別添 2 「 海 外 研 究 者 招 へ い 事 業 助 成 J成 果 報 告 .受入研究者所属機関名 概要版 国立大学法人名古屋工業大学 受入研究者役職・氏名 教授川崎晋司 招へい研究者氏名 A b h i j i tR a y 受入期間 平成 27年 9月 1日∼平成 28年 4月 30日 研究テーマ バンドギャップ制御したナノカーボンと化合物半導体の複合体 を利用した新しい太陽電池、光触媒の開発 |国籍|インド 【共同研究の成果概要】 「バンドギャップ制御したナノカーボンと化合物半導体の複合体を利用した新しい太陽電池、光 触媒の開発Jという題目の研究を実施するために私とインド P D P U大学の A b h i j itR a y先生と共 同研究を実施した。私はナノカーボン、 R a y先生は酸化物半導体をそれぞれ専門としておりこの 2つを組み合わせることで新しい光デバイス向け電極を開発できると考えた。 R a y先生は来日直 後から精力的に合成実験を開始し、まず、フォトカソードとしての銅酸化物電極の最適化を行っ た。独自に開発した手法をうまく制御することで結晶形態、ひいてはバンド構造の制御を実現し 高効率な電極開発に成功した。この一連の研究成果は日本で開催されたいくつかの国内会議、国 o l a rEnergyM a t e r i a l sandS o l a rC e l l 誌に投稿した。この間私の研究 際会議で発表するとともに、 S 室ではさまざまなカーボンナノチューブの合成、化学修飾を実施した。これらのナノチューブの 中で Cu20よりも仕事関数の大きいナノチューブを選び、これと Cu20電極とを複合化することで 新しいコンセプトの太陽光水素生成デバイスを構築するための実験を開始した。まだ、研究の初 期的な段階ではあるがいくつかの新しい発見があり、今後の研究の進展が期待できる。 場【招へい研究者の成果報告概要】 銅箔を (NH4)2S20s熔液中で 60℃に加熱することで CuOフォトカソードを作成した。この CuO の構造および電気・光学特性を調整するために 300℃までの視度で空気酸化処理を行った。さま ざまな処理条件を試した結果 200℃で酸化処理したものが最も高いフォトカソード特性を示し た。最適化した電極ではソーラーシミュレーターの模擬太陽光(AMI.SO)に対してほぼ中性の . 3mA/cm2の光電流を検出した。各種合成条件を制御することに 水溶液において OVRHEで・ 1 より結晶形態が大きく変化することを SEM観察により確認した。また、このような結晶形態制 御により光電流効率が大きく変化することも確認した。 次に、水分解のための新しいコンセプトのナノ構造フォトカソードの開発を実施した。 CuOの 伝導描下端は水の還元電位の下に位置している。銅集電体から Cu20 を経由して CuOに電子を渡 すことで高効率なデバイスを構築できると考えている。このシステムは腐食保護なしで少なくと も 300秒間水素生成できることを確認している。 最後に銅酸化物とナノカーボンの複合体電極の開発に取り組んだ。使用した多層カーボンナノ チューブは金属的な特性を有し仕事関数は Cu20よりも大きい。従って多層カーボンナノチュー プは光励起された電子をより効率よく拾い上げて水素生成効率を高めることが期待できる。現 在、合成の初期段階であるが面白い結果を得ている。合成条件を変えた多層カーボンナノチュー ブを使用することで最適化を図ることができると考えている。 ※本資料(別添 2)は、 (公財)中部科学技術センターホームページに掲載し公開します。
© Copyright 2024 ExpyDoc