平成27年度事業報告 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 Ⅰ 事業概況 平成27年度の県下の乗合バス事業は一部の高速バスを除いて、僅かではあるが前年を下 回る実績となっており、少子高齢化社会での輸送需要の減少により、全体では今後も依然 として厳しい経営環境が続くものと思われる。一方、貸切バス事業は新運賃・料金制度の 理解が進んでおり、実働率の低下はあるものの都市部では僅かながら経営基盤の健全化が 進んでいる。しかし、中山間地域では都市部に比べて新制度による不公平感があることか ら、引き続き制度の一部見直しを求めていきたい。 事故防止対策では、本年1月15日に長野県軽井沢町で15名が死亡する貸切バスによる重 大事故が発生し、関越自動車道・北陸自動車道の事故に続き、バスの安全に対する信頼性 はまたも大きく損なわれた。安全運行に責任を負うバス事業者が、事故防止、安全確保の取組 を強化し、安全が全てのことに優先することを肝に銘じて、利用者の信頼回復のため万全 を期する必要がある。当協会では貸切運営委員会や広島運輸支局と合同の説明会を開催し、 事故防止対策の徹底と関連する情報・通達等の周知に努めた。 地域公共交通の再構築では、平成25年12月に施行された交通政策基本法の具体化の一つ として、地域公共交通活性化再生法の改正法が平成26年11月に施行され、交通政策基本計 画が平成27年2月に閣議決定された。この法律は、地方自治体が主体となって、まちづくり と連携して面的な公共交通ネットワークを再構築することを主眼としており、地方公共団 体が事業者と協議のうえ、地域公共交通網形成計画、地域公共交通再編実施計画を策定す ることなどが定められている。広島県下ではこれまでに三原市、東広島市、神石高原町で 網形成計画が策定され、平成28年度には広島市、三次市、北広島市、廿日市市、安芸太田 町などで策定が予定されている。 当協会はこうした状況の中、平成27年度事業計画に基づき、安全輸送体制の確保に関す る事業、バス輸送施設改善推進事業、バス利用促進及び活性化対策事業、環境対策推進事 業などバス事業の経営上重要な課題について積極的に取り組んだ。 その他 主な報告事項は下記のとおりである。 1.輸送実績(運輸動向調査結果:実績は暦年ベースとした) (1)「乗合バス」 1) 乗合バス(県内4事業者の輸送実績)は、各月で若干の変動はあるものの、年間累計 では前年を若干下回る98.8%であった。 路線バス 27年 26年 対前年比 2) 輸 送 人 員 (人) 備考 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 累計 6,195,150 5,690,610 6,522,573 7,221,713 6,492,920 6,699,414 6,870,251 6,522,576 6,560,116 6,790,349 6,328,362 6,300,520 78,194,554 6,282,418 5,817,855 7,229,568 7,076,674 6,725,452 6,593,805 6,809,923 6,500,770 6,624,012 6,840,867 6,225,455 6,393,981 79,120,780 県内4社 98.6% 97.8% 90.2% 102.0% 96.5% 101.6% 100.9% 100.3% 99.0% 99.3% 101.7% 98.5% 98.8% 高速バスは、東京便が平成25年8月の高速ツアーバス廃止以降全ての月で対前年を上 回るなど堅調に推移している。 3) 大阪便は、昼行便を廃止した路線もあり、対前年94.9%となっている。 4) 陰陽連絡は、松江・米子方面は「中国やまなみ街道」の利用で引き続き堅調に推移 し、27年3月に尾道~三次間が全線開通した効果も現れている。一方、浜田・益田方面 は対前年を若干下回っている。 5) 四国便は、4月までは対前年を下回ったが、5月には今治で「バリシップ2015」 が開催されるなど、その後は堅調に推移し、年間ではほぼ前年並の実績となっている。 東京 27年 26年 対前年比 大阪 27年 26年 対前年比 陰陽 27年 26年 対前年比 四国 27年 26年 対前年比 1月 4,931 4,549 108.4% 1月 17,576 20,155 87.2% 1月 38,614 40,061 96.4% 1月 27,172 27,793 97.8% 2月 4,598 3,347 137.4% 2月 17,181 18,741 91.7% 2月 34,663 34,731 99.8% 2月 22,769 22,873 99.5% 3月 7,069 5,708 123.8% 3月 23,349 26,181 89.2% 3月 41,883 42,730 98.0% 3月 32,696 34,102 95.9% 4月 5,063 4,034 125.5% 4月 17,130 18,539 92.4% 4月 33,955 33,249 102.1% 4月 26,000 26,966 96.4% 5月 5,539 4,428 125.1% 5月 21,038 20,405 103.1% 5月 41,332 38,125 108.4% 5月 36,326 32,354 112.3% 輸 送 人 員 (人) 6月 7月 8月 3,089 4,057 9,090 3,083 3,956 8,544 100.2% 102.6% 106.4% 輸 送 人 員 (人) 6月 7月 8月 16,579 15,694 24,780 16,501 17,023 25,266 100.5% 92.2% 98.1% 輸 送 人 員 (人) 6月 7月 8月 35,215 36,622 48,868 34,367 35,233 47,600 102.5% 103.9% 102.7% 輸 送 人 員 (人) 6月 7月 8月 24,480 26,276 40,378 25,235 24,787 40,090 97.0% 106.0% 100.7% 9月 5,810 5,454 106.5% 9月 20,880 20,843 100.2% 9月 40,060 38,187 104.9% 9月 31,506 29,232 107.8% 10月 5,067 4,531 11月 4,855 4,770 111.8% 10月 17,430 16,602 101.8% 11月 16,992 19,048 105.0% 10月 40,584 37,978 89.2% 11月 38,914 39,210 106.9% 10月 29,375 27,683 99.2% 11月 28,204 29,187 106.1% 96.6% 12月 5,543 5,338 103.8% 12月 17,694 19,150 92.4% 12月 40,449 40,148 100.7% 12月 28,584 27,305 104.7% 備考 累計 64,711 57,742 県内3路線 112.1% 備考 累計 226,323 238,454 県内4路線 94.9% 備考 累計 471,159 461,619 県内4路線 102.1% 備考 累計 353,766 347,607 県内6路線 101.8% (2)「貸切バス」 貸切バスは、運転手不足や運賃引き上げの影響もあって、全国的に実働率が低下して おり、その結果として輸送人員では対前年を下回っている。 貸切 27年 26年 対前年比 1月 39,754 43,486 91.4% 2月 47,634 42,724 111.5% 3月 51,447 69,680 73.8% 4月 78,231 73,794 106.0% 5月 91,675 91,848 99.8% 輸 送 人 員 (人) 6月 7月 8月 62,847 57,556 65,525 71,404 56,804 56,444 88.0% 101.3% 116.1% 9月 68,218 69,531 98.1% 10月 107,161 101,216 11月 88,219 85,020 105.9% 103.8% 12月 43,905 53,356 82.3% 備考 累計 802,172 815,307 県内4社 98.4% 2.運輸事業振興助成交付金 広島県の平成27年度の交付実績額は50,851千円で、前年度(50,163千円)と比べて68 8千円の増となった。この事業については、県の交付要綱により「事故防止対策及び旅客 サービス改善対策事業」に使途が限定されており、乗合事業では、バスロケーションシス テム関連、インバウンド対策関係のほか、バス停留所の上屋・標識の整備、低公害車購 入助成、乗換改善事業等に、貸切事業では、車内配布物や乗降用ステップ等の購入、ド ライブレコーダー購入助成、適正化コンサルティング事業、両事業共通で、適性診断・ 運管指導講習受講、SASスクリーニング検査助成等に活用した。 なお、この事業の運用については、交付金運用委員会専門部会で事業計画を策定し、 交付金運用委員会の承認を得て実施した。 Ⅱ.事業別事業概要報告 『公益目的事業』 1.安全輸送体制の確保に関する事業 平成27年1月から12月までの広島県下におけるバスが絡む死傷事故件数は27件で、死 者5名、負傷者56名となっている。このうち、バスが第一当事者となる事故件数は15件 (55.6%)で、死者1名(20.0%)、負傷者24名(42.9%)となっている。このうち、車内事故 は9件発生(重傷5名、軽傷4名)しており、依然として第一当事故件数の50%以上を占めて いる。 また、幸い死傷事故にはなっていないが、健康に起因すると思われる事故も3件発生 しており、引き続き国土交通省、日本バス協会等からの指導通達等を参考に健康診断の 活用等の取り組みが必要である。(数値は広島運輸支局事故防資料より) 中国バス協会事故防止対策委員会の取組では、平成27年度中国管内統一事故防止対策 重点実施事項である「車内事故防止対策の徹底」 「健康起因による事故防止対策の徹底」 「二輪車・歩行者との事故防止対策の徹底」について取り組んだ。 (1) 事故防止・安全対策関係 1) 軽井沢貸切バス事故関連 長野県軽井沢町で発生したスキーバスの重大事故を受けて、国土交通省は「軽井 沢スキーバス事故対策検討委員会」を設置して、今夏までに再発防止対策をとりま とめる予定となっている。 一方、日本バス協会では、今回の事故は、貸切バス業界の一員が起こした事故で あり、大変重く受け止めており、事故防止対策としては、今回の事故の直接の原因、 この事故を惹起した各種要因を分析し、国土交通省が検討・実施する対策とともに、 バス業界としても実効ある事故防止対策に取り組むとしている。 「国土交通省の主な検討・実施事項」 ① 貸切バス事業者に対する事前及び事後の安全性のチェック強化 :複数回にわたり法令違反を是正・改善しない事業者に対し、事業許可の取消等 の厳しい処分の実施 :輸送の安全に特にかかわる事項を中心とした処分量定の引き上げ ② 旅行業者等との取引環境の適正化、利用者に対する安全性の「見える化」 :利用者への貸切バス事業者名の提供 :貸切バス事業者と旅行業者間で取り交わす書類における、運賃・料金の上限・ 下限額の明記、また、手数料等の確認 :運賃・料金の情報に関する通報窓口の設置 ③ 運転者の技量のチェックの強化 :新たに雇い入れた全ての運転者に適性診断の義務づけ :初任及び事故惹起運転者に対する実技訓練の義務づけ ④ ハード面の安全対策の充実 :ドライブレコーダーの搭載及び映像を活用した指導・監督の義務づけ :シートベルト着用の徹底 2) 車内事故関係 ① 添乗調査 平成25年11月から県内乗合バス事業者13社を対象に始めた添乗調査を平成27年 5月と10月に実施し、事故防止対策委員会でその調査結果を検証し、引き続き発 車時の車内事故ゼロを目指して、「発車時のミラー確認」「高齢者の着席誘導」の 徹底について取り組んだ。 ② 高齢者を対象にしたバスの乗り方教室 平成27年7月3日中国運輸局と共催でバス車内での転倒事故防止などを目的に、 高齢者を対象とした「高齢化時代のバス車内事故防止教室」を開催した。 乗り方教室では、車内事故の概要・統計、ドライブレコーダーの映像を使った 実例の紹介により最近の車内事故状況などを説明するとともに、実際にバスを使 用して、車内事故にあわないための注意点などを学ぶ「バス走行時の危険体験乗 車」などを行った。 3) 健康起因関係 ① 睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する理解を深め、適切な運行管理に役立て るため、NPO法人ヘルスケアネットワークが監修した「SAS対策Q&A50」 を会員各社に配布した。 4) 右左折時の事故防止対策 右左折時の事故防止対策では、日本バス協会、中国バス協会の重点実施項目と なっており、左折時については、広島県警から県内の主要交差点のうち、左折時 に自動車対二輪車・歩行者の事故が発生した箇所の情報提供を受けて、左折時に 一旦停止すべき交差点を選定し、一旦停止を励行する取組を進めたが、各社の認 識の違いや内部事情等もあり、必ずしも同一歩調にはならなかった。右折時の一 旦停止についても、具体的な取り組みを検討したが、安全面で整理すべき点もあ ることから今後の検討課題となった。 5) 貸切バス事業適正化コンサルティング事業 当該事業は、貸切バスの信頼回復と事故防止対策の徹底を図るため、貸切バス 事業者の法令遵守及び安全対策について、指導員による巡回指導の実施により業 界全体のレベルアップを図ることを目的として実施するもので、平成27年度は8 社から申込みがあったが、年度当初の目標20社を大きく下回った。 軽井沢の事故を受けて国土交通省からトラック協会と同様の適正化事業の実施 又は適正化コンサルティング事業の拡充が求められており、適正化コンサルティ ングの希望者が実施目標数の20社を下回った場合は、「コンサルティング事業運 用規則」に基づき、協会が予め決めた順位により実施案内を通知することとし、 承諾のあった事業者を対象に広島運輸支局と調整のうえ実施計画を策定すること とした。 6) 安全性評価認定取得支援 平成27年度の県下の認定状況は、18社(16.8%)383両(31.9%)が認定を取得して おり、このうち6社187両は最高位の三つ星を取得し、8社138両が二つ星を取得し ている。 平成28年3月11日には日本バス協会から講師を招聘して安全性評価認定制度の 説明会を開催し、31社42人の参加があった。平成28年度以降も引き続き安全性評 価認定取得の支援を行っていきたい。 また、軽井沢の事故を受けて、利用者へのバスの安全情報の提供のあり方が問 われていることもあり、当協会では安全性評価認定制度をバスの安全性を示す一 つの指標として、貸切バス利用者に対して広く周知を図るため、ホームページに 「お客様の安全・安心のために」のバナーを掲出して、貸切バスを選ぶ際に注意 すべき事項を掲載し、そのなかで本制度の概要及び認定取得事業者が確認できる よう情報を公開している。 7) 事故防止に関する講習等に対する助成 ① 運転者の適性診断の受診 運転者個々の持っている長所、短所(くせ)を診断し、診断結果を基に日々の 運行管理のなかで、運転者に事故防止・安全運転に関する指導を適確に行うため、 国の指定機関が実施する適性診断の受診に対して助成した。 ② 運行管理者の一般及び基礎講習の受講 運行管理者は国の指定機関が実施する運行管理者講習を受けることが義務付け られており、関係法令の知識・運行管理の基礎知識等を習得し安全運行に資する ことを目的として、当該講習の受講に対して助成した。また、全ての事業者に取 り組むことが義務付けられている運輸安全マネジメントに関する講習の受講につ いても同じく助成した。 ③ 運行管理者及び運転者の安全運転研修の受講 クレフィール湖東交通安全研修所が実施する様々なプログラムを体験すること で、安全運転に欠かせない知識や技術を実践的に習得できる教習の受講に対して 助成した。 (2) 事故防止キャンペーンの展開 1) 交通安全運動及び年末年始の輸送に関する安全総点検への参画 広島県、広島県警本部及び中国運輸局が実施する交通安全運動・年末年始の安全総 点検に参画し、県下バス事業者へ期間中の行動目標の周知をおこなった。 2.バス輸送施設改善推進事業 広島県から交付される「運輸事業振興助成交付金」を活用して、県下の「バス停留所 上屋の整備」「バス停留所標識の整備」「バス停案内板の整備」「バリアフリー対策」等 を実施した。また、広島駅南口交通案内所の設置あたっても交付金の一部を活用した。 3.バス利用促進及び活性化対策事業 (1) 広島都市圏バス活性化(バス路線再編)について 平成27年9月に広島市のバス活性化基本計画が策定され、11月2日には広島市地域 公共交通活性化協議会(法定協議会)が設置された。協議会はこれまでに3回開催 され、平成28年度には地域公共交通網形成計画が、28年度以降に地域公共交通再編 実施計画が策定され、バス路線再編の具体的な施策が実行されることになっている。 当協会では、平成28年1月から約2ヶ月間、広島市内の二つのバス路線をドッキン グし、それにより余剰となる便数を活用した新規路線の運行を行う社会実験を実施 するなど、バス路線再編等の具体的な案の策定について、バス路線再編WG・分科 会等を通じて議論を深めている。 (2) バスロケーションシステムの導入について バスロケーションシステムは平成26・27年度事業として導入を進め、下記概要の とおり運用を開始した。 広島駅南口交通案内所には大型の総合案内板を設置し、駅構内及び駅周辺部のバ スの運行情報をリアルタイムで提供するとともに、BUSitシステムとの連携によ り、スマートホンなどでバスの到着時間がリアルタイムでわかるようになり、利用 者の利便性は大幅に向上した。 また、平成24年度に導入済みの福山地区とのバスロケーションシステムとの連携 も完了し、今後は更なる機能向上に努めていくことにしている。 「事業概要」 1)事業規模 バス停 表示機 対象 車両数 コミバス (千円) 26 271,816 19 585 0 広島市中心部、熊野、安佐、吉田、リムジン、呉中心部、 焼山、勝木、大林、東広島 27 222,498 49 580 12 広島市西部、廿日市、広、音戸、倉橋、緑井、高陽、桐陽台 コミバス:廿日市・府中 494,314 68 1,165 12 年度 事業費 主な導入エリア (内数) 2)対象事業者 :8事業者に加えて空港リムジン・コミュニティバス(府中町・廿日市市) 3)対象エリア 16市町 広島市、呉市、東広島市、廿日市市、三原市、三次市、庄原市、安芸高田市、 竹原市、府中町、海田町、熊野町、坂町、安芸太田町、北広島町、世羅町 (3) 公共交通移動活発化(乗換改善)について 広島県が主催する「公共交通移動活発化検討会(公共交通乗換改善)」と連携して、 多様な公共交通機関の乗換を改善することにより、公共交通機関の利便性・速達性を 向上させて新規交通需要を創出する取り組みを行った。 「具体的取組内容」 1) バス路線案内マップの作成 広島都市圏の全社共通のバス路線案内マップを作成(印刷は28年度) :観光客や普段バスに乗らない人をターゲットに便数の少ない路線を外すなど、 「わかりやすい」をテーマに作成。 2) 乗換検索サイトの機能向上 各CP事業者のサイトごとにモニタリング調査をし、その情報をもとにCP事業者 に改善要望を行い、精度アップにつなげるよう取り組んだ。 3) 乗換検索と公共交通を活用したスマフォトロゲイニングの実施 スマートホンを使ったロゲイニング(オリエンテーリングの一種)を通じて、広島 市内の公共交通の乗換情報や運行情報を利用して移動できることを体験して貰う取り 組み。 :広島都市圏内の効率的な公共交通利用方法の発見 :充実した乗換検索を活用した移動の利便性の高さの周知 :ゲーム直後や一定期間後のアンケートによる乗換課題や行動変化等の把握 :電車やアストラムラインなど他モード共通で使用できるフリーチケット導入 4) バスを利用しない人への取り組み :利用者ニーズの把握や対象を特定した利用喚起策等を検討し、今年度は40~50代 の女性をターゲットに、広島県観光連盟発行の「広島さんぽ2016冬春号」にバスで 行ける観光ポイントを掲載した。 5) バスロケデータの活用検討 バスロケとは何か?バスロケデータとは何か?の認識を高めるとともに、今後のバ スロケデータを有効活用していくために、学識経験者、行政、バス事業者で構成され る勉強会を開催した。 6) 商店街との連携策 広島市中心部の商店街等と公共交通事業者が連携して、広島市内中心部商店街の活 性化と公共交通の利用促進を図るため、広島市内中心部の大型店に公共交通を利用し て来店した買い物客に、車の「駐車券」に相当する、バス・電車で使用できる「交通 券」を提供する実証実験を行い、利用者からの声を参考に今後の取り組みについて検 討した。 7) 乗場別路線図、案内板等の情報更新 広島駅の路線図案内板、行き先別のりば案内の情報更新及び広島駅南口地下道の バスのりば表示の改善を行った。 (4) 広島駅新幹線口バス乗降場予約管理システムについて 1) 広島駅新幹線口再整備工事により駅構内が狭隘になるため、貸切バス駐車場の混 雑緩和と周辺道路の渋滞防止対策の一環として、平成26年5月からJR西日本による 予約有料制が実施されていたが、広島市・JR西日本・バス協会3者からなる「広 島駅新幹線口広場バス乗降場管理運営協議会」の申し合わせにより、平成28年4月1 日から当協会が実質的な管理運営を行うことになり、インターネットによる予約管 理運営システムを導入した。これにより24時間リアルタイムで予約可能となり利便 性は大幅に向上し、4月23日現在で県内会員事業者を始めとして全国のバス事業者・ 旅行業者等から429件のユーザー登録がされている。 2) 当該事業は公益事業として、平成28年2月22日付けで広島県知事より変更認定を受 けた。 (5) 広島駅南口交通案内所の設置について 平成28年3月30日に広島駅南口に「交通案内所」を設置した。 「交通案内所」では、電車・バスの乗り場・発車時刻・乗換情報等の案内のほか、 路線図・時刻表・観光パンフレット等の提供を始め広島ピースパス及び「Visit Hir oshima Tourist Pass(訪日外国人観光客周遊乗車券)」を販売する。 また、インバウンド対応として、英会話のできるスタッフを常駐させるほか、多 言語翻訳サービスも導入して、様々な国・地域から訪れる外国人の公共交通を利用 した移動をサポートする環境を整備した。 (6) 広島ピースパス及び「Visit Hiroshima Tourist Pass(訪日外国人観光客周遊乗車 券)」の発売について 1) 平成27年7月28日から広島市の被爆70周年記念事業と連携して、広島市内のバス(含 めいぷるーぷ)と電車(含宮島線)の共通一日乗車券「広島ピースパス」を発売した。 当初は12月末までの期間限定の予定であったが、好評につき平成28年1月以降も通 年で販売することとし、1~3月の実績は2,127枚(大人2,079、子供48)となってい る。 「チケットの概要」 700 円(有効期間1日間) 販売価格 2) インバウンド対策として観光庁を中心に国の観光振興施策が展開されており、平 成27年の訪日外国人は1974万人であり、2020年(平成32年)には4000万人を目標とさ れている。広島への訪日外国人も欧米人を中心に個人旅行客が増えており、公共交 通を利用した移動をよりわかりやすく利用しやすい環境にするため、広島市内及び 県内高速バス運行会社12社の協力を得て、訪日外国人観光客を対象とした広島県内 の主要路線バス、高速乗合バス7路線、広島電鉄路面電車全線、宮島航路がセットに なった共通乗車券「Visit Hiroshima Tourist Pass」を平成28年4月1日より発売す ることとした。 「チケットの概要」 販売価格 【1】SMALL Area (広島市内・宮島エリア) 1,000 円 【2】WIDE Area (広島県内エリア) 3,000 円 ※ 有効期間 (7) 3日間 第17回バスまつり 平成27年9月27日に広島市西区商工センター中小企業会館において開催し、約10,00 0人の来場者があった。 展示内容は神楽などのステージを中心に、バスの展示試乗会、こども広場、スタン プラリー、バスグッズ・部品販売、フードコート、観光物産展、バスロケPRなど、 関係機関、団体等の協力を得て実施した。 また、今年度も「スマフォトロゲイニング」のゴール地点として、閉会まで多くの 来場者で賑わった。 (8) 貸切バス新運賃・料金関係 (1) 新運賃・料金問題 ① 貸切バスの新運賃・料金問題では、日帰り運行における到着地での待機時間であ る、所謂「中抜け」の解釈が極めて曖昧で、各運輸支局の判断・対応もまちまちで あったため、新運賃制度は、輸送の安全を確保するために「安全コスト」を運賃に 反映させるために設けられた制度であるとの認識の下、中国バス協会長と中国5県 バス協会長の連名で、日本バス協会長及び貸切委員長あてに国土交通省に善処方求 めるよう要望書を提出した。 この問題に関する日本バス協会が全国で実施した調査では、広島県では106社中 92社から回答があり、このうち41社(44.5%)が、現地で待機した時間について時 間制運賃を収受するべきであるとの意見であった。 ② 学校関係の運送契約では依然として公示運賃の下限を下回るケースが散見される ことを受けて、広島県教育委員会と広島県学事課(私学)に、適正な予定価格の設定 と下限を下回らない運送契約の徹底を求める要望書を提出し、改めて域内の教育委 員会及び所管の学校への周知を要請した。 4.環境対策推進事業 地球温暖化対策の一環として環境に優しいバスの導入にあたっての助成及び関係機関 と連携した環境対策推進キャンペーン等に積極的に取り組んだ。 『その他事業(会員のための事業)』 1.理事会・総会・各委員会等 (1) 定時会員総会 ①第39回定時会員総会(平成27年6月10日) 「定時会員総会議決案件」 第1号議案 平成26年度事業報告について 第2号議案 平成26年度決算報告について 第3号議案 会費徴収規程(案)について 第4号議案 理事・監事の選任について 「報告事項」 1.平成27年度事業計画及び収支予算について 2.新規・退会会員について ②臨時会員総会(平成27年7月31日) 第1号議案 理事の選任について (2)理事会 ①第108回理事会(平成27年5月19日) 「定時会員総会議決案件」 第1号議案 平成26年度事業報告について 第2号議案 平成26年度決算報告について 第3号議案 会費徴収規定(案)について 第4号議案 任期満了に伴う役員の改選について 「理事会議決案件」 第5号議案 公益認定法に基づく所用の手続について 第6号議案 定時総会の開催について 「報告事項」 1.代表理事及び業務執行理事の報告事項(26.10~27.5)について 2.退会会員について(福山オートサービス) 3.今後のスケジュール ②臨時理事会(平成27年6月10日) 「報告事項」 1.第39回(平成27年度)定時会員総会について ③第109回理事会(平成27年10月26日) 「理事会議決案件」 第1号議案 公益変更認定申請及び広島駅新幹線口広場バス乗降場の管理運営に 関する協定締結について 「報告事項」 1.代表理事及び業務執行理事の報告事項(27.6~27.10) 2.今後の会議予定 ④第110回理事会(平成28年1月8日) 「理事会承認議案」 第1号議案 平成28年度事業計画(案)について 第2号議案 平成28年度予算(案)について 第3号議案 新規会員について 「報告事項」 1.情勢報告 2.今後のスケジュール ⑤第111回理事会(平成28年3月31日) 「理事会承認議案」 第1号議案 平成27年度決算見込について 第2号議案 適正化コンサルティング事業運用規則の改正について 第3号議案 昇任人事及び給与規定の改正について 「報告事項」 1.情勢報告 2.今後のスケジュール (3) 正副会長会議 ○開催なし (4) 各種委員会等 1) 乗合委員会 ○開催なし (5) 事故防止対策委員会 1)定 例(平成27年4月22日) ※例年3月に開催するところ統一地方選挙のため4月に開催 ①「平成27年春の全国交通安全運動」の実施について ②最近の主なバス重大事故の概要について ③中国バス協会事故防止対策委員会専門部会の報告について ④車内事故防止対策について :添乗調査 :高齢者向けの乗り方教室の開催 ⑤その他の事故防止対策について :日本バス協会安全輸送委員会安全確保対策WGから :路線別緊急待避施設マップの作成について :危険ドラッグについて 2)定 例(平成27年9月2日) ①秋の全国交通安全運動の実施について ②最近の主なバス事故の概要について 他 ③中国バス協会事故防止対策委員会専門部会の報告について ④事故報告について(鞆鉄道・おのみちバス) ⑤車内事故防止対策について :添乗調査 :高齢者のバス乗り方教室についての開催 :車内事故ポスターの製作 :床面ステッカー ⑥健康起因による事故防止対策について ⑦二輪車・歩行者との事故防止対策(右左折時の一旦停止)について ⑧路線別緊急待避施設マップの検討(実施)状況について ⑨安全運転のしおりの製作について ⑩委員長の交代について 3)(臨 時)(平成27年11月6日) ※死亡事故の発生を受けて広島県警察交通指導課担当警部を招いて開催 ①事故概要報告 ②今後の事故防止対策のあり方について 4)定 例(平成27年12月4日) ①最近の主なバス事故等の概要について ②「平成27年度年末年始の輸送等に関する安全総点検」関係 :平成27年度年末年始の輸送等に関する安全総点検実施要綱〔国土交通省〕 :平成27年度年末年始の輸送等に関する安全総点検実施計画〔自動車局〕 :平成27年度年末年始の輸送等に関する安全総点検実施細目〔中国運輸局〕 ③中国バス協会事故防止対策委員会専門部会の報告について ④平成27年度(第53回)事故防止対策委員会総会の開催について ⑤事故防止対策等について :添乗調査について :右左折時の事故防止について :運行管理の徹底 :ヒヤリハットの抽出・活用について :走行スピードの低減を図ることについて 5)定 例(平成28年3月23日) ①「平成28年春の全国交通安全運動」の実施について ②最近の主なバス重大事故の概要について ③中国バス協会事故防止対策委員会専門部会の報告について ④事故防止対策について :右左折時の事故防止 :車内事故防止 :添乗調査 :健康起因の事故防止 ⑤貸切バスの安全対策の徹底について(軽井沢スキーバス事故を受けて) (6) 貸切バス運営委員会 1)第1回貸切運営委員会(平成27年5月18日) ①貸切バスの新たな運賃・料金制度のQ&A23の「中抜け」問題について ②貸切バス事業者に対する輸送実績・運賃料金収受状況等調査の実施について 2)第2回貸切運営委員会(平成28年3月9日) ①軽井沢スキーバス転落事故を受けた最近の動きについて :日本バス協会貸切委員会の概要について :日本バス協会の対策について(未定稿) :適正化コンサルティング事業の今後について :安全性評価認定制度の広報・周知について ②広島駅新幹線口広場バス乗降場の予約方法の変更等について :概要説明 :後払い契約 (7) 貸切バス事業部会(平成27年6月10日) ①広島駅新幹線口バス乗降場構内管理問題についてについて :これまでの経緯 :工事終了後における管理体制 ②貸切バス事業に関する適正化コンサルティング事業について :平成26年度の実施状況 :平成27年度の申込み状況 ③貸切バス新運賃・料金制度について :中抜け問題に関する意見集約結果 :広島県バス協会から日本バス協会への回答概要 (8) 運輸事業振興助成交付金運用委員会(平成27年5月22日) ①平成26年度運輸事業振興助成交付金実績について ②平成27年度運輸事業振興助成交付金事業計画について ③運輸事業振興助成交付金各種助成事業交付要綱(案)について (9) 環境対策委員会 ○開催なし (10) 技術委員会 ○開催なし (11) 労務委員会 ○開催なし (12) 広島駅北口再整備に関する特別検討委員会 ○開催なし (13) 広島駅南口再整備に関する特別検討委員会 ○開催なし (14) 乗合バスサービス向上運動協議会(平成27年7月29日) ①乗合バス「サービス向上運動」の実施について ②優良乗務員の表彰について ③バスの日(9月20日)の行事予定について ④高齢者の運転免許証自主返納者に対する支援について ⑤乗合バスのイメージアップについて ⑥バス運転者確保等に向けた取組について ⑦苦情について (15) バスまつり実行委員会 ○開催なし 2.日本バス協会,中国バス協会との連携等 (1) 日本バス協会の総会,事業者大会,役員会及び各種委員会への参画 1) 総会、運営委員会、理事会、各種委員会(各委員の方が出席)・貸切委員会は事務 局も出席し情報提供を行った。 (2) 中国バス協会の総会,役員会及び各種委員会の運営 1) 当協会では、中国バス協会の業務を受託しており、総会、理事会、専務理事会、 事故防止対策委員会の開催ほか、運転者指導監督要領・バス要覧の編集・発行、労 務情報等の各種資料の作成・提供を行った。 3.情報提供活動 (1) ホームページにおいて、日本バス協会、行政機関等からの通達・指導文書等の他、 各種情報をほぼリアルタイムで更新し、会員及び利用者への情報提供のツールとし て活用頂いている。 今後もより一層、内容の充実を図っていきたい。 (2) 「バス協会だより(月報)」の発行 ・毎月末に日本バス協会、行政機関等からの通達・指導文書等の他、各種情報を書 面で全会員あて発送 (3) メールマガジン(ネット)による各種法令、通達、道路交通規制及び労務・統計資 料等の情報提供 ・毎月3回5日15日25日に各種情報をメールにて配信。25年度から重大事故に関する 情報も掲載。 ※今後はホームページをリアルタイムで更新するのに伴い、ホームページによる情 報提供を優先することとしたい。 4.関係機関との連携・要望活動 (1) 広島県空港振興協議会と空港民営化を協議する活性化部会と連携。 (2) 広島県観光キャンペーン(広島県の観光情報発信、旅行商品の開発促進等) (3) 国、県、市、県警、NEXCO西日本及び自動車事故対策機構等の各種委員会、協議会、 会議、事業等への参画及び連絡調整 Ⅲ Ⅳ 会 員 普通会員 110(109) 賛助会員 5(5) 役 Ⅵ ( )は昨年度 員 会 Ⅴ (平成28年4月1日現在) 長 1人 副会長 3人 専務理事 1人 理 事 11人(会長、副会長、専務理事を含む) 監 事 2人 会員保有車両数(平成27年12月末現在) 乗 合 1,822両(1,811) 貸 切 1,198両(1,203) 特 定 37両(34) 計 3,057両(3,048) 関係機関に対する要請活動 ・貸切バス新運賃・料金制度を巡る要望について 平成27年4月7日 (公社)日本バス協会会長、貸切委員長 ・貸切バス新運賃・料金制度の周知について 平成27年8月11日 広島県教育委員会教育長、広島県環境県民局総務管理部学事課長 Ⅶ 表 彰 ・中国運輸局自動車関係功労者表彰 (平成27年 6月1日)・・・・・ ・広島運輸支局自動車関係功労者表彰(平成27年11月2日)・・・・・ 4社 9名 4社10名 ・優良乗務員広島県バス協会長表彰 (平成27年12月9日)・・・・・12社32名 ・優良運転者日本バス協会長表彰 (平成27年12月9日)・・・・・ 5社 9名 平成27年度事業報告においては、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則 第34条に定める「事業報告の内容を補足する重要な事項」に該当するものはない。
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