によって派生 される。
63
日本人成人英語学習者の複 合
wh一
疑問文の習得 について
(7) a.(
あなたは)彼が何 を見 た と思い ますか ?
CP
C'
T
P
Ct
wQ】
Lwh】
T
●
k
a
・1
、
、
、
、
DP
V
P
、、→
ー
V
‡
C
P
葛≡
岳
C'
T
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o
■
巴
≡
⊇
i
i
i
i
i
⊆
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ヨ
⊇
lt
V
P 芦I
葛
5
i
i
⊆
己
P
V
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C
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CP
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l
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P
L
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Ⅴ
t
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CP
t
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l
l
a
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C
[
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T
s
a
w V
▲
Ll
"
VP
DP
t
h
a
t
w
3.先行研 究
3. 1.山根 (
2
0
0
3
)
山根 (
2
0
0
3
)では, 日本 人成人英語学習者 による wh一
疑問文 は (
8a) タイプ (
-f
ul
lwhmo
ve
me
nt
) に次 いで,(8b) タイプ (
-par
t
i
al whmo
ve
me
nt
)が多 く産出 された と報告
され,(8C) タイプ (
-i
mpe
r
ec
f
t whmo
ve
me
nt
)の事例 は報告 されてい ないD (8b) タ
イプは母語 (日本語) に も学習言語 (
英語) に も存在 しない事例 であるが, ドイツ語方言 に見
られ るパ ター ンであるこ とを根拠 に UG に従 うとし, (i) と (i
i) にあるような日本語 の特
徴が学習言語 (
英語) に転移す ることによって派生 される と主張す る。
(i) 英語 における主節 の C (
OMP)が習得で きている
(i
i) 母語 の wh一
句 の特徴 (
つ ま り, 目に見 える (
is
v
i
bl
e)wh一
句 その もの と,wh一
素性 が
s
e
par
abl
e)である)
母語である E
j本譜では分離可能 (
64
天 理 大 学 学 報
(8) a.W
h odoyo
ut
hi
nkhes
aw?
u1
f
1
whmo
ve
me
nt
h atdoyo
W
ut
hi
nkwhohes
aw?
b.*
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i
alwhmovement
c.*
Doyout
hi
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i
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Doyout
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movement
nowh-
(9) 日本語
anat
awa kar
e
一
ga dar
eo mi
t
a
you
he
who
s
aw
t
o
omo
i
mas
uka
Q
COMP t
hi
nk
(
1
0) 英語
W odoyo
h
ut
hi
nkhes
a
w?
/
*
Doyout
hi
nkwhohes
aw?
/
*
h atdoyout
W
hi
nkhes
aw?
(
ll
) ドイツ語 (
南部方言)- pa
r
t
i
alwhmovement
a.Was l
gaubt Hans ni
t we
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b j
e
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z
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ht
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t
h whom Ja
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Jako
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Hans wi
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C.*
Was ve
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ht Hans we
n z
u bes
t
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c
he
n?
what t
r
i
e
s
Hans who
m t
o br
ibe
(
1
2)
(
wat
anabe,1
992:285)
l
cp l
I
P・
・
・
Whphrasei
・
・
・
]l
c
o
ka]Opi
]
ドイツ語方言の ような言語では,(
l
la)の par
t
i
alwhmovementの ような wh移動のオプ
句が埋込み節の CP指定部 に移動 し,主節 の CP指定郡 は作用域
シ ョンがある.つ ま り,wh一
s
c
o
pemar
ke
r
) となる u
'
as(
what
) によって占め られるo この タイプの言語では
のマーカー (
(
l
lb) に示 されるように,主節の Cは ドイツ語では wh一
素性 を持つ ため作用城のマー カー
が なければ非文法的になる。 また, ドイツ語方言 の非定形節の場合 は CP指定部が ないので
par
t
i
alwhmovementは起 こらない (
Mc
Dani
e
l
,1
986)
O
日本語の wh一
疑問文では,wh一
素性が弱いため,wh一
句 その ものは移動せず ,wh一
素性 のみ
wat
anabe,1
992)
.一方,英語の wh一
疑問文の場合 は wh一
素
が CP指定部 に移動す るとい う (
旬 その ものの統語的移動が要求 されると説明する.
性が強いため,wh一
ここで山根 (
2
0
0
3) に従 って整理 してお く。
(
1
3) 3言語 (日本語 ・英語 ・ドイツ語 (
方言))間の違い
日本語
機能範噂の素性
埋込み節の Cにある Q素性
弱い
英 語
強い
ドイツ語 (
方言)
強い
2
0
0
3)は母語 (日本語)の wh一
句 とwh素性が分離す る とい う特性 (
s
e
par
abi
l
i
t
y)
山根 (
日本人成人英語学習者の複合
6
5
wh一
疑問文の習得 について
が学習言語 (
英語)の複合 wh一
疑問文 を習得す る際 に転移 し,その結果 ,pa
r
t
i
alwhmo
ve
me
nt
タイプの文が中間言語 として産出 されると主張す る。まとめると次のようになる。
i) 完全 な母語 の転移
C にある wh一
句 の弱 い wh一
素性 が wh一
句 と分離す る
C にある Q素性 が弱 いため,
)統語移動 は起 こ
が, (
らず ,wh一
句 は生成 されたその位置 にとどまる (日本
語)
i
i
) 母語 と学習言語の中間言語
C にある強い Q素性 (
英語) +u
)
h一
句 と分離す る u
'
h一
素性 (日本語) - (ドイツ語方言)
i
i
i
) 完全 な学習言語 の習得
Cにある Q素性 は強 く,wh一
素性 は wh一
句 と分離 し
ない (
英語)
3. 2.問題点
山根 (
2
0
0
3)の分析の問題点 として,次の (
1
4a-b)の 2つが挙げ られる。
(
1
4) a. (8 C) タイプの i
mpe
r
f
e
c
twhmo
ve
me
ntは観察 されなかったのか。
b.Wa
t
ana
be(
1
992)が主張する母語 (日本語)の u
)
h素性の可分性 (
s
e
pa
r
a
bi
l
i
t
y)
が学習言語 に転移すると仮定 して, どの ようなタイプの pa
r
t
i
al wh一
疑問文が観
察 されたのか。仮 に,山根 (
2
0
0
3)の仮説が正 しい とすれば,理論上,主節の節
頭 にはさまざまな タイプの wh一
句が生 じる可能性がある。なぜ ,wha
tとして具
現化 されるのか。
これ らの問題点 を明確 にするために, まず,予備実験 を行 う。
4.予備実験
4上 1.実験方法
先行分析 の問題点 を明確 にす る手続 きとして, 日本人成人英語学習者 (
1
8歳 ∼2
2
歳) 1
6
3名
(
1
)
を対象 に,複合 wh一
疑問文 に関す る文法性判 断テス トを行 った。 このテス トは全文で2
3
文あ
り,中学校初学年程度の簡単な文法 を用 いた文 と wh疑問文 を合 わせ て1
2文 と,ターゲ ッ ト
となる文11文 (
-(
1
5
)
)か らなる。被験者 は英文 を一読 し,正 しい と思 うもの には○ を,お
か しい と思 うものには自分が正 しい と思 う文に書 き直す ように指示 された。 ターゲ ッ トは無作
為 に混ぜ合わせ られ,実験 に要 した時間は2
0
分であった。
(
1
5
) 文法性判断テス トのターゲ ッ ト (*は非文であることを表す)
A.f
ini
t
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e
dde
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C)(
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C)
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4.*
66
天 理 大 学 学 報
5.*Doyout
hi
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6.*
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W
ut
hi
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r
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o
n
u dt
hec
at
?
4. 2.予備 実験 結 果
予備 実験 の結 果 を (
1
6) の一 覧表 に示す 。
(
1
6) 実験 結果
1
FEC(
C)
b
ar
e
3
0
*9
8
2
0
1
1
2
2
3
FEC(
C)
b
a
r
e
*3
0
★48
2
0
1
9
5
1
2
2
5
FEC(
0)
b
a
r
e
*3
5
8
☆4
6
9
2
4
1
2
2
7
FEC(
0) c
o
mpl
e
x
*1
9
1
0
☆5
3
3
7
3
1
2
2
8
FEC(
0) c
o
mpl
e
x
*2
9
★4
8
2
1
1
9
5
1
2
2
9
FEC(
S) c
o
mpl
e
x
*2
0
1
5
☆3
5
41
l
l
1
2
2
(
荏) FEC-定 形 埋 込 み 節 ; (
C) -補 語 ; (
o) -o
b
j
e
c
t; (
S)-s
ub
j
e
c
t; (
A)-a
d
j
unc
t;
句 ;c
o
mpl
e
x-2語以上か らなる wh句;
ba
r
e-1語か らなる wh*はターゲ ッ ト文の正答 (
パ ター ンの)敬 ;
★はp
a
r
t
i
lmo
a
ve
me
ntが i
mpe
r
f
e
c
tmo
ve
me
ntよ り多い箇所 ;
☆はi
mpe
r
f
e
c
tmo
ve
me
ntが多い箇所
表 (
1
6) か ら,No
.
3, 4, 8,l
l(
★ 印箇 所 ) を除 け ば,与 え られ た例 文 を書 き直 す 際 に
もpar
t
i
alz
J
)
hmo
ve
me
ntの形式 で はな く, む しろ i
mpe
r
f
ec
twhmo
ve
ntの形式 を多 く用 いて
いる (
☆ 印箇 所 )。pa
r
t
i
alwhmo
ve
me
nt形 式 の事例 の 中で は ,whatで始 まる形 式 が 大 部 分
67
日本 人成人英語学習者の複合
u)
h疑 問文 の習得 について
(
2
)
1
7
)に示す通 りであ る。
を占めてお り,その内訳 は (
(
1
7
) pa
r
t
i
a
lu
)
hmo
v
e
me
ntの内訳 (%)
例文番号
wha
t
p
a
t
t
e
r
n
who
p
a
t
t
e
r
n
ba
r
e
c
o
mp
l
e
x
No
.
4
2
9
.
6
6
6
.
7
3
.
7(
ho
w)
0
No
.
5
7
5
.
0
1
2
.
5
1
2
.
5(
ho
w)
0
No
.
6
6
6
.
7
3
3
.
3
0
0
No
,
7
1
0
0
0
0
0
No
.
8
1
0
0
0
0
0
No
.
9
8
8
.
8
0
0
l
l
.
2
No
.
1
0
9
0
.
0
0
1
0
.
0(
h
o
w)
0
(
荏) 表内の数字は使用 された p
a
r
t
i
a
lwhmo
v
e
me
ntの中でそれぞれのパ ターンが占めるパーセン
テージを表 している。
表 (
1
7
)か ら学習者 に とっての pa
r
t
i
a
lt
〟
九一
mo
ve
me
ntの典型 的 なパ ター ンは wha
tで始 ま
る ものであ る こ とが分 か る。 もし, 山根 (
2
0
0
3
)の主張す る ように,pa
r
t
i
a
lu
)
hmo
ve
me
nt
が 日本語 の
∽九一素性 の可分性 が学 習言語
(
英語 ) に転 移す るの だ とす れ ば,理論 上 ,wha
t以
外 に もさまざまな u)
h一
句 が文頭 に くる可 能性 が あ るはず で あ る。 ところが, 山根 (
2
0
0
3
)で
は wh
a
t以外 の u)
h一
句が文頭 に現 れ る事例 につ いては まった く報告 されてい ない。 この予備 実
験 か ら得 られたデー タを見 る限 り,実際 に出現 したの は圧倒 的 に wh
a
tで始 まる ものが 多 く,
他 の u)
h一
句は (
N0
.4で は whoが 多 い) ほ とん ど出現 しなか った こ とか ら,(
1
8a-b)の可
能性 が予測 され る。
(
1
8) a.Wha
tdoyo
ut
hi
nk… が何 らかの点で語菜 的 にま とまった もの として学習者 に認
識 されてい る。
b.u
)
h一
素性 を持 つ典型 的 な語菜 は wh
a
tで あ る (また ,wha
tと whoは同 じタイ プ
の もの) として学習者 に認識 されてい る。何 を使用す れば よいのか分か らない と
きは とにか く u
)
h一
素性 を持 つ語句 の典型 と思 われ る wh
a
tを使用す るD
5.仮説
ここで は Fu
l
lTr
a
ns
f
e
r
qul
lAc
c
e
s
sHypo
t
he
s
i
sに基づ いて,複合 wh疑 問文 が どの
ような
3
R
I
E
過程 で習得 され るのか を説 明す るため に, よ り具体 的 な (
21)の習得 モ デル を想 定す る。母語
獲得 を本稿 で は次 の ように解釈 す る。あ らゆ る言語 の特徴 の和 集合が普遍文法 の 中に表 (
配列
の ような もの) として用意 されてお り,値 と してすべ ての項 目に 0 (
初期値)が記述 されてい
る。 この初期値 を獲得 言語 の値 に変更す る こ とに よ り,言語獲得 が な され る と考 える。 た とえ
ば,入力 として E
]本語 デー タばか りが入力 され る こ とに よ り,u
)
h一
素性 の 「
弱 い」 の項 目に 1
68
天 理 大 学 学 報
wh素性 の 「
強 い」 の項 目は 0の ままであ る)o また,埋 込 み節 の
が記述 され るこ とになる (
Cお よび,主節 の C にあ る Q素性 の値 もそれぞれ (
1
9) にあ る ように,0か 1かの どち らか
の値 が記述 され る。一方,英語 デー タばか りが入力 され る と wh一
素性 の 「
強 い」 の項 目に 1
が記述 され,それ に応 じて主節 の Cの項 目に 1が記述 され る。 この よ うな 0, 1の並 びが個
別文法である と考 える。
(
1
9) 母語の獲得 モデル
wh素性
埋 込み節 内の C にあ る Q
素性の強さ
主 節 の C にあ る Q
素性の強さ
弱い
強い
弱い
強い
弱い
強い
初期状態の
0
0
0
0
0
0
出力 (
日本語)
1
0
1
0
1
0
出力 (
英 語)
0
1
0
1
0
1
(
20) 第二言語習得 モデル
素性の強さ
素性の強さ
弱い
強い
弱い
強い
弱い
強い
日本語 (
母語)
1
0
1
0
1
0
英語 (
第二言語)
0
1
0
1
0
1
出力 (
中間言語)
0
1
1
1
1
0
(
21
) 第二言語習得段 階モデル
wh素性
埋 込み節 内の C にあ る Q
素性の強さ
主 節 の Cに あ るQ
素性の強さ
弱い
強い
弱い
強い
弱い
強い
日本語 (
母語)
1
0
1
0
1
0
英語 (
第二言語)
0
1
0
1
0
1
出力 1(
中間言語)
1
0
1
0
1
0
出力 2(
中間言語)
0
1
0
1
1
0
出力 3(
中間言語)
0
1
0
1
0
1
出力 4(
中間言語)
0
1
0
1
0
1
第二言語習得 の初期状態 は母語獲得 の場合 とは異 な り,既 に学習者 は母語 (日本語)の数列
日本人成人英語学習者の複合
6
9
u
)
h一
疑問文の習得 について
を表中に持 ってお り,第二言語 (
英語)のデータが入力 されると,新たな数字の並びを表の新
たな行 に獲得 してい くと考える。そこで,表 には母語 と第二言語の数列のための行,さらに現
在の第二言語習得 の状態 を表す数列のための行が用意 される。そ して,その用意 された行 に学
習者の現在の学習状態が記述 され,その出力 (
得 られた 0, 1の並 び)が,その学習者の 「中
間言語」の文法であると仮定する。
(
2
0)の第二言語習得モデルに基づいて,第二言語習得段階モデルを仮定すると (
21)のよ
うになる。このモデルを用いて,複合 wh一
疑問文の習得 について次のように考える。
(
2
2) a.*
Doyo
ut
hi
nkhes
a
wwho
?
b.*
Doyo
ut
hi
nkwhohes
a
w?
h a
W
tdoyo
ut
hi
nkwhohes
a
w?
C.*
d.W
h odoyo
ut
hi
nkhes
a
w?
nowhmo
vme
me
nt(
出力 1)
i
mpe
r
f
e
c
twhmo
ve
me
nt(
出力 2)
pa
r
t
i
alwhmo
ve
me
nt(
出力 3)
f
ul
lwhmo
ve
me
nt(
出力 4)
まず,複合 wh疑問文 も幾つかの段階を経て習得 されてい くと仮定する0第一段階は,wh一
素性,埋込み節お よび,主節の Q素性のパ ラメータ値は母語の設定の ままであ り,母語の特
素性 は素性照合のために顕在的
徴がそのまま学習言語 に反映 される段階であるO「
弱い」wh弱 く」,主節の C
に移動する必要はない。その結果,埋込み節の C にある Q素性 は理論的に 「
にある Q素性 も 「
弱い」 と考 えられる。その結果,出力 1 (
- (
2
2a))が得 られる。
素性のパラメータ値が母語から学習言語の値 に変更 された段階である。
w
h
一
第二段階は,wh素性の値が 「
強い」 に設定 されると,wh一
素性は素性照合のため,顕在的移動が要請 される。
その結果,埋込み節の CP指定部へ移動 し,そこで埋込み節 Cにある Q 素性 と照合 される。
強い」 と考 えられる。その結果,出力 2 (
(
-2
2
したがって,埋込み節の C にある Q素性 も 「
b)
) が得 られる。
第三段階は ∽九一
素性 と埋込み節の C にある Q素性 の双方のパ ラメー タ値 が学習言語 (
英
請)の設定に変更 され,かつ,主節の C にある Q 素性 も学習言語の設定 に変更 された段階で
素性は埋込み節の CP指定部 に移動 し,そこで照合 される。 ところが,
ある。その結果,∽九一
主節の C にある Q 素性 も 「
強い」ため,何 らかの wh一
素性 との素性照合が必要 となるO こう
した必要性が学習者 にぴん一
句 を入れさせる要因になると考える。
第四段階はどの項 目も値は学習言語の値 に変更 された段 階である。つ ま り,埋込み節の C
にある Q素性 は 「
強 く」,主節の C にある Q素性 も 「
強い」 ことが習得 で きているのである。
したがって,wh一
素性は埋込み節の CP指定部では照合 されないために,主節の CP指定部 に
疑問
移動 し,そこで主節の C にある Q素性 と素性照合 される。この段 階で ようや く複合 ∽九一
文 を正 しく習得で きたことになる。
6.本実験
本実験の目的は,上記の仮説 を検証することにある。つ まり,(
2
2a-d)の異なるタイプの
素性 と機能範暗 Cに伴 う Q素性の習得段 階によって説明 されることを
複合 wh一
疑問文は wh一
示す ことである。 したがって,実験によって調査 したい点は次の 2点である。
(
23) a.複合 wh一
疑問文の習得段階の一つ として埋込み節の C にある Q素性が 「
強い」
段階があることを示す根拠が得 られるか。
b.par
t
i
alwhmo
ve
me
ntの形式 において, どの ようなタイプが被験者 にとって正
70
天 理 大 学 学 報
しい と直観 的に判断 されるか。
強い」 と仮定 したが,それ を裏
上記 の仮説 では,理論 上,埋込 み節 の C にあ る Q素性 が 「
付 けるためには,pa
r
t
i
l wha
mo
ve
me
ntタイプの事例 で,埋込み節 内に do
I
S
uPPO
r
tが現 れる
か どうか を調べ なければな らない。 もし,それ らの事例 が観察 されれば,習得過程のある一段
階 において,埋込 み節 の C にある Q素性 は 「
強い」 とい う可能性 を示す ことになる (
- (
2
3
a))。なぜ な ら,do
s
uppo
r
tが現 れ る とい うこ とはそれが含 まれ る節 が主節 であ る可能性 を
示す ことになるか らである。「
主節である」 とい うことはその C
P主要部 にあ る Cの Q素性 は
「
強い」 ことを示唆す ることになる。
次 に,(
2
3
b)については,par
t
i
l wha
mo
ve
me
ntの形式で どんな wh一
句が文頭 に現 れるか
に よって,L
I
J
根 (
2
0
0
3) を検証 す る こ とが で きる と思 われ る。つ ま り, さま ざまな wh一
句が
生 じれば,山根 (
2
03)の分析が妥当であることを示唆す ることになる。一方,限 られた タイ
プの wh一
句 しか生 じない場合 には,何 らかの理 由が そ こにあ り,その理 由か ら学 習者 の習得
過程 の糸 口が得 られるか もしれない。
6. 1.実験方法
日本 人大学生 (
1
8歳 ∼2
2歳)1
5
8名 を対象 に,複合 wh一
疑 問文の文法性判 断テス トを行 った。
詳細 な調査 が必要であったため,問題数 としてはか な り多い8
3文 (ターゲ ッ ト文4
8文 とフィラ
ー3
5文)が被験者 に与 え られ たO被験者 はそれ らの英文 を一読 し,「いい英文 だ と思 えば○ を,
そ うでなければ ×を (
解答欄 に)書 き入れ る」 よ う指示 された。その際 に,「
直観 で答 える こ
と」,「
解答が首尾一貫 していな くて も構 わない こと」が強調 された。文法性判断テス トの ター
ゲ ッ ト文 (*は非文) を (
2
4)一 (
2
9)に挙 げる。
、
い
(
2
4) 出力 1タイプ (
nowhmo
ve
me
nt
)
*
Doyout
hi
nkhes
awwho
?
(
25) 出力 2タイプ (
i
mpe
r
ec
f
twhmo
ve
me
nt
)
a.*
Doyo
ut
hi
nkwhe
nJa
n ew
il
lc
o
mebac
k?
b.*
Doyo
ut
hi
nkwhe
r
ehebo
ughthe
rapr
e
s
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nt
?
C.*
Doyout
hi
nkwhobui
l
tt
hatho
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?
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Doyout
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Doyo
ut
hi
nkwhoyo
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t
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Doyo
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tni
ght
?
g.*
Doyo
ut
hi
nkho
wma
n yc
o
o
ki
e
sheat
e
?
(
26) 出力 3タイプ (
pa
rt
i
l wha
mo
ve
me
nt
)
a.*
h odi
W
dJo
m s
l
aywhyt
hepl
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C.*
Ho
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Wha
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hi
nkho
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ds
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m?
日本人成人英語学習者の複合
wh一
疑問文の習得 について
f.*
W
h atdoyo
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hi
nkho
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W
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h atdoyout
hi
nkwhati
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nt
hebo
x?
k.*
W
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hi
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1.*
m.*
W
h atdoyo
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hi
nkwho
s
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si
nt
hebas
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t
?
n.*
W
h os
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Wha
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Whodoyo
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Whodoyo
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W
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S.*
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W
h Odoyo
ut
hi
nkho
wmanyc
o
o
ki
esheat
e
f
ul
lwhmo
ve
me
nt
)
(
27) 出力 4タイプ (
a.W
h e
ndoyo
ut
hi
nkJanewi
l
lc
omebac
k?
b.W
h odoyo
ut
hi
nkbui
l
tt
hatho
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e
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C.W
h atdoyo
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o
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nkheat
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h.W
h os
ebal
ldoyo
ut
hi
nki
si
nt
hebas
ke
t
?
(
2
8) (
2
3a)の調査用 (Ⅰ)
a.*
h atdi
W
dJo
hns
a
ywhydi
dt
hepl
anec
r
as
h?
h atdoyo
W
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hi
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h Odoyo
W
ut
hi
nkho
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o
o
ki
esdi
dheeat
?
f.*
(
29) (
2
3a)の調査用 (Ⅱ)
a.*
Ho
wc
oul
dhes
ol
vet
hepr
o
bl
emwha
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hi
nk?
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C.*
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W
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hi
nk?
f.*
Ho
wmanyc
o
o
ki
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dheeatwhatdoyo
ut
hi
nk?
71
天 理 大 学 学 報
72
6.2.実験結果および考察
実験結果 を (
30)- (
36) の表 に示す (
表中の数値 はパ ーセ ンテージを表す)0
(
30) (
23a)の調査事例 (Ⅰ)
e
xampl
e
s
○
No.
2
8
t
ype
wht
p
y
h
p
r
e
as
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a
FEC(
A)
bar
e
Wh
c
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8 6
4.
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6 1
0
0
b
FEC(
A)
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o
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atd
ba
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hi
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0.
3 7
9.
1 0.
6 1
0
0
C
FEC(
A)
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8.
5 7
0.
3 1
.
2 1
0
0
d
FEC(
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bar
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Wh
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t
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oy
y?o
ut
hi
nkwhodi
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日本人成人英語学習者の複合
wh一
疑問文の習得 について
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出力 3]
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日本人成人英語学習者の複合
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疑問文の習得 について
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実験結果か ら確認すべ き点 をもう一度 ここで繰 り返 してお く。
疑問文の習得段階の一つ と して埋込み節 の C にある Q素性が 「
強い」
(
23) a.複合 wh一
段階があることを示す根拠が得 られるか。
b.par
t
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L
,
hmo
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ntの形式 において, どの ような タイプが被験者 に とって正
しい と直観的に判断 されるか。
まず, (
23a) については,次の点,つ ま り,「
埋込み節 に do
s
uppo
r
tが含 まれた事例 を文
法的に正 しい文であると判断す る学習者がいるか どうか」 を見 なければならない。
30)- (
31)の表中の事例 とそれ らの出現率 を見 よう。
(
23a) を確認す るために, まず, (
学習者はこれ らの文 を非文法的であ ると判断す る傾 向の方が強いが, (
30f) を除いて少 な く
(
5
)
とも20.
3%以上 (
多 くて (
30e) の36.1%)の学習者が文法的に正 しい と判断 している。 この
埋込み節の C には強い Q素性がある」 とい う根
データにより,習得のある一段 階において,「
拠が得 られたことになる。 また, この ことは幼児の母語獲得段 階か ら得 られたデータによって
も支持 される。Tho
nt
r
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n(
1990)では,幼児 は 「
par
t
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lwh一
疑問文 は主節 と主節が組みあわ さ
れた文である」 と理解 してい る と報告 されてい る。た とえば, (
3
0e) (
- (
28e))は W ha
t
h atdi
dhedol
as
tni
ht
g
?の 2文が組み合わさった ものであることを示唆す
doyo
ut
hi
nk?と W
る。つ ま り,埋込み節 の C は 「
強い」Q素性 を持 っていることになる。
ただ,成人学習者が (
30e)の埋込み節 (
whatdi
dhedol
as
tni
ght
?
)がその主節 と同等 な
31e)の容認度の差か ら伺 える。つ ま り,埋込
ものではない と感 じていることは (
30e) と (
み節 の Cが主節 と同 じく 「
強い」Q素性 を持 っていると して も,それが学習者 に完全 な主節
として理解 されているわけではないのである。
(
3
0e) W
h a
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nk?
(
3le) W
h atdoyout
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nkwhathedi
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ht
g
?
(
30e) を文法的に正 しい と判断 したのは36.1%であるの に対 し, (
31e) を正 しい と判断
したのは1
2.
7% と低い値 であった。 この差異か ら,成人学習者 は (
幼児 の場合 と同様 に),主
強い」 と感 じているのか もしれないが,この 2つの節の間には何
節 の ように Cの Q素性 は 「
らかの違い (
た とえば,階層関係)があると感 じているのではないか と考えられる。少 な くと
ち,これ らの 2つの節 は 「同等ではない」 と感 じているのは確かである。
76
天 理 大 学 学 報
次 に,(
2
3b) についてであるが,(
3
4)の表 を見 る と,W
h atと Ho
w で始 まる事例 の文法
句,W
h o
/
Why/
性 に関す る容認度がお よそ半数ずつ に分かれているの に対 し,それ以外 の whlなどで始 まる事例 については, (
それぞれの事例 に対 して,
)約8
0%以上の学習者
W o
h
s
e bal
が「
非文法的である」との正 しい判断 を下 している。 この ことは学習者 にとって,whatと ho
w
が wh一
句の典型的なもの として理解 されているのか もしれない。あるいは,W
h atdoyo
ut
hi
nk
と Ho
w doyo
ut
hi
nkがまとま りをなす もの として理解 されているのか もしれない。本実験の
3%が W
h atdoyo
ut
hi
nk?を正 しい と判断 し,8
8%が Ho
wdoyo
ut
hi
nk?を正
被験者の うち,9
(
6
)
しい と判断 している。 これ らの結果か ら,概 ね (
1
8a-b)での予測が正 しか った と言 えよう。
なぜ ,wha仙
ow が多
く観察 されたか については前の (
1
8a-b) を修正 し,(
3
6a-b)の よ
うに結論づけることがで きる と思われる。
(
36) a.W
h atdoyo
ut
hi
nk.
.
.
旧o
w doyo
ut
hi
nk.
.
.が何 らかの点で語薫的にまとまった
もの として学習者 に認識 されている。
b.wh素 性 を持つ典型的な語嚢 は whatである (また,whatと ho
w は同 じタイプ
の もの) として学習者 に認識 されている。何 を使用すればよいのか分か らない と
素性 を持つ語句 の典型 と思 われ る whatあるいは ho
w を使用
きは とにか く whする。
埋込み節の C にある Q 素性が 「
強い」 ことが示 されたこと,(
3
6)が正 しい可能性が示 され
疑問文 の習得 を説明で きる
たことによ り,本稿 での仮説 は 日本人成人学習者 による複合 wh一
ことになる。
nowhmo
ve
me
ntタイプの文 (- (
2
4)
) を9
8.
1%の学習者が非文法的であると判断 してい
ることか ら,被験者の大部分が英語の wh一
素性が強い ことを習得 しているこ とになるo また,
(
3
3) を見る と,i
mpe
r
f
e
c
t
mo
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me
ntの形式 を正 しい と判断 している方が,正 しくない
(
7
) whと判断する傾向がやや強い。 このことか ら,wh一
素性のパ ラメータの値 と埋込み節の C にある
Q素性の値 は英語の設定 になっているが, この段 階では主節の C にある Q素性 の値 はまだ,
3
4)か らは興味深い結果が観察
英語の設定 に変更 されていない被験者が多い ことが伺 える。(
で き る。 (
3
4a-b),(
3
4C-a),(
3
4e-f),(
3
4g-h),(
3
4i-j), (
3
4k-1),(
3
4m一m),
(
3
4p-q),(
3
4S-t)のそれぞれのペアを比較する。これ らのペアはどれ も埋込み節 は同 じ
tで始 まっている文で, ち
で,主節の始 ま りだけが異なっている。つま り,ペアの一方が wha
う一方はそれ以外 の wh一
句で始 まっている文であるoいずれのペアを比較 して も whatで始 ま
る文の方が (
非文法的な文であるに も拘 わ らず,
)正 しい と判断 され る傾 向が強い ことが観察
される。 この ことは (
3
6a) を強 く示唆 しているように思われる。最後 に,(
35)か らは被験
者の半数はまだ完全 に学習言語のパ ラメータの値-の変更が完了 していないことが伺 える。 ま
句が現れ ると容認度が落 ちる (
- (
35g) と (
35h)
) こと,(i
i
)
た,(i)文頭 に複合 wh-
wha
tで始 まっているにも拘 わ らず ,wh一
句の出所が主語位置である場合 に も容認度が落 ちて
いることについては,更なる実験,考察が必要であると思 われる。
7.おわりに
本稿では 日本人成人英語学習者 による文法性判断テス トの分析 により,学習者が どの ように
複合 wh疑問文 を習得 してい くのか をコンピュー タをモデルに した習得モデル を用いて説 明
7
7
日本人成人英語学習者の複合
wh一
疑問文の習得 について
を試み,複合 wh一
疑問文 は (i)wh素性 の習得- (i
i)埋 め込み節 の COMP にある Q素性
i
i
i
)主節 の COMP にある Q素性 の習得 を経 て完全 に習得 されることを論 じた。 こ
の習得- (
の ように,学習者 の習得段 階を表示で きる点が本稿で提案 した習得モデルの特徴の一つである。
また, このモデルでは,習得段階は各項 目のパ ラメータの値が母語の値か ら学習言語 (
第二言
請)の値 に変更 されること (0- 1,あるいは, 1- 0)によ り説明 されることを示 したが,
これ らが 「
習得の困難 さ」や 「
母語による干渉」 といった第二言語習得 における諸概念 をどの
ように定義づ けるのか といった問題 は解決 しなければならない。 また, これ らの諸概念 をで き
る限 り広 く説明で きるモデルにするためにも,扱 える領域 と限界 を明 らかにする必要がある。
疑問文以外 の文 について も自然 な説明が可能であ るか に
た とえば,本稿での仮説が複合 wh一
ついては,検討 を要する問題である。 このような実行例 を 1つ 1つ確認 してい くことにより,
モデルの扱 える領域 と限界は明 らかになってい くだろう。
参考文献
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J.
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A.
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pp.
235 260.
平井崇晴 ・吉田智任.2
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4.『
言語習得モデルに関する一考察』
.未発表論文.大阪産業大学.
Huang,
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982.
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3,pp.
709-753.
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中村 捷 ・金子義明 ・菊地 朗.2
01
.『生成文法の新展開』.研究社出版.
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山根麻紀.2
0
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成人英語学習者の複合 u
)
h疑問文における文法性判断について」 『
県立新潟女子
1
.
.
短期大学研究紀要3
8
』.pp.
1
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天 理 大 学 学 報
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註
(1) 1
6
3名の うち,単文の z
L
)
h一
疑問文が正 しく判定で きた被験者のデータ1
2
2
名分 を使用 したa
(2) (
1
7) の u)
h一
疑問文の形式が W
h atではな くW
h Oで始 まる wh一
疑問文であるのは,与 え られ
た ターゲ ッ ト文が whoで始 まるためにわ ざわざ wha
tに訂正 しなか ったのか,あるいは wha
t
とwhoを同類 とみな しているのか,この結果だけか らはわか らない。
(3) (
2
0)のモデルの詳細 は平井 ・吉田 (
2
04) を参照。
(4) 予備実験の段階で nou
)
hmo
ve
me
ntタイプはほとんど見受け られなかったため,今 回の本実
験では用例 を少 な くした。
(5) (
3
0
f
)の場合のみ,容認度が低 いのは whoで始 まっているのが原 因か もしれない (
これ以外
tで始 まっている文である)
。
はすべて wha
(6) Tho
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nt
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n(
1
990)や Yo
s
hi
naga(
1
996)では幼児の母語獲得 において も wha
tdoyo
ut
hi
nk…?
の形式が多 く観察 されると報告 されている。
(7) (
3
3e) に関 しては,「
非文法的である」 とい う判断 を下 してい る被験者が多い ことは,who
は節頭 よりも,文頭 に現れる傾 向がつ よい ∽ん一
句である と認識 されているのか もしれないが,
この間題 については wh句 の タイプと,その位置 との関連性 について調べ る必要がある。