雷害 対策 特別 企画 解説記事 事例から学ぶ 雷被害の発生と対策 株式会社 昭電 柳川 俊一 特別 企画 雷害対策 事例から学ぶ 雷被害の発生と対策 株式会社昭電 柳川 俊一 近年、情報社会の発展によって社会の仕組みも も加わり、被害も増加することが予想される。 大きく変化している。このことに伴い、情報通信 電気・電子機器の雷被害は、物損も重大な被害 設備などの電気・電子機器も高速化され、大容量 であるが、データの損失やセキュリティー低下、 化、広域化した情報通信ネットワークが構築され 防災・防犯設備の被害も設備運用や信頼性の面か ている。代表的な例として、無線通信設備があ らも、今後の社会において重大な被害であるとい る。電力供給の面では、環境に配慮した再生可能 える。スマートグリッドの構築が進む中で、これに エネルギーシステムが増加している。その代表例 接続される設備の雷害対策が急務になっている。 として、風力発電システムや太陽光発電システム ここでは、 いろいろな設備の落雷による被害実態 が挙げられる。 と、対策方法、対策の留意点について紹介する。 無線通信設備では、電波の送受信のための高い 鉄塔を有していることから、鉄塔に直撃雷を受け 1 雷被害の実態 る頻度が高くなっている。また、風力発電システ 電力、通信、放送、鉄道などの公共性が高い事 ムでは風況に影響を及ぼさない山頂付近や海岸に 業者は、独自に研究や実験を重ね、雷被害に対す 設置されることが多く、かつ大型化により、ブレ る指針や規格、施工標準などを作成し、被害軽減 ード最高点までの高さが 100m を超えるものも多 など対策の成果をあげてきている。 くなってきており、無線通信設備と同様、ブレー 一方、民間の工場やビル、家屋などの民間の設 ドに直撃雷を受ける頻度が高くなっている。 備に対する雷害対策への取組みとして、建築物等 一方、太陽光発電システムでは太陽光の妨げに の雷保護については、法によって定められている ならないように、広大な敷地に平面的に設置され が、建築物内部にある電気・電子機器の雷保護に ることが多く、周囲に高構造物がないために太陽 ついては、近年の JIS 発刊により進められつつあ 光アレイ架台に落雷することがある。 るが、まだまだ最近のことである。 これら落雷の頻度が増すことによって、設備へ (1)無線通信設備 の雷被害が発生している。これに加え、近年では 無線通信設備は、周囲に遮蔽物がない山頂付近 第1図に示すように、スマートグリッドの構築も に設置され、高い鉄塔を有しているため鉄塔への 進められており、電力と通信のネットワークはま 直撃雷頻度が高い。また、低圧で受電されること (1) すます複雑化する 。したがって、落雷による が多く、山頂付近の限られた敷地に設備されるた 被害も様相を変えることになり、今日の電気・電 め、接地抵抗が高い場合が多い。 子機器の低電圧化による過電圧に対する脆 弱 化 第2図は山頂にある無線中継所の設備の雷被害 特別企画 2 2016年7月号 事例から学ぶ雷被害の発生と対策 オフィスビル 工場 火力発電所 原子力発電所 変電所 住宅 水力発電所 24 ITによる制御 水力発電所 EV用 充電設備 商業施設 − 太陽光発電/ ガスタービン 発電機/蓄電池 設備付ビル + − エネルギー 貯蔵設備 + − + 蓄電池 太陽光パネル 制御 風力発電所 + − + 太陽光発電所 + スマート メーター − − − 送配電網 電気の流れ ITによる制御 太陽光発電/蓄電池 設備付住宅 + 蓄電池 電気自動車 第1図 スマートグリッドの概念(1) 雷 雷 ナセル 発電機/制御盤 アンテナ 雷電流 無線局舎 無線装置 低圧引込盤 導波管 SPD 制御/監視回線 電源回線 低圧電源線 制御/監視盤 監視回線 B種 接地 メッシュ接地 電位差 電位傾度 電位上昇 第2図 無線中継所の雷被害例 雷電流 風車接地 第3図 風力発電システムの雷被害例 である(2)。鉄塔への直撃雷により無線中継所の 風力発電システムは風況の良い山間部や沿岸部 接地電位が上昇し、低圧配電線の B 種接地との電 に設備されるため、落雷に見舞われる頻度が非常 位差によって、低圧引込盤の開閉器が焼損した例 に高い。また、ウインドファームのように複数の であるが、 建物内部の設備には雷害対策を施してい 風車が設置され、風車間をケーブルで接続してい たため、 建物内部の設備自体の被害は免れている。 ることも多い。落雷のほとんどがブレードに落雷 (2)再生可能エネルギー設備 ①風力発電システム 2016年7月号 し、雷電流はタワー - 基礎を通して大地に放流さ れ、電位上昇によって風況や発電状況の監視装置 特別企画 3 特別 企画 雷害対策 環境観測装置 雷 アレイ架台 PCS 接続箱 監視回線 PVアレイ DC AC 高圧電源線 集電箱 低圧電源線 PVアレイ B種接地 PCS 電位上昇 電位差 電位差 電位傾度 第4図 太陽光発電システムの雷被害例 類の被害が多く報告されている。 第3図は監視装置の被害例である(2)。 雷 配電変圧器 低圧電源回路 防災 設備機器 ②太陽光発電システム メガソーラー発電システム等は遮蔽物のない広 大な敷地に設備されるため、しばしば落雷に見舞 われる。太陽光パネル自体に落雷することはごく まれであるが、太陽光アレイのフレームへの落雷 による電位上昇によって、 パワーコンディショナー 低圧電源回路SPD B種接地 B種接地の電位上昇分が印加される ??? 第5図 防災設備の雷被害例 (PCS)や交流集電箱、監視装置類の被害が多く 報告されている。 響で機器に被害が発生することがある。 第4図は集電箱と監視装置の被害例である。 一般住宅についても使用する機器の電子化とネッ (3)需要家設備 トワーク化が進み、電源線と通信線の双方が接続 需要家設備の雷被害の推移を見ると、1900 年 されている機器が多くなっており、被害を増加さ 代後半からパソコンに代表される情報通信機器の せている要因にもなっている。 被害が常に上位となっている。これは情報通信 中でも第5図に示すように、防災設備の雷害対 ネットワーク化の発展と、 設備が高性能化すること 策で SPD(Surge Protective Device:サージ防 で、弱耐電圧化していること、ならびに接続され 護デバイス)を設置したにも関わらず、SPD の るケーブル類が多様化していることが要因として 接地を B 種接地に接続している事例が多くある。 あげられる。 第6図は電気・電子機器内部に実装されている ビルについては高層化が進み、各階層に機器が 電子回路の被害例である(2)。このような例は情 点在している。また、高層ビルでは構造体を利用 報通信機器に多く見られ、原因の一つに同軸ケー してフロアごとに等電位化を構成していることが ブルが接続され、加入者用保安器(雷保護装置) ほとんどであり、ビルの受雷部への落雷時には階 の接地がメッセンジャーワイヤに接続されている 層間に電位差が発生し、機器に被害が発生するこ ことにあり、特に一般住宅に多く見受けられる。 とがある。 一方、工場は敷地面に複数の棟が点在し、各々 2 雷害対策 接地を設けていることが多い。近年では集中制御 電気・電子機器の雷害対策を施すには、まず保 管理が多くなり、各棟間を制御通信ケーブルなど 護したい機器の絶縁耐力を知ることが重要であ で接続しているため、落雷時における電位差の影 る。対策の基本は、サージ(過電圧、雷電流)の 特別企画 4 2016年7月号 事例から学ぶ雷被害の発生と対策 A棟 雷 配電変圧器 低圧電源線 B棟 ライン 制御装置 ライン 制御線 LA B種接地 LA接地 制御線 低圧電源線 電位上昇 電位差 電位傾度 電位差 (a)工 場 雷 配電変圧器 メッセンジャーワイヤ 低圧電源線 同軸ケーブル B種接地 パソコン 加入者保安器 (b)一 般 住 宅 第6図 需要家設備の雷被害例 低圧電源回路SPD 通信/制御回路用SPD 設備/機器 通信用/制御回路 SPD分離器 低圧電源回路 内部素子(MOV) 低圧電源回路SPD 等電位化 接地抵抗低減 第7図 電気・電子機器の雷害対策の基本 侵入をいかに阻止するか、過電圧をいかに抑制す る電気・電子機器の雷害対策基本例である。機器 るか、等電位化をいかに構成するかである。した の配置形態に関らず、電源線側には電源用 SPD がって、保護したい機器のメタル線路接続部の前 を、通信線側には通信用 SPD を設置し、保護対 段に適切な SPD を設置し、適切な配線、施工に 象機器と各 SPD の接地を共通(等電位化)にす よって等電位化を構成することに加え、接地抵抗 ることが重要である。電源用 SPD はⅠからⅢに を低減することである。 クラス分けされており、直撃雷の分流分が流れる (1)電気 ・ 電子機器の雷害対策 第7図は電源線と通信 / 制御線が接続されてい 2016年7月号 可能性があり、かつ接地抵抗が比較的高い場所に ある機器にはクラスⅠの SPD を、直撃雷の分流 特別企画 5 特別 企画 雷害対策 分が流れる可能性があるが、接地抵抗が十分に低 電システムの雷害対策例である。風力発電システ い場所や、直撃雷の分流分が流れない場所にある ムは高層ビル同様、上下間に過電圧が発生する可 機器にはクラスⅡの SPD を設置することが経済 能性があるため、風車内の上下間にある機器を接 的である。 続するケーブル接続部に、風車の外部ケーブル接 一方、通信 / 制御用 SPD は D1(直撃雷の分流 続部にそれぞれ適切な SPD を設置する。太陽光 分が流れる可能性がある)と C2(直撃雷の分流 発電システムは接続箱内のダイオード、PCS 直 分が流れる可能性がある)にカテゴリ分けされて 流入力部の保護のために、接続箱および PCS に いるが、ほとんどの SPD メーカーはカテゴリ D1、 直流電源用 SPD を PCS 交流出力部に設置する。 C2 双方の性能を満足するものを提供している。 従来の SPD は、その機能が正常なのか異常な 第8図は風力発電システム、第9図は太陽光発 のかの判断が目視では不可能であったが、近年の SPD は低圧電源用、通信、制御用共に故障表示 機能が付加されているものが主流となっている。 機能が低下または、故障したままでの使用は、当 センサー 然のことながら設備、機器の損傷に直結すること ナセル になるので、定期的な点検が必要である。 発電機/制御盤 (2)SPD の安全性 SPD は、 近年発刊された JIS C 5381-11:2014「低 制御・信号ケーブル 制御・信号・通信用 SPD 圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの 所要性能及び試験方法」など、設備や機器の過電 圧保護にとって必要不可欠な製品となっている。 一般的に、低圧電源に使用する SPD は MOV 電源ケーブル (Metal Oxide Varistor: 金 属 酸 化 物 バ リ ス タ ) 電源用SPD で構成されていることが多く、定格以上の雷電流 または定格以下の雷電流が繰り返し通電された場 制御/監視 装置 監視回線 合、漏れ電流が増加して短絡方向に故障すること が知られている。この場合、SPD は発熱し、発火、 焼損に至り、最悪の場合は火災となる可能性があ 風車接地 る。したがって、低圧電源に使用する SPD には、 第8図 風力発電システムの雷害対策の基本 劣化したときには安全に電源線路から SPD を切 制御・信号・通信用SPD 環境観測装置 アレイ架台 PCS 接続箱 PVアレイ 監視回線 DC AC 高圧電源線 集電箱 直流電源用SPD 低圧電源用SPD 低圧電源線 B種接地 第9図 太陽光発電システムの雷害対策の基本 特別企画 6 2016年7月号 事例から学ぶ雷被害の発生と対策 通信線 SPD 機器 1 2 接地線が長いと、SPD動作時の電流による電圧降下発生 2:1 400V 1:600V 第 10 図 不適切な接地線の配線(3) 通信線 SPD 機器 1 2 接地線を短く 2:600V 1:600V 第 11 図 適切な接地線の配線(3) り離す機構(SPD 分離器)を内蔵しているもの、 ることになる。この電圧が機器の絶縁耐力を超え または外部に実装して使用することが要求され ると、破損することになる。 る。 特に直流電源回路に使用する場合については、 一方、第 11 図は SPD の接地端子に接地極を 注意が必要である。 接続し、SPD の接地端子から機器の接地端子に 3 雷害対策の留意点 雷害対策では、SPD の接地線の敷設方法が重 接地線を接続している。この場合、SPD の抑制 効果が機器側でも同じになっているため、安全に 機器を保護することができる(3)。 要なポイントとなる。例えば、第 10 図のような 設計図面があるとすると、そのとおりに配線しが ◆参 考 文 献◆ ち で あ る。 こ の 場 合、SPD が 動 作 し た と き に (1)「次世代エネルギーシステムに係わる国際標準化に関する 研究」、2010 年1月 (2)横山他:「電気・電子機器の雷保護」 、電気設備学会、2011 年8月 (3)柳川:「よくわかる雷サージ対策技術」 、日刊工業新聞社、 2015 年8月 SPD の接地端子と保護したい機器の接地端子間 を接続する接地線に雷電流が流れ、接地線のイン ピーダンスによる電圧降下分が SPD の抑制効果 に加わった電圧として保護したい機器に印加され 2016年7月号 特別企画 7 特別 企画 雷害対策 受電設備の雷保護に最適 特高配電用ポリマー避雷器 音羽電機工業(株) http://www.otowadenki.co.jp 営業本部 TEL 0120-31-0108 ■製品概要 ■特長 22kV、33kV 特高配電用ポリマー避雷器は、従来品の ①屋内・屋外用や公称電圧 22kV 又は 33kV、公称放電 磁器がいし形避雷器に比べ、小型化、軽量化を実現した。 電流 10kA、5kA、2.5kA など豊富なバリエーション 業界的にも、電気設備の技術基準の解釈第 37 条の避雷 ②優れた耐汚損特性 器の施設(省令第 49 条)により避雷器の設置が求められて ③ポリマー外被により小型軽量で、取り付け及び取り扱い おり、需要は拡大する見込み。 ポリマー避雷器は、磁器形に比べ、小型・軽量で、現場 での取扱いにおいて割れにくいというメリットがある。国 に便利 ④直列ギャップを有しないため、放電の遅れが無く、雷サ ージに対し優れた応答特性 内では主流である磁器がいし形避雷器は、大型で、重量が 重く、他物との接触時に割れやすい等、装柱時の据付作業 において課題があった。今回、これらの課題を改善すると 共に、万一避雷器が故障しても、避雷器が爆発や飛散を起 こさないため、公衆安全性も向上させた。 特に屋内用はキュービクルなどの限られたスペースで使 用されるため、よりコンパクトな製品が求められる。 そんな中、今回のポリマー避雷器は全長で比較すると従 来の約 1/2 まで、質量は約 1/3 までコンパクト化・軽量 化が実現できた。 公 称 電 圧 22kV 又 は 33kV、 公 称 放 電 電 流 10kA、 5kA、2.5kA。JEC-2371 準拠。 特別企画 8 2016年7月号 資料請求 No.080 特別 企画 雷害対策 雷から設備を守る通信用 Smart SPD 誕生! (株)サンコーシヤ http://www.sankosha.co.jp SPD の 劣 化 や 交 換 推 奨 時 期 の 表 示 機 能 を 持 た せ た 「Smart SPD Ⓡ 」シリーズとして、従来製品の ZP 形、 東京支店 TEL 03-3491-2525 ● JIS 対応 SPD(カテゴリ C2、D1) ● SPD 劣化表示機能 CLP 形の性能を持った製品である。SPD 劣化表示、雷サ ●雷サージカウント機能 ージカウントを LED 点灯により容易に確認することがで ●2種類の駆動電源を選択可能 き、外部電源(DC24V)か電池のどちらでも駆動できる構 (外部電源(DC24V)or 電池) 造となっている。本製品は専用のプラグで繋げることによ ●接点出力機能 り SPD の劣化情報が伝送可能となり、接点出力ユニット ●配線・接地端子 M4 ねじ と接続することにより、最大 30 台までの状態監視、SPD ●配線端子に2枚の圧着端子接続可能 異常時の外部出力が可能。プラグイン型でスムーズな脱着 ●アースは接地端子・DIN レール(35mm 幅)のどちらで を実現し、配線を外すことなくプラグ交換を行うことが可 能である。接続ねじは M4 ねじを採用し、ネジアップ方 も接続可能 ● DIN レール(35mm 幅)と木板への取付の両方に対応 式により圧着端子が2つ接続でき、NM 形のマルチ配線が 可能となっている。 SPD のステータス表現 SPD のステータスを LED によりわかりやすく表示。 故障前の交換推奨表示機能を搭載しました。 接点出力ユニット SPD 劣化表示 (正常) <LED 表示> 緑色 :正常 SPD 劣化表示(交換推奨) 黄色 :交換推奨 赤色 :交換 雷サージの見える化を実現 雷サージ侵入時の動作回数をLEDの点滅回数にて表示。 3色の LED 点滅回数にて雷サージ侵入回数を表現し ました。 <LED 表示> 緑色 :100 桁 黄色 :10 桁 赤色 :1 桁 接点出力 接点出力ユニットを使用することにより、交換推奨/ 交換時に接点出力ユニットから信号(無電圧a接点)を 操作ボタン 発報します。 なお1台の接点出力ユニットで最大 30 台の SPD を 接点出力表示 電池劣化表示 SPD 劣化表示 (交換) 管理可能です。各ジャックを付属プラグで連結するた め、煩わしい配線が不要です。 特別企画 10 2016年7月号 資料請求 No.081 特別 企画 雷害対策 安全性の高いハイエンドモデル 電源用 SPD『AGN シリーズ』 (株)昭電 http://www.sdn.co.jp 事業推進部 TEL 03-5819-8373 ■概要 ■新試験装置「短絡電流試験装置」導入 近年、電源用 SPD は雷害対策機器として広く普及して より安全性の高い電源用 SPD を開発するには、最新 きた。その一方で電源用 SPD に許容以上の雷エネルギー の試験規格[JIS C 5381-11:2014]や SPD 用分離器 が通過して SPD の内部素子が短絡故障し、電源事故に至 ヒューズ(SFD)に関する規格[JEITA RC4501、4502: るケースが多く発生している。このような事故は SPD の 2013]に対応する必要がある。そのため昭電テクノセン 故障だけに留まらず、電気設備の火災に至るケースもある タ内に新たな新試験装置「短絡電流試験装置」を 2016 年 ため、SPD の内部素子を電源回路より安全に分離できる 4月より本格稼動した。 SPD およびシステムが必要になる。 本装置は、電源に接続する機器(電源用 SPD、電源装置、 昭電では新 JIS(JIS C 5381-11:2014)に対応し、 分電盤等)の交流および直流の大電流に対する安全性を評 Ⓡ 安全遮断技術 SITS を採用した安全性の高いハイエンド 価するための試験装置。出力電圧、電流の任意での調整に モデル「電源用 SPD AGN シリーズ」を新たに開発した。 より交流電源や直流電源および太陽光発電系統における短 ■特長 絡事故の模擬が可能になり、さまざまな製品の開発に活用 ①電源用 SPD の最新試験規格 [JIS C 5381-11:2014] している。 対応 ②安全遮断技術 SITS Ⓡを採用 ③ SPD に内蔵する熱分離器と連動する故障表示、警報接 点機能付 ④利便性の高いプラグイン構造 ⑤公共建築工事標準仕様書(平成 28 年版)の低圧用 SPD クラスⅡ対応 などがある。 また、新 JIS に対応したコストパフォーマンスの高い スタンダードモデル「GN シリーズ」も開発した。 短絡電流試験装置全景 AGN シリーズ本体 特別企画 12 GN シリーズ本体 2016年7月号 資料請求 No.082 特別 企画 雷害対策 導電性コンクリート接地電極 (株)ホクデン 営業本部 TEL 076-463-5666 http://www.hokuden-earth.co.jp/ ■「ホクデン EP-1」開発の背景 に最適な①優れた耐久性(腐食、電食防止効果)、②抜群の 建築物や電気設備の接地工事に要求される機能は、①地 強度(一般コンクリートと同等以上)、③環境対応製品(基 絡事故および電撃からの人命や家畜の保護、②電気・通信 準値以下)、④施工が容易(施工時に水が不要)、など。 設備および制御機器の被害防止、③機械的、熱的損傷防止 や耐久性(腐食、劣化の防止)が挙げられる。このためには ■ IEC 準拠・NETIS に登録 法令や規格・基準で要求される接地抵抗値の確保『接地抵 これらの性能は、国内試験機関による各種の評価試験と 抗値の低減工法』と雷撃に伴うサージ電流の流入、抵抗値 近年、制定された国際規格(IEC62561-7:2011)に準 (サージインピーダンス)が上昇しない『低サージインピー 拠した形式試験でも証明されている。 ダンス工法』が必要となる。 また、国交省が、公共工事などにおける新技術の活用を そして、これらの要求に応えるため、 (株)ホクデンは、 推進する目的で情報を一般に提供運用している NETIS に 導電性コンクリートの低減剤とパワーメッシュ(網状電極) 2015 年8月に登録された。 を併用した多機能性接地抵抗低減剤「ホクデン EP-1」を開 ■さまざまな現場で効果を発揮する高い汎用性 発した。 「ホクデン EP-1」は、一般の接地工事や、①太陽光発電 ■「ホクデン EP-1」の特徴 や風力発電などの発変電所の接地、②鉄道や空港などの主 同製品は、火力発電所にて発生する EP 灰(Electron 要電気設備の接地、③送電鉄塔・配電柱の接地ほか、さま Particle)に含まれる炭素を有効に活用し、硬化剤として ざまな設備機器の接地工事に最適である。 セメントを配合した導電性コンクリート接地電極である。 特徴は、優れた接地抵抗低減効果や、雷害防止の接地極 特別企画 14 資料請求 No.083 2016年7月号
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