~修了生のコンピテンシー(実践的行動力)開発に効果~

Press Release
報道関係各位
平成 28 年 06 月 30 日
沖縄県商工労働部雇用政策課
おきなわ企業魅力発見事業 「Gut’s」 インターンシップ
~修了生のコンピテンシー(実践的行動力)開発に効果~
「Gut’s」修了生のコンピテンシーは大学生の平均を大きく超え、若手社会人の水準に迫る。
沖縄県商工労働部雇用政策課は、このほど、平成 27 年度に実施した【おきなわ企業魅力発見事業
「Gut’s」インターンシップ】の夏期受講生(大学・専門学校生)を対象に、インターンシップ受講直前(平成 27
年 8 月)と修了半年後(平成 28 年 3 月)のコンピテンシーについて、事務局である(特非)沖縄人財クラスタ
研究会と共同で調査し、状況をまとめました。結果として、「Gut’s」インターンシップ修了生のコンピテンシー
は大幅に伸長。大学生の平均を大きく超え、若手モデル社会人の水準に迫る。ことが分りました。
※コンピテンシーとは、社会で求められる実践的行動力のことで、ジェネリックスキル(汎用的能力)のひとつ。
<Guts 修了生 の 総合コンピテンシー>
※Guts 受講直前 (平成 27 年 8 月調査) - 3.12
※Guts 修了半年 (平成 28 年 3 月調査) - 4.32 (半年で 1.20 ポイントの上昇)
※修了後半年で、大学生の平均を大きく超え、若手モデル社会人の水準に迫る結果となる。
【参考】 グローバル社会人 (25~49 歳の主にアジアで活躍し役職に就いている日本人) - 5.17
若手モデル社会人 (28~35 歳の日本国内で活躍し役職に就いている日本人) - 4.64
四年生大学全体 (日本全国の四年生大学生平均)- 3.21
<Guts 修了生 の 要素別コンピテンシー>
※対人基礎力、対自己基礎力、対課題基礎力の 3 分野 9 項目の全要素で伸長。
※特に、統率力(対人)、感情制御力(対自己)、自信創出力(対自己)の変化が顕著である。
【参考】対人 基礎力 ― 親和力、協働力、統率力 の 3 項目
対自己 基礎力 ― 感情制御力、自信創出力、行動持続力 の 3 項目
対課題 基礎力 ―
課題発見力、計画立案力、実践力 の 3 項目
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<調査の概要>
調査期間
調査方法
調査対象
回収人数
平成 27 年 8 月 (Guts 受講直前)に、1回目、
平成 28 年 3 月 (Guts 修了半年)に、2回目を実施し、半年間の成長度合いを調査
研修会場に出向いての受験 あるいは 自宅・大学内にての受験。
コンピテンシー調査・受験については、株式会社リアセック社の「PROG」を活用
平成 27 年月夏期 おきなわ企業魅力発見事業「Guts」インターンシップ受講生
平成 27 年 8 月 (71 名) -内訳 1年次-21 名、2年次-16 名、3年次-34 名
平成 28 年 3 月 (41 名) -内訳 1年次-13 名、2年次-11 名、3年次-17 名
※コンピテンシー(社会で求められる実践的行動力)の 総合結果
※コンピテンシー(社会で求められる実践的行動力)の総合は、
Guts 受講直前(3,12)から、Guts 修了半年後(4,32)へと大幅に伸長。
※特に、Guts 修了半年後(4,32) の水準は、大学生の平均(3,21) を大きく超え、
若手モデル社会人(4,64) の水準に迫る結果となった。
【参考】
グローバル社会人 (25~49 歳の主にアジアで活躍し役職に就いている日本人) - 5.17
若手モデル社会人 (28~35 歳の日本国内で活躍し役職に就いている日本人) - 4.64
四年生大学全体 (日本全国の四年生大学生平均)- 3.21
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※コンピテンシー(社会で求められる実践的行動力)の 要素別(3分野9項目)結果
※コンピテンシーの変化を要素別に見ると、対人基礎力・対自己基礎力・対課題基礎力
の3分野9項目の全要素での伸長が認められる。
※今回の 「Guts」 インターンシップを通し、特に以下の3項目
統率力(1.21 UP)、感情制御力(1.18 UP)、自信創出力(1.24 UP)の変化が顕著。
・自分の意見を主張するだけでなく、集団としての議論の質を高めようとする態度 (統率力)
・ストレスやプレッシャーの中でも力を発揮しようとする態度 (感情制御力)
・失敗を恐れず、オリジナリティを発揮して何にでも挑戦する態度 (自信創出力)
※一方で、伸長はしているものの、計画立案力、実践力の変化が小さい。特に、計画立
案力は、若手モデル社会人の水準と比べて開きが大きいことから、平成 28 年度・おき
なわ企業魅力発見事業「Guts」インターンシップでは、プログラムの一部を見直すこと
とする。
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<事務局:特定非営利活動法人 沖縄人財クラスタ研究会 代表理事 白井 旬 の考察>
おきなわ企業魅力発見事業「Guts」インターンシップの効果については、その前身となる中小
企業魅力発見事業の修了生も含め、大卒の内定率 95%以上(県平均約 70%)
、大卒入社 3 年以内
の離職率 10%未満(県平均約 50%)と県平均を大きく上回る結果を残してきました。しかしなが
ら、これらは就職年次以降の効果、つまり「Guts」が修了してから 2~3 年以上経過した後を示し
たものに留まっていました。
今回、コンピテンシー(社会で求められる実践的行動力)という新たな尺度を加えることで、
低年次(=就職年次以前)の学生に対する効果、そして「Guts」修了半年後という比較的短い期
間についての効果を「見える化」することが可能となりました。
主に大学・専修学校で培われているリテラシー(知識を活用して問題を解決するチカラ)を効
果的に発揮し、より良い個人のキャリア形成 及び 望むべき社会を構築していくためにもコンピ
テンシー(社会で求められる実践的な行動をするチカラ)が大切だと考えます。
平成 28 年度の同事業・インターンシップについて、引き続き県内企業・教育機関と連携し、県
内学生の強みはさらに磨きをかけ、弱みについてはレベルアップが図れるようなプログラムに改
訂していく予定です。
※平成 28 年夏期・おきなわ企業魅力発見事業「Guts」インターンシップの
学生応募締切は、7 月 20 日(水)の当日消印有効。http://guts-okinawa.jp/
<PROGテスト:株式会社リアセック キャリア総合研究所 主任研究員 石川
純一 の考察>
今回、Guts の事前研修最終日に参加させて頂いて感じたのは、Guts は、受講者同士の相互刺激
によって、大学生たちの学びへのモチベーションを喚起しているということです。
Guts の事前研修は、異なる大学の、異なる学年の、異なる考え方との出会いを通じて、自分を
振り返り、気づきを与え、問題意識を言語化することを促しています。
事実、事前研修後の感想コメントでも、受講者同士のコミュニケーションに価値を見出す感想
を多く聞くことができました。
今、多くの大学で、いかにして大学生を主体的・積極的に授業に参加させるかの議論がされて
います。
今後も Guts の事前研修と企業実習のプログラムによって、大学生たちの学びへのモチベーショ
ンが喚起されることを期待しています。
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<参考資料>
PROGコンピテンシー
親和力
内容
構成要素
円滑な人間関係を構築する。
親しみやすさ、気配り、対人
興味、多様性理解など
対人基礎力
協力的に仕事を進める。
協働力
役割理解、連携行動、相互
支援、相談、指導など
場をよみ、目標に向かって組織を 意 見 の 主 張 、 創 造 的 な 討
統率力
感情制御力
動かす。
議、意見の調整・交換など
気持ちの揺れをコントロールする。
セルフウェアネス、ストレスコ
ーピングなど
対自己基礎力
自信創出力
ポジティブな考え方やモチベーシ 独自性理解、自己効力感、
ョンを維持する。
行動持続力
楽観性など
主体的に動き、良い行動を習慣づ 主体的行動、完遂、良い行
ける。
課題発見力
動習慣など
問題の所在を明らかにし、必要な 情報収集、本質理解、原因
情報分析を行う。
対課題基礎力
計画立案力
分析など
問題解決のための効果的な計画 目標設定、シナリオ構築、計
を立てる。
画評価、リスク分析など
効果的な計画に沿った実践行動 実践行動、修正、調整、検
実践力
をとる。
<事業概要> 平成 28 年度
証、改善など
おきなわ企業魅力発見事業
http://guts-okinawa.jp/
県内大学・短大・専門学校生等に対し、県内中小企業における効果的なインターンシップを実施す
ることにより、中小企業への就職を視野に入れた幅広い職業観を育成し、雇用のミスマッチ解消及
び若年者雇用情勢の改善を図る。
1-県内大学 1~3 年生、短大・専門 1 年生を対象に、事前研修と企業実習がセットになった 2 週間
のインターンシッププログラムである「Gut’s+」の実施。
2-企業に対しては、学生を受け入れることにより、自社の魅力の再発見・再認識となりつつ、従業
員の成長の機会となるようなフォローアップを実施。
3-学生に対しては、インターンシップに参加することにより、県内企業の魅力に触れつつ、職業
観・仕事観の醸成が図られるようなプログラムを実施。
<照会先>
沖縄県商工労働部雇用政策課 雇用対策班 電話番号:098-866-2324 (担当)新里 浩晃
特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会 電話番号:098-943-7789 代表理事 白井 旬
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