この事例の詳しい内容

株式会社インプレスホールディングス
オフィスの移転・統合に合わせて
電話と無線LAN環境を全面的に刷新
ワークスタイルを変革し生産性を上げる
導入の狙い
オフィス統合に伴い電話、無線LAN
環境を全面的に見直したい
部門ごと、職種ごとの要求に合った多彩
なコミュニケーション手段を提供したい
導入システム
サーバー
『Cisco Business Edition 6000』
IPフォン
(固定電話)
『Cisco Unified IP Phone』
ソフトフォン
『Cisco Jabber』
Web電話帳『Collaboration Directory』
無線LANアクセスポイント
ネットワーク管理
『Cisco Prime Infrastructure』
導入効果
販売職は固定電話、編集職はソフト
フォンなど、ニーズに応じた使い分け
が実現
無線LAN環境の「見える化」によって、
フロア全体が「つながりやすい」環境に
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
株式会社インプレスホールディングス
●業種:情報・通信業
●事業内容:出版メディア事業、デジタル
専門性の高い書籍・雑誌やデジタルメディアなどを幅広く展開している
株式会社インプレスホールディングスは、IT、音楽、デザイン、山岳・自然、モバイ
ルサービスなどの各分野で専門性の高い書籍・雑記を発行し、デジタルメディアな
どを展開しているメディアグループである。2014年11月、別々のビルに分かれ
ていたグループ会社を一つのオフィスに統合した同社は、社内で使用する電話と無
線LAN環境を刷新。大塚商会の提案を受けて、世界的なブランド力と信頼性を誇
るシスコシステムズのソリューションを採用した。コミュニケーションの要であるこ
れらのインフラ強化は、ワークスタイルの変革と生産性向上に結び付いている。
メディア事業、ターゲットメディア事業、
サービス事業
●従業員数:491名
(2016年3月現在)
電話と無線LAN環境を刷新し、ワークスタイルの変
革と生産性向上に結び付いたインプレスグループ
2016年5月取材
計 7 , 0 0 0 万 部を突 破したパソコン
専門性の高い情報を
多彩なメディアで発信
する株式会社インプレスのほか、
『ギ
株式会社インプレスホールディング
ター・マガジン』
『 サウンド&レコーディ
ス
(以下、インプレスHD)
は、数多くの
ング・マガジン』などの音楽専門誌を
書籍・雑誌やデジタルメディアなどを
発行する株式会社リットーミュージッ
展開するメディアグループの持ち株会
ク、デザインとグラフィックの総合情
社である。
報誌『 M d N 』やW e bメディア『 M d N
グル ープ 会 社には、月刊 誌『 デジ
Design interactive』などを発行す
タ ルカメラマガジン 』やシリー ズ 累
る株 式 会 社エムディエヌコーポレー
1
解説書『できる』シリーズなどを発行
株式会社インプレスホールディングス
ション、月刊誌『山と溪谷』や『ワンダー
また、株式会社インプレスが運営
フォーゲル』などを発行する株式会社
し、I T 関 連 の 専 門メディアとして国
山と溪谷社などがある。
内最大級のアクセス数を誇るデジタ
このほかにも、デジタルコンテンツ
ル総合ニュースサービス『I m p r e s s
配信のI Tコンサ ルティングおよびソ
Watch』や、株式会社リットーミュー
リューション事業を展開する株式会社
ジックが運営する国内最大級の楽器検
ICE、電子書籍をはじめとする次世代
索サイト『 楽器探そう!デジマート』な
型出版事業を推進する株式会社イン
ど、グループ会社がそれぞれに紙の書
プレスR&Dなど、スマートフォン時代
籍・雑誌とデジタルコンテンツを巧み
に対応したコンテンツを提供する会社
に組み合わせた事業を展開している。
も同グループの一員となっている。
グループ会社間のシナジー効果に
IT、音楽、デザイン、山岳・自然、モ
よって、今後はより多彩なメディア戦
バイルサービスと、それぞれ分野は異
略を繰り広げられる可能性もある。イ
なるが、いずれも専門性が高くストー
ンプレスグループの成長機会は無限
リー の あるコンテンツを発 信してお
に広がっていると言えそうだ。
株式会社インプレスホールディングス
執行役員 有田 健二氏
「世界的なブランド力と信頼性を持ったシス
コシステムズのソリューションなら安心だと
考えて導入を決めました。大塚商会さんの
優れた提案力や、万全のサポート体制につ
いても高く評価しています」
り、紙の書籍・雑誌だけでなく、電子書
籍やW e bメディアといった多彩な情
報を波及・拡散させていくメディアグ
電話とデータ通信
二つのインフラをUCで一つに
ループを目指しているのだ。
インプレスHDは2014年11月、東
「インプレスグループは電子書籍の
京都内の複数の場所にあったグルー
黎明期からP D Fによる書籍を発行し
プ会社を全て移転し、一つのオフィス
ており、日本のデジタルメディア文化
に集約した。移転先は東京都千代田区
を切り拓いたパイオニアの一つであ
神田神保町。言わずと知れた国内最
ると自負しています。電子書籍の発刊
大の「本の街」である。その一角にあ
点数は2015年だけで約1,200点に
るオフィスビルの2フロアを新たな拠
上りました。今後もデジタルに強いメ
点とし、グループ力を結集して、
「本の
ディアグループとして業界をけん引し
街」神保町から新しいメディアやサー
ていきます」
ビスを発信する体制を整えたのだ。
そう力強く語るのは、株式会社イン
「グループ会社を結集したことには、
プレスホールディングス 執行役員の
相互のコミュニケーションを活性化し
有田 健二氏。
て、より大きなシナジー効果を引き出
デジタルメディアの深い経験とノウ
す狙いがありました。また、オフィスが
ハウを活用して、従来の出版モデルに
移転すれば社員の意識も変わります。
とらわれない新しい出版モデルの創
さまざまな意味でいい再出発になった
出に取り組んできた同グループは、デ
と思います」
と有田氏は語る。
ジタルによる編集・制作で電子書籍を
有田氏が兼務する株式会社Impress
報発信手段を駆使して、相乗的に情
作成し、同時に印刷書籍を作ることが
Professional Worksは、インプレ
可能な「デジタルファースト型」の出版
スグループの経営・販売・物流の管理
モデルを実現した。
業務を担っており、このオフィス移転
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株式会社Impress Professional Works
グループ技術部 次長
森島 登氏
「販売職は固定電話、編集・制作職はソフ
トフォンといったように、職種ごとに最適な
通信手段を状況に応じて柔軟に使い分け
られるようになったのは非常に便利ですね」
プロジェクトにおける電話およびネッ
きますし、通信手段の多様化によって
トワーク環境の整備を担当することに
コミュニケーションが活性化するのな
なった。これまで電話については同グ
ら、オフィス移転・統合の趣旨にも合
ループの総務部門が担当していたが、
致するので願ってもないことです。何
「これからは電話を含む通信インフラ
より、世界的なブランド力と信頼性を
については、全て情報システム部門に
持ったシスコシステムズのソリューショ
任せるべきだ」との社内合意が形成さ
ンなら安心だと判断して、導入を決定
れたことから、グループ全体の情報シ
しました」
と有田氏は語る。
ステムを管理する同社が取り仕切るこ
とになったのだ。
は大塚商会に設置や管理を任せてい
職種や状況に応じて通信手段を使い分け
ワークスタイルの変革で生産性を向上
た。そこで有田氏も大塚商会に相談し
こうしてインプレスグ ル ー プ は 、
たところ、電話とデータのネットワーク
2014年11月のオフィス移転に合わ
環境を一元管理できて、コミュニケー
せて電話およびデータ通信のインフラ
ション手段も多様化する画期的なソ
を全面刷新。UCに最適化されたシス
リューションがあることを知った。それ
コシステムズのサーバー『Business
総務部門はそれまで、電話について
固定電話とソフトフォンを職種ごとや状況に応じて使い分
け、生産性向上に役立てている
は、シスコシステムズが提供する「ユ
E d i t i o n 6000』のほか、固定電話
ニファイドコミュニケーション」
( 以下、
として同社製の『Cisco Unified IP
UC)
というソリューションであった。
Phone』117台、ソフトフォンとして
UCの特長は、
「ユニファイド」
(統合
『Cisco Jabber』
517台を導入した。
された)
という言葉が示すとおり、電話
統合化された通信インフラによって
とデータそれぞれのインフラを併設す
多彩なコミュニケーション手段が利用
る必要がなく、一つのインフラに統合
可能となったことは、インプレスHDの
することによって管理の簡素化やコス
ようなメディアグループにとって非常
ト削減などの合理化が図れることだ。
にメリットの大きな改善であった。
二つのインフラが一つになるのだか
出版メディアの業務には、書籍・雑
ら、導入コストや運用コストが大幅に
誌をつくる編集・制作業務のほか、出
削減されるのは言うまでもない。
来上がった書籍・雑誌を書店に流通さ
さらに電話とデータのインフラが
せる販売業務、メディアに掲載する広
一体化すれば、従来型の固定電話だ
告を扱う広告営業業務などがある。
けでなく、PCにインストールされたソ
「職種に応じて最適なコミュニケー
フトウェアによって通話するソフトフォ
ション手段が選べるようになったのは
ン、電子メール、インスタントメッセー
非常にありがたいことです。外部クリ
ジ、ビデオコミュニケーションなど、さ
エイターたちと連絡を取る編集・制作
まざまな通信手段を使って社内外との
スタッフは、相手の状況に応じて電話
コミュニケーションが可能となる。
や電子メール、インスタントメッセー
「これなら勝手の分からなかった電
ジなどを使い分けることができます。
話についても、情報システム部門とし
書店や出版取次会社(流通会社)など
て培ってきた当社のノウハウで管理で
と連絡を取る販売担当者は、従来型
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株式会社インプレスホールディングス
の固定電話を使うことが多いです」と
いち調査のためにフロアへ行く必要も
語るのは、グループ全体の通信インフ
ありません。定期的に無線LANの状況
ラ管理を担当する株式会社Impress
を確認して、場所ごとの伝達状況を改
Professional Works グループ技術
善するのに役立てています」
(森島氏)
部 次長の森島 登氏だ。
こうしてフロア内の無線L A N環境
編集・制作スタッフの多くは音声通
が改善されたことも、同グループの生
話に固定電話ではなくソフトフォンを
産性向上に結び付いているようだ。
利用しているというが、その際、相手
の状況を確認して最適なコミュニケー
役に立っているという。
UCの管理も大塚商会に委託へ
365日のフルサポートに期待
インプレスグループは今後、ワーク
電話とデータ通信のインフラが大き
スタイルの一つの形態としてB Y O D
く改善されたことを受けて、管理を担
(社員が個人保有する端末を業務に
当する森島氏らは、その利便性に関す
使用することを認める制度)
やテレワー
る認識をグループ内に広め、活用して
ク
(在宅勤務制度)
などを視野においた
もらうことに取り組んでいる。
取り組みをしていく。ソフトフォンなら、
「導入当初はソフトフォンに対して
ション手段を選べる「Web電話帳」が
使用する端末を問わず、外出先や自宅
『固定電話に比べると操作が分かりに
からでも内線電話を掛けることができ
くく、使いづらい』
といった声もありま
る。時間に追われる編集・制作スタッフ
したが、操作マニュアルを配布するな
が柔軟なワークスタイルを実現するう
どして利用を促しました。使い慣れてみ
えでも有効なソリューションであり、生
ると、Web電話帳などの便利な機能と
産性の向上にひと役買いそうだ。
組み合わせることで利便性を実感して
またインプレスグループは、社 内
もらえたようで、苦情も少なくなりまし
の無線LAN環境を改善するための施
た」
(森島氏)
策として、シスコシステムズが提供す
インプレスグループは、今後もU C
る
「Cisco Prime Infrastructure」
の活用を強化していく考えだ。
(以下、P I)というソリューションを導
その一環として、インフラの管理・
入した。PIには、フロア内における無線
運用をアウトソーシングできる大塚商
LANの伝達状況をPCの画面上で「見
会の『 U C運用おまかせサービス』の
える化」できる機能が搭載されている。
採用を追加検討している。
「同じフロア内でも、無線LANがよく
これは、UCの設定変更やトラブル対
届く場所とそうでない場所、何らかの
応、監視、障害切り分けなどのサービス
干渉を受けて電波が弱くなっている場
をワンストップで提供するもので、365
所があり、通信コミュニケーションを遮
日のフルサポートを実現している。
る原因となっていました。これまでは、
有田氏は「社内に専任担当者がいな
実際にフロアを歩き回って場所ごとの
くても、U Cを円滑に運用できるのは
伝達状況を確認していましたが、PIな
非常にありがたいことです。大塚商会
らフロア全体の状況がひと目で分かり
さんには、これからも頼もしいサポー
ますし、自席PCで確認できるのでいち
トを期待しています」
と語った。
PIの機能の一つである
「Floor View」。フロア全体の無線
LANの伝達状況が色分けによって視覚的に把握できる
インプレスホールディングスのホームページ
http://www.impressholdings.com/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2016年6月に作成されました。
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