最近の指標から見る米国経済(2016年6月

2016年6月29日
(No.2,495)
〈マーケットレポートNo.4,879〉
最近の指標から見る米国経済(2016年6月)
緩やかな景気拡大、政策金利は当面据え置きへ
雇用の増勢は鈍化
50
その他の景気指標は堅調
40
■5月の非農業部門雇用者数は前月比+3.8万人
の増加となり、前月の同+12.3万人増に続き低い
伸びにとどまりました。
■一方、5月のISM指数は製造業、非製造業ともに
50超の水準を維持しました。個人消費は、同月の
小売売上高が前月比+0.5%、自動車、ガソリン、
建材を除いたコア売上高も同+0.5%となりました。
【非農業部門雇用者数と失業率】
(%)
非農業部門雇用者数(前月比、左軸)
同上3カ月移動平均(左軸)
失業率(右軸)
9
8
30
7
20
6
10
5
0
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
4
16/1
(年/月)
(注)データ期間は2013年1月~2016年5月。
(出所)米労働省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■以上の通り、雇用統計を除く景気指標は、概ね底
堅く推移しています。米国の景気は緩やかながらも
拡大基調を維持していると判断されます。
65
【ISM景況感指数】
(ポイント)
ISM製造業指数
ISM非製造業指数
60
政策金利は当面据え置きへ
55
海外経済のリスクが高まる
50
■ 雇用改善のもたつきに加え、物価上昇率が目標値
である+2%を下回っていることなどから、米連邦準
備制度理事会(FRB)は6月の連邦公開市場委
員会(FOMC)で、政策金利を据え置きました。
45
13/11
14/5
14/11
15/5
15/11
16/5
(年/月)
(注)データの期間は2013年11月~2016年5月。
(出所)Datastreamのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■イギリスの欧州連合(EU)離脱で、欧州をはじめと
する海外経済の先行きに不透明感が浮上してきた
こともあり、当面のところ政策金利は据え置かれると
予想されます。
(%)
6
物価上昇率
(PCEコア)
2
0
▲2
【政策金利と物価上昇率の推移】
FRBの目標
4
英国EU離脱の影響は限定的
■米国が内需主導の成長軌道にあることを踏まえると、
イギリスのEU離脱による経済への直接的な影響は
限定的と考えられます。ただし、EU離脱が世界の金
融・為替市場に及ぼす影響には注意が必要です。
特にドル高が行き過ぎると、企業収益の悪化を通じ
て景気が失速するリスクが高まります。
(万人)
+2%
+1.6%
(16/4)
政策金利
(FFレート)
現行の誘導レンジ0.25%~0.50%
07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 16/1
(年/月)
(注1)FFレートは2007年1月5日~2016年6月28日。
2008年12月以降のFFレートは誘導レンジの上限を表示。
(注2)物価上昇率は2007年1月~2016年4月。PCE(個人消費
支出)コア物価指数の前年同月比。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2016年6月16日 米国の金融政策(2016年6月)
2016年6月 6日 米国の雇用統計(2016年5月)
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